原発の事故賠償・廃炉費用を託送料金に?パブコメ結果

原発の事故賠償費用の「過去分」2.4兆円や、廃炉費用の一部を託送料金で回収しようという案について、117日まで実施されていたパブリックコメントの結果が公開されました。

1412件の意見のうち、託送料金への上乗せに反対する意見が相次ぎました。

29日に開催された「貫徹委員会第5回会合」でもパブコメの結果が報告されましたが、議論はほとんどなく、若干の修正を加えた「中間とりまとめ」が了承されました。

221日に開催された国会エネルギー調査会(準備会)にFoE Japanも参加し、

・本来は原子力事業者(電力会社)の責任である(このことは政府も認めている)

・電力システム改革の趣旨に反する

・国民の理解を得られていない

ことについて改めて確認・質問しました。時間の関係で十分な回答がありませんでしたが、引き続き回答を求めています。(吉田 明子)

▼パブコメ結果はこちら
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620216013&Mode=2

▼国会エネルギー調査会(準備会)第62回 (資料は最下部にあります。)
http://blog.livedoor.jp/gempatsu0/archives/469245.html

原発事故避難者の住宅をめぐる政府交渉報告~「国の責任」はどこへ?

2月20日、「避難の協同センター」「原発事故被害者の救済を求める全国運動」の主催で、原発事故避難者の住宅をめぐる政府交渉が行われました。復興庁、内閣府、総務省、財務省、厚生労働省、国土交通省が出席。

この交渉で復興庁が、避難者の数や実態について正確に把握をしていなかったことが明らかになりました。

都道府県別や住宅種別(公営住宅、民間賃貸等)の避難者数については、「把握していない」と回答。また、「福島県によれば、3月で住宅提供を打ち切られる避難者(12,363世帯)のうち、4月以降の住居が決まっていない避難者は2158世帯」と回答。2158世帯といえば、全体の17%。

「えっ!? そんなに少ないわけない」

この問題に取り組んできた関係者の多くがそう思いました。

実際には、4月以降の住居がきまっていない人は、もっと多いと思われます。

というのは、福島県は(4月以降の住居が)「確定」「ほぼ確定」「未確定」という3つのカテゴリーを設けており、「ひだんれん」が福島県に確認した結果、このうち「ほぼ確定」については、「退去のみが決まっており、転居先が決まっていない人も含まれている」ことを認めています。復興庁は、この「退去のみが決まっており、転居先が決まっていない人も含まれている」という相当数の人たちを「4月以降の住居が確定」しているとカウントしてしまっているのです。くわしくは、こちらの報告をご覧ください(PDF

福島県による区域外避難者の戸別訪問

%e7%a6%8f%e5%b3%b6%e7%9c%8c%e8%a8%aa%e5%95%8f%e8%aa%bf%e6%9f%bb「ある程度」とは、退去が決まっており、引っ越し先が決まっていない数が含まれている。

これでは、事態を過小評価することにもなります。

大きなポイントになったのが「国の責任」です。

多くの自治体が、住宅提供の打ち切りにあたり、人道的立場から独自の避難者支援策を打ち出しているのですが、自治体ゆえの限界や、自治体間の格差が明らかになっています。主催側は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の事例を一つ一つあげ、現場情報に基づいて国の認識をただしたのですが、国の回答は、「福島県によれば」「避難先の状況に応じて」など、責任を福島県や避難先自治体に転嫁させているのではないかと思えるようなものが多かったのは残念です。

避難者の窮状、たとえば、民間賃貸住宅の避難者における、管理会社の事実上の「追い出し」事例についても、まったく把握していませんでした。

復興庁は、都道府県・住宅種別の避難者数についても把握していませんでした。それでは対策のとりようがありません。

「原発事故子ども・被災者支援法」では、原発政策を推進してきた国の責任として、被災者が居住・避難・帰還の選択を自分の意思で行えるように支援することを明記。そのひとつとして「住宅の確保」についても挙げられています。

主催団体側からは、被災者のおかれているリアルな状況について口々に指摘。

私たちは、改めて、国として主体的に対策をとること、現行の住宅提供を継続させることを求めました。(満田夏花)

(具体的な質疑はこちらから)

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長野県 9つの市町村議会から放射性廃棄物・除染土の拡散防止を求めて国に意見書

原発事故後、政府は従来基準の80倍にあたる8000bq/kg以下の放射能汚染された廃棄物を地方自治体や事業者に普通のゴミとして処理させると定め、同じく8000bq/kg以下の除染土を全国の公共事業に使うという方針を出しました。
昨年12月、長野県上伊那郡全域と下伊那郡の一部の9つの市町村(辰野町、箕輪町、南箕輪村、伊那市、宮田村、駒ケ根市、中川村、高森町、豊丘村)から、国に対し、放射性廃棄物を全国に拡散させないことを求める意見書が採択されました。(2つの町議会では否決)また、辰野町、伊那市、宮田村、高森町、豊丘村では、放射能汚染された廃棄物・除染土の受け入れを拒否する決議も採択されました。

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同地域に民間事業者により8000bq/kg以下の放射性廃棄物を含む最終処分場計画が持ち込まれていることから、住民や議員の懸念も大きく、今回の住民有志による陳情・請願アクションが実施されました。しかし、現状の政策の下では、全国の自治体にいつ放射性廃棄物が持ち込まれてもおかしくありません。今後は、周辺地域、また全国に運動を広げていき、地方自治体から政策を変えさせることを目指します。
※本運動にはFoE Japanスタッフの柳井が一住民として関わっています。
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放射性廃棄物を全国に拡散させないよう求める意見書 (※一部自治体では若干内容が異なります)

