自主避難者に対する住宅支援継続を求め、80の自治体が意見書!

福島第一原発事故による政府指示区域外避難者に対する住宅支援等を求め、少なくとも16都道府県の80地方議会が国などへ支援継続を求める意見書を可決していました。共同通信が報じました。>自主避難支援継続、80議会要請(共同通信、2017年5月23日)

自主費意見書を採択した自治体の一覧はこちらです。>自主避難者に対する住宅支援等を求める意見書一覧(PDF3頁)

自主避難者に対する住宅支援等を求める意見書一覧(凡例つき)

 

住宅支援を求める自治体1

住宅支援を求める自治体2

住宅支援を求める自治体3

 

原発事故避難者の住宅問題で復興庁と交渉~「国としての責任」を認めるも…

今年3月末に原発事故の区域外避難者(自主避難者)への住宅提供が打ち切られました。

福島県の資料によれば、打ち切り対象12,239世帯のうち、住居が確定した人は12,088世帯、未確定は119世帯。しかし、私たちはこれは過小評価ではないかと考えています。

FoE Japanも参加する「避難の協同センター」には、引っ越し先がみつからず、貯金もつきたなど、困窮した避難者からさまざまなSOSが多くよせられています。

4月に「避難は自己責任」などの発言を行った今村大臣が辞任し、新たに復興大臣に就任した吉野正芳氏は、「支援を求める人がいる限り、最後の一人まで支援する」と述べました。

これは果たして実現するのでしょうか?

5月15日、原発事故避難者の住宅問題に関して、復興庁と交渉を行いました。

復興庁の担当者は、「国としての責任を認識している」と明言。

しかし、相変わらず、避難者の状況把握を福島県に任せている復興庁の姿勢が浮き彫りになりました。私たちは、「最後の一人まで支援する、という吉野大臣の発言を具体化してほしい。大臣と避難者の面談、また復興庁による主体的な避難者の状況把握と対策をお願いしたい」と要請しました。

以下、概略を報告します。

170515_復興庁交渉2

避難者の住宅問題に関する復興庁・厚労省・国土交通省との交渉

日時:2017年5月15日16:00~17:30
場所:参議院議員会館102
主催:避難の協同センター
共催:「避難の権利」を求める全国避難者の会、原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)、原発被害者訴訟原告団全国連絡会

<復興庁への質問>

Q「避難の協同センター」が4月27日付で、復興大臣宛てに以下の要請を行っていますが、その回答をお願いいたします。

1)「原発事故子ども・被災者支援法」の理念を守り、その実現に力をつくすこと
2)避難者の実状把握を急ぐこと。
①現段階で住まいが確定できていない避難者の把握
②家賃支払いや転居費用などで経済的に困っている避難者の実態把握

3)上記の結果を踏まえて、緊急の避難者対策を行うこと。住宅無償提供打ち切りを撤回し、家賃支援を行うこと。
4)被害者の生活再建や被ばく防護策を含む、原発事故被害者救済のための立法を急ぐこと。
5)復興大臣が早急に避難当事者団体・支援団体からの意見聴取を公開の場で行い、施策に反映させること。

また、「復興庁が、福島県が把握している自主避難者の住居の状況や帰還できない理由などを来月の大型連休明けまでに集計、分析したうえで、対応策を検討する」(今村前大臣の4月18日付発言)ということになっていましたが、その結果についてご教示ください。

<回答>

●避難者の数および実情の把握について
・福島県が行っている調査結果を受けとっている。
・今村大臣4月18日発言「復興庁が、福島県が把握している自主避難者の住居の状況や帰還できない理由などを集計、分析したうえで、対応策を検討する」については、復興庁独自の調査などはやってない。
・福島県が、引っ越し先未確定としているのは119世帯(平成29年4月24日発表の数字)。
・この都道府県別/住宅種別データは復興庁としては把握していない。
(→「福島県はこのデータは持っていると言っていた。きいてほしい」と要請)
・転居先を教えたくない避難者もいるので、把握は困難。

●困窮する避難者への対応について
・全国26か所の生活再建支援拠点を設けており、困った避難者が相談できるようになっている。
・自治体やケアマネージャー、臨床心理士などにつなぐ。

●復興大臣と避難当事者との面談について
・復興庁全体として、避難者と会うなど対処する。
・(重ねて要請し、日程調整を求めると)ご意見として承った。復興大臣にご意見があった旨、報告する。

Q. 避難者のカウントについて:2月の交渉時に「避難者については、東日本大震災をきっかけに住居の移転を行い、避難元に戻る意思がある避難者を調査しており、引き続き同様に行う予定である。引っ越したからといって、避難者に含めないということはない。ただし、災害復興住宅に入居した避難者は除外している」と回答している。

1)区域内避難者も含め、災害(復興)住宅に入居し、結果として「避難者」から除外された人は何人か。

2)自治体によっては、当初の借り上げ住宅からの引っ越しを機に、避難者とカウントしなくなっている。結果、自治体によるばらつきが生じると思われるがいかがか。

3)避難元に戻る意思というのは、どのように把握されるのか。

回答:災害復興住宅に入居した世帯数は5325世帯。

引っ越す場合は、福島県に新たな住所を届けてもらうように自治体として言ってもらっている。社協と連携して避難者の情報の把握に努めている。

<厚生労働省への質問>

Q:雇用促進住宅については、所得要件が厳しく、事実上追い出され、行方がわからなくなっている人もでてきている。また、避難当時、雇用促進住宅に入居した人はその後、自治体の独自指針により、公営住宅の専用枠が作られても、応募ができなかった。こうした事実をまずは認識してほしい。雇用促進住宅を所管しているのはどこか?

