第4回期日を迎えた横須賀石炭訴訟。国からの回答弁論はなく。

6月26日、横須賀石炭火力訴訟第4回期日が、東京地方裁判所で執り行われました。

新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、傍聴者数を定員の約1/4に制限して開催された今回の裁判では、前回に引き続き「裁判の正当性」について議論されました。

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裁判所に向かう原告、訴訟サポーターたち。

法廷では、原告代理人より、裁判の正当性として、(1)処分性、(2)原告の適格性、について、再度強調した形で主張されました。主張は15分以内にという裁判官からの要請があり、限られた時間の中ではありましたが、上記2点の妥当性として、下記のように論点を整理されました。

 

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法廷での原告代理人の主張をもとに、筆者作成。

 

また、原告代理人は、被告の反論書類の提出が遅れており、それが裁判の進行に支障をきたしていることを指摘。被告は、提出書類の遅れの理由として、新型コロナウィルスによる業務形態のやむを得ざる変更をあげましたが、原告側は同様の状況下にもかかわわず、今回の期日への準備を進めてきたこと、そして、緊急事態宣言が発令された中においても横須賀石炭火力の新設工事は通常通り進行していた点をあげ、被告の主張の妥当性を問いました。しかし、原告側の主張は虚しく、書類提出の期限の前倒しはかないませんでした。

 

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閉廷後、手短に原告代理人の小島弁護士より、今回の裁判についてお話いただきました。

 

7月8日(水)14:00〜15:00に、オンラインにて、過去4回の期日を含めた横須賀石炭火力訴訟の報告会を実施します。参加ご希望の方は、こちらよりお申し込みください。

また、次回期日は、10月14日(水)14時から、東京地方裁判所で開催の予定です。

 

気候変動は待ったなしの状態です。「気候危機」という言葉が閣議決定に盛り込まれ、今月12日には、環境省も気候危機を宣言したばかりです。また、次回期日までの4ヶ月の間では、昨年や一昨年同様、巨大台風による被害も予想されます。10年後、20年後に、多くの命が失われたり、財産が奪われたりするような深刻な被害の増加を食い止めるには、「締め切りまでに間に合えば良い」というような悠長な概念は通用しないはずです。

FoE Japanは引き続き、横須賀で建設が進む石炭火力発電所の建設中止を求める人々とともに、石炭火力に依存する社会からの脱却のために尽力していきます。

(高橋 英恵)

*横須賀石炭訴訟についてはこちら:https://yokosukaclimatecase.jp/

*「石炭火力の電気はいらない!」事業者JERA(東京電力・中部電力の合弁会社)へのアクションはこちら!

→おうちのでんきから未来を変える!パワーシフト・キャンペーン

→横須賀の石炭火力発電所建設計画の中止を求める署名

 

*横須賀石炭火力の中止を求める若者たちFridays For Future Yokosukaも活躍中!最近の活躍についてはこちら

2020/6/8 「Fridays For Future Yokosukaからの手紙に小泉環境大臣が言及」東京新聞、朝日新聞

2020/6/26「小泉環境相、学生と意見交換 横須賀の火力中止要望には…」神奈川新聞

【蘇我】千葉市長にむけて計画中止を求める署名を集めます

(こちらの記事は石炭火力を考える東京湾の会のブログからの転載です。)
(仮称)蘇我火力発電所建設予定地についてはこちら

IMG_3213 (1)蘇我石炭火力発電所計画を考える会は、千葉市長宛に、(仮称)蘇我火力発電所建設計画の中止を事業者に働き掛けることを求める署名を開始しました。提出締め切りは3月31日(土)、千葉県以外の方も署名ができます。所定の用紙をプリントアウトして署名していただき、期日までに以下の住所にお送りください。

署名用紙のPDFはこちら

提出先:蘇我石炭火力発電所計画を考える会
〒260-0013 千葉市中央区中央3-13-17

☎℡ 090-7941-7655(小西)

提出締め切り:2018年3月31日(土)


署名文

千葉市長 熊谷俊人様

(仮称)蘇我火力発電所建設計画の中止を事業者に働き掛けることを求める署名

千葉市中央区川崎町1番町(JFEスチール(株)東日本製鉄所(千葉地区)構内)に石炭火力発電所(出力107万kW、事業主体は千葉パワー株式会社)の建設が計画されています。石炭火力発電所は、多量の二酸化炭素を排出するだけでなく、窒素酸化物や硫黄酸化物、さらには水銀等重金属などの大気汚染物質が排出され、海域や河川には温排水による影響も懸念されます。

建設予定地の千葉市中央区蘇我地区では、長い間製鉄所からの大気汚染物質により喘息(ぜんそく)などの健康被害で多くの市民が苦しんできており、1975年、「子どもたちに青空を」求めて地域住民と市民が提訴した「あおぞら裁判」は、いまだ市民の記憶にも鮮明に残っています。

現在でもばいじんや粉じんによる被害が千葉市役所や事業者への苦情となっており、郊外は解決されておりません。さらに環境負荷の大きい石炭火力発電所が建設されることは地域住民にとって到底受け入れられるものではありません。

地球温暖化防止の視点からも、また市民の健康を守るためにも、石炭火力発電所の建設計画の中止を事業者に働きかけるよう強く求めます。