低線量の放射線被ばくの影響は、これ以下で安全であるという「閾値」がないこと、被ばく量の強さとともに健康リスクが増大することを前提に被ばく防護を行うことが、国際的合意となっている。そのため、従来100ベクレル/kgを超える放射性廃棄物はドラム缶につめ、原発敷地内で厳重管理されていた。
ところが2011年の福島原発事故を受け、政府は「放射性物質汚染対処特措法」を定め事故で生じた放射性廃棄物の処理を大幅に緩和して8,000ベクレル/kg以下であれば、通常の廃棄物として処分できるとした。さらに環境省は今年、8,000ベクレル/kg以下の除染土を全国自治体の公共事業で使えるとする方針を決定した。

その結果、従来の基準の80倍以上の放射性廃棄物が全国の廃棄物処分場に持ち込まれ、あるいは道路の盛り土の下に埋められることになる。政府のこのような方針は、放射性廃棄物を全国に拡散させ、国土と国民の命を世界に前例の無い危険にさらすものであると同時に、原発事故の完全終息に向けた政府責任を薄めることにもつながる。

よって下記事項を強く要請する。

1.「放射性物質汚染対処特措法」を見直し、8,000ベクレル/kg以下の放射性廃棄物を通常の廃棄物と同様に処分できるという方針を撤回すること。
2.8,000ベクレル/kg以下の放射性廃棄物を公共事業で使用する方針を撤回すること。
3.政府は8,000ベクレル/kg以下の放射能汚染された廃棄物に関しても、汚染のない地域への拡散を防ぎ、廃棄物処理の全工程に直接責任を持って厳重に集中管理すること。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
衆議院議長  大島理森 様
参議院議長  伊達忠一 様
内閣総理大臣  安倍晋三 様
経済産業大臣  世耕弘成 様
環境大臣   山本公一 様
復興大臣   今村雅弘 様


◎ 議員と市民の報告会 『放射能のない環境を守ろう!』

長野県上伊那では飯島町議会を除く全議会が、そして下伊那でも高森町と豊丘村議会が採択し、意見書を政府に上げました。3月定例会でも、塩尻市議会に請願すべく現在準備を進めております。
南信から始まったこの活動を県内はもちろん県外にも広げることで、全国への放射能拡散を防いでいきたいと願っています。
そのためにこの陳情請願を審査し賛同してくださった各議会の議員の方々に各議会での審査経過を報告していただき、市民の皆様と意見交換する集会を企画しました。

内 容:
長野県上下伊那市町村議会議員による「放射性廃棄物を全国に拡散させないよう求める陳情請」の審査報告と今後の活動についての意見交換。

日 時: 2017年3月12日(日)14:00~17:00
会 場: 飯島町文化センター視聴覚室(仮) 飯島町飯島2489番地
資料代:¥500
参加申し込み: kmgnkankyo@gmail.com
主 催 放射能拡散No!ネットワーク(旧 放射能拡散のない環境を守るネットワーク)
協 賛:上下伊那連絡会 駒ヶ根の環境を守る会 竜援塾 伊那谷未来会議

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(柳井 真結子)

インドネシア 海に沈む農村

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ショートムービー『浸水する生活-インドネシア、プカロンガンの気候変動影響』(約5分・英語)

 

インドネシア、ジャワ海に面するプカロンガン市のバンドゥンガン村。
市街地から沿岸の方に進むと、屋根も窓もやけに低い家々が目立ち始めます。

村は稲作とジャスミン栽培を中心にした小さな農村でした。
2006年頃から徐々に海水が内陸に向けて侵入しはじめ、現在では100ヘクタールほどあった稲作地はすべて100cm~150cmもの深さの海水の下にあります。農民の中には行政の勧めもあり、魚やエビの養殖業へと転換した人もいますが、網を使った養殖場でも海面上昇に対応できず、全く収獲できない年も出てきています。
300戸以上の家屋と生活道路にも浸水し、井戸やトイレ、お風呂も使えません。浸水が始まった当初、住民の避難場所となっていた学校やモスクも今では冠水しています。
水の侵入を防ぐため、毎年のように50cmほど床を高くせざるを得ない家も少なくありません。冒頭の屋根や窓が低い家々は、床を何度も高くしていった結果です。
収入減を失っている住民たちには、このような家屋の改築等も大きな負担となっています。行政からは、一部の限定的な支援が突発的にあるだけで、住民は水の来ない場所に移住することもできず、悪化し続ける環境に耐え続けています。

FoE Japanは、プカロンガン市を含むジャワ海沿岸のコミュニティで2008年からマングローブの浸食防止作用を活用した適応対策を導入してきています。
しかし、バンドゥンガン村の状況には、マングローブだけでは対応しきれません。2015年よりプカロンガン市及び隣接するプカロンガン県の沿岸コミュニティの被害状況と行政プログラムの調査を行っています。現在、急速な環境変化によって住民が直面している様々な生活環境の問題と、地方行政の既存のプログラムを整理して結びつけることで、すぐにでも改善・支援を開始できる部分を明らかにしていってます。将来的には、住民ニーズに沿った新たな支援プログラム及び、効果的な支援メカニズムを地方行政の下に構築することを目指しています。

この度、FoE Japanの現地のパートナー団体であるBINTARI財団からスタッフ2名が来日し、2/23(木)、2/24(金)に、活動報告会とシンポジウムで、それぞれこれまでFoEとBINTARIが実施してきた適応対策の成果、そしてプカロンガン市等の被害の現状を報告します。ぜひ、ご参加ください。

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2/23(木)活動報告会「気候変動影響の中で生きる~インドネシア 海面上昇の村、水不足の農村の人々の挑戦」
 