回答:(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構。
状況については承った。
(生活保護の柔軟な運用を求めると)自分は担当ではないが、担当に確かに伝える。

<国土交通省への質問>

国が子ども・被災者支援法の基本方針にもりこんだ、「公営住宅の入居の円滑化」に ついて、以下について最新の情報を改めてご教示いただきたい。

①公営住宅の確保(県別、住宅種別) ②応募者数、入居決定者数(県別・住宅種別)

回答:公営住宅の入居の円滑化を、「専用枠」「倍率優遇」「その他」で分けている。
3月末時点で、専用枠については、設定1167世帯、応募348世帯、入居256世帯倍率優遇については、応募353世帯、入居28世帯
その他については応募97世帯、入居71世帯。
今後も、ひとりでも多くの避難者の人に利用していただけるため、努力していきたい。

最後に主催者側から、「この場に参加できない避難者の人たちも多くいる。吉野大臣は、最後の一人まで手を差し伸べると言った。これを実現してほしい。国の責任についても認めた。それであるならば、福島県まかせにせずに、国として取り組んでほしい。せめて実態把握を。私たち避難者に会ってほしい」と訴えました。

170515_復興庁交渉

原発の事故賠償・廃炉費用を託送料金で回収? ~議論のその後

2016年度後半、福島第一原発事故の事故処理費用や賠償費用、さらにその他の原発の廃炉費用の一部を、2020年以降託送料金で回収、つまり、すべての電力利用者が負担するという方針が経済産業省より示され、大きな議論が起こりました。

FoE Japanも、パワーシフト・キャンペーンやeシフトと連携し、新電力の声を伝える署名提出パブリックコメントの呼びかけなど活動しました。

その後の議論をお伝えします。

<パブリックコメントの結果は・・>

1月17日まで実施されていたパブリックコメントをへて、2月9日に開催された「貫徹委員会」で若干の修正を加えた「中間とりまとめ」が了承されました。中間、という名前ですが、今後さらに議論があるわけではなくひとまずの結論です。

▼「電力システム改革貫徹のための政策小委員会 中間とりまとめ」
http://www.meti.go.jp/report/whitepaper/data/20170209002.html

パブリックコメントでは、1412件の意見のうち、託送料金への上乗せに反対する意見が相次いでおり、委員会の中でも大石美奈子委員から様々な意見を踏まえて継続審議すべきとの発言がありましたが、それ以上の議論はなく(市場整備、インバランス誤算定などの議題が議論の中心を占め)、「了承」されました。

▼パブリックコメント結果はこちら
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620216013&Mode=2

超党派議員が開催する国会エネルギー調査会(準備会)第62回(2月21日)でも、大島堅一氏、金子勝氏、飯田哲也氏から厳しいコメントがありましたが、十分な回答はありませんでした。
FoE Japanも参加し、
・本来は原子力事業者(電力会社)の責任である(このことは政府も認めている)
・電力システム改革の趣旨に反する
・国民の理解を得られていない
ことについて改めて確認・質問しました。170221_資料

▼国会エネルギー調査会(準備会)第62回(2/21)
http://blog.livedoor.jp/gempatsu0/archives/469245.html

<原賠・廃炉支援機構法の改正>

市場整備なども含み広範囲にわたる「中間とりまとめ」の中では、「福島第一原子力発電所の廃炉の資金管理・確保の在り方」として、廃炉に必要な資金を第三者機関に積み立て、その機関が廃炉の実施を管理・監督する新たな制度をつくることが書き込まれました。

このことから、「原子力損害賠償・廃炉など支援機構法の一部を改正する法律案」が国会に提出され、衆議院、参議院での審議を経て、2017年5月10日、参議院で可決されました。「改正原子力損害賠償・廃炉等支援機構法」が成立し、福島第一原子力発電所の廃炉を実施するために、東京電力ホールディングスに対し、廃炉費用の積み立てが義務付けられました。

衆議院、参議院の経済産業委員会では、この法律案にともない、東京電力の廃炉作業の実態や、福島第一原発事故の現状や賠償について、また「過去分」の考え方、エネルギー政策など広く質疑が行われました。

衆議院経済産業委員会では、3月11日から4月12日まで4回の審査が行われ、4月14日に衆議院本会議可決(経過はこちら

参議院経済産業委員会では4月17日から5回の審査が行われ、5月10日に本会議で可決されました。 (経過はこちら

両院とも、採決の際には共産党議員の反対討論はあったものの「賛成多数」で採択されました。ただ、民進党・付帯決議は提案され、透明性の確保や説明責任、託送料金での回収は今回に限ることなどが書き込まれました。

