ベトナムで原発に関し国会議員やNGOらと意見交換を行い、福島原発事故の被害について訴えました

10月4日から7日まで、原発に関する国際ワークショップに参加するため、ベトナムに行って来ました。現地のNGOおよび財団が主催しました。

1日目のワークショップでは、ベトナムの国会議員や専門家があつまる審議会において、日本、ドイツ、南アフリカから参加した三人のパネリストがそれぞれのテーマで原発に関する発表をしました。ドイツの元SPD(ドイツ社会民主党)議員で、ゴアレーベン出身のピータークラウス・ダダ氏は、ドイツが脱原発を達成した経緯など報告。また、原発における数多くの事故や廃棄物の処理で、原発の費用が莫大にふくれあがっているなど指摘がありました。

また原子力発電所を有する南アフリカからの参加として、研究者でNGO代表、デイビッド・フィグさんが原発のライフサイクルコストについて説明。現在、南アフリカは原発の拡大を政策として掲げていますが、新たに建設する原発の調達に関して、政府は決定を先延ばしにしている事をあげ、原子力政策は様々な理由遅れたり、そのために費用がかさんだりすることも指摘。さらに南アフリカでは、放射性廃棄物の投棄サイトの近くに沢山人が住んでいるという問題や、南アフリカは経済成長しているがエネルギー需要が減っているなどの話がありました。また、会場からあがった「原発が世の中を豊かにするために電気を供給できるのではないか」との質問に対し、「原発があっても南アフリカの貧困の問題は解決していないし、むしろ多くの負の影響を与えている」と回答しました。

FoEの満田からは、福島の事故による被害の大きさについて発表。広範囲にわたる放射能汚染の状況、山菜やきのこ、魚を分かち合う喜びや、それも含めたふるさとが失われたこと、農林水産業が大きな打撃をうけたこと、事故がまだ収束していないこと、除染や賠償費用がふくれあがり、現在の納税者や未来の世代がになわされていること、一度事故がおきれば取り返しがつかないこと、周辺の環境や社会だけでなく、国として大きな損失が免れないということなどを報告しました。

また、ベトナムのNGO・Green IDから、ベトナムの再エネについて、さらにVUSTA(Vietnam Union of Science and Technology Associations)から、原発建設予定地のニントュアンの村での聞き取り調査についての報告がありました。

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フロアからは特にコストについてと再エネの可能性についての質問が相次ぎました。
原子力関係の機関から参加した人もあり、再エネ懐疑論や、原発はクリーンなエネルギーではないかなどの発言もありましたが、中には原発に対して慎重になるべきではとの声もありました。

ベトナムは現在「中所得国」。電気の普及率も全土で平均して9割を越えています。
街中はバイクや車であふれかえっておりとても活気があります。一方で大気汚染の状況はひどく、街の大気汚染は北京やニューデリー並みの日もあるそうです。工業廃水や生活廃水により、とくに最近では外国企業の排水が原因の魚の大量死も報告されています。

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ハノイの風景

ベトナムは原子力の導入を検討しており、ベトナム第6次電源開発プラン(PDP 6)において初めて原発について触れられています。
また、ニントュアン省に建設される原子力発電所2基について、2010年に日本が協力することが合意され、その後2011年に日ベトナム原子力協定が調印されました。日本政府は、国税合計25億円を費やして日本原電に実施可能性調査を委託。このうち5億円は復興予算が流用されました。
また、日本とのパートナーシップのもとですすめられているニントュアン第二原子力発電所以外に、ロシアとともに第一発電所の建設計画が進められています。ですが、原発の建設に関しては何度も延期がされてるのが実情です。

ベトナムは電力の大半をを大型水力と化石燃料で賄っていますが、風力や太陽光などの再生可能エネルギーのポテンシャルについても報告されています。
風の強いBac Lieu(バクリュウ)では、メガ風力の導入も決定しており、改訂された第7次国家電源開発プランでも再エネが強調されています。

ベトナムが原発や化石燃料などの持続可能でない「汚いエネルギー(dirty energy)」から、再生可能エネルギーにシフトするには、この機会を逃さない手はありません。
原発はコストも高く、安全ではなく、気候変動の解決にならない事はすでに歴史が証明しており、とくにそれは日本が一番経験しているはずです。

私たちがベトナムの人々に伝えたい事がどれくらい受け止められたかわかりませんが、今後も原発輸出に反対する立場から活動していきます。

ベトナムへの原発輸出に関する過去の活動
>http://www.foejapan.org/energy/news/111121.html

(スタッフ 深草)

収まらない地震…原発本当に止めなくていいの?

