COP22閉幕 交渉は進むも、「アクション」にはほど遠く

COP22会議閉幕
アクションのCOPになるといわれたマラケシュ会議
交渉は進むも、「アクション」にはほど遠く

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11月7日から18日までマラケシュで行われていた国連気候変動会議が閉幕しました。昨年パリ協定が採択され、今年のCOPはそれを実施につなげるCOPとして「アクション」のCOPと言われていました。また、気温上昇を1.5℃におさえるためには今すぐの行動が不可欠である事から市民社会から「アクション」の必要性が主張されてきました。

削減目標が適応されるのは2020年から。しかし約束されている削減目標を積み上げても、3℃上昇は免れません。FoEグループは、気候変動の被害を食い止め気温上昇を1.5℃におさえるには、今すぐ、とくに2020年までの行動が大事で、このままではパリ協定は不十分と訴えてきました。

今回、残念ながらアクションのCOPからはほど遠い結果となりました。

気候変動の責任がより大きい先進国は、野心を先駆けて引き上げていくべきでした。議論は適応に偏り、すでに影響を受けている脆弱な国への支援や損失と被害に関する議論は十分に行われませんでした。2020年前の行動の強化という議論が十分に成されなかったことは、1.5℃目標から遠ざかる事を意味し、そして既に気候変動の影響を受ける人々や、気候変動の影響に対し、脆弱な人々が、さらに貧困や危機に陥るという事を意味します。

一方で、パリ協定が正式に発効し、交渉ではパリ協定を実施するために必要なルール作りのワークプラン(今後のスケジュール)が合意された事は確かに前進です。また、適応資金の交渉や気候変動の損失と被害に関するワルシャワ国際メカニズムの交渉でも進展が見られました。

会議の最終日、気候変動脆弱国フォーラムの加盟国が、なるべく早い段階で再生可能エネルギー100%を達成する目標を含むマラケシュ・ヴィジョンを発表しました。

またアフリカ大陸全体で固定価格取引制度やコミュニティーベースの再エネを組み合わせて2020年までに10GW、2030年までに必要となる需要の半分の300GWを賄う野心的な計画が本格化しました。

FoEはこれからも先進国の温暖化への歴史的責任と公平な負担(フェアシェア)の観点から今すぐの行動を求めていきます。

★詳しい交渉の内容は、セミナーで報告します!(詳細は後日FoEのウェブサイトに掲載予定)
2016年12月14日14:30~16:00
Tフロントビル会議室(溜池山王駅すぐ)
http://www.kaigishitu.com/detail/00200895001/001/
内容(予定)
マラケシュ会議の成果(報告者:小野寺ゆうり)
– 気候資金の行方
– 損失と被害 など

★これまでのCOP報告はこちら
https://foejapan.wordpress.com/tag/cop22/

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‘行動’を求める世界の動きはとまらない

プレスリリース
2016年11月18日(金)
FoE International (原文下記)

‘行動’を求める世界の動きはとまらない – しかし私たちは未だに危険な温暖化の道を進んでいる

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マラケシュ、モロッコ – 国連気候変動会議の最終日の今日、FoEインターナショナルは、気候変動へのグローバルな行動を求める市民社会の声は、気候変動懐疑論者を選出したアメリカ大統領選の話題によってかき消されてしまったと話した。

FoEアメリカのベンジャミン・シュリバーは「気候変動はアメリカの行動を待ちはしない。アメリカ以外の国は明らかに前に進んでいる。トランプの選出はアメリカ以外の世界がアメリカを気候変動対策におけるならず者国家として扱い、野心を引き上げる事で、団結するきっかけになる。」と話し、さらに「以前にもアメリカは国連気候変動交渉の外にいた。その他の国は、我々が変革を再びアメリカで起こすまで、前進してほしい」と話した。

また、世界中で起きている再生可能エネルギーを中心としたエネルギー革命は、希望を生んでいる。

FoEアフリカのクワミ・クポンドゥゾは「COP22はアフリカのCOPと言われていた。良いニュースは、アフリカ再生可能エネルギーイニシアティブ(AREI)がマラケシュで本格始動したことだ。これはアフリカによるアフリカのためのイニシアチブで、化石燃料からコミュニティ主導のクリーンエネルギーへの蛙飛びをすることになる。FoEグループはこのイニシアチブを形にするため、長年はたらきかけていた。エネルギー貧困と闘うアフリカの市民社会の成し遂げてきた功績の証明だ」と話した。一方「しかし、支援を必要としているアフリカの人々のための資金という重要な問題に関して、今回のCOPであまり動きが見られなかった。先進国により報告された(気候資金の)信用に欠けるアカウンティング方法を利用した資金レポートは、すでにアフリカの各地で洪水や干ばつに見舞われている何百万人もの人々を取り残す事になる。アクションがなければ、この危機の中で、それもアフリカの人にはほとんど責任のない気候変動の危機の中で、生き残る事ができない」と話した。