インドネシアでは、気候変動が人々の暮らしに大きな影響を及ぼしています。農村では、降雨パターンが変化し、伝統的な農法や特産物の栽培ができなくなり、また深刻な水不足が生じています。一方で沿岸部では、海面上昇により広大な農地や養殖場が失われ、家屋や道路への浸水が慢性化しています。 FoE Japanは、現地NGOや大学と連携し、2008年からスマラン市、ウンガラン郡、プカロンガン市の農村や漁村にて、コミュニティ主体で気候変動影響に適応していくためのサポートを続けてきました。 本報告会では、住民理解の促進から、適応対策導入のための組織化、行政の能力強化、そして気候変動により収入減を失ったコミュニティの自立化までの経験、成果をご報告します。さらに、適応対策の可能性と限界について考えます。
日時: 2017年 2月23日(木)18:30~20:30
場所東京ウィメンズプラザ 第一会議室
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-53-67
参加費: 500円 (FoE Japanサポーター・学生無料)
申込み: http://www.foejapan.org/aid/community/mangrove/170223.html
主催・問合せ: FoE Japan 担当:柳井
プログラム
1.イントロダクション インドネシアの気候変動影響
2.農村の気候変動影響とアグロフォレストリーを通じた適応対策
スピーカー:Amalia Wulansari氏(BINTARI財団)
3.海面上昇の被害を受ける沿岸コミュニティのマングローブ保全を通じた適応対策
スピーカー:Arief Khristanto氏 (BINTARI財団ディレクター)
4.ディスカッション コミュニティの適応対策の可能性と限界
※逐次通訳あり
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2月24日開催「シンポジウム:アジアの気候変動の現実とClimate Justice(気候正義)」

http://www.foejapan.org/climate/lad/170224.html

洪水、熱波、渇水などの異常気象や海面上昇、農作物への被害…気候変動による被害は各地で見られています。アジアの途上国の貧困層は特に、農業や漁業に頼って生活していたり、住居が脆弱であることから気候変動の影響は特に甚大です。
2016 年、パリ協定が発効し、気温上昇を1.5 度までに抑える努力が書き込まれました。 その目標を達成するためにも、すでに被害を受けている人々を救うためにも、持続可能で公正な解決策をいますぐ実施していかなくてはいけません。歴史的に温室効果ガスを大量排出して発展を遂げてきた日本の責任は重大です。
同シンポジウムでは、国立環境研究所地球環境研究センターの江守正多氏を迎えて国際交渉や科学の動向を、実際に現地で影響を受けながらも対策に取り組むインドネシアの方々をお招きしてアジアで広がる気候変動の被害についてお聞きします。ぜひ、ご参加ください。

プログラム(予定)
【基調講演】
「気候変動の科学とClimate Justice」
…江守正多/国立環境研究所地球環境研究センター気候変動リスク評価研究室室長
▼COP22交渉のポイントと、COP23に向けて
…小野寺ゆうり/FoE Japan
▼COP22と気候正義を求める市民社会の声
…深草亜悠美/FoE Japan
▼インドネシアにおける被害の現状と取り組み
…Arief Khristanto 氏/BINTARI 代表
柳井真結子/FoE Japan
◆言語:日本語日 時 2017年2月24日(金)14:00~16:30(開場13:30)
場 所 文京シビック スカイホール(26階)(東京都文京区春日1‐16‐21)
参加費 1000円(FoEサポーター・学生500円)
定 員 80名
申 込 http://www.foejapan.org/climate/lad/170224.html
問合せ FoE Japan 担当:深草 (info@foejapan.org
★★こちらも御覧ください
動画「気候変動 スリランカの声」
動画「気候変動 フィリピン〜巨大台風の傷跡〜」

(柳井 真結子)

原発事故避難者の住宅提供打ち切り目前~自治体の独自支援広がる

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東京電力福島第一原子力発電所の事故からまもなく6年。

「福島復興加速化指針」として避難指示区域が次々に解除になり、「復興」の名のもとに帰還が促進されている中で、避難者向けの住宅供与の打ち切りが迫っている。避難者たちは帰るに帰れず、精神的に追いつめられた状況に置かれている。国が動かない中、独自の支援策をとる自治体が増えてきているものの、その対応には差異がある。

孤立化・困窮化する避難者たち

現在、福島県からの避難者は83,000人。東京都が5,235人と最多。次いで、埼玉県(4,077人)、茨城県(3,700人)、新潟県(3,180人)、神奈川県(2,875人)、山形県(2,686人)などが多い状況。

避難者の半数以上が、災害救助法に基づく借上住宅制度で、公営住宅や民間賃貸住宅で生活をしているが、この制度に基づく住宅供与の打ち切りが2017年3月に迫っている。打ち切りの対象は、政府指示の避難区域以外の避難者(いわゆる自主的避難者)約2万6,000人。子どもや家族を守るため、賠償も支援もなく避難を決断した人が多い。2011年12月にようやく認められた賠償も少額で、避難に係る経費をカバーするには程遠い額であった。これらの人々はばらばらに避難し、孤立化し、困窮化しているケースも多い。中には、高齢者、障がい者を抱えている人や、シングルマザーで頼る人がいないという人もいる。

多くが避難継続希望、しかし…

福島県が2016年1月~3月に実施した「住まいに関する意向調査」(対象世帯12,436世帯 回答率59.7%)では、県外避難者の5割以上が避難継続を希望、77.7%が2017年4月以降の住宅が決まっていないという結果だった。

「まだまだ帰れる状況ではない」「必死に避難して、ようやく慣れてきたばかりなのに」というのが避難者の本音である。

福島では避難区域の外であっても、放射線管理区域相当(4万Bq/m2以上)の土壌汚染がいまだに広い範囲で確認されている。放射線管理区域は、原発や病院、研究所など放射線を扱う施設において、訓練を受けた放射線業務従事者が限られた時間しか滞在をゆるされていない区域だ。

生活するのが精いっぱいという避難者もいる。都内のある避難者は、小さなこども2人と母子避難、その後、離婚した。介護士の資格をとり、子どもを保育所に預け、必死に働いてきた。子どもがいるため、夜勤はできない。生活は苦しい。忙しく戸別訪問でも福島県と会えていない。(「避難の協同センター」瀬戸大作さんの聴き取りによる)

