日本国内外での脱石炭を!横須賀、アジア各国と共に発信

昨日6月26日、横須賀市久里浜にある横須賀石炭火力発電所建設計画地に隣接する緑地で、日本政府に対して実質的な気候変動対策の推進、そして、早期の脱石炭への舵切りを求める市民アクションを実施しました。

このアクションは、28日から大阪で開催されるG20の議長である安倍晋三首相に対し、大阪G20サミットを機に、日本もパリ協定に基づく1.5℃目標達成に向け、脱石炭への舵きり、そして、G20議長としてのリーダーシップをとるよう求めるものです。

アクションには、地元の横須賀市民だけでなく、応援に駆けつけた蘇我の会を中心とした東京湾の会のメンバー、FridaysforFutureTokyo、そして、脱石炭への想いを強く持つ市民約100人が参加。

旧横須賀火力発電所の解体作業の現場をバックに、石炭を手に満面の笑みを浮かべる安倍首相を形どったパネルが登場し、横須賀の石炭火力発電所の中止を求めるバナーなどをかかげての写真撮影、各団体から石炭火力発電中止を求めるメッセージが発信されました。

参加者の皆と。
横須賀行政訴訟原告団!

この日は、日本が石炭技術輸出を進めている国々や、石炭事業で関連のある国であるフィリピン、インドネシア、インド、パキスタン、バングラディッシュでも、脱石炭などのメッセージを掲げたアクションが、日本に脱石炭を求める『NO COAL JAPAN』キャンペーンの下で行われました。

フィリピンでアクションを起こしているメンバーの一人のメッセージを、紹介します。

「石炭や化石燃料を燃やすこと、容赦ない自然破壊、増え続ける化石燃料の採掘、利益のための生産。これらは全て、大気中の温室効果ガスが増える原因であり、そして、これが、climate crisis, 気候危機をもたらしている。

日本は、G20ホスト国として気候変動対策に貢献するといいつつ、石炭や化石燃料のプロジェクトを継続したり、また、新規に開拓したいりするための公的資金の最大の提供国です。

私たちは、石炭と化石燃料の資金の最大の供給源としての日本に、スポットライトを当てたい。

そして、私たちは、日本政府が石炭火力をやめるよう、要求します。

石炭プロジェクトの拡大は、私たちを危険にさらし続けます。

私たちは、家族の生存と安全を脅かす脅威に直面し続けていくことはできません。

このような石炭プロジェクトの拡大はできるだけ早くやめなければならないはずです。

We demand that they say goodbye to coal.  Sayonara Coal!” 」

石炭廃止を求める想いは、世界において共通です。

6月26日のみにとどまらず、横須賀、神戸等国内で進む石炭火力計画に反対する人々、そして日本の石炭融資に苦しむアジアの国々とともに訴えます。

また、この日、横須賀行政訴訟についての特設サイトが開設されました。

裁判の期日は、こちらに掲載される予定です。たくさんの方が傍聴すれば、それだけ市民の関心が高いことを裁判官に示すことにつながります。

ぜひお誘い合わせの上、傍聴にお越しください。

横須賀石炭訴訟 日本語サイトはこちら   英語サイトはこちら

横須賀訴訟のポイントについてはこちら

横須賀石炭火力、提訴へ!日本4件目の気候変動訴訟。その背景とは?

(高橋 英恵)

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横須賀石炭火力、提訴へ!日本4件目の気候変動訴訟。その背景とは?

今週月曜日の5月27日、東京電力と中部電力の合弁会社である株式会社JERA(以下、JERA)が、現在建設を進めている横須賀石炭火力発電所新1・2号機130万kW(65万kW☓2基)について、発電所の周辺住民等45人が経済産業省に対し、2018年11 月30日に発行した環境影響評価書の確定通知の取り消しを求め、東京地方裁判所に提訴しました(以下、横須賀石炭火力行政訴訟)。

日本における気候変動訴訟は、2017年9月の仙台PS差止裁判、神戸石炭火力発電所計画における2018年9月の民事訴訟および同年11月の行政訴訟に続く、3地域4件目になります。

本記事では、横須賀石炭火力行政訴訟の背景や訴状の内容を、解説します。

5月27日昼過ぎ、提訴のために東京地方裁判所へ。
日差しの強い中、横須賀、千葉から原告が集まりました。

どんな訴訟?

世界では、地球温暖化対策や大気汚染の防止の観点から、パリ協定のもとで石炭火力発電からの脱却が求められ、産業界を含め脱石炭火力発電の動きが続いています。

しかし、JERAは、このような世界の流れに逆行して、横須賀市久里浜に石炭火力発電所を新設する計画を進めています。

新設発電所を建設する場合、電気事業法と環境影響評価法等に基づく環境影響評価手続(以下、環境アセスメント)において適正な環境影響評価をし、経済産業省からの承認を得なければなりません。しかし経済産業省は、JERAが適正な環境アセスメントを実施せず、環境の保全について適正な配慮も十分に検討されていないにもかかわらず、環境影響評価書の変更を要しないとして、環境アセスメントの結果である環境影響評価書の確定通知を発し、環境アセスメント手続を終了させました。

この新設発電所が稼働した場合、発電所の近隣住民は二酸化炭素(以下、CO2)や大気汚染物質等の排出に伴う被害を受けるおそれがあります。そこで、この新設発電所による健康被害等を危惧する原告らが、経済産業大臣が発した環境影響評価書の確定通知を取り消すことを求めて起こしたのが、今回の行政訴訟です。

訴訟における争点は?

訴訟における争点は、

  1. 新設発電所は環境アセスメントの簡略化が許される案件でないにも関わらず、事業者JERAは簡略化した環境アセスメントにて手続きを終え、この状況に対し経済産業省が変更を命じなかった点。かつ、アセスメントの簡略化に伴い、以下の通り環境影響評価法等を十分に満たしていない点。
    • 新設発電所のCO2削減対策内容とその評価の誤り、燃料種の検討の欠如。
    • SOx、NOx、PM2.5、水銀等の石炭火力における環境汚染にかかる検討が不十分。
    • 温排水の影響の検討が不十分。
  2. CO2の排出量が大きく、国際的な枠組みであるパリ協定に反する。

という点です。

今回の環境アセスメントで何が問題だったのか?

東日本大震災での福島第一原発事故後の電力需給の逼迫を契機に、環境省は2012年3月、「火力発電所リプレースに係る環境影響評価手法の合理化に関するガイドライン」(以下、合理化ガイドライン)を取りまとめました。合理化ガイドラインとは、既設発電所の老朽化に伴い施設を更新(以下、リプレース)する際、温室効果ガスや大気汚染物質による環境負荷の低減が図られる事例が多いことを理由に、一定の条件を満たす場合には環境アセスメント手法を簡略化することを認めるものです。

この合理化ガイドラインについて、環境省と経済産業省は、2012年9月に環境アセスメントの迅速化を検討する「発電所設置の際の環境アセスメント迅速化等に関する連絡会議」を設置し、同年11月、以下の2点に該当する案件を合理化ガイドラインの適用対象として定めました。

  • リプレース後に発電所からの温室効果ガス排出量、大気汚染物質排出量等の低減が図られる。
  • 対象事業実施区域が既存の発電所の敷地内または隣接地である。

そのほか、2013年3月、環境省は合理化ガイドラインの適用対象案件は、環境アセスメント完了前に旧発電所の撤去を行うことができると改定しました。

今回の横須賀の発電所新設計画は、この合理化ガイドラインが適用されるとして環境アセスメントが実施されました。横須賀の発電所新設計画は、本当にこの合理化ガイドラインの適用対象であったのか、という点が最大の争点です。では、横須賀火力発電所の適正について考えてみたいと思います。

横須賀新設計画は合理化ガイドラインの適用対象案件?