FoEマレーシアのミーナ・ラーマンは「科学は明らかで、今机上にある約束はこの世界を3℃の気温上昇まで許してしまう。この地球上の何百万人もの人々が安全に暮らしていけなくなる。裕福な国は2020年より前の行動をさらに強化する義務がある。1.5℃上昇に抑える必要があるからだ。しかしそういった行動はまだ見られない。今行動しないのは公平ではない。行動を先延ばしにしても、もっと物事が難しくなるだけで、コストもより大きくなるだろう」と話した。

FoEドイツのアンキャサリン・シュナイダーは「次のCOPは我々の国、ドイツのボンになる。次のG20の議長国でもあるドイツにとって、市民が立ち上がって声を伝えるための重要なタイミングとなるだろう。気候変動という地球規模の課題を解決するために世界のリーダー達は真に野心的な政治的意思をもって、ボンに集まってほしい。それにはすでに災害の被害を受けている人々を救済するということも含まれていなくてはいけない。私たちも何千人もの市民と一緒に、政治家達が行動をとる事をためらわないようにするし、世界中の人々のために、説明責任を果たすよう求めていく」と話した。

FoEインターナショナルは気候変動を解決するためには、人々の力強いムーブメントが重要であると主張している。

PRESS RELEASE
Friday 18 November 2016

Global momentum for action unstoppable – but we are still on track for dangerous levels of warming

MARRAKECH, Morocco – Today at the conclusion of the UN climate conference, Friends of the Earth International said that the momentum for global action on climate change refused to be overshadowed by the election of a climate denier to the US Presidency.

“Climate change is not going to wait for US action and the rest of the world is clear it is moving forward,” said Benjamin Schreiber of Friends of the Earth US.

“Trump’s election must unify the world in treating the US as a climate pariah, and respond to his Presidency by redoubling ambition,” Schreiber continued. “The US has been outside the UN climate process before and other countries must ensure that progress is made while we work to create change back home.”

Hope continues to rest on the renewable energy transformation that is taking place globally, and must be led by people.

“COP22 was billed to be an African COP,” said Kwami Kpondzo of Friends of the Earth Africa. “The good news is that the African Renewable Energy Initiative took off here in Marrakech; an initiative by Africans for Africans, to leapfrog the dirty fossil fuel development and bring clean community-based energy instead. Friends of the Earth groups have fought long and hard to make this initiative a reality and it’s a testimony to the work done by African civil society in the fight against energy poverty.

“However, in this COP we saw very little movement on the crucial issue of finance needed for the people of Africa, Kpondzo continued. “Dodgy accounting and fishy finance reporting by rich countries means that the millions already experiencing floods and droughts in every corner of Africa will be left to help themselves. Broken promises will not help us survive a crisis we did not create,” he continued.

“The science is clear and the current pledges on the table take us to a world of over 3ºC warming, which is incompatible with a safe existence for millions on this planet.” said Meena Raman of Friends of the Earth Malaysia. “Rich countries had an obligation to bring stronger pre-2020 ambition to the table because we must stay under 1.5ºC, but this has not happened. Not acting now is not fair. It will only make action later that much harder, and the cost in human suffering even greater”, she continued.

“Next year the COP goes to our country, to Bonn,” said Ann-Kathrin Schneider of Friends of the Earth Germany. “With Germany also hosting the G-20, this will be an important time for citizens to come together to make their voices heard. Leaders must come to Bonn with a genuine and ambitious political will to meet the global challenge of climate change, including helping those already being displaced by this crisis. We will be there in our thousands to make sure they don’t falter and we will hold our leaders accountable on behalf of people all over the world,” Schneider continued.

Friends of the Earth International asserts that this powerful movement of people is key to solving the climate crisis.