4月14日より発生している熊本県・九州地方での地震により、被災されたみなさまへ心よりお見舞い申し上げるともに、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたします。

今日、「川内原発止めて」署名を、呼びかけ人の高木博史さんとともに提出しました。
避難先での苦しい生活や、収まらない地震に大きな不安を抱えている人が沢山いますが、鹿児島の川内原発の安全性に関しても、また福島原発事故のような事故が起こるのではないか、原発を一度止めるべきではないのかと、多くの人が不安の気持ちを抱えています。

熊本出身の高木さんもそのような方のうちの1人。高木さんは「故郷を’帰れない場所’にしたくない」との思いから、署名を開始。署名には最初の36時間で3万を越える賛同が集まり、4月21日現在では10万を越えています。

これまで集まっている約10万筆の署名を携え、内閣府への申し入れに同行。少なくとも10万を越える市民が川内原発の安全に不安や疑問を感じている事、安全第一というならば一度止めて、検査すべきであるということ、などをお伝えしました。陳情には、原発ゼロの会世話人でもある近藤昭一議員も駆けつけました。

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署名は川内原発がとまるまで集め続けるとの事。
是非まだの人はぜひ署名を。
> https://goo.gl/vLAlTf

「福島とベラルーシ」福島県で報告会開催

スタッフの深草です。2月12日、13日に福島県でFoE Japanの脱原発エネルギーチームの報告会を行いました。前半は昨年行ったベラルーシ視察の報告、後半は福島の健康調査の現状やFoEの保養キャンプ「ぽかぽかプロジェクト」の報告会を行いました。

前半部では、昨年2015年のベラルーシ視察に参加したメンバーから、ベラルーシで見て来た事、現地の方から聞いたお話を報告。さらにベラルーシにおける子ども達の保養の制度やチェルノブイリ法についても解説しました。チェルノブイリ原発事故により、放射性物質に汚染されて線量の高い地域に住む子ども達は、3週間の保養が国の制度によって受けられる一方、原発解体労働者(リクヴィダートル)や避難者の支援が必ずしも実施されていないという現状も報告しました。
福島からベラルーシ視察に参加した八島千尋さんと人見やよいさんも駆けつけてくれました。

八島千尋さんは、小児糖尿病を支援する保養プログラムに3日間滞在。その時の様子を語ってくれました。
ベラルーシでは、チェルノブイリ原発事故後に、小児糖尿病(I型糖尿病の事。発症メカニズムはまだ解明されておらず、一生治らない病気。毎食カロリー計算をしてインシュリンの摂取が必要となる。生活習慣が原因で起こるII型糖尿病とは異なる。)が増加したと報告されています。事故との因果関係は明らかになっていませんが、実際に特に汚染の高いゴメリ州などの地域で小児糖尿病の子ども達が増えていることから、ベラルーシの財団「子ども達に喜びを」が小児糖尿病の子ども達を支援するプロジェクトを立ち上げました。

人見やよいさんは、ベラルーシの良いところも悪いところも見て来たと感想を発表してくださいました。
ベラルーシの市民社会は子ども達を守ろうという強い意志をもって30年間活動し続けていました。ですが、一方でベラルーシ政府は事故はすでに収束し復興したと宣言。市民活動や政治活動への圧力がはげしく、チェルノブイリ被害者の救援を行っている人々も活動しにくい状況があります。

後半には、福島県民健康調査で明らかになった甲状腺がんの多発、そしてFoE Japanが行っているぽかぽかプロジェクトについて報告しました。

また今回福島市の会場では、ベラルーシ視察に参加し、今回発表もしてくれた八島千尋さんの作品展示も行いました。

発表資料は後日ウェブサイトに掲載予定です。
またベラルーシの視察を一冊の冊子にまとめており、今後販売予定です。