今回の訴訟の契機となった横須賀石炭火力発電所計画。

新設発電所の建設予定地は、1960年以来、火力発電所(以下、旧横須賀火力発電所)がありました。

具体的には、1960年に1号機、1962年に2号機と、2つの石炭専焼火力発電所が設置されました。その後、1970年までに重油/原油混焼の3~8号の6機が順次設置、1972年には1号機・2号機いずれも重油火力に転換され、計8機の火力発電所が稼動していました。また、1971年には動力をガスタービンとする石油火力発電機が設置・稼動されました。

 しかし、1、2、5、6号機は2000年末に稼働停止、7、8号機及び2号ガスタービンも2001年末で稼働停止し、新潟中越地震などの臨時の稼働しかしない長期計画停止の状態でした。そして、2004年12月20日に1号機が廃止、2号機も2006年3月27日に廃止され、2010年4月には、すべての発電所が稼働停止(長期計画停止)となりました。  その後、東日本大震災による福島第一原発事故により、供給電力が不足した影響で稼働が図られましたが、3号機、4号機、2号ガスタービン以外は稼働できず、2014年以降は再びすべての発電所が稼動停止の状態にありました。つまり、旧横須賀火力発電所の温室効果ガスや大気汚染物質の排出量は2014年以降、既にゼロと評価されるべき状態であるわけです。

建設予定地近くの公園、くりはま花の国から。計画では遠くに見える海を隠すように、発電所が建設される予定となっている。(2018年11月筆者撮影)

合理化ガイドラインは、稼働中もしくは稼働可能な火力発電所のリプレースの場合のみ適用されるべきものです。稼働停止が長く続き、稼働可能とはみなし得ない旧横須賀火力発電所には、この合理化ガイドラインは適用されないものであると言えます。また、アセスメントの簡略化に伴い、

  • 新設発電所のCO2削減対策内容とその評価の誤り、燃料種の検討の欠如。
  • SOx、NOx、PM2.5、水銀等の石炭火力における環境汚染にかかる検討が不十分。
  • 温排水の影響の検討が不十分。

等、環境影響評価法等を十分に満たしていないとの問題点も指摘されています。

国際的な気候変動対策の枠組みにも逆行する横須賀計画

2015年12月、パリ協定が採択されました。日本も2016年11月8日に、パリ協定を批准しました。

パリ協定は、世界の平均気温の上昇を産業革命前から2℃を十分に下回る水準、できる限り1.5℃まで抑制することを目的とした国際条約です。締約国は、今世紀後半の早い時期に世界全体で温室効果ガスの排出を実質ゼロとする長期目標を定め(第4条第1項)、各国に削減目標と政策措置を立案し条約事務局に提出、措置を実施することが義務付けられています(第4条第2項)。また、国内法である環境基本法第5条においても、国際協調のもとで地球環境の保全に積極的に推進すべきとされています。

そこで、気候変動の防止について重要な鍵を握るのは石炭火力発電からの早期の脱却です。 火力発電所は、燃料の燃焼に伴い、大量のCO2や大気汚染物質を排出します。燃料によって含有する成分が異なるため、石炭、石油、天然ガスのそれぞれの排出量は大きく異なりますが、石炭火力発電はたとえ高効率設備であっても、発電電力1単位当たりの石炭火力発電からのCO2排出量は、天然ガス火力発電の約2倍にあたります。そのため、CO2排出を実質ゼロとしていくためには、石炭火力からの早期の脱却が不可欠です。

Don’t Go Back to the 石炭HP(https://sekitan.jp)より

実際、世界の流れを見てみると、フランスは2021年、イギリスとイタリアは2025年、カナダは2030年に石炭火力発電をゼロとすることを宣言して、ドイツも2038年までに石炭火力発電から脱却する方針を明らかにしています。

脱石炭の潮流の背景には、再生可能エネルギーを普及させていく上での戦略も関係しています。太陽光や風力発電等の再生可能エネルギーは出力変動が大きいため、火力発電の出力調整によって供給量をコントロールする必要があります。一方、石炭火力発電所は、一旦石炭を燃焼させると石炭自体が燃焼し続けるという性質上、短時間での負荷変動に対応した出力調整運転が他の燃料に比べて難しい発電方法です。 したがって、再生可能エネルギーを主力電源化するうえで、機敏な供給量の調整に向かない石炭火力は有用性を欠くとして、先進諸国においては新設を止める方向に向かっており、2020年代には既設発電所についても順次廃止の流れにあります。

国として脱石炭の舵きりを!

東京湾岸では、東日本大震災以降、福島第一原発事故後の電力需給の逼迫を契機に、市原市、千葉市、袖ヶ浦市、横須賀市で計画されました。しかし、ダイベストメントの動きや地元住民の粘り強い活動もあり、2018年12月末には千葉市の計画、翌月の2019年1月末には袖ヶ浦市の計画が中止となりました。

日本国内でも脱石炭の流れが確立しつつある状況にも関わらず、国は不十分な環境アセスメントを確定し、8月1日には新設工事を着工しようとしています。横須賀の新設発電所の建設がこのまま進行した場合、2023年に一号機が、2014年に2号機が稼働する予定となっています。 この新規発電所が稼働した場合、年間排出量は726万t-CO2/年が排出されるとされており、2016年度における日本のエネルギー起源CO2排出量(約11.3億t-CO2)の0.64%、一般家庭150万世帯分にあたります。横須賀市内には15.6万世帯が住んでおり、この新規発電所が運転するだけで、横須賀市民の10倍ものCO2排出がなされることになります。

世界的に石炭火力からの脱却が進められ、日本にも同様の対策が求められている中、その流れに逆行するのが今回の横須賀石炭火力建設です。今回の行政訴訟のように、国民が司法の力を借り、国に対して訴えるまでになってきています。国は国民からのメッセージを真摯に受け止め、脱石炭へと舵きりをしなければならないはずです。

石炭火力を考える東京湾の会は、同訴訟を支援するサポーターを募集します。

(高橋英恵)

<訴訟サポーター募集のお知らせ>

石炭火力を考える東京湾の会は、同訴訟を支援するサポーターを募集します。詳細は追ってご連絡します。

なお、最初の口頭弁論は8月中旬頃と見込まれています。詳細の日程につきましては、確定次第お知らせします。ぜひ初回の口頭弁論の傍聴にいらしてください。

<参考>

・訴状:https://nocoal-tokyobay.net/wp-content/uploads/2019/05/press_release_20190527_yokosuka_coa_lawsuit_.pdf

・神奈川新聞「横須賀石炭火力計画「アセス不備」 住民が行政訴訟提訴」(2019年5月27日):https://www.kanaloco.jp/article/entry-170552.html

・産経「『アセス不備』国提訴へ 横須賀の住民ら、石炭火力発電所めぐり」(2019年5月25日):https://www.sankei.com/region/news/190525/rgn1905250008-n1.html

・FoE Japan横須賀インタビュー:http://www.foejapan.org/climate/nocoal/yokosuka.html

山林から恩恵を受けているということ~鴨川市田原地区メガソーラー計画を取材して

○再生可能エネルギーと開発

福島原発事故以来、原発への依存度を下げるべく、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の割合を増やすことが決定されました。固定価格買取制度もあいまって、国内では大規模な開発を必要とするメガソーラーの建設が多く計画されています。

再エネの普及は、気候変動の原因である温室効果ガスを減らすための有効な手段でもあります。しかし現在、再エネの名の下に森林を伐採し、環境を破壊するような開発事例(以下、乱開発)が見られるようになってきました。

FoE Japanは、再エネの普及の名の下で山林を破壊することは、生物多様性の保全の観点から、また、気候変動の観点からも、森林は温室効果ガスの吸収に重要な役割を果たすため看過できないものであると考え、再エネによる乱開発の現場の取材を始めています。(FoE Japanでは北杜市も訪問

その一つとして今回、千葉県鴨川市に計画されている、メガソーラーの建設予定地を訪問しました。 (取材日時:2019年2月15日)

○鴨川市、田原地区、メガソーラー計画の主な問題点

千葉県鴨川市におけるメガソーラーは、田原地区という、鴨川市の玄関と言えるような場所に計画されています。同計画は、千葉県による林地開発許可審査中で、まだ着工はされていません。詳細はこちら

同計画の問題点として挙げられているのは、大規模な土地改変です。東京ドーム32個分にもなる広大な山林を平坦にするため、1,300万立方メートルの山を削り、その土砂で谷を埋め立てる予定であると事業者は言います。10トンのダンプトラック約200万台にもなる土砂も移動するそうで、流れる川や沢も埋め立てられる予定となっています。流れる川や沢が埋め立てられた場合、その川や沢に流れていた水が行き場を無くし、地中に水分が含まれていくため、地盤の脆弱化の恐れが考えられています。また、建設予定地は林野庁により「山地災害危険地区」に指定されている急峻な土地で、開発自体も危険や困難が伴う可能性があります。さらに、10万本以上の木が伐採されるとの意見もあり、この開発による大規模な環境破壊は免れません。

削られる予定地の山なみ
事業計画地映像(鴨川の山と川と海を守る会より)

○山林は漁業にとって必須

「山の緑から海に流れる豊富な栄養分は魚にとって大切だ。それを知らない漁師はいない。生計に関わる問題であり、本事業は反対だ」

とてもシンプルなコメントを述べたのは、年間25億円の販売高、組合員数約1400人の鴨川市漁業協同組合を統括する松本ぬい子組合長(以下、松本さん)。「今回の事業は環境破壊である」とさらに付け加え、山と海の関係を強調する松本さんの言葉からは、鴨川で漁業を営む人々は人間が生きるために長年自然を大切にし、持続可能な環境を作り上げてきたことを感じます。

松本ぬい子組合長

○山林の開発は、地主さんだけの問題ではない、公益性がある

現場で説明をする今西さん

鴨川の海と川と山を守る会(以下「守る会」)代表の勝又さんは、メガソーラー開発に対して、地元民の動きに懸念を示しました。「建設予定地は5区の財産区だったのだが、40数年前にリゾート開発会社へ売却している。その後、転売を重ねてきた山なので愛着がわかないのではないか。これは地主さんだけの問題ではない。そこに暮らして田んぼを耕作する人、川の水を利用する人、魚を取る人、それらを利用し、山の恩恵に浴する鴨川市民全体の問題だ」

勝又さん

同じく守る会の今西さんは「市はほとんどなにもしていない。これだけの規模の山を削り、谷を埋めることは、エネルギー問題とは関係なく通常の人の感覚では実行できないはずだ」と憤ります。

「山に降った雨が山林で浄化され川に流れ、そこに住む動物、生命の多様性が維持されている。これらは公共性があるものであり、都市部の方々も関係している。地主さんの意向で開発を決める筋合いのものではない」と今西さんは言います。

守る会では「エネルギーの問題については多様な意見があるが『この場所とこの規模』はダメという言い方をしている」と、統一見解はあると勝又さんは言います。また、「ようやく2018年2月ころから市民や議員の意識が変わり始めたと感じる。市民の関心が少し出てきたからこそ、未だに林地開発許可の審査に時間がかかっていて下りていないのだと思う」と、市民活動の成果についても分析していました。

◯市議会の雰囲気は?