「賠償をもらっているんだろう」「いつまで甘えるつもりなんだ」といった、避難者に対する社会の無理解や不寛容もある。とりわけ避難世帯の子どもに対するいじめ問題が各地で表面化し、社会問題となっている。

国の対応の欠如

本来であれば、「原発事故子ども・被災者支援法」では、国が原発事故被災者が、居住・避難・帰還について自らの意思で選択できるよう、被災者がいずれの選択を行った場合も支援を行うことになっている。その中に住居の確保も含まれる。

すなわち、原発事故避難者が路頭に迷うことがないような制度設計をおこなう責任は国にある。避難者の5割が避難継続を希望、そして7割以上が住宅提供打ち切り後の住居が決まっていないという調査結果がでた段階で、国は抜本的な対応を行うべきであり、それまでは現行の災害救助法の適用延長を決断すべきであった。

しかし、国は、「福島県が打ち切りを決めた」と責任を福島県に押し付けている感がある。

 自治体の独自支援広がる

一方、人道的立場から独自の支援策をとる自治体もでてきている。

鳥取県は平成31年3月まで県営住宅等の提供を延長。山形県は、民間借り上げ住宅の入居期間を1年延長、県内での転居費用を最大5万円補助(条件なし)、県職員公舎50戸を2019年3月まで無償提供。札幌市は市営住宅の提供を1年延長。新潟県は公営住宅への引越し代支援および民間住宅の家賃補助の上乗せを打ち出した。

埼玉県は自主避難者がだれでも応募できる公営住宅を50 戸用意(条例改正で、収入要件、同居要件の撤廃を行った)。他に県営住宅の自主避難者特別枠を100 戸用意した。また、県の管理以外の市町村会議、宅建協会にも「県の方針」を伝え、追い出しをできるだけしないよう通知。敷金礼金についての配慮を求めた(SAFLAN調べ。下表参照)。

懸念される東京都の対応…

東京都は、住宅の打ち切り対象の避難者が717世帯と最多だ。東京都は都営住宅の専用枠を300戸設けた。ただし、入居要件をとりはらった埼玉県とは対照的に、世帯要件、所得要件などが細かく設定されており、要件を満たした応募数が192 世帯のみ。UR 住宅・雇用促進住宅・区市町村営住宅の避難者は優先枠対象から外されている。

都営住宅の優先入居の仮斡旋に当選したが、当選した都営住宅は現在の避難先住宅から遠く離れ、子どもの学校の転校による「いじめ」の不安と経済的負担が重く、都営住宅の入居を断念したという避難者もいる。このように、せっかく当選しても、さまざまな事情で辞退せざるをえなかった世帯が25世帯ある。

東京都は東電の株主でもあり、福島第一原発の電気は首都圏で消費されていた。いわば、少なからぬ加害責任がある。全国の自治体に先駆けて、思い切った避難者支援に踏み込んでほしい。

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避難者の孤立化・困窮化を防ごう

FoE Japanも参加する「避難の協同センター」では、国に対して現行の住宅供与の延長や抜本的な避難者への住宅支援を求めるとともに、自治体議員とも連携して自治体ごとのきめ細かい避難者の把握や支援を働きかけている。

国が動かない今、各地の自治体と連携して、避難者の孤立・困窮化を防ぎ、あたたかく支えあう社会をつくっていくことが求められている。

(満田夏花)

詳細資料>避難指示区域以外からの避難者の応急仮設住宅供与終了に伴う各都道府県の支援策(2016年12月6日現在) ※ひだんれんが、福島県交渉で請求し、開示をうけたものです

 

 

みんなで考えよう!東京湾の石炭火力新設計画

FoE Japanも参加するeシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)では、東京ガスに対して「石炭火力発電を建設しないで」というアクションを呼びかけていました。
その経緯を簡単に報告します。

●東京ガス環境部と面談
2016年7月と10月に、FoE Japanや気候ネットワーク、公害地球懇で、東京ガスの環境部と面談を行いました。
大気汚染や健康影響の懸念や、国際的なダイベストメントの流れ、市民からの声を伝えました。
環境部の方からは、情報収集は今後もしていきたいが、計画の変更は今のところない、現在は、環境アセスメントのための現況調査を実施しているところ、とのことです。
10月の会合では、袖ケ浦の市民の方も参加を希望されていたのですが、地元の方への説明は袖ケ浦エナジーが地元で行うことになっているということで、断られてしまいました。
これについては、ぜひ地元でも面会の機会を持ってほしい、持つように伝えてほしいと要請しました。

●「東京ガスさん、石炭火力発電の新規建設はやめて」アクションのハガキ
は2017年1月の時点で300通以上届いているそうです。
ハガキは、いくつかの部署を経由して環境部に届くようです。
またハガキ以外にも、電話などでも意見が届いているとのこと。
パリ協定発効を受けて、石炭火力新設に関する状況は、国際的にもさらに厳しく変化しています。
ダイベストメントの動きや消費者の声も、少なからず影響を与えているはずです。
ハガキつきチラシもまだあと1000枚ほどあります。
ぜひ再び、呼びかけをできればと思います。
http://e-shift.org/?p=3309ぜひ
袖ケ浦や千葉県内でも、勉強会を開催する動きがあり、
2月25日には、下記の集会が企画されています。千葉の方、ぜひお出かけください。
また、仙台での動きも活発になっているようです。
http://sekitan.jp/info/sendai-power-station-20161121/

(吉田 明子)