衆議院 付帯決議   参議院 付帯決議

これを受けて、東京電力ホールディングスと原子力損害賠償・廃炉等支援機構は11日、福島第一原発事故の費用増大などを踏まえた再建計画「新々総合特別事業計画」の認定を国に申請しています。

<廃炉にかかる費用>

廃炉にかかる費用については、2016年後半に「東京電力改革・1F問題委員会」で議論され、現時点で見積もれる範囲の事故費用の総額が21.5兆円、そのうち廃炉費用は8兆円とされました。

しかしこれは、30~40年かかるとされる燃料デブリの取り出しまでのもので、その後の処理費用は見積もられていません。賠償費用や除染費用も、さらに膨らむでしょう。2017年3月7日には、日本経済研究センターから「事故処理費用は50~70兆円になる恐れ」というレポートも発表されました。
この点は、国会での審議でも繰り返し取り上げられ、世耕経済産業大臣も、デブリ取り出し以降の費用は未定であるため、これ以上になることを認めています。

<今回の提案の概要と問題点>

↓東京電力改革・1F問題委員会資料「福島事故及びこれに関連する確保すべき資金の全体像と東電と国の役割分担」をもとに作成

賠償廃炉費用

 

国会の中でも多くの疑問の声が上がったことを共有し、また福島第一原発事故の事故処理や廃炉費用の一部が、2020年以降託送料金で回収されるという事実を認識しながら、市民・消費者として引き続き、エネルギー政策のありかたに声をあげていく必要があります。

(吉田明子)

「日印原子力協定」ここが問題!

現在、日印原子力協定批准に関する審議が国会で行われています。
問題点を整理しました。見やすいパワーポイントでのまとめはこちら→日印原子力協定の問題点

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<現在の状況>
2016年11月に日印両政府が日印原子力協定に署名
2017年4月より国会にて批准可否の審議中

<論点>
二国間原子力協定は、「核物質,原子炉等の主要な原子力関連資機材及び技術を移転するに当たり,移転先の国からこれらの平和的利用等に関する法的な保証を取り付けるために締結するもの」とされています(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/atom/topics/jyoyaku.html)。つまり原発を輸出する際、日本には輸出国として、輸出した資機材が相手国によって軍事転用をされないようにする責任があると言えます。
さらに、現在の制度では、原発輸出にの際には「原子力施設主要資機材の輸出等に係る安全配慮等確認」を内閣府が実施することになっています(http://wwwa.cao.go.jp/oaep/)。つまり、相手国側が原発を運用する際、適切に安全配慮を行なっているかどうかを、確認する責任があるのです。

何世代にも及び核のゴミを残し、一度事故が起これば取り返しがつかない原発を利用することは、そもそも倫理的にも社会的にも問題です。それでなくても、現在議論されている日印協定及びそれを取り巻く状況は「インドが原発運用に関し安全に配慮し、かつ軍事転用しないことを保証する」ものではありません。簡単に解説していきます。

問題点その1:軍事転用を防げない
そもそも、インドは核兵器開発を行っており、核不拡散条約(NPT)にも加盟をしていません。日本はこれまで、中国を除き(現在は加盟国)、核不拡散条約に加盟していない国との原発協定を結んだことはありませんでした。核廃絶を国是とする日本が、事実上核兵器国のインドと原子力協定を結ぶことには被爆地からも強い反対の声がありました。
また、インドはもともとカナダの原子力協力より得た、技術や核物質を使って核開発を行ったという経緯があり、そこから原子力技術の輸出側は、軍事転用を防ぐためにの紳士協定を取り決め(原子力供給国グループ、NSG)、NPTに加盟していない国との協力は原則行わないというルールをもっていました。(この背景については→http://www.foejapan.org/energy/export/pdf/India_Nuclear_FS_Short_Revised.pdf

協定を結ぶ上で大きな論点となったのは「インドが核実験を行った場合、協定を停止する」ことを条文に盛り込むかどうか、そして再処理を認めるかどうかでした。後者の再処理については認めてしまいました。そして、そもそも、(核実験を行ったときに行動を起こすのではすでに遅いのですが…)現在議論されている原子力協定の14条(http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000202918.pdf)にはこう書いてあります。

14条「…協定の下での協力の停止をもたらし得る状況が、安全保障上の環境の変化についての一方の締約国政府の重大な懸念 から、又は国家安全保障に影響を及ぼすおそれのある他の国による同様の行為への対応として、生じたものであるか否かについて考慮を払うことを合意する。」

協定には「核実験したら停止」とは明確に書いていないばかりか、実験の理由によっては停止しないような含みさへ持っているのです。たとえば、インドとパキスタンは軍拡競争を行っており、二国間関係も良好ではありません。パキスタンが核実験を行った場合、インドがこれは重大な安全保障条の環境変化だと主張することは大いに考えられるのではないでしょうか。