佐藤カズユキ議員

鴨川市議会の中で本事業に唯一反対表明している、佐藤カズユキ議員に話を伺いました。

佐藤議員が反対を表明する理由についてお聞きしたところ、

「漁師の家に生まれ、自然を守ることを公約に掲げている。今回の事業は環境破壊である」

と自然破壊の懸念に加え、

「農業、漁業、林業の1次産業、観光が特徴の当市であるが、本事業はいずれにも大打撃を与える可能性がある。一時的な税金収入よりも失うものの方が大きいと思う」

と、経済的な懸念も理由として挙げていました。

これだけの問題のある事業に他の議員はなぜ表立って反対しないのかについて質問したところ、「事業に賛成の議員もいるが、個人的には反対だと言う議員が多い。しかし、個人的には反対としながらも、あくまでこの問題は市に許可権限はなく、国や県の問題であって市の問題ではないと言う議員が多く、個人の事業であることから、市や市議会が賛否を示すものではないという意見も多い。これは鴨川だけの問題ではないが、地方議会の議員の多くは国の方針にそのまま従う傾向がある」

と、議会の中で自らの意見を発することが困難であることを憂慮の声を漏らしました。

鴨川の市議会の構成については、

「鴨川市議会は圧倒的に自民系が多い。どこの政党であっても、漁業、農業、林業の1次産業が基幹産業である鴨川市を守るのは当然であるが、外部からの投資を優先させるなど、地元産業を守る動きにはなっていない」

との回答。

さらに、「良い再エネ、悪い再エネがある。本事業のような悪い再エネが再エネ全体の評判を落とすことになるのを懸念している」と話し、再エネの固定価格買取制度についても「再エネの使い方をしっかり国が制度化すべきだったと思う。再エネは、再エネ賦課金など国民が負担している公共の事業である。民間の事業利益主義だけ考えると今回のようにおかしくなってしまう」と、懸念を示していました。

加えて、「個人の事業だから私たちは何も言えませんという態度を行政がとっているのが問題。議会内での勉強会も進んでいないし、国からの通達がないと動かない。トップの方の意見が大きく左右する」

と、トップダウンでの動きにしか対応しない鴨川市にも問題があるといいます。

○市長のやるべきことはなにか

鴨川市役所訪問
亀田鴨川市長(左)

今回の訪問では、市民団体や市議会議員の他、2017年3月から鴨川市長を務める、亀田郁夫市長(以下、市長)との会合も実施しました。

鴨川市議会が昨年12月20日、国に対して提出した意見書『大規模太陽光発電施設の開発に対する法整備等を求める』には「自然環境、景観への影響・・・土砂災害等自然災害発生の懸念・・・市民生活を脅かす事態となっている」と説明があり、鴨川市としても、市長としても本事業は「自然環境、景観・・・災害の観点から問題である」と考えるのかを問うたところ、市長は以下のように答えました。

「個人的にはいろいろな意見があるが、法令等の基準に則り対応していく」。加えて、「鴨川市の環境破壊は市への大きな打撃となるのでは」との質問に対しては、「制度の範囲内で対応していくしかない。事業者としても法令遵守を前提として申請している。市としては現行法令の中でできることとして、市民の皆様に対して説明会を開催することや、市民の皆様の疑問に文書で答えることを求めたり、事業終了後あるいは災害等に対応するための積立金をするよう事業者に要請してきたところである」と市民との対話を促しつつも、他の地方行政にあるような条例を市として制定するなどの対策をする構えではありませんでした。

本事業のメリットについて市長は、「市としてメリットの有無で判断するものではないが、地域には短い期間経済的メリットはあろう。市内には、太陽光発電事業者によりミニトマトの温室栽培が行われているところもある」とあくまで中立性を強調しました。

一方で、本事業は鴨川市にとって失われるものについては「地域が担保できる積立金をするように事業者と合意を得たい」と事業者との合意形成に関しては積極的な姿勢は示すものの、本事業のデメリットについての言及はしませんでした。

最後に、「市としてそれ以上対応しないのは他に課題があるからか?」と、鴨川市における福祉や経済など他の課題が優先されて、本事業に関連した対応ができないのかという問いに対して市長は、「他の案件によって今回の事業への対応ができないということではない。繰り返しとなるが、法令に則して中立に対応していく」と否定しました。

と、上記のような形で面談は終了しました。市民や事業者との対話は重要視をしつつも、乱開発の規制を求めるような条例の制定や法令以上の対応には否定的でした。本事業は、鴨川市の基幹産業を脅かす課題とは捉えていないようです。

○鴨川市の向かうべき方向

今回は鴨川市のメガソーラー建設計画についての視察でしたが、メガソーラーへの懸念だけではなく、鴨川市の前向きな側面も発見しました。

守る会の勝又さんは、「鴨川市は移住者が多く自分で得られるものを自分で得る暮らしがしたい、自然の中で暮らしたいという方が多い。ジビエ、サーフィンも魅力であり、半分第一次産業、半分他の仕事(半農半X)みたいな生活に興味がある方々に良いまちである」と自然と触れ合いながら、自分の興味のあることに取り組める受け皿が鴨川にはあると強調されていました。

また、漁業組合長の松本さんも、「他地区は苦戦している中で当漁協は13年間黒字、若い方も入れ替わり入ってくるし経験者がやりかたを教えるという雰囲気が次世代を育てているようだ」と、鴨川の漁師も外からの移住者への対応も積極的で、これがモデル化されはじめ、鴨川のように漁師が増えることを「鴨川方式」といわれることがあるといいます。新しい風が吹いている鴨川でメガソーラー開発に対して「次世代のために反対。若い人たちの姿があるからこそ、想像がつく」と松本さんは強調します。

○自然とともに生きるとはなにか

今回の訪問で多くの方にお話を伺い、鴨川市における本事業は、再エネへの悪い印象が市民の間で広まるのではないかという懸念を感じました。国際環境経済研究所前所長の澤昭裕氏によると、ドイツでは太陽光発電の「施設建設に当たって森林等の伐採を行えば、その6倍の植林を行わないといけない」そうです。大規模な開発を伴うメガソーラー建設に頼らずとも、植林など対応が難しい耕作放棄地や一般住宅、工場などに設置する再エネを普及させるなど、やるべきことは他にもあります。

大規模に土地を削り、埋めるような事業は、再エネ事業に関わらず根本的に問題です。今回の訪問で、鴨川の経済を支える漁業組合を始め、一部の議員にも大規模開発に対する問題意識があり、自然環境の大切さが共有されていること強く感じました。長年維持されてきた自然環境は失ってから気づくのでは遅いのです。さらに、これは地域の問題ではなく都市部に住む人々も自然の利益を受けており、責任があると感じます。固定価格買取制度や環境影響評価法などの制度は短い期間の利益や影響は考慮していますが、さらに30年50年以上先を見据えるような長期的な視点が必要です。漁業や農業を支える自然保護の大切さを改めて感じ、行動していく必要があるのではないかと感じた取材となりました。

「計画概要」(鴨川の山と川と海を守る会調べ

場所:千葉県鴨川市、鴨川有料道路西側、清澄山系の山林

面積:事業面積250ha, 伐採面積150ha

発電規模:130mw

事業者:AS鴨川ソーラーパワー合同会社

地権者:Aスタイル

造成:大蓉工業

設計:ユニ設計

発電設備:日立製作所

(2019年2月 高橋英恵、松本光、天野遼太郎、田渕透)

【日々のくらしの裏側で – vol.8】本当に向き合うべき相手とは。JFEと中国電力だけではないもう一つの壁。

国会議員に話しても、石炭は悪い。けど、JFEは支援者だから言えないってはっきりおっしゃるんです。だから私が代わりに言わないと。知らない人のためにも、知っていて言えない人のためにも、やっぱり誰かが言わないといけないと思うんですよ。つくってしまったらね、やっぱり30年とか40年とか壊せないわけでしょ?だから作らせまいと。そのために踏ん張らないといけないと思います。”

こう話すのは、石炭火力を考える東京湾の会(以下、東京湾の会)の共同代表を務める、蘇我石炭火力を考える会(以下、蘇我の会)の小西由希子さん(以下、小西さん)。蘇我石炭火力の建設計画は、小西さんの仲間の市議会議員から聞いたそうです。この計画について調べていく中で問題だと思ったことが、蘇我の会の最初のきっかけだった言います。

知らない人のためにも、知っていて言えない人のためにも、誰かが言わないといけない。そのように考えるまでに至った、その背景を伺いました。

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(小西由希子さん。JFEアクションにて気候変動への危機を訴える)

 

小西さんにとって、何が一番問題なのでしょうか?