– ENDS –

SPOKESPERSONS:

Meena Raman, Friends of the Earth Malaysia. Email: meena@twnetwork.org, Malaysian mobile: 0060 12 430 0042
Ann-Kathrin Schneider, Friends of the Earth Germany. Mail: annkathrin.schneider@bund.net. German mobile: 0049 151 240 87 297.
Kwami Kpondzo, Friends of the Earth Africa. Email: kwadodzi@yahoo.fr. Morrocan mobile: 00 212 65 35 01 69.
Dipti Bhatnagar, Friends of the Earth International. E-mail: dipti@foei.org. Moroccan mobile: 00212 6 95 54 61 07.

石炭投資にNO!日本とJBICは地元住民と国際社会の声を聞いて(石炭その2)

COP22マラケシュ会議、いよいよ会期最終日に迫りました。
議論が特に紛糾しなければ予定通り終わります。このままだと予定通り終わりそうです。

実は17日、世界で2番目に多く石炭火力に投資していることなどで、日本が化石賞(1位も2位も日本)を受賞しました。
また、国内外で問題視されている、日本のインドネシア・チレボンの石炭火力案件への融資に関して記者会見を行い、COP22の地で同案件の問題点を伝えました。

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会見では、FoEインターナショナルの気候正義・エネルギープログラムコーディネーター、ディプティ・バータナガーが問題の全体像を説明。グリーンピース・インドネシアのアリフ・フィアントから現地の様子や住民が石炭火力に反対していること、そしてFoE Japanの深草とオックスファム・フランスのアーメル・ル・コントから、石炭火力の融資を検討している日・フランスの銀行について説明しました。

現在、インドネシアではチレボン石炭火力発電とタンジュンジャティB石炭火力発電の拡張プロジェクトが進行しており、日本の国際協力銀行(JBIC)はその両方への融資を検討しています。
先日ブログで紹介したように、チレボンの既存の石炭火力ではすでに健康被害や、生計手段への被害が出ており、住民が異議申し立てを行っています。

この二つのプロジェクトに融資を検討しているのはJBICだけではありません。フランスのクレディ・アグリコルなども融資を検討しているのです。

クレディ・アグリコルは最近、新規石炭火力発電への融資を行わないと発表しました。しかし、クレディアグリコルはチレボンとタンジュンジャティBの拡張案件については未だに融資検討を続けています。オックスファム・フランスはこのダブルスタンダードを批判、この二つのプロジェクトについても融資すべきでないと訴えました。

グリーンピース・インドネシアは現地でほぼ毎日のように行われている抗議について映像も使いながら紹介。先週は日本大使館の前でも日本の石炭火力投資中止を求めて、抗議が行われました。

グリーンピース・インドネシアのアリフ・フィアントは「現在計画されている石炭火力はインドネシアの貧しい人々の生活を助けるものではなく、企業に利するものでしかありません。」と指摘。JBICと日本に対して、これ以上石炭火力発電に投資しないよう求めました。

日本語のプレスリリースはこちら
>http://www.foejapan.org/aid/jbic02/cirebon/161117.html

会見はこちら(録画・英語)
>http://unfccc.cloud.streamworld.de/webcast/stopping-coal-finance-for-indonesia-foei-and-allie

参考ページ
>http://www.foejapan.org/en/aid/160606.html
>http://www.foejapan.org/en/aid/161110.html

石炭火力発電は誰のため?(その1)

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火曜日にCMA(パリ協定締約国会議)が始まり、各国首脳級や大臣が訪れて全体会合が続いています。2週目の後半になると全体会合(Plenary)以外に傍聴できる会議が少なくなります。

各国の発言を聞いていると、一番排出削減や支援をがんばらないといけない先進国からは、2020年の行動について具体的な話が全然でてきません。その中でも日本は、気候変動への歴史的責任を直視せず、むしろ石炭火力発電の国内外での増設を進めており、国際的な市民社会からも批判を浴びています。(所でCOP会場では、その日の交渉でもっとも不名誉な発言をした国に対し、NGOが化石賞を送るのが慣例となっています。化石賞の常連だった日本は、近年では化石賞すら貰えません。)

さらに先週11月10日、日本の国際協力銀行(JBIC)が融資するインドネシア・西ジャワ州チレボン石炭火力発電事業に関して、地元住民3名がJBICジャカルタ事務所で『異議申立書』を提出しました。

住民らはこれまでに、JBICの融資が投じられて建設された第1発電所(660 MW)の影響で、小規模漁業や塩田など地元住民の生計手段に深刻な被害が出ている旨を繰り返し訴えてきましたが、JBICは「同事業に問題は見られない」との姿勢を示してきました。さらに、JBICは同事業の拡張(第2発電所、1000MW)についても融資を検討中で、既存の発電所による被害を見過ごしたままの新たな融資はとうてい認められるものではありません。

