ストップ石炭!パリ協定に逆行し石炭融資を続ける日本に厳しい国際社会の目

ードイツ、ボン

石炭火力はパリ協定の1.5度目標と矛盾するー石炭火力プロジェクトに反対する市民グループが、現地時間9日朝、COP会場でアクションを行った。屋外で行われたアクションでは、インドネシアやタイ、フィリピン、アメリカなどの国から市民団体が集まり、日本の公的融資や民間企業が関わる事業によって生じている環境破壊や人権侵害、気候変動への影響についてスピーチを行い、日本の石炭火力推進政策を非難した。日本は世界でもっとも公的資金を使って石炭火力事業を支援している国として、国際的に批判を浴びている。

パリ協定を批准してからも日本の石炭支援は止まらない。2017年4月、日本の国際協力銀行(JBIC)は、インドネシアのチレボン石炭火力発電所の拡張案件に対する融資を決定。しかし、同案件は地元住民の反対の声も大きく、事業の合法性をめぐる裁判では住民側が勝訴した。FoEインドネシア(WALHI)事務局長のヤヤ・ハダヤティは「インドネシア国内法の遵守、人権尊重、そしてJBICの環境ガイドライン遵守の観点から、JBICは貸付を行うべきでない。」と訴えた。また「地元住民の生活や人権を守るため、日本は”公正”な解決策で途上国に貢献すべき」とも話した。

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COPに参加している政府代表団は、パリ協定のルール作りや気候変動への行動を会議場で語る一方、先進国の企業や銀行、政府は未だに温室効果ガスを大量に排出する石炭火力発電に巨額の投融資を続けている。イギリスやフランス、カナダなど少なくない数の先進国が脱石炭を約束する中、日本は逆を行く格好だ。

COP会場内で同時に行われたアクションでは、参加者は日本が関与する石炭関連プロジェクトの写真を掲げ、先進国に対して一刻も早く石炭火力から脱却するよう訴えた。さらに先進国に対して汚いエネルギーで支援するのではなく“公正でクリーンな解決策”で途上国を支援するよう求める声も上がった。

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プレスリリース

2017年11月9日
原文(英語)

地球の気温上昇を1.5度未満に抑えるため、日本は石炭への投資を止めて!

11月9日(木)、世界中の市民社会組織(CSOs)がボンで開催中の第23回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP23)の会場で抗議アクションを決行し、気候に破壊的な影響をもたらす石炭関連事業に世界各国で投資を続けている日本への注意喚起を行ないました。石炭は大きな汚染源であり、2015年12月のパリ協定で各国が合意した野心的な目標、つまり、地球の平均気温上昇を1.5度未満に抑えるという目標に合致しません。市民社会組織は、気候変動対策において日本が責任ある役割を果たし、人びとや気候に優しい再生可能エネルギーへ資金の流れを転換するよう訴えました。

日本は主要7カ国(G7)のなかで唯一、電力会社が政府の支援を受けながら、国内外での新規の石炭火力発電所の建設を予定しています。しかし、2015年にG7諸国は、今世紀末までに世界経済の脱炭素化を図ると宣言しました。この達成には、CO2排出量の厳しい削減を要し、2050年までに各国のエネルギーセクターの抜本的な転換も行われなくてはなりません。

こうした状況にもかかわらず、『Global Coal Exit List(脱石炭リスト)』(ドイツの環境NGOウルゲバルト(Urgewald)がCOP23期間中に発表する世界の石炭関連事業に関連する企業の包括的データベース)に掲載された大半の日本企業は、22社のうち16社が石炭火力の拡張計画を有しているなど、依然として石炭関連事業を拡大する傾向にあります。FoE Japan気候変動・エネルギー担当の深草亜悠美は、「世界中の人びとがすでに気候変動の恐ろしい影響を経験しています。こうした気候変動を引き起こしてきた歴史的な責任があるにもかかわらず、日本政府はクリーンでない汚染源となるエネルギー事業への資金提供をむしろ続けています。日本政府は破壊を引き起こす方針を転換し、クリーンなエネルギーを届け、気候変動へのさらなる影響の回避に貢献する再生可能エネルギーへの資金提供に切り替えることができます。」と述べました。