さらに、協定の本文とは別の付属文書である「公文」
(i) 2008年9月5日のインド外務大臣の声明(「民生用原子力イニシアティブに関するプラナーブ・ムガジーインド外務大臣の声名」)が基礎
(ii) この基礎になんらかの変更があった場合停止手続き可能
(iii)この声名からの深刻な逸脱がみられる場合、再処理停止

としています。このiにある、インド外務大臣による声明には、核実験のモラトリアムだけでなく核軍備競争を含むいかなる軍備競争にも参加しないこと、核の先制不使用、なども含まれていますが、日本政府は「インドが核実験を行った場合には協定を終了する」と説明しており、非常に曖昧で不安定な協定であると言わざるをえません。

なお、いままでトルコ、ヨルダン、ベトナムなどとの原子力協定においては、日本が協力した施設等からの核廃棄物の再処理は、基本的には認めておらず、両国の合意が必要としており、トルコの原子力協定をめぐる国会での答弁では、日本は同意しないとしていました。これは再処理によって、軍事転用可能なプルトニウムが取り出されることによるものです。

しかしインドとの原子力協定においては、再処理を認めてしまっています。

問題点その2:インドの原子力安全体制は不十分 日本の安全確認の仕組み形式的
日本は、福島の原発事故を防げませんでした。インドはどうでしょうか。
インドでは現在20基ほどの原発が稼働していますが、1998~2010年の間に少なくとも年間21回から54回に及ぶ事故件数(Ramana 194)があると報告されています。

また、日本の原発事故の反省でも大きな焦点だった、原子力を規制する組織の独立性についてですが、インドの原子力規制委員会(AERB)は原子力省から独立していないと指摘されています。IAEAのレビューでも、AERBの独立性が問題視され、改善が促されています。

さらに、日本が原発を輸出する際に、3・11前から原子力安全保安院が「安全確認」を行っていました。3・11以降、原子力安全保安院がなくなりましたが、原子力規制委員会はこの業務を引き継ぐことを断り、結果的に内閣府に「「原子力施設主要資機材の輸出等に係る公的信用付与に伴う安全配 慮等確認に関する検討会議」が設けられました。
新たに設けられた検討会議は、以下の点を確認するとしています。(>要綱

1 相手国・地域が安全規制を適切に行える体制等を整備していること
2 国際取り決め等を受け入れ、遵守して いること
3 輸出する機器等の製造者が、品質確保や保守補修および関連研修サービスを適切に行っていくこと

しかしこの調査は、イエス・ノー方式で質問票を埋めるもので、主体的に安全性を確認するものになっておらず、質問票の内容も原子力安全条約やIAEAの総合規制評価サービスの受け入れなどをきくのみで、極めて表面的なものです。また核不拡散条約(NPT)や包括的核実験禁止条約(CTBT)など、核不拡散を担保するような条約が質問票の項目にはいっていません。
また、事業ごとの立地や事業特性などを確認するようなものにはなっていません。公開は、事後的に「議事要旨」のみで、透明性にも問題があります。さらに、インフラシステム輸出戦略を所管する、つまり原発を推進する主体である内閣府を中心とする体制では中立性は担保されません。

ちなみに、この確認内容は、3・11前に原子力安全保安院が行っていた内容とほぼ同等ですが、一定の専門性を有していた原子力安全保安院ではなく、内閣府が行うこと、15億円以上の事業は対象外にすることなど、実質は後退しています。

 

それ以外の重要な論点
FoE Japanでは2015年にインドを訪問し環境活動家や原発に反対する地域住民、ジャーナリストらと意見交換を行いました。インドでは情報公開も進んでおらず、原子力技術が核兵器技術と密接に関わっていることから、情報公開を要求してもほとんど情報が得られないそうです。

原発が立地する各地では、市民が命がけの反対運動を展開しています。私たちがあった人々も日本にはインドへの原発輸出をして欲しくないと話していました。

また、原子力などの大型インフラを輸出する際には、公的資金の動員も予想されます。国際協力銀行(JBIC)および日本貿易保険(NEXI)は現在、原発輸出にかかる指針を策定している最中ですが、その指針の内容は情報開示のみに限定され、事業における安全配慮確認については前述のように内閣府の確認は「ざる」であるのにもかかわらず、政府まかせになりそうです。

私たちの税金が、こういった持続可能でなく地元の人が反対しているようなプロジェクトに使われるのは問題ですし、なにより福島事故が収束していない中、日本が原発輸出を進めることは非倫理的であると言わざるをえません。

私たちは強くこの協定に反対していきます。

ジャイタプール

(ジャイタプールの女性らによる原発反対集会)

 

吉野新復興大臣に要請~避難者に向き合って!