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2/25 みんなで考えよう!東京湾の石炭火力新設計画
http://e-shift.org/?p=3402
―――――――――――――――170225_flyer
★どなたでも参加できます★
えっ 6基もの石炭火力発電所が東京湾岸沿いに出来るんですか?
袖ケ浦市に100万Kwが2基、市原市に100万Kwが1基、千葉市に107万Kwが1基、
横須賀市に65万Kwが2基計画されています。
こんなに沢山の石炭火力発電所を東京湾岸沿いに作って本当に大丈夫なの?
大気汚染による地域住民への健康影響は?地球温暖化への影響は?
温排水による水温上昇で東京湾の魚介類は?
これらの事について語ってもらい、一緒に考えましょう。
多くの皆さま方の参加を、お願いたします。
日時:2月25日(土曜) 13:00受付 13:30開始 16:00終了予定
場所:市原市青少年会館 電話:0436-43-3651  参加費:無料
<スピーチ 石炭火力発電 何が問題?>
① 大気汚染・健康被害・地球温暖化の影響   気候ネットワーク 平田 仁子さん
② 東京湾における温排水の影響         袖ヶ浦市民が望む政策研究会
主催: 東京湾の石炭火力発電所建設を考える会
協 賛: 石炭火力を考える市原の会、袖ヶ浦市民が望む政策研究会、気候ネットワーク、国際環境NGO FoE Japan、eシフト
連絡先: TEL 090-2553-2587 Eメール:i_nagano@dreamcar.co.jp (永野)

福島県民健康調査で甲状腺がん・疑い183人に ~甲状腺がん子ども基金:福島県外では重症例も

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検査縮小?
2016年12月27日、福島県県民健康調査検討委員会が開かれ、福島県における事故当時18歳以下の子どもたちの甲状腺検査の結果が報告された。それによれば、2014年から始まった2巡目検査で甲状腺がんまたは疑い とされた子どもたちは68人(男性 31人、女性 37人)。このうち1巡目の検査で、A判定(結節ものう胞もなしか、もしくは5mm以下の結節、20mm以下ののう胞)とされた子どもたち62人含まれている。>当日資料

第一巡目の結果とあわせれば、甲状腺がん悪性または疑いと診断された子どもたちの数は、183人、手術後確定は145人。

こうした中、甲状腺検査を自主検診とし、事実上の検査の縮小を求める動きがある。日本財団の笹川陽平会長は、12月9日、「検査を自主参加にすべき」とする提言書を内堀雅雄知事に提出。専門作業部会を開いて今後の検査体制の方向性を示すよう求めた。現在、県民健康調査は、原則、対象者全員のもとに検査の通知を出している。「自主検診」は事実上の検査の縮小となる。

日本財団の提言は、同財団が9月26-27日開催した「第5回福島国際専門家会議」に基づくものとされているが、実際は、国際専門家たちが、検査を縮小することで一致したわけではない。ベラルーシの専門家ヴァレンティナ・ドロッツ氏は「早期診断が非常に重要」と指摘し、ロシア国立医学放射線研究センターのヴィクトル・イワノフ氏も「福島でも、今後10年20年以上データを取り続ける必要がある」と発言。むしろチェルノブイリの経験を踏まえて、検査の継続を求める専門家たちも多かった。日本財団の提言をうけ、福島県県民健康調査検討委員会の星北斗座長は、「国際的、科学的、中立的」な第三者組織により科学的な検討を行うことによって、「県民の理解を深めたい」との意向を示したが、終了後の記者会見では、新たな第三者組織の設置目的や現行の委員会との違いについて質問が集中した。

民間基金が警告…県外で重症化しているケースも

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写真上:記者会見で検査の拡充の重要性を指摘する崎山比早子代表

一方、民間基金による甲状腺がんの子どもたちへの支援事業により、福島県外でも重症化しているケースが指摘されている。

3・11甲状腺がん子ども基金」(代表:崎山比早子氏)は、2016年12月から、東日本の15の都県に対する甲状腺がんの子どもたちへの療養費給付事業を開始した。 12月27日の発表によれば、第一回の給付は、福島県および近隣県・関東の子どもたち35人に対して行われた(うち福島県26人、福島県外9人)。福島県外の症例は、自覚症状によって受診して発見が遅くなったと思われる患者が多く、腫瘍径が大きかったり、肺転移したりと、重症化しているケースが目立った。また、福島県の26人の給付対象者のうち、福島県民健康調査では見つからず、自主健診で甲状腺がんが見つかったケースが複数あった。また、長期間、手術を待ったり、何度も検査をしながら経過観察が続いたりしているケースが目立った。

同基金の崎山比早子代表は、「県外において発見が遅れ、重症化しているケースがみられた。現在、福島県の検査を縮小するという話があるが、実態をみればむしろ逆。拡大・充実させ、早期発見・早期治療に努めるべき」とコメントした。

崎山代表が、福島県外における検診の実施を強調するのには理由がある。福島県外では、県レベルで一斉に検診が行われてはおらず、自治体や民間団体による自主健診が行われているにすぎない。その中から甲状腺がんも見つかっている。福島県に隣接する宮城県丸森町では2015年7月から2016年4月にかけて1564人が超音波検査を受検した結果、1人ががん、1人ががんの疑い。茨城県北茨城市では、 2014年度は18歳以下の、3,593人が受診。 3人が甲状腺がんと診断された。

「事故の影響とは考えづらい」
福島県県民健康調査委員会では、現在まで「事故の影響は考えづらい」としている。理由は(チェルノブイリ原発事故時と比べて)被ばく量が少ない、小さな子どもたちにがんが見られないことなどである。しかし、スクリーニング効果を加味しても多発であるという論文、また、1巡目から2巡目までのわずか数年で、最大3.5cmのがんとなっていること、通常の甲状腺がんより男性比が高いことなど、通常の甲状腺がんとの相違やチェルノブイリ原発事故後多発した小児甲状腺がんとの類似を指摘する意見もある。

国立がんセンターの試算によれば、2010 年時点の福島県の 18 歳以下の甲状腺がん有病者数は、2.0 人。(有病者数とは、自覚症状等がなくまだ発見されていない潜在的なものも含めて実際に病気を持っている数。)国立がん研究センターがん予防・検診研究 センター 長の津金昌一郎博士は、福島の子どもたちの甲状腺がんの数は、この「約60倍」とする(2014年11月時点)。