“やはり、この問題を知らない人が多いことかなと思います。特に、千葉でできた電気を消費しているところにいらっしゃる方が、こういう問題があるということを知らないことが大きいと思います。もちろん、消費している人が出したCO2としてカウントされていくんだけれど、実際は発電所から出た排気ガスはここに残していかれているわけで。そういうことを知っていただくのと、それからやっぱり、電気は十分に足りていて、この石炭火力を日本政府が進めようとしているその裏には、原発と抱合せでエネルギー基本計画等が、なんの見直しもなくやられていること、それから、やっぱりこれから電気を必要としている他の国々のために、石炭火力のプラントを売り込んでいこうというような政治姿勢は、本当に私たちが望んでいることか考えてほしいと思います。”

 

この活動をされていて、困っていることをお聞きしました。

困っていることはいっぱいあります(笑)。そうですね、まず一つは、計画を知らない方がすごく多いということです。それはあまり広報されていないということもあるし、広報されていないからと思いますが、マスコミもあまり取り上げていないんですよ。私たちが何か署名を届けた時とかは取り上げてくださるけど、あんまり関心を持ってくださらない。

それと、市民でも、お話させていただくと、電気が足りないんだったら原発よりいいんじゃない?と思ってらっしゃる方も結構いるんです。そもそも発電しなくていいのよっていっても、そこはなかなかわかってもらえない。というのも、福島が発電所を背負ってくれて、迷惑かけていて、私たちがいっぱい電力使っているのに、そんなわがまま言っちゃいけない、というふうに思っている人が多いんですよ。あと他に、ここに石炭火力がくると、きっと雇用が生まれるんじゃないかとか、固定資産税が増えるんじゃないかとか、なんとなく期待感を持っている方もいます。けれど、行政と事業者に、ここでの経済的メリットは何なのという質問をしたんですけれど、結局行政も事業者も、どんな経済効果があるって言えなかったんですよ。だから、それほど効果がないということなのではないかなと。でも、なんとなく儲かるのではと、そういう“なんとなく感”に縛られている。これを逃したら雇用が減るのではないかとか、なんか、そういうことに縛られてしまっているというか、そういうことがあるのかなと感じます。”

 

電力を多く使っているから文句は言えない。そんな住民の声を聞いて、小西さんは千葉市そして千葉県の電力消費量を調べてみたそうです。その結果について教えてくださいました。

“千葉県とか千葉市の発電所の電気ってどこでどれだけ使われているのだろうって調べたんです。でもそういうデータってどこにもなくて。そこで自分で、いろんなその消費電力とか発電所の規模とかから計算して出してみたんです。そうしたら、千葉市の場合は、千葉市でつくっている電力の25.9%くらいしか市内で消費していないんです。しかも千葉市は製鉄所を持っているから、産業部門の消費電力がすごく大きくて、千葉市民が使っているのは、結局千葉市でつくっている電力の5.8%しかないんです。で、残りの72.1%は市外に出している。市外といっても首都圏ですよね。じゃあ千葉県はと調べてみたら、27%が県内消費、残りの73%は外に向けての電気だっていうことがわかったんです。この結果を見たとき、これは、福島が他県のために電気を作っているのと全く同じ構図だということがわかったんです。だから千葉県、千葉市がこれ以上発電所を作らなければならない理由はないんじゃないかと思ったわけ。千葉市のこの家庭部門での消費は5.8%しかないのに、市民は自分たちで、エコドライブに気をつけましょうとか、電気はマメに消しましょうとか、トイレの電源は出かけるときは抜きましょうとか、市民はこんなにコツコツ節電しているのに、なんでそんな温室効果ガスを出すような発電所を認めるの?って、全く私には納得いかない話でしたね。”

 

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(東京湾石炭火力サミットにて。住民の声を届ける。)

 

事業者との会合も何度か設けたという小西さん。そのとき印象に残った事業者のコメントがあるそうです。

“中国電力の方に最初に話を聞いたときにおっしゃったのは、「石炭火力発電は製鉄所で使うよりずーっと、質の悪い石炭でできる」って、はっきりおっしゃったのよ。要するに、硫黄とか不純物を含んでいる質の悪い石炭が燃やされるということなんです。こういう質の悪い石炭が燃やされると、発電所周辺の被害もあるし、その石炭の採掘現場でも、相当の環境問題を引き起こすわけですよね。それに、日本がプラントを輸出することで、どれだけ環境汚染を輸出してしまうのかということも、やっぱり私たちは考えていかないといけないと思う。だからもうやっぱり、石炭火力で金儲けをする時代ではないっていうことを、やっぱり言っていきたいなあと思うし、やっぱりその、消費する側の方にも、こういう問題があるということを、ぜひ知っていただきたい。“

 

質の悪い石炭でもいいという、中国電力社員の衝撃的な言葉。その言葉が意味することを彼は理解しているのかと、怒りすら覚えます。この中国電力のコメントについて、もう少し小西さんに伺ってみました。

結局、住民がどれだけの空気のよさを求めるかによって、プラントの質が決まり、原料が決まるっていうわけなんですよ。私たち住民があまり文句言わなければ、安いプラントでいいし、原料も安くていい、と。しかも、石炭採掘とかやってらっしゃるJERA(株式会社JERA。東京電力グループと中部電力とが共同で設立した火力発電会社)なんかはね、いろんな質の石炭を持っているわけですよ。だから、出口が決まっていると、石炭のブレンドが決まってくると。この質の悪いのを3割、中くらいのを3割、いいのを4割入れよう、というように。住民がどれだけ無害さを求められるかによって、いくらでもブレンドできると、つまりは、住民が何も言わなければ、いくらでも安いものを入れられると、そういう話をするわけですよね。でも、そんなことをされたら、たまらないでしょ。しかも、石炭ってね、敷地内に野積みにされるんです。船から石炭を搬入するときは密閉したベルトコンベアーでやりますっていうんだけれど、搬入後の石炭の保管の仕方が野積みだったら、なんの問題解決にもなっていない。”

 

日本は政府のやっていること、企業活動に反対の声をあげるのが非常に難しい世の中。筆者自身も、国や企業の活動で何かおかしいなと感じても、考えを発信することに躊躇してしまう人が多いように感じます。それでも、声を上げ続ける小西さん。その原動力は何なのでしょうか。

実は、私たちの向き合うべき相手は、石炭火力のJFEと中国電力だけではないんですよ。実は住民、議員でもあるんです。この問題って、ちょっと考えたらおかしいでしょ?だけど、議会でも、ほとんど取り上げられないんです。それは何故かというと、一つはJFEがこの千葉市にとって非常に大きな企業で、納税も高いってことで、保守系の方々が何もおっしゃらないというのがあります。民主党系の議員の方は言ってくださるかなと思って、国会議員に話しても、JFEは支援団体だそうで「石炭は悪いよ、けど、支援者だから言えない」ってはっきりおっしゃるんです。だから、私が代わりに言わないと。知らない人のためにも、知っていて言えない人のためにも、やっぱり誰かが言わないといけないと思うんですよ。つくってしまったらね、やっぱり30年とか40年とか壊せないわけでしょ?だから作らせまいと。そのために踏ん張らないといけないと思います。渡辺敬志さんもおっしゃっていたけれど、ここはJFEの企業城下町でもあるので、なかなか住民も声を上げない。あと、自治会長さんがJFEのOBだったりしてちょっと言えないとか、それから、お祭りとか運動会とかにいっぱい寄付をいただいていたりとか。そうすると、なかなか反対の声を上げられない。個人同士で話すと、やっぱりおかしいよねとか、車が汚れて困っているとか、石炭火力発電所なんてありえないというようになるんだけれど、じゃあ組織として何か言ってくれるかというとなかなか。政治家も、今は本当に残念ながらあてにならない。力になってもらえていないです。”

 