パリ協定が発効し、今世紀末までの温室効果ガス排出ゼロを目指す中で、企業や投資家までもが脱化石燃料に向けて動き出しているのが世界の潮流です。一方のJBICは今年6月にも地元住民と国際社会からの批判を浴びた中ジャワ州バタン石炭火力発電事業(2000MW)への融資を決定したばかり。同事業は土地収用の際の違法性や人権侵害がインドネシアの独立した政府機関である国家人権委員会からも指摘されていました。

JBICは現在、チレボン拡張案件の他にも中ジャワ州タンジュンジャティB 拡張案件、また、インドで2件、ベトナムで1件、ボツワナで1件の高効率石炭火力発電への融資を検討しています。高効率とはいえ、もっともCO2を排出するエネルギー源には変わりはなく、パリ協定との整合性はありません。

気候変動の影響は、これまで温室効果ガスを大量排出してきた先進国よりも、途上国、とくに脆弱な立場に置かれている貧困層に大きく表れます。日本は先進国としての歴史的責任を看過しているだけなく、地元が望んでいない発電事業を押し付けて将来の温室効果ガス排出量を増やし、さらには「インフラ戦略輸出」と銘打って日本企業の利益を優先しているのが実態です。 日本政府・JBICは、チレボン石炭火力発電事業の影響を受ける住民の異議申立てを真摯に受け止め、これまでに起きている問題の解決を図るとともに、地元住民の懸念や国際社会からの指摘を軽視することなく、新規の石炭火力発電所への融資の検討を早急に取り止めるべきです。(パート2に続く)

フタッフ・深草@マラケシュ

パリ協定締約国会議(CMA1)開始!

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昨年採択されたパリ協定に批准した国々と、オブザーバーが集まる初めての会議が現地時間15日午前10時からマラケシュで開かれています。気温の上昇を1.5℃におさえる努力を記したパリ協定ですが、問題はその目標と各国の行動に大きな開きがあることで、このままでは目標を達成できません。
日本やEUはすでに2020年までの削減目標を満たしており、今すぐに削減目標を引き上げるべきです。
これまでは主に2020年以降のパリ協定の実施に関する議論や緩和に関する議論が中心でした。
しかし気候変動の影響はすでに途上国や貧困層に著しく大きく、2020年までの行動を待ってはいられません。

今週の閣僚級会合では、とくに先進国に対して
– 2018年に行われる促進的対話では、緩和策だけでなく、適応や資金についての議論も含めること
– 削減目標を引き上げ、フェアシェア(公平な負担)をおうこと。
– 途上国に対して、とくに気候変動の影響に対して脆弱な国への支援の強化を行う事
を求めていかなくてはいけません。

以下はFoE Internationalによる声明です。(原文下記)

FoEインターナショナルによるプレスリリース
「第一回パリ協定締約国会議が直面する課題」
2016.11.15

本日11月15日、パリ協定締約国会議の正式な会合が開かれ、協定を批准した国々が初めて一堂に会します。

最近発表されたUNEP(国連環境計画)の「エミッションギャップレポート」[1]によると、世界はパリ協定に記されている1.5℃目標のための軌道に乗っていないと結論付けました。更なる過酷な気候変動の影響、殺人的な洪水、干ばつ、海面上昇などを防ぐため、気候の科学は、今すぐに温室効果ガスの排出量削減が必要であると示しています。

「2016年が観測史上最も平均気温が高かった年と確定した今、気温上昇を1.5に抑え、壊滅的な気候変動を防ぐため、何千万人もの人々の願いがパリ協定に託された。しかし、本当のアクションは今すぐスタートしなくてはいけない。2020年まで行動するのを待つことはできない。今すぐの行動がなければ、パリ協定発効のお祝いはむなしく響くだろう。我々は温暖化をおさえるために、すべての国に、フェアシェア(公平な負担)を果たすよう求めなくてはいけない。裕福な国は、2020年までの弱い削減目標を引き上げ、気候変動の影響に対応しなくてはいけない貧しい国々を助けるという義務を過小にせず、そして多くの人が尊厳ある暮らしへの権利を奪われているひどい格差社会の是正に取り組まなくては行けない。EUや日本等のいくつかの裕福な国は、すでに(2020年)目標を達成しており、行動の強化で真のリーダーシップを発揮すべきだ。また、化石燃料への執着を出来る限りすぐさまやめ、すでに進んでいる再生可能エネルギーによるエネルギー革命を加速させるサポートをすべきだ」
ーアサド・レーマン、FoEインターナショナル