「有病数より数十倍のオーダーで多い」

2015年5月18日の委員会において、甲状腺評価部会は1巡目の甲状腺検査の結果について、「わが国の地域がん登録で把握されている甲状腺がんの罹患統計などから推定される有病数に比べて数十倍のオーダーで多い」とする中間取りまとめを発表した。一方で、「放射線の影響は考えにくい」としている。

甲状腺評価部会長で、日本甲状腺外科学会前理事長の清水一雄氏は、①本来ならば甲状腺がん患者の男女比は1対7と女性が圧倒的に多いのに、チェルノブイリも福島も1対2以下になっていること、②1巡目の検査でせいぜい数ミリのしこりしかなかった子どもに2年後に3cmを超すようながんが見つかっていることを挙げ、「放射線の影響とは考えにくいとは言い切れない」、としている(2016年10月21日付北海道新聞)

一部の専門家たちは、「多く発生している」ことの説明として、「過剰診断論」を唱えている。「過剰診断」とは、ここでは「生命予後を脅かしたり症状をもたらしたりしないようながんの診断」をさす。すなわち、放置しても深刻な病状をもたらさないがんを発見し、手術してしまうことだ。

しかし、手術された子どもたちの症例は深刻だ。2015年8月31日、手術を受けた子どもたち96人の症例について、福島県立医大(当時)の鈴木眞一教授によるペーパーが公開され、リンパ節転移が72例にのぼること、リンパ節転移、甲状腺外浸潤、遠隔転移などのいずれかに該当する症例が92%にのぼることが明らかになった 。県民健康調査委員会の清水一雄委員も「医大の手術は適切に選択されている」と述べた 。

鈴木眞一教授は、甲状腺がん検査および手術の責任者であり、以前より、「過剰診断」という批判に対して、手術を受けた患者は「臨床的に明らかに声がかすれる人、リンパ節転移などがほとんど」として、「放置できるものではない」としてきた。

なお、チェルノブイリ原発事故後、甲状腺がんだけではなく、腫瘍、甲状腺疾患、白内障、内分泌系、消化器系、代謝系、免疫系、血液、造血器官、神経、呼吸器、など多くの疾病が報告されており、包括的な健診や国家事業としての保養プロジェクトがおこなわれている。しかし、日本においては、被ばくによる健康影響を把握するための体系だった健診は行われていない。

(満田夏花)

COP22閉幕 交渉は進むも、「アクション」にはほど遠く

COP22会議閉幕
アクションのCOPになるといわれたマラケシュ会議
交渉は進むも、「アクション」にはほど遠く

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11月7日から18日までマラケシュで行われていた国連気候変動会議が閉幕しました。昨年パリ協定が採択され、今年のCOPはそれを実施につなげるCOPとして「アクション」のCOPと言われていました。また、気温上昇を1.5℃におさえるためには今すぐの行動が不可欠である事から市民社会から「アクション」の必要性が主張されてきました。

削減目標が適応されるのは2020年から。しかし約束されている削減目標を積み上げても、3℃上昇は免れません。FoEグループは、気候変動の被害を食い止め気温上昇を1.5℃におさえるには、今すぐ、とくに2020年までの行動が大事で、このままではパリ協定は不十分と訴えてきました。

今回、残念ながらアクションのCOPからはほど遠い結果となりました。

気候変動の責任がより大きい先進国は、野心を先駆けて引き上げていくべきでした。議論は適応に偏り、すでに影響を受けている脆弱な国への支援や損失と被害に関する議論は十分に行われませんでした。2020年前の行動の強化という議論が十分に成されなかったことは、1.5℃目標から遠ざかる事を意味し、そして既に気候変動の影響を受ける人々や、気候変動の影響に対し、脆弱な人々が、さらに貧困や危機に陥るという事を意味します。

一方で、パリ協定が正式に発効し、交渉ではパリ協定を実施するために必要なルール作りのワークプラン(今後のスケジュール)が合意された事は確かに前進です。また、適応資金の交渉や気候変動の損失と被害に関するワルシャワ国際メカニズムの交渉でも進展が見られました。

会議の最終日、気候変動脆弱国フォーラムの加盟国が、なるべく早い段階で再生可能エネルギー100%を達成する目標を含むマラケシュ・ヴィジョンを発表しました。

またアフリカ大陸全体で固定価格取引制度やコミュニティーベースの再エネを組み合わせて2020年までに10GW、2030年までに必要となる需要の半分の300GWを賄う野心的な計画が本格化しました。

FoEはこれからも先進国の温暖化への歴史的責任と公平な負担(フェアシェア)の観点から今すぐの行動を求めていきます。

★詳しい交渉の内容は、セミナーで報告します!(詳細は後日FoEのウェブサイトに掲載予定)
2016年12月14日14:30~16:00
Tフロントビル会議室(溜池山王駅すぐ)
http://www.kaigishitu.com/detail/00200895001/001/
内容(予定)
マラケシュ会議の成果(報告者:小野寺ゆうり)
– 気候資金の行方
– 損失と被害 など

★これまでのCOP報告はこちら
https://foejapan.wordpress.com/tag/cop22/

ベトナム・原発からの「勇気ある撤退」の理由とは

11月10日、ベトナム政府は、ベトナム中南部のニントァン省原発建設計画について白紙撤回を求める決議案を国会に提出しました。22日にも採決される予定と報じられています。
ニントゥアン省では2か所で原発建設が予定されており、第一原発はロシアが、第二原発は日本が受注を予定しており、実現すれば同国初の原発となったはずでした。
なぜ、ベトナムは原発からの撤退を決断したのでしょうか?
国会議員で科学技術環境委員会副委員長のレ・ホン・ティン氏は、VNEXPRESSのインタビューに答えて、まず経済性をあげ、原発の発電単価が当初計画よりも上昇していること、再生可能エネルギーやLNGが競争力をもったこと、ベトナムの巨額の対外債務問題、放射性廃棄物の処理の問題をあげました。
「これは“勇気ある撤退”だ」とレ・ホン・ティン氏。「これ以上展開し、さらなる損失を被らないうちに早期に計画を中止する必要がある」。
かたや日本では、原発事故の被害額は膨らむ一方。損害賠償や廃炉費用を国民にさらに転嫁するような検討も進んでいます。その一方で、40年超の老朽原発も相次いで運転延長が決まりました。「勇気ある撤退」は程遠い状況です。
以下、VNEXPRESS紙のレ・ホン・ティン氏のインタビュー記事を、翻訳者のご厚意により転載いたします。