住民の結束の難しさにも関わらず、諦めずに続ける強さはどこから来るのでしょうか。

 “それでも私がやろうとするのは、相手がJFEとかではなくて、よそ者だったときは、私たちが望まない事業を止めることができた経験があるからなんです。3.11の後、指定廃棄物の埋立所が蘇我の東京電力の敷地内に計画されたんです。まあ、計画というか、国が決めたものでした。環境省が決めたルールで、放射能の濃度が高いものを全体から集めて一箇所に埋めるということになったんです。そこで、おそらく、東電が敷地を持っているからここを提供しますって売ったのだと思うんですけれど、当時、その千葉県議会の知事も、千葉市の市長も、これにはノーコメントだったんですよ。議会も、全然コメントがなかったんです。でも、千葉市が持っている指定廃棄物は本当に少しだったんですよ。なので、私たちは、もう一度考え直して欲しいということを、国に対して随分言ったんですね。当時は議会も市長も知らん顔だったけれど、私たちが一生懸命、地域の人にアピールしたんです。それこそ自治会長さんとか。そうすると、今回の石炭火力とは違って、相手が環境省っていう、要するに、よそ者だったから、住民も「それはおかしい、反対だ」ってなってきたんです。さすがに住民とか自治会が文句を言いはじめると、議員も動き出してきて。自分の有権者が色々言い出してくると、さすがにそれはちょっと耳が痛いと。それで、議会も、市長も、指定廃棄物は千葉市は受け入れません、と宣言したんです。

そんなふうにね、法律でどうしようもないことでも、住民が声をあげることが風を起こすというか、やっぱり為政者はどっちに風が吹いているかなといつも見極めていて、こっちかなこっちかなと、こっちに風がきたとなったら、うん、前からそう思っていたんだよと、いうわけですよね。やっぱり住民の声っていうのは力を持っているわけだから、この石炭火力もね、やっぱり住民がおかしいと声を大きく上げていくことで、この地域から票をもらっている議員たちに動いてもらうと。そういうふうに、下からの活動でも続けてやっていくことで、少しでも止める力になれないかなあと私は思っています。”

 

利益を得るために、住民が黙っていれば質の悪い石炭でも良いだろうという事業者。そして、企業と行政の癒着により十分に市民の声が届かない議会。

そんな状況でも、この問題を多くの人に伝えて声をあげる仲間を増やし、企業や行政を変える風を起こすことは可能だと、小西さんの言葉から強く感じました(注1)。

 

日々のくらしに追われて、私たちは自分たちの生活を構成しているものがいったいどこからきているのか、また、どのような影響を及ぼすのか、考えることは滅多にないように思います。けれど、日々使っている電気が、誰かの幸せを奪っているかもしれない社会を、私たちは望んでいるのでしょうか?また、“経済”のために、人々の生活や自然が犠牲なってもいいのでしょうか?

エネルギーは、決して利潤創出の手段になってはいけないものです。私たちが目指すべきエネルギーのかたちとは、発電所周辺地域の住民のために生産され、発電所周辺地域の住民の権利が保障されるものであるべきです(注2)。

 

ぜひ、考えてみてください。

日々のくらしの裏側で、誰かの苦しみを伴うようなことはあっていいのか。

また、みんなが安心して日々のくらしを営むための電気のあり方とはどのようなものなのか。

そして少し勇気を出して、あなたの考えを周りの人と話してみてください。

たとえ一人一人の声は小さくても、多く集まれば社会を変える風になります。

 

(高橋英恵)

(注1)2018年12月27日(木)、中国電力JFEスチール、および左記2社によって設立された特別目的会社である千葉パワーは、蘇我における石炭火力発電所開発に関する検討の中止を共同で発表。

(注2)FoE Japanが目指すエネルギーについては、こちらをご参照ください。

 

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【日々のくらしの裏側で – vol.7】一人のサッカーファンの願い

11月から蘇我石炭火力を考えるの会(以下、蘇我の会)の新メンバーとなった品田知美さん(以下、品田さん)。

品田さんのご家族は、大のサッカーファミリーだそうで、蘇我の石炭火力発電所建設予定地真横に立地するサッカースタジアムもよく訪れるそうです。そんな中、同サッカースタジアムのすぐ隣に石炭火力発電所ができると知り、いてもたってもいられなくなったとのこと。

サッカースタジアムの真横に石炭火力発電所が建てられようとする状況について、千葉に住む一人のサッカーファンとしてどのように感じるのか、お話しを伺いました。

 

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(品田さん。JFEアクションにて)

“この蘇我の石炭火力発電所の建設計画は、時々寄付をしている環境団体さんの投稿で知りました。

私の住んでいるところは海沿いの空気のきれいなところなのですが、蘇我はいつも通るたびに空気汚れているなと思ったり、サッカー観戦に来た時には、サッカー選手はこんなところで練習したり試合したりしていて大丈夫かなあと心配していたんですね。そんなときに、今回の新しく石炭火力発電所ができるということを知って。これは絶対に反対しないと、と思ったんです。

色々調べていく中で、PM2.5の飛散するシミュレーションを見つけて、それをみたんです。そしたら、私の住んでいるところまでPM2.5がちゃんと飛んできてしまうんですね。自然が好きで、空気のきれいなところに住んでいるのに、ここまで空気が汚れてしまうのかって、思いました。そういう風に思う方は、蘇我の方だけでなくて、私みたいにたまたま知った人でもたくさんいると思うんですよ。もう少し遠くの人も巻き込んで、ぜひ積極的にやりたい。だって、遠くに住んでいても被害を受けるということは、この石炭火力発電所の関係者なんです。だから、私もその一人だと思って、もうこれは反対しようと思ってきました。”

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(蘇我、袖ヶ浦、横須賀で建設が予定されている石炭火力発電所が稼働した場合のPM2.5の飛散シミュレーション)

 

サッカーが大好きという品田さん。この計画を知った時の気持ちを教えてくださいました。

“私の家族はサッカーファミリーで、本当にサッカーが好きなんです。

先日ちょうど建設計画のお話をきく機会があって、具体的な予定地を聞いたら本当に真横で。かえってショックで、眠れなくなるくらいショックで。地図を見たらそこなの?みたいな。本当に横だったのでがっくりきちゃって。

蘇我の発電所の建設予定地のすぐ横に、すごく大きなスタジアムがあるんですけど、その横にもいっぱい小さなスタジアムがあって、そこではいつもお子さんたちが、千葉中のお子さんたちが集まって、サッカーやっているところなんですね。そこにね、また空気を汚してしまうようなものをつくるというのは、本当に健康の被害を増やすだけだと思うんです。サッカーが好きな人は、このあたりには本当に多いと思うんです。だからこそ、この計画を知っている人を増やしていかないとまずいなって思っています。”

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(建設予定地周辺図)

 

この計画を知っている人を増やしていきたいと、繰り返し語る品田さん。品田さんの考える今後の告知戦略をお聞きしたら、サッカー家族ならではのアイデアが。

“今、サッカーやっているお子さんは本当に多いので、小学生のサッカークラブに一斉メールとか、一斉チラシとか送ることが効果的なんじゃないかと思っています。若いお母さんたちだって子どもの健康にはすごく気を使うと思うんですね。

私は仕事上、環境問題が研究対象なので、石炭火力発電は温室効果ガスを排出して気候変動の問題を悪化させることや、石炭火力発電をつくっているのは先進国で日本くらいしかないのも知っているけれど、これは、健康も本当に大事な問題なんです。私自身、少し喘息気味というのもあるので、自分の健康も不安だけれど、実際、娘や息子の友達がこのスタジアムでプレーしているんです。選手だけじゃないんです。だから私が反対しないと。選手たちってなかなかそういう活動ってしにくいと思うんですよね。だからやっぱり、できる立場にいる自由な人間がやった方がいいのかなって。私はそういうことを言っても別に仕事上困ったりはしないので、私が代わりに言わないと、彼らの健康を守れないから。”

 

筆者が蘇我の石炭火力発電所の建設予定地の視察・インタビューに訪問したのは、ちょうど小学校の下校の時間でした。道々では多くの小学生が友人らと共に自宅へと向かい、また、これからサッカーの練習に向かうであろうお子さんの姿も多く見かけました。

自分の子ども、友人がサッカーをする場所の空気が汚れてしまったら?また、自分の応援するサッカー選手が空気の汚れのせいで病気になってしまったら?

サッカーに限りません。野球であっても、テニスであっても、サイクリングであっても、自分の好きなスポーツをする場所の環境・空気が汚れてしまったら?

一度、自分の身近なものに置き換えて、考えてみませんか?