また、ドナルド・トランプ氏のアメリカ大統領当選は、気候変動対策に乗り出そうとしている世界の国々にとって課題となるでしょう。

「気候変動はアメリカが行動するのを待ってはくれない。アメリカだけでなく世界の国々が行動を起こす事も待たず、気候変動は進行していく。だからこそ、世界は前に進み、弱いパリ協定を強化していく事で、大統領にえらばれたドナルド・トランプに対応していくべきだ。トランプの当選は、アメリカを気候変動対策における世界ののけ者として扱う事で、世界が団結する契機となるべきであり、行動できなかったことへの言い訳にしてはいけない。過去にもアメリカは国連の気候変動対策の外にいた。他の国は、気候変動対策がうまく進んでいくようにしなくてはいけないし、その間我々もアメリカに変革をもたらせるよう働きかけていく」
ーベン・シュリバー、気候変動・エネルギープログラムディレクター、FoE US

FoEインターナショナルは、世界の政府は、今週の閣僚級会合を使い、パリ協定のすべての分野、削減、資金、技術移転、適応などについて、どのようにパリ協定の約束を満たすのか、2018年への明確な計画を打ち立てるよう求めます。パリ協定を新たに解釈したり、弱体化させるようなことがあってはなりません。むしろ2020年までの行動を、CSO公平性レポート[2]に示されるような公平性と気候の科学に基づいて緊急に底上げすべきです。

FoE International, Press Release (2016.11.15 9:00 Marrakech time)
OPENING MEETING OF PARIS AGREEMENT FACES TOUGH CHALLENGES

Today, 15 November, will mark the formal opening of the Paris Agreement, the first time that all the parties that ratified the agreement will come together.

The recently-released UNEP Emissions Gap report [1] concludes that the world is not on track to meet the 1.5ºC stated goal of the Paris Agreement. To prevent even more severe climate impacts – killer floods, droughts and sea level rise – the climate science demands that emissions reductions must take place right away.

“As 2016 is confirmed as the hottest year on record, the hopes of millions of people are invested in the promise of the Paris Agreement to limit temperatures to well below 1.5ºC warming and prevent catastrophic climate disaster. But the real work must start now. No one can wait till 2020 to act, otherwise their own celebrations about Paris will ring hollow. We must push all countries to do their fair share of effort to limit warming. Rich countries must increase their weak targets in the crucial pre-2020 period and stop shirking their obligations to help poorer countries deal with climate impacts, grow cleanly and tackle the gross inequality that denies so many the right to a dignified life. Some rich countries, such as the EU and Japan, who have already met their weak targets must show real leadership by committing to increase action, ending their addiction to fossil fuels as quickly as possible and supporting the acceleration of the renewable energy revolution that is already underway,” says Asad Rehman, Friends of the Earth International.

The election of Donald Trump as US President is a challenge to the rest of the world to step up on climate change.

“Climate change is not going to wait for US action and neither should the rest of the world. That’s why the world should respond to Donald Trump’s Presidency by moving forward and strengthening the weak Paris Agreement pledges. Trump’s election must unify the world in treating the US as a climate pariah, not serve as an excuse for inaction. The US has been outside the UN climate process before and other countries must ensure that good progress continues to be made while we work to create change back home”, says Ben Schreiber, Climate and Energy Program Director of Friends of the Earth US.

Friends of the Earth International calls on governments to use this week’s High Level gathering to deliver a concrete plan for 2018 that includes how all parts of the Agreement are being met – the emissions cuts, the finance, technology transfers and the adaptation measures. They must not try to re-interpret or undermine the agreement signed in Paris. They must urgently ramp up pre-2020 action in line with fairness and climate science, as shown in the CSO Equity Review 2016 [2].