VNEXPRESS
2016年11月10日(木)なぜ国会は原発計画を中止へと見直しするのか

11月10日、国会の廊下でレ・ホン・ティン氏(科学技術環境委員会副主任)は、マスコミ取材に対し、政府がどのような観点でニントゥアン原発計画実施を見直し、中止とする議案を国会に提出することにしたかを述べた。

-政府が国会に、ニントゥアン原発建設計画の実施を見直して中止とする議案を国会に提出するに至った主要な理由は何か。

-主な理由は、原発計画の実現可能性が、現時点ですでにないことだ。以前の建設計画では発電原価が約4.9セント/kWhとなっていたが、今ではこれが8セント/kWhにまで上昇している。

さらに、2009年、政府が国会に原発計画を諮ったとき、経済成長が9-10%の速度であることを条件として、それに伴い電力需要も17-20%の伸びを条件としていた。
当時の政府はわが国の電力需要を十分に賄うために、22%の伸びを見込んでいた。
しかし現在、経済成長率はそれよりもずっと低く、毎年約6-7%で推移している。これにより電力需要も予想より伸びが低く、今後5年間で11%、さらに10-20年後には7-8%と見積もられている。

現在は節電技術が進み、エネルギー消費が抑えられてきた。今後2021年までの間に、国内需要は十分賄える見込みだ。さらに、再生可能エネルギーが発展を始めており、電力原価は5 セント/kWh以下にまで下がった。わが国にはニントゥアン、ビントゥアン、バックリュウ等々、風力発電を展開できる多くの地域がある。原油価格1バレル50USDという予想が出ているが、これに代わるLPGガスが合理的な原価を示しているので、我々が輸入して環境にやさしいエネルギー源として発展させることができるだろう。

原発の話で言うと、計画を展開した後に出る核廃棄物の解決は議論が必要だ。特に、最近の環境事故の後ではその必要が高まっている。

さらに現時点で原発計画を中止すべきもうひとつの理由として、わが国の債務がすでに許容範囲ぎりぎりに迫っていることが挙げられる。さらに大きな計画に投資を続けるとなると、危険はさらに増す。もちろん原発への投資をやめると、わが国の電気需要に対応するための電源を確保するために他の電源開発への投資が必要になるだろう。ニントゥアンですでに建設したインフラは別の事業に利用できるだろう、たとえば土地を確保して太陽光発電などの再生可能エネルギーに充てる、工業団地を建設する等々。

―もしも原発計画を続けるとしたら、40京ドンの投資が必要になるといわれているが、この数字をどう評価するか。

―当初の計画では投資金額は20京ドンとされていた、しかし現在計算しなおすとこれが2倍に膨れ上がっている。もし計画が遅れれば、投資金額はさらに膨れ上がる。その後の廃炉費用まで計算すると、発電コストはさらに上がるだろう。

―もし国会で中止が決定したら、すでに署名ずみの契約相手との関係の問題はどうなるのか。

―関係各省庁、各部局が契約相手と合理的な話し合いや協議を行う必要がある。というのも、この計画中止には、すでに述べたような「不可抗力的な」理由があるからだ。

―海外へ原発技術研修に派遣した人材はどうなるのか。

―高度人材はいつでも必要だ。当面は発電総合会社や稼働中の発電所でこの人材を使用することができるだろうし、カネの無駄にはならない。

―この原発計画中止決定を「勇気ある撤退」だとする意見があれば、これをどう評価するか。

―その通りだ。私はこの原発計画中止の提案は、勇気ある撤退だと考える。ベトナムは原発で後発の国であり、立案時には原油価格が高く原発が必要と考えられていた。その後状況が変化し、我々は、さらなる損失を被らないうちに早期に計画を中止する必要がある。

―原発への投資を決定してから、このような難解な数学の問題に直面したような国の例はあるか。

―もちろんある。たとえば南アフリカだ。ほとんど準備が整った時点で中止した。もしくはドイツがある。技術上の変化、安全上の要求、そして使用済み核燃料の問題から、多くの原発を廃止したり中止したりしている。我々が現時点で原発を中止するのは、時機を得た、かつ必要なことだ。

(囲み記事)

2009年11月25日に、382票の議員の賛成を得て(全議員の77.48%に相当)、国会はニントゥアン原発建設計画を議決した。計画では原発は2ヶ所、1ヶ所につき2基の原子炉が予定されていた。ニントゥアン第一原発はトゥアンナム県フォックジン郡に、ニントゥアン第二原発はニンハイ県ヴィンハイ郡に、それぞれ2,000MWの容量で建設が決まっていた。

ヴォー・ハイ、アイン・ミン

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▼色あせてしまったニントゥアン第二原発の看板 (c)FoE Japan

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‘行動’を求める世界の動きはとまらない

プレスリリース
2016年11月18日(金)
FoE International (原文下記)

‘行動’を求める世界の動きはとまらない – しかし私たちは未だに危険な温暖化の道を進んでいる

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マラケシュ、モロッコ – 国連気候変動会議の最終日の今日、FoEインターナショナルは、気候変動へのグローバルな行動を求める市民社会の声は、気候変動懐疑論者を選出したアメリカ大統領選の話題によってかき消されてしまったと話した。