記者会見_復興大臣交代に際して_2

復興大臣の交代を踏まえ、本日、避難者支援を行っている「避難の協同センター」は、以下の要請書を吉野正芳復興大臣宛てに提出しました。


2017年4月27日

復興大臣 吉野正芳 様

 

【要請書】避難者の実態に向き合い、「人」を大切にする政策への転換を

このたび今前村復興大臣が、東日本大震災に関連し、「東北で良かった」という趣旨の発言を行い、その後、被災者を傷つける発言をしたとして、復興大臣を辞任しました。

一連の今村前大臣の発言は、人に向き合っておらず、ハコモノ・インフラ建設にのみ注力する「人間なき復興政策」の表れではないかと考えます。また、今回の今村大臣の発言は地震・津波に関するものであるととれますが、原発被害に関しては、現在に至るまで、危険と被害が地方に押し付けられ、大都市圏が利益のみを享受するという歪んだ構造が存在していることを認識すべきだと考えています。

私たちは、今月4日の「自主避難者が福島に帰れないのは本人の責任である。基本は自己責任。裁判でも何でも,やれば良いではないか」という発言に抗議し、復興大臣の辞任を求めるとともに、避難者を切り捨ててきた政策の転換を求めて、復興庁に申し入れを行いました。

2012年6月に自民党・公明党も含む、全国会議員の賛成のもとに制定された「原発事故子ども・被災者支援法」は、「放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分解明されていない」(第一条)と明記しています。国の「これまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任」(第三条)についても明記し、「居住」「避難」「帰還」の選択を被災者が自らの意思で行うことができるよう、医療、移動、移動先における住宅の確保、就業、保養などを国が支援するとしています。しかし、これらの理念は、ほとんど具体化されていません。

私たちは改めて吉野正芳新大臣および復興庁に対して、以下を求めます。

  1. 「原発事故子ども・被災者支援法」の理念を守り、その実現に力をつくすこと
  1. 避難者の実状把握を急ぐこと。
    ①現段階で住まいが確定できていない避難者の把握
    ②家賃支払いや転居費用などで経済的に困っている避難者の実態把握
  1. 上記の結果を踏まえて、緊急の避難者対策を行うこと。住宅無償提供打ち切りを撤回し、家賃支援を行うこと。
  1. 被害者の生活再建や被ばく防護策を含む、原発事故被害者救済のための立法を急ぐこと。
  1. 復興大臣が早急に避難当事者団体・支援団体からの意見聴取を公開の場で行い、施策に反映させること。

以上

避難の協同センター

3.11を忘れない~福島第一原発事故から6年

311日、東京電力福島第一原発事故から丸6年を迎えました。3月末には、帰宅困難区域を除き、飯舘村や浪江町、富岡町などの避難指示が解除されました。

また、災害救助法に基づいて各都道府県が自主避難者に提供していた住宅支援も3月末で打ち切られました。

FoE Japanでは310日、福島原発事故から6年の節目にシンポジウムを開催し、福島にくらす方々の声や、「復興」の名のもとに進められる帰還政策の課題を共有しました。

福島原発告訴団の武藤類子さんからは、困難を極める福島第一原発の廃炉作業や除染の実態について、また福島県内の複雑な状況を共有いただきました。自治体などの帰還圧力の中、県や市町村の職員の自死が20164月からの1年で9人となったという悲痛な状況が伝えられました。

被ばく労働を考えるネットワークのなすびさんからは、過酷な廃炉作業労働者の実態が伝えられました。重層下請けによりわずかな危険手当で、健康管理手帳の対象外で、がんなどにかかった際にも健康診断の無料受診さえ対象外です。

事故直後関西に母子避難し、2016年春に福島に戻ったお母さんは、差別やいじめも受けた避難先での生活は限界を超えていたといいます。

福島市に住み、2016年から家族が避難生活をはじめたお父さんは、自ら向き合って選択することの重要性、そして家族と離れてくらす寂しさを語りました。

小学生のときから保養に参加し、今ではスタッフとしても保養プロジェクトに参加している高校生は、ドイツでの経験交流で原発事故の怖さや被ばく労働する作業員の現状を目の当たりにし、日本でも現状を正確に学ぶべきだと訴えました。

 

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200名以上の参加者が耳を傾けました。

 

FoE Japanが主催している福島ぽかぽかプロジェクトは、福島に住む親子が週末に滞在し、自然の中で思い切り遊び、普段話せない思いを語り合う貴重な場となっています。

「お母さんたちが安心して思いを吐き出せる場でありたい」ぽかぽかプロジェクト担当の矢野は語ります。

 後半には、立命館大学(当時)の大島堅一さんから、増大し続ける原発事故のコストと、東京電力が責任を負わないまま国民負担とされようとしている現状を共有しました。原子力発電については、国による保護策が次々とつくられています。

FoE Japan吉田からは、電力システム改革と電力小売全面自由化の中、誰でもができる意思表示としてパワーシフト・キャンペーンを紹介しました。

4月、住宅支援の打ち切りで帰還や引っ越し、やむを得ず経済的負担を負わざるを得なくなった方々がいます。自主避難を自己責任と切り捨てる復興大臣の発言が問題となりましたが、現状は「自己責任」の避難ではありません。
生の声を聞くこと。福島原発事故を忘れないために、そして行動するために、貴重な機会となりました。

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                                                                                                                           (吉田 明子)