1. http://web.unep.org/emissionsgap/
2. http://civilsocietyreview.org/wp-content/uploads/2016/11/Setting-the-Path-Toward-1.5C.pdf

COP22マラケシュ会議が人々と地球のためにすべきこと

COP22マラケシュ会議が人々と地球のためにすべきこと
FoEインターナショナルによるプレスリリース
2016年11月14日 (注:原文下記)

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FoEインターナショナルは、COP22マラケシュ会議第二週目に際し、世界のリーダー達がマラケシュ会議において、人々と地球の為に明確なアクションを行うよう声明を発表しました。

昨日、FoEインターナショナルは、モロッコ国内や世界各国の市民とともに、マラケシュの街を行進しました。私たちは影響を受ける人々、モロッコで汚染や弾圧に苦しむイミデール(注:銀鉱山開発の影響を受けるコミュニティー)やサフィ(注:石炭火力発電所立地)の人々、ニジェールデルタや、先住民族の水源を守るためにたたかっているスタンディングロックの人々への連帯を示します。

今週、COP22の会場に世界の首脳や大臣らがパリ合意を記念して訪れ、また閣僚級会合が開かれます。
FoEマレーシア/サードワールドネットワークのミーナ・ラーマンは、「COP22の第一週目は、先進国は、去年パリで合意された事に対して敬意をはらっていなかった。先進国はパリ協定の緩和中心の結果ばかり強調し、適応や資金といった課題を優先課題だと見なしていない」と指摘。また「資金とともに重要な2020年前の温室効果ガス削減のためのアクションの緊急性を無視している」と話しました。

FoEインターナショナルのアサド・レーマンは「特に先進国の2020年までの温室効果ガスの削減の取り組み強化が強く必要とされている。途上国の低い排出目標は、3.5℃上昇を引き起こすだろう。これはとくにアフリカや島国に対して死の落とし穴である。我々は、閣僚級会合において、気候資金の大きなギャップを埋めるよう求める。資金は途上国のエネルギー革命にとって重要だからだ」と述べました。

FoEアフリカのクワミ・クポンデゾは「マラケシュは、エネルギーのCOP、アクションのCOPだ。マラケシュ会議のアフリカへのレガシーは、この大陸におけるエネルギー改革の火付け役である必要がある。非常にショッキングなデータがある。世界で12億人がエネルギーへのアクセスなく暮らしている。その半分の6億人はここ、アフリカで暮らしている。」と指摘。また「アフリカ主導のアフリカ再生可能エネルギーイニシアチブ(AREI)のような取り組みは期待できるし、汚くて被害をうむエネルギーではなく、コミュニティがコントロールする再生可能エネルギーがこの大陸と世界の将来であるべきだ。」

FRIENDS OF THE EARTH INTERNATIONAL

PRESS RELEASE

FOR IMMEDIATE USE: 14 NOVEMBER 2016

What Marrakech Must Deliver For People And The Planet

As we go into the second week of COP22, Friends of the Earth International asserts that Marrakech must deliver concrete actions for the sake of people and the planet.

Yesterday, Friends of the Earth International marched on the streets of Marrakech, with people from Morocco and all over the world. We stand in solidarity with impacted peoples, from the communities of Imider and Safi facing pollution and repression here in Morocco, to those in the Niger Delta and indigenous water defenders at Standing Rock.

This week, at the COP22, world leaders and Ministers will arrive to mark the Paris Agreement and a series of High Level Ministerials will be held.

“The first week of COP22 saw developed countries not honouring what they agreed to in Paris last year, says Meena Raman of Friends of the Earth Malaysia and Third World Network. “We saw developed countries trying to push mitigation-centric outcomes under the Paris Agreement and not even recognising adaptation or finance with high priority”, she added. “They are also ignoring the urgent need of pre-2020 action on emissions reductions as well as finance.”

“There is a critical need to ramp up pre-2020 emissions reductions especially by developed countries, whose low Paris pledges will lead us to a 3.5°C world which is a death trap for Africa and island nations among others, said Asad Rehman from Friends of the Earth International. “We also demand that the High Level Ministerial address the huge climate finance gap because finance needs to be the key to energy transformation in developing countries, he added.

“Marrakech is an energy COP, an action COP. Marrakech’s legacy for Africa must be that it sparks the energy transformation in this continent, said Kwami Kpondzo of Friends of the Earth Africa. “The numbers are shocking. Out of the 1.2 billion people in the world without access to electricity, half of them, 620 million people live right here in Africa, he added. “Initiatives like the African-led African Renewable Energy Initiative (AREI) are promising, and socially-controlled renewable energy must be the future of this continent and of the world, not dirty and harmful energy, he added.”