FoEアメリカのベンジャミン・シュリバーは「気候変動はアメリカの行動を待ちはしない。アメリカ以外の国は明らかに前に進んでいる。トランプの選出はアメリカ以外の世界がアメリカを気候変動対策におけるならず者国家として扱い、野心を引き上げる事で、団結するきっかけになる。」と話し、さらに「以前にもアメリカは国連気候変動交渉の外にいた。その他の国は、我々が変革を再びアメリカで起こすまで、前進してほしい」と話した。

また、世界中で起きている再生可能エネルギーを中心としたエネルギー革命は、希望を生んでいる。

FoEアフリカのクワミ・クポンドゥゾは「COP22はアフリカのCOPと言われていた。良いニュースは、アフリカ再生可能エネルギーイニシアティブ(AREI)がマラケシュで本格始動したことだ。これはアフリカによるアフリカのためのイニシアチブで、化石燃料からコミュニティ主導のクリーンエネルギーへの蛙飛びをすることになる。FoEグループはこのイニシアチブを形にするため、長年はたらきかけていた。エネルギー貧困と闘うアフリカの市民社会の成し遂げてきた功績の証明だ」と話した。一方「しかし、支援を必要としているアフリカの人々のための資金という重要な問題に関して、今回のCOPであまり動きが見られなかった。先進国により報告された(気候資金の)信用に欠けるアカウンティング方法を利用した資金レポートは、すでにアフリカの各地で洪水や干ばつに見舞われている何百万人もの人々を取り残す事になる。アクションがなければ、この危機の中で、それもアフリカの人にはほとんど責任のない気候変動の危機の中で、生き残る事ができない」と話した。

FoEマレーシアのミーナ・ラーマンは「科学は明らかで、今机上にある約束はこの世界を3℃の気温上昇まで許してしまう。この地球上の何百万人もの人々が安全に暮らしていけなくなる。裕福な国は2020年より前の行動をさらに強化する義務がある。1.5℃上昇に抑える必要があるからだ。しかしそういった行動はまだ見られない。今行動しないのは公平ではない。行動を先延ばしにしても、もっと物事が難しくなるだけで、コストもより大きくなるだろう」と話した。

FoEドイツのアンキャサリン・シュナイダーは「次のCOPは我々の国、ドイツのボンになる。次のG20の議長国でもあるドイツにとって、市民が立ち上がって声を伝えるための重要なタイミングとなるだろう。気候変動という地球規模の課題を解決するために世界のリーダー達は真に野心的な政治的意思をもって、ボンに集まってほしい。それにはすでに災害の被害を受けている人々を救済するということも含まれていなくてはいけない。私たちも何千人もの市民と一緒に、政治家達が行動をとる事をためらわないようにするし、世界中の人々のために、説明責任を果たすよう求めていく」と話した。

FoEインターナショナルは気候変動を解決するためには、人々の力強いムーブメントが重要であると主張している。

PRESS RELEASE
Friday 18 November 2016

Global momentum for action unstoppable – but we are still on track for dangerous levels of warming

MARRAKECH, Morocco – Today at the conclusion of the UN climate conference, Friends of the Earth International said that the momentum for global action on climate change refused to be overshadowed by the election of a climate denier to the US Presidency.

“Climate change is not going to wait for US action and the rest of the world is clear it is moving forward,” said Benjamin Schreiber of Friends of the Earth US.

“Trump’s election must unify the world in treating the US as a climate pariah, and respond to his Presidency by redoubling ambition,” Schreiber continued. “The US has been outside the UN climate process before and other countries must ensure that progress is made while we work to create change back home.”

Hope continues to rest on the renewable energy transformation that is taking place globally, and must be led by people.

“COP22 was billed to be an African COP,” said Kwami Kpondzo of Friends of the Earth Africa. “The good news is that the African Renewable Energy Initiative took off here in Marrakech; an initiative by Africans for Africans, to leapfrog the dirty fossil fuel development and bring clean community-based energy instead. Friends of the Earth groups have fought long and hard to make this initiative a reality and it’s a testimony to the work done by African civil society in the fight against energy poverty.

“However, in this COP we saw very little movement on the crucial issue of finance needed for the people of Africa, Kpondzo continued. “Dodgy accounting and fishy finance reporting by rich countries means that the millions already experiencing floods and droughts in every corner of Africa will be left to help themselves. Broken promises will not help us survive a crisis we did not create,” he continued.

“The science is clear and the current pledges on the table take us to a world of over 3ºC warming, which is incompatible with a safe existence for millions on this planet.” said Meena Raman of Friends of the Earth Malaysia. “Rich countries had an obligation to bring stronger pre-2020 ambition to the table because we must stay under 1.5ºC, but this has not happened. Not acting now is not fair. It will only make action later that much harder, and the cost in human suffering even greater”, she continued.

“Next year the COP goes to our country, to Bonn,” said Ann-Kathrin Schneider of Friends of the Earth Germany. “With Germany also hosting the G-20, this will be an important time for citizens to come together to make their voices heard. Leaders must come to Bonn with a genuine and ambitious political will to meet the global challenge of climate change, including helping those already being displaced by this crisis. We will be there in our thousands to make sure they don’t falter and we will hold our leaders accountable on behalf of people all over the world,” Schneider continued.

Friends of the Earth International asserts that this powerful movement of people is key to solving the climate crisis.

– ENDS –

SPOKESPERSONS:

Meena Raman, Friends of the Earth Malaysia. Email: meena@twnetwork.org, Malaysian mobile: 0060 12 430 0042
Ann-Kathrin Schneider, Friends of the Earth Germany. Mail: annkathrin.schneider@bund.net. German mobile: 0049 151 240 87 297.
Kwami Kpondzo, Friends of the Earth Africa. Email: kwadodzi@yahoo.fr. Morrocan mobile: 00 212 65 35 01 69.
Dipti Bhatnagar, Friends of the Earth International. E-mail: dipti@foei.org. Moroccan mobile: 00212 6 95 54 61 07.