【横須賀石炭火力訴訟報告 vol.1】傍聴者超満員!定員96名を超える120人以上の市民が集結。

今年5月27日に提訴した横須賀石炭火力訴訟。本日、第1回目の裁判が開廷されました。
東京地方裁判所で最も大きい法廷での裁判でしたが、定員96名を超える120名以上の市民が、同裁判の傍聴のために東京地方裁判所に駆けつけました。

裁判での意見陳述にて原告代表の鈴木氏は

「日本は世界の脱石炭の流れに逆行している。日本や世界の将来のために、この裁判で、気候変動を緩和する日本の転換点となったと評価される歴史的な判断を下されるよう切にお願い申し上げる」

と述べました。

その後、同訴訟の小島弁護団長が同訴訟の主要争点を説明。今回の小島弁護団長の指摘は下記の通りです。

・環境影響評価の際、事業者は複数案を検討しなければならず、また、できうる限り影響を最も低減できる対策をしなければいけない。にも関わらず、事業者は複数案の検討はおろか、最も環境負荷の低い方法も検討していない。

・横須賀石炭火力発電所建設「改善リプレース」であるとして環境影響評価の一部を省略したが、5年近く稼働停止していた旧横須賀火力発電所は「改善リプレース」案件ではない。

・2015年に採択されたパリ協定の下で進んでいる脱石炭の潮流を考えると、30年近くに渡って大量のCO2を排出する同計画は、国際条約であるパリ協定の目標達成を大きく後退させ、また日本のエネルギー基本計画にもそぐわない。事業者JERAにとっても採算性は取れない事業と言える。

裁判後、東京地方裁判所前にて。120人以上の市民が駆けつけました。


裁判後、会場を衆議院第一議員会館多目的ホールへ会場を移し、初回期日の報告会を開催しました。
小島弁護団長より改めて今回の裁判の論点をご説明いただいたほか、原告の鈴木陸郎さんより挨拶、また、同じく原告であり、今なお台風被害からの復旧作業に取り組む富樫孝夫さんより、巨大台風という気候変動の影響による被害の実体験や、自分が使う電気を東電から持続可能な新電力への切り替えよう(パワーシフト・キャンペーン)、また、電気の自給自足を進めていこうとのお話をいただきました。その後、浅岡美恵弁護士より世界の気候訴訟の概要、千葉恒久弁護士よりドイツでの脱石炭の情報についてお話しいただきました。

報告会の資料は下記よりご覧になれます。
https://yokosukaclimatecase.jp/document/

裁判後の報告会。会場はほぼ満員に。

次回期日は12月23日(月)14:00~、場所は東京地方裁判所(東京・霞ヶ関)です。
今回同様、裁判後は同裁判に係る報告会を、日比谷図書館にて開催します。
法廷に入廷できなかった場合も、裁判の様子はこちらの会にて裁判の報告をさせていただきますので、ぜひご参加ください。
申し込みフォームは後日、下記webサイトに掲載の予定です。
https://yokosukaclimatecase.jp/

FoE Japanは、引き続き、原告および訴訟サポーターのみなさまとともに、石炭火力の新設計画中止を求めて活動してまいります。

(高橋 英恵)

*今回の横須賀石炭火力訴訟では、同裁判を支援するサポーターを募集しています。サポーターに登録いただいた方には次回期日の詳細、また、関連情報をお届けしています。ぜひ、皆様の知人、ご家族もお誘いの上、横須賀訴訟サポーターにご登録ください!

登録はこちらから↓

https://yokosukaclimatecase.jp/support_us/