COP 会議場の様子

今回は、マラケシュの会議場の様子について報告したいと思います。

アフリカ大陸の北の端っこにあるモロッコ。アフリカと聞くと山岳でないところは暑いイメージや砂漠のイメージがありますが、11月のモロッコは寒いです。とくに朝と夕方は寒く、私はダウンジャケットを日中も着ています。

COPの会場は、マラケシュの空港にほど近いところにあり、街の中心も近いので交通の便は良いのですが、空港が近いのが災いして、飛行機の飛行音が会議場に鳴り響きます。それもかなりうるさいです。

会場からはアトラス山脈が見えます。雪がかかっていて、とても綺麗です。

会場は仮設建設の建物が建ち並んでおり、全体会合(Plenary)を行う大きな建物が二つ、レストランエリア、各国の代表が控え室をもったりパビリオンをもったりするスペース、サイドイベントやNGO、国際機関、ビジネスセクターがブースを出すスペース、お祈りをするスペース、インフォメーションデスクなどがあります。これらはすべて、バッヂを持っていないと入れないブルーゾーンの内容で、バッヂがなくても入れるグリーンゾーンはブルーゾーンの外にあります。

会場の中では、アクションも行われます。アクションを行う際には申請書を提出し、ルールに則って行う必要があります。

私たちNGOは会場の中で何をしているかというと、いくつかの活動があります。
まずは交渉をチェックすることです。いくつかの会議はクローズドでおこなわれますが、様々な会議がオブザーバーにも開かれています。議論を追い、各国がどのような提案をしているのか確かめます。

会議傍聴で得た情報をもとに、情報発信、ロビーなどを行います。いくつかのNGOが毎日通信を発信し、気候変動交渉を妨げるような発言をした国や、市民社会の意見も反映してもらえるように働きかけます。働きかけの方法は様々で、直接交渉官と話す事もあります。

また、会場ではサイドイベントが行われており、多くはNGOや研究機関によるイベントです。
ブース出展をしている団体もあります。

また記者会見も行います。たとえば、交渉の内容について記者にブリーフィングをしたり、市民社会側の見方を伝えたりします。アメリカ大統領選の翌日は多くの団体が、市民社会から見た大統領選のパリ協定への影響をテーマに記者会見を行っていました。

そしてアクションです。先に紹介したように、中でアクションを行い、市民の声をアクションを通じて伝えます。会議に特に目立った動きがないと、記者の人も注目して記事を書いたりしてくれます。

ざっくりと現場の様子をお伝えしました。

(ふかくさ)

気候資金無くしてパリ協定の目標達成はあり得ない

 昨年までの国際交渉は2020年以降の国際枠組合意が最大の焦点でした。記録的なスピードで発効した協定ですが、その実施は2020年から。途上国が提出した国別削減目標(NDC)を実施するためには、70余国分の実施だけでも2020-2030年で4兆ドルかかるという最近の試算もあります。今のままで2020年から途上国がNDCを実施できるわけではなく、これから数年の間に大幅な能力強化育成(キャパシティビルディング)が必要です。また1.5℃目標を達成するには2020年以降の行動では遅過ぎ、7年前に各国が提出した2020年目標の強化を行い、2020年までの行動の強化が必要です。これが今回のマラケシュ会議が実施のCOPとも呼ばれれる理由です。

 先進国の技術と資金の支援により、今後数年にわたり途上国の能力と貢献を担保し更に強化することは、パリ協定が最終的に目標を達成できるかどうかを決定的に左右します。マラケシュ会議ではこの気候資金がパリ協定暫定作業部会(APA)の進捗と併せ最大の焦点になります。

 国連気候変動枠組条約下に設けられた資金常設委員会が、会議初日の特別イベントで第二回目の気候資金の全貌を評価した隔年評価を発表して口火を切りました。第2週目半ばには閣僚級の気候資金の対話が予定されています。

 国連気候変動枠組条約第4条では、先進国が途上国に対し資金面の支援を新規かつ追加的に行うものとしており、パリ協定第9条でこの義務は引き継がれています。先進国はコペンハーゲンでのCOP15で、2020年までに途上国への気候資金拠出を年間1000億ドルに引き上げると約束し、パリでの決定で2025年までにこれを上回る次の資金レベルに合意することになっています。
 
 気候資金の論点の一つが資金ロードマップです。2020年時点の支援額を示すだけでは途上国政府はこれから数年の国内計画の立てようがなく、このため昨年のパリ会議で先進国がこの1000億ドルをどうやって達成するのかを示すことがCOP決定に盛り込まれました。これを受け、イギリスとオーストラリアがとりまとめ役となり、先進国は今年10月に経済協力開発機構(OECD)を通じて1000億ドルに向けたロードマップを示しました。途上国のニーズに応えるべく先進国がロードマップを示したことは大きく評価できますが、一方でその中身を見ると、まだ求められるニーズに十分応えたとは言い難い面も多くあります。