(高橋英恵)

 

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【日々のくらしの裏側で – vol.6】残すべき未来のために、一筆一筆の力を信じて。

千葉エコメッセ、早朝のJFE本社前アクション等、東京湾の会の活動にはほぼ休むことなく参加している山崎邦子さん(以下、山崎さん)。子どもの権利に興味があり、普段は子どもの権利に関わるお仕事に携われているそうです。蘇我の石炭火力発電所の建設計画を知ったのは、日頃から一緒に活動している仲間から教えてもらったとのこと。この計画を向き合うに至った背景をお聞きしました。

 

20181226_4.JPG(山崎さん)

 

“今回の石炭火力発電所が計画されていることは、日頃からいろいろと中央区で一緒に活動をしている仲間と話している中で知りました。実はその前に、3.11以後の特定廃棄物の処分場が蘇我の東京電力の敷地にできるという問題が持ち上がりまして。そのことが環境問題に関心を持つきっかけになりました。きっかけは産業廃棄物の問題だったんですけれど、環境問題について勉強していくうちに、世界ではみんな石炭は扱わないという流れになっていく中で日本が石炭を推し進めているということも、その時に知ったんです。しかも、その理由が、儲かるからこの事業を展開していくというもので。3.11以降、多くの人が自然とか環境を考えたり一生懸命電気を節約したりしているおかげで、原発を止めているけれど電気が足りないということは起こっていない状況なのに、このような企業の考え方がとても信じられない気持ちでいっぱいでした。企業はこういう皆の、主婦といいますか、一般市民の努力を知らないのかなと。”

 

企業の論理と生活者の論理。この事業を推し進める企業の言い分の一つとしては、石炭火力発電所を作ることで地域に雇用が生まれ、地域経済が潤うという主張です。このような意見に対して、山崎さんはどのように感じるのか、伺ってみたところ、次のような返答が。

“企業としては地域で雇用が生まれて、そこでの業績を税金として市とかに納めるという言い分をされると思うんですけど、今回のことに関してはそのあたりのことを聞いてみても、はっきりとした答えが出てこない。雇用も実はそんなに増えないんじゃないかなと私は感じています。例えば、フクダ電子アリーナができたときも、その周辺はお店が増えて経済が潤うという話もあったみたいですけれど、そうはなっていないように感じます。アリーナの説明会の時も、地元でどのくらい雇用があって、どのくらい地元に貢献できるのかというのを聞いた方がいらっしゃったのですが、それに対するはっきりとした答えが何もなかったんです。確かに建設のときは沢山の人が雇用されたと思いますけれど、完成したらあとは自動化といいますか、そこで働く人というのはそんなにはいなかったみたいで。この石炭火力の計画も、フクダ電子アリーナのときのように、建設の時はたくさんの方が関わるかもしれないけれど、完成したらまちが潤うというようなことはないと思います。”

 

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(中国電力の前にて。)

 

そもそも、山崎さんはどうしてこの計画を止めないといけないと考えているのでしょうか?

やっぱりきれいな環境を子どもやこれからの将来残していきたいというのはとても強く思っています。それにいろんな借金、まあ行政の借金ですけれども、これを本当に残したくない。国の借金、県の借金、市の借金は今でさえたくさんあって、まずはこの借金を減らさなきゃと思うけれど、逆に行政は市債とかを出して債権をどんどん増やしているんです。でもこれって、将来への負担をどんどん増やしているということで、こればかりもう、行政の方々と主婦の家計簿感覚は違うんですよね。そういうのが行政的な考え方というのか、きっと会社的なものなのかわからないですけど、ちょっと主婦的な、家計簿的な考えていうと、借金をどんどん子どもに残すというのは、受け入れかねる部分があるんです。環境に関しても、同じだと思います。なにか綺麗にできる、ちゃんと手立てがあった上での何かであったらいいんですけど、原発もそうですよね、結局最後に、廃棄物をちゃんとキレイにするとか、どういう風に保管するとか何も対策できていないままに進めている。今回の石炭火力にしても、これをすると絶対に身体によくないものが出るというのがわかっているのに進めようとするということに関しては、やっぱりもう絶対止めて、じゃないと、将来がどうなるだろうというのがあります。

 

将来の世代に残したいものは失われていく方向にある一方、将来世代に残したくないものばかりが増えていく。この状況を、まずは多くの人に知ってほしいと切々とお話しする山崎さん。この問題を知った私達が力になるには、どうすればよいのでしょうか?

この問題の難しいところでもあるんですけれど、CO2も窒素酸化物とか、目に見えなくてついつい見過ごしがちになってしまうものが温暖化という世界規模の問題につながっているということを、まずは皆さんに知ってもらいたいです。そして、電気はまず足りているということもありますけれども、石炭火力発電所は要らないよということをしっかりとわかってほしいし、一人でも多くの人がその運動に関わってもらえたらなと思います。

この計画の中止というか、見直しをしてもらうためには、市議会とかで意見がどんどん出てくるようになることが望ましいと思います。今の状態では、私たちがそこに直接言うのはなかなか難しいと思いますけれど、やっぱり市民が、たくさんの市民が、例えば署名をするとか、チラシを一緒に配布してくれるとか、市長への手紙とか、意見をどんどん言ってくれるということがあると、何か本当にその一つ一つ、一筆一筆がとても力になる、動かせるって思っています。”

 

20181226_3.JPG(JFE本社前アクションにて)

 

山崎さんとお話しすると、いつも温かさを感じます。そして今回お話を伺う中で、山崎さんの言葉の中に、市民の力を信じる強さを感じました。

 

私たちがほしい未来はどのような未来なのか。また一方で、私たちの望まない未来とは。

私たちが望む未来とは、企業の利益のために命が犠牲となる社会ではなく、そこに生活する人々の命と、これから生まれてくる命が第一に優先される社会なのではないでしょうか。

石炭火力発電所は近隣住民の健康被害につながるほか、温室効果ガスの排出による気候変動の影響を悪化させます。近年では日本でも豪雨の被害が頻繁に起きていますが、気候変動の影響は日本から離れた島嶼国での海面上昇、干ばつからくる農作被害そして農民の自殺、またヒマラヤ山脈付近の国々では氷解による被害等、深刻な被害をもたらし、人々の命が奪われています。

企業の利益ではなく人々の命が中心となる社会。そこには、石炭火力発電所はないはずです。

(高橋英恵)

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【日々のくらしの裏側で – vol.5】企業の懐柔策に埋もれる蘇我住民の声

千葉県蘇我駅から車で5分ほど。そこに、千葉の地元のサッカーチームであるジェフユナイテッド千葉が拠点とするフクダ電子アリーナがあります。

“あの右側の奥に、石炭火力発電所ができるんです。”

そうおっしゃったのは、蘇我石炭火力を考える会(以下、蘇我の会)のメンバーの渡辺敬志さん(以下、渡辺さん)。9年ほど前に東京から広い家を求めて蘇我に越してきたものの、新しく出てきた今回の蘇我の石炭火力発電所建設計画。この現状にどのように感じているのかを、伺いました。

そもそもは石炭火力というよりも、マンションの汚れが非常に目立つということがきっかけでした。最初は私個人の問題としてJFEに電話をしたり、あるいは行政に電話をしたりしていたのですけど、所詮個人では埒が明かなくて。それで、マンションの管理組合とか自治会関係に携わっていたこともあり、自治会として住民に全戸アンケートを取ったんです。そうしますと、過半数以上の回答(139戸中79戸)がありまして、そのうちの85.6%から「粉塵問題悩んでいる、なんとかしてほしい」という声が生々しく上がったんです。コメントの中には子どもさんへの影響が気になるというようなご意見もありました。それを自治会の役員として受け取ったわけですよ。そうするとね、受け取った以上は放置できない。そういうことで、この件を自治会として扱おうという決議を出し、同じ自治会、連協の会長さん宛とか、行政宛に自治会名で要望書を出したりしていました。“

そして、新しく出てきた今回の蘇我の石炭火力発電所建設計画。なんと、たまたま蘇我駅を通りかかったとき、同計画に関するチラシを受け取ったのが知ったきっかけだそうです。

“たまたま蘇我の駅を通りかかったとき、石炭火力ができますよというチラシを受け取りました。それではじめて「えっ」と思ったんです。そもそも、私どもが粉塵問題で取り上げたのは、かれこれ6年前。6年前に取り上げたときは、行政とJFE、私どものマンション、それから環境N POの方と、お互いに話をぶつける4社ヒアリングの場が設けられました。でも、結局3回で流れてしまいました。流れてしまった理由を簡単に言いますと、非常に実のない話に終止してしまいがちだったんです。行政はどちらかというとJFE側の立ち位置で、NPOさんも行政やJFEに対して何か言ってくれるかと思えば中間的な立場で物言いをされるし、結局はうちの自治会関係が言うだけで空回りというような感じだったんです。だけど、このときJFEさんは「年間10億円の予算で毎年粉塵問題を解決しています、いろいろと企業努力をしています」と言っていたんです。そのときに出た例の1つが、老朽化した設備を新しく入れ替えることによって、煙突から飛散する粉塵については軽減を図っておりますという話だった。風で粉塵が飛んでいるということは知っていたんですね。あと、工場見学に行ったときに石炭が山積みされたところを通ったからそれはどうなの?と聞いた時は、散水して飛散を防止していますと。他にも、12mの高さの緑化マウンドを作って、飛散防止を図っていますということだった。我々も毎年10億円の予算をかけてJFEさんが努力してくれているのであれば、様子見をしようということで、一旦は鉾をおさめたときがあったんです。

でも、そういった矢先に石炭火力の話を知って、冗談じゃないと。今までのJFEの善意はこのために意図的にやっていたのかと。こういうことで非常に腹がたってですね。で、石炭火力の問題を追求し始めた。そのときに私どもの自治会だけではなくて、地域の市民の人たち、市民ネットの方、あおぞら会という、昔川崎製鉄で粉塵の問題で公害訴訟をなさった人たちが集まって、蘇我の会というものを作り、昨年の4月から活動をはじめました。並行して、袖ヶ浦と横須賀でも石炭火力の話が出ていましたから、じゃあ、それぞれの会が連携してやりませんかという話になって、東京湾の会もでき、私どもは蘇我の会として、石炭火力の話を真正面から取り組むようになりました。“

蘇我の会として、今までどのような活動をされてきたのでしょうか?