(脱石炭リストによれば)特筆すべき日本企業は世界26位の石炭火力発電事業者である丸紅で、アジアおよびアフリカの9カ国で新規石炭火力発電所の建設を計画するなど、石炭関連事業を進めるトップ企業の一つとなっています。

国際協力銀行(JBIC)は、インドネシア西ジャワ州で丸紅が関与するチレボン石炭火力発電事業・拡張計画(1000 MW)への融資契約を締結し、大きな議論を巻き起こしています。地元コミュニティーは生計手段の喪失や健康への影響を懸念し、2016年12月、同拡張計画の環境許認可の取り消しを求めて、地元政府を行政裁判所に訴えました。そして、2017年4月19日に出された地方行政裁判所の判決で、地元の空間計画への不遵守を理由に同拡張計画への許認可の取り消しが宣言されました。それにもかかわらず、JBICはこの1、2週間のうちに同拡張計画への融資の支払いを行なう姿勢を見せています。インドネシア環境フォーラム(WALHI:ワルヒ)のヌル・ヒダヤティは、「JBICは、すぐにも予定されている新たな訴訟の最終判決が出されるまで、同チレボン拡張計画への融資支払いを行なうべきではありません。JBICは、地域住民の権利、現地国の司法判断、そして、JBIC自身の環境ガイドラインを尊重すべきです。」と述べました。

FoE Japan深草は、生計手段の喪失や健康への影響を懸念する地域住民、および、事業の違法性の観点から、インドネシアのチレボン石炭火力・拡張計画にJBICが貸付を行なうべきではないという主張に同調しました。「地域住民の訴えに応じて裁判所が先に出した判決で元々の環境許認可が取り消されたにもかかわらず、新しい許認可がすでに発行されています。しかし、地域住民は彼らの将来のため、新しい許認可の有効性を問う新たな訴訟を起こし、闘い続ける準備ができています。私たちは、日本政府がコミュニティーや環境を破壊するいかなる石炭火力発電事業への資金提供も行わぬよう求めます。また、人びとのことをしっかりと考えた持続可能なエネルギー事業を支援するよう求めます。」

JBICはまた、アジアやアフリカで石炭火力発電事業を推進する企業のみに資金提供しているわけではなく、炭鉱事業に対しても融資を投じています。その中には、地元コミュニティーが反対をしているインドネシア北カリマンタン州の炭鉱事業も含まれます。インドネシアの鉱山問題に取り組む「鉱山に関する提言ネットワーク」(JATAM:ジャタム)事務局長のメラ・ジョハンシャは、「日本は石炭や私たちの気候を燃やすだけでなく、森林や集水域も荒廃させ、インドネシアのコミュニティーを気候変動の影響に対してより脆弱な立場に追いやっています。」と述べました。森林保護はCO2吸収源としてだけでなく、多くの事象のなかでも、かんばつや鉄砲水のような気候変動の影響に対する適応策として促進されなくてはなりません。

「世界に広がる共同運動である『リクレイム・パワー』は政府に対し、新たなクリーンでない汚染源となるエネルギー事業を中止し、化石燃料への補助金を止めるよう要求しています。このなかには、チレボン石炭火力計画のようなアジアの石炭関連事業への日本の資金提供も含まれます。」とリクレイム・パワーの共同ファシリテーターかつ債務と開発に関するアジア民衆運動(APMDD)のコーディネーターであるリディー・ナックピルは述べました。「人びと、そして、コミュニティーのために、汚染源となる石炭関連事業に対する資金が、民主的かつ貧困層のための再生可能なクリーンエネルギーへと迅速かつ直ちに転換するための支援に使われる必要があります。」と彼女は付け加えました。

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