 OECDのロードマップによると、2014年時点で気候資金はすでに年620億ドルのレベルになり、1000億ドル達成は可能としています。ですが既存の開発支援(ODA)案件を多く含んでおり、個別の案件をなぜ気候支援と判定したのかの基準が明確にされていません。海外への企業進出を助ける輸出信用や商業ベースでの融資が含まれているとみられますが、その根拠となるデータも公開されていません。正式な条約下の資金常設委員会の隔年評価では、先進国の公的支援は410億ドルにとどまっており、試算に大きなギャップがあります。気候変動対策と開発支援は必ずしも同じではありません。貧困撲滅や生活水準向上のための途上国向けの開発資金を、先進国が歴史的責任を負う気候変動対策に振り向けるのは許されるべきではありません。日本の開発プログラムにはむしろコミュニティを破壊したり人権侵害が発生したりと、環境・社会影響の面で、悪影響がみられるものもあります。

 この背景には、「気候資金」の国際的に合意された定義がないことが根本にあります。協定下の報告基準設定の交渉が、その定義につながることが望まれます。

 気候変動の影響への適応対策は企業収益につながらない事業がほとんどです。このため公的資金の支援が不可欠ですが、OECDロードマップでは1000億ドルのうち適応分は5分の1にとどまる点も問題です。また気候変動の被害はすでに世界中で発生しており、緩和の遅れにより将来巨額になる損失と被害への対策資金が評価されていないことも今回の論点です。気候資金は第2週の閣僚級COPで取り上げられ、最終日まで続く困難な交渉となるでしょう。

 日本は先進国最大の気候支援国であり、今後とも気候支援のリーダーシップを示してもらいたいと思います。その点で今回、他の先進国が日本が国をあげて推進する高効率石炭火力をOECDロードマップから排除したことは、世界に遅れをとった協定批准と並び現政府の地球環境問題への意識の遅れを示すものに他ならなりません。気候資金に石炭火力を含めないことは先進国の間ではすでに常識です。

(小野寺ゆうり@マラケシュ)

COP22マラケシュ会議が始まる! パリ協定発効後初のCOPのゆくえは…

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雨のマラケシュで、COP22マラケシュ会議が始まりました。
昨年12月、国際的な気候変動対策としてパリ協定が成立しました。すべての国が参加する、法的拘束力のある協定です。11月4日に発効条件を満たし発効しましたが、日本ではまだ国会承認されていません。パリ協定には危険な気候変動を止めるため、気温上昇を1.5度までにおさえることが明記されており、今や各国、多くの企業も気候変動の危険性や緊急性を認識し、行動を起こそうとしています。

パリ協定の1.5度目標を達成するためには、野心と実際の行動のギャップを埋める必要があります。各国が表明している削減目標を足しても、3.5度の温度上昇はさけられない状況と言われていますが、最新のUNEPのレポート(Emission Gap Report 2016)によると、今世紀末までに2.9から3.4℃の気温上昇が予測されています。
すでに途上国を中心に気候変動の被害は広がっており、日本も例外ではありません。気候変動を止めるためには、より具体的でフェアな行動を今すぐ起こす必要があります。

日本は残念ながらパリ協定の承認には至っていません。歴史的にエネルギーを大量消費し、今も化石燃料の開発・利用を続ける日本には気候変動に対し非常に大きな責任があります。化石燃料、大型ダム、原発などの、中央集権的、企業利益優先の”dirty energy”(汚いエネルギー)に頼った経済構造からの変革が求められています。日本は、歴史的・倫理的な責任を認識し、また過去の反省をふまえて、率先して行動をする必要があります。

マラケシュ会議では、パリ協定の実施運用のためのさらなるルール作りが進められていきます。
これから2週間、COPの現場から、世界の市民社会の動き、若者の動き、気候変動による損失と被害の枠組みや、気候変動により移住をせまられている人々(気候難民)、などについて報告したいと思います。

>日本の長期低炭素戦略へのFoE Japanの提言書はこちら
http://www.foejapan.org/climate/policy/161101.html

>FoE International のプレスリリースはこちら
http://www.foei.org/press/paris-agreement-cop22-marrakech

(スタッフ・深草)