“まず大きな一つは、近隣マンションへのアンケートです。あと、一般の皆さんへの学習会や、駅でのチラシまきとか。それからパタゴニアさんの助成金を申請したら受かったものですから、その資金を活用して、新聞折込とかをさせていただきました。こういう一般住民向けの活動と、それからJFEとのヒアリングを何回か、あと、行政とのヒアリングもやっています。そのほか、先日千葉県の弁護士会館で石炭火力問題のセミナーを開催していただいたりと、いろいろなかたちで、今、協力者の輪を広げつつあります。”

近隣マンションへのアンケートが一つの大きな活動だったとおっしゃる渡辺さん。アンケートの結果について教えてもらいました。

“2万件を足で歩いて、1戸1戸ポスティングをしてきました。回答が355件あって、そのうちの278件が記名式で連絡の取れるものでした。名前の記されたアンケート回答は、僕は珍しいと思っています。やっぱりそれだけ自分の名前を出してでも、訴えたい方がいらっしゃっるんだと思いました。しかも、そのアンケートの結果ですが、90%以上の人が石炭火力は冗談じゃないと。で、「今病気通っています」とか「自覚症状あります」とか、「今治療中です」とか言う方もいらっしゃいました。何より、「将来が不安だ」という方が圧倒的多数だったんです。

そういうことを聞いたときに、私として興味を持ったのが、回答は確かに2万件の中で355件だったんですけど、たとえばうちのマンションの355件のうち何人回答したかをみてみたら、12人しかいないんですよ。一方、私の自治会が過去にやったアンケートではね、さっき言いましたように、139のうち79%の回答がありまして、そのうちの85.6%が粉塵問題で悩んでいるということになると、そんな10人どころの話じゃないんですよ。

しかもこの地区はマンションだけで、全てのマンションから必ず1人から5人くらいの粉塵の悩みが寄せられたんです。それらを合わせて推察したとき、あるマンションの一戸だけが汚れていると思えない。そうすると単にアンケートに答えていないだけで、この千葉みなとを中心とした地区に、少なくとも4千人から5千人の方が苦しんでいると思います。”

 

バリバリと活動をされている渡辺さんですが、活動している中で直面している壁もあるのだとか。

“とにかく、知らない人が多すぎる。私自身もこの計画を知ったのが、蘇我の駅を通りかかったときのチラシがきっかけだったんですね。いろんな説明会とか、蘇我の会としてやっていますけど、ほとんどの人が知らなかったということが圧倒的に多いんですね。市に言ってみたら、官報に載せていますってことだったんですが、誰も見やしない、ものすごく小さい記事なんですよ。だから、実質的には何一つとしてこの計画の広報を行政としてはやっていない。そう思います。

あと、もう一つ、今は引退しましたけれど、現役の時はどちらかというと経営者側の目線でした。経営者だったものですから、小さい会社ですけどね。当時は、経営者側の考えること、あるいはそれにまつわる行政の思想、それから政治家のあり方、そういうものをいっぱい見てきました。しかも、それを自分の利益になるのであれば、容認してきた時期もあります。でも今、市民にはじめて戻って、一市民の目線でその粉塵問題という、現実に自分の目の前に降りかかってきて。行政や事業者、あるいは政治家とどう対峙していけばいいかというのは、私なりにわかります。でも、この問題について冗談じゃないとなった時に、一番重要なのは住民のパワーをどのように結集していけるか、この一点だと思います。そのために何をやればいいかということを今模索している最中であると、それが正直なところです。解決策はまだ見つかっていません。”

また、こんなコメントも。

ほとんどの自治会長さんは何かの祭りのときはJFEから協賛金を頂いたり、清掃するときにはJFEから人を差し入れて頂いて一緒にやったり、あるいはJFE祭りを華々しくやって近隣住民の皆さんにいろいろサービスしてもらったりしています。そういうものを受けた住民側から見たらね、なかなかJFE相手に物申すということができない。出来づらいだろうなと思います。でも、本来はこの地区とかにお住まいの全自治会の会長さんがすべきなのは、住民の悩みを吸い上げて、実態調査をして、それに沿った自治会の政策を作ることのはずなんです。”

周辺住民の無関心。そしてJFEの住民への懐柔策。蘇我の会が直面する課題は大きいですが、活動を通して、少しずつ動きは変わってきているようです。

“JFEも我々の動きを軽視できなくなってきているように思います。神経質にさせた事自体が一つ前進だと思いますし、行政側も、環境審議会の中に今まではなかった大気関係の専門部会が今年から作られました。これも一歩前進なんです。ただ、その委員の中には冗談じゃないという人が委員に選ばれていたりと中身はないんですけど、形式的にはそういう動きがある。ほかにも、千葉市を美しくする会という組織に対して、千葉市を美しくするために大気環境は欠かせない問題なので取り組んでくださいという要望書を出してみたら、会長さんから、検討してみるというレベルですけど、回答がありました。活動の成果はじわじわと浸透しつつあるんです。”

最後に、どのような気持ちで活動していらっしゃるのか、伺いました。

“私個人でいうと、負けず嫌いですから、相手が大きければ大きいほどなんとかしてやろうという気持ちはあります。もちろん、虚しい気持ちもいっぱいありますよ。やれどもやれども相手にされないという虚しさは。でも誰かが声を出していかないと、誰かがアクションを起こさないと、日本も変わらないから、そう思って活動しています。”

JFEの住民への懐柔策に埋もれた住民の声。

住民が本当に欲しいのは地域の催しの協賛金や清掃サービスではなく、安心して暮らすことのできる綺麗な空気であるはずです。

(高橋英恵)

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COP24閉幕 – 公平性に欠けるパリ協定の実施指針、気候変動への行動強化にも繋がらず

12月2日から開催されていた第24回気候変動枠組条約締約国会議(COP24)は、予定していたよりも1日遅い15日に終了しました。

何が期待されていたのか?

今回のCOPで期待されていたのは、気候変動行動強化に関する主な2つの点です(開幕時の論点整理はこちら)。

一つはパリ協定の実施指針(ルールブック)の合意、そして二点目は、各国の気候変動への国別目標(NDC)の強化です。今回のCOP24は、気候変動の緊急性と行動強化の必要性を示したIPCC1.5度特別報告が2018年10月に発表されてから初めて開催されたCOPであることから、2023年の各国の気候変動取り組みの進捗を確認し合うグローバル・ストックテークに5年先立ち、各国が目標強化の取り組みなどについて議論するために設けられた促進的対話(タラノアダイアログ)などを通じて各国の気候変動への国別目標(NDC)の強化が期待されていました。

ルールブックはどうなった?

一点目の主要点であるルールブックにおいては、残念ながら、先進国の気候変動への歴史的責任はほぼ削られる結果となりました。

途上国はルールブック作りにも公平性・共通だが差異ある責任の原則の適用を主張し、NDCに関しても緩和中心ではなく、適応などその他の要素も含めるべきだと主張していました。結果的に、緩和については必須ですが、適応などその他の項目は、NDCに含めたい国は含めることという形になりました。

「透明性枠組み(各国の気候変動対策の取り組みの報告に関する枠組み)」では、各国は2年ごとに各国の排出目録と取り組みの進捗レポートを提出することになります。提出フォーマットに関しては先進国と途上国の間に差が設けられました。(先進国の提出は2022年から、途上国は2024年から)。適応と損失と被害についての報告は要素として盛り込まれましたが、損失と被害に対応するための資金の言及は完全に削除されました。

資金情報の報告については、新たに拠出された公的資金だけでなく、民間から動員された商業融資や投資、保険などもカウントして良いことになりました。

一方、先進国は2年ごとに今後拠出する気候資金の情報についてレポートを別途提出することになりました。資金がなければ自国の気候変動対策実施が難しい途上国にとっては、この点は一つの勝利といえます。

今後2年間は、各国がNDCを強化する非常に重要な年になります。

「グローバルストックテーク」は、2023年から始まる各国が気候変動対策の取り組みを見直し、5年ごとに目標を強化して再提出するプロセスです。グローバルストックテークでは公平性原則が非常に重要な論点であり、途上国、とくにインドなどは、残されているカーボンバジェット(1.5度目標達成のために残された温室効果ガスの排出許容量)や歴史的排出を目標強化のプロセスに盛り込むよう求めましたが、実施指針には残りませんでした。また、「損失と被害」についての言及は最後までアメリカが強行に反対し、本文では言及されず、最終的に脚注に追いやられました。

IPCC1.5度特別報告の扱いは?気候変動行動強化につながったのか?