 ▼シンポジウム「3・11を忘れない〜福島から未来へ」3/10http://www.foejapan.org/energy/evt/170310.html

▼声明:福島原発事故から6年~国策が被害者を追いつめる
http://www.foejapan.org/energy/library/170310.html

 

「3・11甲状腺がん子ども基金」による患者アンケート~結婚や治療費、就職に悩み

3・11甲状腺がん子ども基金」(※)では、昨年12月から今年3月まで、原発事故当時4~18歳の81人の青少年に対して療養費の支援を行い、4月11日に療養費給付のまとめおよびアンケート調査結果を発表しました。

療養費支援を行った81人の県別の内訳は、福島県58人、神奈川県4人、宮城県・埼玉県・東京都が各3人、長野県が2人、秋田県・岩手県・群馬県・茨城県・千葉県・新潟県・山梨県・静岡県が各1人となっています。男女比は、男35人、女46人。事故当時4歳が2人、5歳が1人。

81人のうち10名が肺転移などにより、アイソトープ治療を行っていました(福島県内2名、県外8名)。また、5名の再発例がありました(いずれも福島県内)。

県民健康調査を介して、がん が見つかり手術を受けた 4 歳児は、「県民健康調査」検討委員会が発表している合計数には 含まれていないことが明らかになりました。県民健康調査で「経過観察」となった子どもたちは、その後甲状腺がんと診断されても、県が公表している数値には含まれておらず、実情を反映していないことが問題となっています。

「基金」では、療養費を給付した子どもたちの治療環境や生活の質の改善につなげるため、アンケートを実施しています。このたび公表されたアンケートからは、結婚や治療費、就職などへの悩み、周囲の人たちに病気について打ち明けていない状況などが明らかになってきています。また、4人に1人が予定していた計画(進学・就職など)を変更・断念したと回答しています。

以下、「3・11甲状腺がん子ども基金」が集計したアンケート結果の抜粋です。

【回収期間】2017年1月〜4月1日
【対象者】「手のひらサポート」受給者72家族
【回答数】68人(回答率95・4%)

甲状腺がんと診断されて悩んだことを尋ねたところ、「結婚」と答えた人が35人と最も多く、全体の51.4%を占めた。次いで「学業」と「治療費」が33人(48.5%)、「就職」が30人(44.1%)となった。その他、「甲状腺癌の再発」「将来の自分の健康」「がんに伴う健康不安」「他の臓器への転移」「手術への不安」「手術後の傷跡」といった病気や手術に伴うもののほか、「精神的な影響」「母親の健康不調で、子どもの癌を手術直前まで告知できなかった」「いつ死ぬのか」「自分だけがなぜと悩んだ」といったがん特有の不安、「仕事を続けられるかどうか」「対人関係において理解が得られないことがあるかもしれない事」といった社会的な不安も挙げられた。

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甲状腺がんと診断された後、進学や就職など予定していた計画を変更したり、断念した経験があるかとの質問については、約25%にあたる17人が「ある」と回答した。

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診断結果を誰に伝えているかという設問には、子どもが甲状腺がんとなっている事実を多くの人に話していないことが見て取れた。家族内では共有していない家庭が1家族あり、また半数の家族が「親戚」にも話していなかった。

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医師や医療機関へ対する要望については、予約が取れない、手術までの待機時間が長い、診察待ち時間が長い、説明が不足しているといった声が多数あった。

<以下意見の抜粋>

・ 見逃しのないよう検査レベルを上げてほしい。事故から30年は検査を勧めてほしい
・ 福島県外で県民健康検査を受けてがんの疑いと思われる場合、早めに検査結果を確認して次へ進めるようにしてほしい。県外で検査した場合すぐに治療に進むのではなく、福島からの判断待ちで先に進めない。もっと早く治療できたはずなのに、とても残念。・ 癌と診断されてから手術までがとても長くつらかったので、早く手術できるようにしてほしい
・ 近くの病院に手術担当医が来てくれるが、月1回なのでなかなか予定が合わない。
・ 診察日等、医療側に合わせて通院のために仕事を休まなければならない点で苦労している。
・ 定期検査が半年に1回あるが、病院がとても混んでおり、ほぼ1日近くかかってしまう。
・ 予約で行ってもいつも混んでいて1日がかりになってしまう。
・ RI治療を行っている医療機関が少ないのでもっと増えるといいと思う

転院やセカンドオピニオンについての設問では、半数の患者が、転院やセカンドオピニオンを検討したり、実際に行ったと回答した。転院した理由は、通院の利便性のほか、治療や診療に対する課題から転院を選んだ人がいた。 転院やセカンドオピニオンを検討しながらも、経済面や医師への遠慮、時間的な問題などから、実施できずにいた患者も一定数存在していた。

通常のがんであれば、ここまで秘匿されなかったかもしれませんが、甲状腺がんが原発事故による被曝により引き起こされたかもしれないこと、福島県内で被ばくに関して語ることが困難な「もの言えぬ」空気が、より一層、患者たちをおいつめ、甲状腺がんであることを周囲に打ち明けられない状況にしたと考えられます。