二点目の各国の気候変動への国別目標(NDC)の強化について、COP24の決定文の中には1.5度特別報告を直接歓迎することができず、各国のNDCの強化は「2020年までにNDCを強化して再提出する」という、これまでの決定文にも含まれていた表現が含まれるのみにとどまりました。IPCC特別報告の内容をそもそも認めないという立場のアメリカに加え、サウジアラビア、ロシア、クウェートなど、温室効果ガスの大型排出国がIPCC特別報告の扱いについて最後まで強硬な立場をとったためです。

タラノアダイアログにおいても各国の取り組み強化が加速されることが期待されていましたが、公平性や1.5度レポートについて言及されたものの、COP決定文の中では「タラノアダイアログの完了を歓迎する」と記したのみで、今後の行動強化には繋がりませんでした。

気候資金は?

パリ協定は、先進国の途上国に対する資金・技術支援を義務付けています。しかし、ルールブックのいたるところで先進国の資金・技術支援の義務が弱められた表現になっています。

京都議定書のもとで設けられた適応基金は、存続は決まっていますが、これまでクリーン開発メカニズムの利益の一部を原資としていたため、パリ協定下でどのように運営するのか、議論が決着していません。市場メカニズムの議論はCOP25まで先送りされたためです。

また、先進国は2020年までに年間1000億ドルの気候資金を拠出することになっていますが、その約束も2025年までで、それ以降の資金目標が決まっていません。今回のCOP24で、次なる資金目標の議論は2020年から始めることに決まりました。

気候変動の被害は加速する一方

2018年は、日本でも気候変動の被害がさらに拡大しました。猛暑や洪水、大雨などで亡くなる方や、家を失う方がたくさん発生しました。途上国でもその被害は特に甚大です。災害への備えが少なく、農業や漁業など第一次産業に従事する人口も多いため、より大きな気候変動被害を受けます。しかし、そういった人たちほどほとんど温室効果ガスを排出していません。

一方、先進国の政府や銀行、企業はいまだに化石燃料企業やプロジェクトに投資し続けています。間違った気候変動支援が、コミュニティや環境の破壊、そして人権侵害に繋がっています。

また、今回のCOP24では、市民社会の参加に対する抑圧が非常に顕著でした。気候変動の現場でたたかい、実際に化石燃料プロジェクトとたたかう市民社会の声が押さえつけられるようなことがあってはなりません。

公平性や途上国の視点からは、今回のCOP24の結果は非常に残念な結果だったと言わざるを得ません。

今後さらに重要になってくるのは、各国での取り組み、とくに先進国による国内での温室効果ガスの大幅な削減などの取り組みの強化と、途上国への支援強化です。また、化石燃料プロジェクトや間違った気候変動対策に対する草の根の取り組みもとても重要です。

FoE Japanは、これからも公平性の観点を重視した提言活動、実際に気候変動を加速させている化石燃料プロジェクトに対する草の根の取り組みに尽力していきます。

(小野寺ゆうり・深草亜悠美・高橋英恵)

サヨナラCoal! – 気候変動に脅かされる途上国市民社会からの声

action 2昨年のCOP23の会場において、日本が市民社会からの厳しい批判を受けたことを皆さんは覚えているでしょうか。それから約1年、日本の化石燃料融資に対する批判の声が、再びCOPの会場内に響き渡りました。

会場内でのアクションでは、特定の国名や企業名は名指しできないという制約があるため、工夫を凝らしてのアクション。気候変動の脅かされる途上国市民社会からの声が叫ばれました。

インドネシアで鉱山開発問題などに取り組むJATAMのスタッフ、アルウィヤ・シャウバヌ氏は、“日本はインドネシア有数の石炭事業への融資国。日本の国際協力銀行は、北カリマンタンの鉱山開発、そして(他の州での)石炭火力発電所に融資している。これらの鉱山や石炭火力発電所の建設計画地近くでは人権侵害が横行し、環境が汚染され、(住民たちの)土地も奪われ、そして生計手段をも奪っている状況です。日本はいますぐ、この私たちの生活を奪う破壊的な事業をやめるべき。”とスピーチ。

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FoE Japanの深草も、次のようにスピーチしました。

日本はG20の中で、化石燃料事業に対する最も高額な公的資金の融資国。世界の平均気温上昇を1.5℃に抑え、世界の温室効果ガス排出量を今世紀後半までにゼロにすることを目標に掲げたパリ協定の採択後も、日本の石炭火力発電の技術は高性能であると謳い、未だに融資を続けている。日本が融資している事業は、気候変動の影響を悪化させているだけなく、近隣住民への人権侵害、土地収奪、そして生計手段の喪失を引き起こしている。日本においても、今年の夏に度々見舞われた豪雨のように、気候変動の影響を無視できない状況になりつつある。今、日本に求められているのは、気候変動への影響に対する歴史的責任の下、途上国への削減支援する資金の拠出、そして、人々の命を中心に据えた気候変動への解決策であるべき”
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action 1また、気候ネットワークインターンの塚本悠平さんからは、

“日本が今本当に必要としているものは石炭ではない。必要なのは、再生可能エネルギー100%の社会への移行だ。今、行動を起こさないと、気候変動はより悪化し、将来世代への影響が大きくなる。エネルギーの効率化や再生可能エネルギーの技術など、私たちはすでに解決策を持っている。政府の皆さん、今すぐ、方向転換を。”

温室効果ガスを最も排出する電源である石炭火力からの脱却の流れが世界で加速している一方、日本はいまだに国内外で石炭火力を推進しています。昨年COP23期間中にも、日本の丸紅株式会社がベトナムで低効率の石炭火力発電所事業を進めていることが発覚し、大きな批判を呼びました。しかし、批判を浴びたにも関わらず、2018年4月に日本の公的金融機関である国際協力銀行は、同事業への融資を決定しています。

この一年間、気候変動の影響を受ける途上国の市民社会は期待をもって見守っていたはずです。しかし残念ながら、日本は世界の期待に応えるようには進んでいません。また、米国の環境団体によると、G20諸国の中で公的資金を使って化石燃料を支援している最大の国は日本であると報告されています (注1)。パリ協定の温度目標達成のためには今世紀後半の脱炭素化が必要であるため、石炭だけでなくその他の化石燃料からの脱却も加速する必要があります。今、方向転換できなければ、今後ますます孤立の道を歩むことになりかねません。

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(高橋英恵・深草亜悠美)

(注1) http://priceofoil.org/content/uploads/2017/07/talk_is_cheap_G20_report_July2017.pdf

COP24 二週目突入 – 交渉の行方と抑圧される市民社会

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COP24も2週目に差し掛かりました。1週目は主にパリ協定のルールブックづくりの技術的な部分が話し合われました。技術的な交渉は8日土曜日に終結する見込みでしたが、今週11日火曜日まで延長されました。二週目は閣僚級が集まるハイレベル会合が開催されます。

この間、COPに参加する市民団体のメンバーらが国境で強制送還されたり、カトヴィチェのホテル滞在中に突然拘束され強制送還される事例が報告されています。確かな数はわかっていませんが、100名以上のNGO関係者らが入国拒否されているとの情報もあります。

強制送還や拘束の理由は不明です。入国拒否をされた人の中には、過去に何度もCOPに参加したことがあるNGOスタッフや、政府代表団の一員としてCOPに参加する予定だったNGOスタッフも入っているとのことです。

このような深刻な人権侵害の状況をうけて、FoEインターナショナルはじめとする市民団体は抗議声明を発表し、拘束・強制送還された仲間の状況を確認している状況です。12月10日にCOP24会場内で行われた記者会見では、少なくとも12名がポーランドから強制送還・拘置されている350.orgの東欧グループのメンバーから「基本的な人権を奪わないでほしい。拘束される理由もない。ポーランド政府による明らかな市民社会への弾圧だ。皆さんの助けが必要です」と発言がありました。

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COP会場では、石油会社や原発企業が、ガスや石炭(”クリーンコール”)推進、原発推進のサイドイベント開催を許される一方、市民団体への監視や締め付けが厳しくなっています。本来であれば、気候変動の影響を受ける人々の声ほど政策に反映されるべきです。気候変動の影響をより受けやすい脆弱なコミュニティや人々の人権が保護されること、資金にアクセスできること、その他必要な技術支援が受けられることが重要です。

交渉の中でも、COP決定(COP交渉の最後に採択される文章)におけるIPCCの1.5度レポートへの言及について強い対立があり、主にアメリカやアラブ諸国がIPCCへの言及に反対しています。気候変動の「損失と被害」に関する言及や扱いについても、温室効果ガス排出責任を問われることを取り分け恐れるアメリカが、非常に強く反対しており、他の先進国もそれを支持しています。

私たちにはあまり時間が残されていません。今までの1度の気温上昇でも、すでに被害が広がっています。

気候変動の背景には、化石燃料の開発・利用をいまだに止めようとしない企業、人権やコミュニティをないがしろにし、利益を優先して環境破壊・資源収奪・搾取を行うネオリベラリズム経済が存在します。そういった新経済主義を体現する企業が交渉に強く干渉し、また人々の声がないがしろにされることに非常に強い危機感を覚えます。

(深草亜悠美)