※FoE Japanは「3・11甲状腺がん子ども基金」の設立準備を支援しました。現在はFoE Japanの満田が理事に加わっています。

 

 

インターンレポート:2/23気候変動影響の中で生きる

インターン生の池上です。
2/23に東京ウィメンズプラザにて「気候変動影響の中で生きる〜インドネシア 海面上昇の村、水不足の農村の人々の挑戦〜」というシンポジウムが開催されました。インドネシア・BINTARI財団のAmalia Wulansari氏からは、農村における気候変動による影響とその気候変動に対する適応対策、Arief Khristanto氏からは、海面上昇による被害を受ける沿岸コミュニティにおける適応対策についてのスピーチでした。

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浸水の被害を受ける地域(インドネシア)

気候変動によって特に南の発展途上国では大変な被害を被っているということは、皆さんもメディアなどによって聞いたことがあるかもしれません。でも、現地の方の話を聞くと本当に大変なことが起きているのだな、と身にしみて感じてきます。例えば、インドネシアの農村では作物を時期によって(主に乾季か雨季)植えています。気候変動によって極端に雨が降り続けたり、止んだと思ったらカラッとした日が何日も続いて季節がわからなくなってしまう。また、気候変動の適応の仕方もわからないのでどうしようもない。これらとその他の要因もあって稲作地の収穫量が減少してしまい、農家は土地を売却したり、生計手段を変えなければならなくなってしまうといった影響が出てしまうのです。また、沿岸部では海面上昇によって多くの家が冠水し、別の家に住まざるを得ない状況にもなってしまいました。
これらの例を解決するために、「適応対策」がなされました。気候変動というのはどういうものなのか理解し、その次にどのように適応するか計画し、実践するというものです。コミュニティレベルから広がってゆき、成果は本当に目を見張るものでした。しかし、適応対策するにはいろいろ課題があります。適応対策を知らない政府の職員に入れ替わると活動が難しくなってしまうことや、気候変動のスパンは長いようで短く、適応しているのに追いつかなくなってしまうことなどです。
最後に私が思ったことなのですが、気候変動を起こしてしまっているのはほぼ大部分が先進国なのです。それが最も影響してしまうのは発展途上国なのです。気候変動によってその気候に適応せざるを得ない途上国の人々の活動をみて、私たちは気づき、危機感を持たねばならないのです。

▼当日の資料はこちら
http://www.foejapan.org/aid/community/mangrove/170223.html

インターンレポート:(2/24)Climate Justice Now!気候正義のアジアでの被害

インターンの近藤です。
2月24日、文京シビックセンターにおいて、アジアの気候変動の現実とClimate Justice(気候正義)との題目でシンポジウムが行われました。今回は、はじめに科学的な視点から見た気候変動の現状について地球環境研究センターの江守氏から基調講演をいただきました。それから、FoEスタッフの小野寺と深草からそれぞれCOP22交渉のポイントとCOP23に向けて、COP22と気候正義を求める市民社会の声という題で国際交渉の観点からの話があり、さらにArief Khristanto氏とAmalia Wulansari氏からインドネシアにおける被害の現状と彼らの取組についてのプレゼンテーションが行われました。

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今回の講演での大きな収穫は、やはりインドネシア現地で働く方の声を生で聞けたということです。途上国では、インフラの整備が十分ではない上に自然環境の影響を受けやすい農業や漁業に従事している人が多く、気候変動は彼らにとって生活に関わる重大な問題となっています。家屋や畑が浸水しトイレやお風呂も使えなくなるなど、まともに生活を営むことができなくなっている映像はわたしにとって大きな衝撃でした。今まで海面上昇で影響を受けているのは、ツバルのようなオセアニアの島国だけかと思っていたからです。同じアジアでもこのような状況に陥っているということに、同じアジアの島国に住む人間として危機感を覚えました。

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気候変動の影響に対して脆弱なのは、これまで温室効果ガスをほとんど出してこなかった途上国の人々です。しかしながら、途上国の住民も行政も気候変動によって引き起こされた問題について解決する能力をもっておらずなすがままにしてきたため、被害は深刻になる一方でした。インドネシアでも、浸水の影響を緩和するための政府の計画はインフラのみで、未だに以前のような暮らしに戻ることができていない人々もいます。わたしたち先進国の人間は今まで多量の温室効果ガスを排出してきた現実を受け止め、パリ協定での気温上昇を1.5℃に抑える目標に向けて自国の対策を進めるとともに、途上国に資金と技術の供給を行うことで責任を取ることが早急に求められているのです。

Climate Justiceという単語は、FoE Japanでインターンをして初めて耳にしました。わたしが理解するに、「気候正義」とは今まで化石燃料などを大量に消費してきた一握りの先進国が気候変動の現状を真摯に受け止め行動することでその責任を果たし、今までさほど化石燃料などのエネルギーを使ってこなかったにも関わらず気候変動の被害をもろに受けている途上国の不公平性を正そうというムーブメントのことです。気候変動の影響はよくマスメディアでも取り上げられますが、だれがこの変化の影響を最も被るのか、という点は見落とされがちです。まずは、「Climate Justice」についての先進国の人々のいち早い理解・協力が必要であると考えます。

(インターンスタッフ 近藤)

ベルタの暗殺から1年~脅かされる活動家たちの生命

日本国内ではあまり取り上げられませんでしたが、非合法伐採や地元先住民を脅かすダム建設、国内米軍基地などに反対し闘ってきた中米ホンジュラスのベルタ・カセレスさんが自宅で暗殺されて、3月3日でちょうど1周年を迎えます。その場に居合わせたFoEメキシコ代表も重傷を負いました。同国では2010年以降120名以上の環境活動家・人権活動家が同様に命を落としています。

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実はホンジュラスに限ったことではなく、環境や人権を擁護する地域のリーダーや活動家への弾圧が世界的に急増しています。人権問題と環境に取り組む国際NGO グローバルウィットネスによれば、2012年に世界での犠牲者の数がそれまでの3倍に跳ね上がりその後も増え続けています。2015年には186名が殺害されましたが、これは同年命を落とした報道記者の倍にあたる数です。

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今日、環境を守るために活動するということは旧来の自然保護の枠を超え、多くの国や地域で強圧的政権や大企業などの既得権益に対し土地や地域社会の権利、人権を守ろうと志す多くの人々の命を賭けた活動ともなっています。

こうした状況を受け、2012年にFoEインターナショナルはアムステルダム事務局内に人権擁護者(Human Rights Defenders – HRD)プログラムを設置し、脅迫、暴行、誘拐の危険や政府による活動の非合法化に晒されている現地FoEメンバーや協力団体、地域社会のリーダーや活動家へ法的資金的な緊急支援を行う体制を設けました。その後2年間で20カ国以上に緊急支援を行い [1]、昨年FoEナイジェリア代表の家族が誘拐された際は誘拐者との交渉し解放に至るなど実績を挙げています。この成果を受けて、昨年12月のインドネシアでの隔年総会で、政府の弾圧や活動者へのテロが再燃・拡大しているアジア7カ国(バングラディシュ、スリランカ、フィリピン、インドネシア、マレーシア、パレスチナ、(極東)ロシア)にこのプログラムを拡げることが決まりました。

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( 2016年FoEインターナショナル総会で、命を落とした環境・人権擁護者に黙祷を捧げる各国代表)

世界的な右翼国家主義者、民族主義、宗教原理主義の台頭はアジアでも顕著となっています。占領に苦しむパレスチナ、宗教・文化的弾圧が強まっているバングラデシュなどで環境保護や人権擁護を行うことはしばしば命を危険に晒すことになります。

フィリピンでは歴代の政権下でも、政治的殺害が頻繁に起きており、多くの人権・環境擁護者らが暗殺をされてきましたが、昨年6月末に大統領に就任したドゥテルテ政権の下でも、深刻な人権侵害が続いています。日本企業が関わるニッケル開発事業の問題をFoEJapanも調査してきた地域で、今年1月に先住民族ママヌワのリーダーであるヴェロニコ・デラメンテ氏(27歳)が暗殺されました。(FoE Japanでは共同声明を発表しました[2])。

FoEロシア(Russian Socio-Ecological Union)は200以上の団体からなるロシア最大の環境ネットワークですが、複数のメンバー団体が政権から「外国の手先(foreign agent)」の指定を受けました。この指定を受けると海外からの送金を禁止され、いつどこでも当局は令状なしに家宅捜索、押収、身柄拘束をすることができます。ターゲットにされれば事実上活動はできず閉鎖に追い込まれます。(同様の措置がインドでも取られており、ロシアを見習う形で事実上独裁のポーランド、ハンガリーなど東欧旧共産圏諸国にも広がっています。)

私たちは今、急速にそして大きく変わりつつある世界に生きています。米軍基地移転では辺野古の基地建設を強行し不当逮捕などで地元の反対運動を脅かしています。

FoE インターナショナルは、沖縄での基地建設反対運動に参加する市民への暴力的な抑圧についても懸念を示しており、先日も山城博治さんの不当勾留を非難する声明を発表しています。

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FFTVでもこの点について、放送しましたので是非ご覧ください。

人権や環境を守るために活動する人々を「Human rights defender(人権擁護者・人権活動家)」と呼び、国連でも「人権を擁護する活動に対する権利」が1999年に採択されています。

権力や暴力に抑圧されてしまいがちな、社会的に弱い立場に置かれているグループとともに、声を上げ続ける活動家の命や人権が脅かされることはあってはなりません。日本も例外ではありません。国内での活動家・市民による表現や行動の自由・権利を守るだけでなく、海外で横行する活動家の権利侵害には現地に進出する日本や、政府も無関係ではないことも鑑みながら、国際社会の一員としてこう言った状況を積極的に改善していくよう働きかけることも求められています。

(小野寺ゆうり)

[1] http://www.foei.org/resources/publications/publications-by-subject/human-rights-defenders-publications/we-defend-the-environment-we-defend-human-rights

[2] http://www.foejapan.org/aid/jbic02/rt/press/20170206.html