福島県民健康調査で甲状腺がん・疑い183人に ~甲状腺がん子ども基金:福島県外では重症例も

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検査縮小?
2016年12月27日、福島県県民健康調査検討委員会が開かれ、福島県における事故当時18歳以下の子どもたちの甲状腺検査の結果が報告された。それによれば、2014年から始まった2巡目検査で甲状腺がんまたは疑い とされた子どもたちは68人(男性 31人、女性 37人)。このうち1巡目の検査で、A判定(結節ものう胞もなしか、もしくは5mm以下の結節、20mm以下ののう胞)とされた子どもたち62人含まれている。>当日資料

第一巡目の結果とあわせれば、甲状腺がん悪性または疑いと診断された子どもたちの数は、183人、手術後確定は145人。

こうした中、甲状腺検査を自主検診とし、事実上の検査の縮小を求める動きがある。日本財団の笹川陽平会長は、12月9日、「検査を自主参加にすべき」とする提言書を内堀雅雄知事に提出。専門作業部会を開いて今後の検査体制の方向性を示すよう求めた。現在、県民健康調査は、原則、対象者全員のもとに検査の通知を出している。「自主検診」は事実上の検査の縮小となる。

日本財団の提言は、同財団が9月26-27日開催した「第5回福島国際専門家会議」に基づくものとされているが、実際は、国際専門家たちが、検査を縮小することで一致したわけではない。ベラルーシの専門家ヴァレンティナ・ドロッツ氏は「早期診断が非常に重要」と指摘し、ロシア国立医学放射線研究センターのヴィクトル・イワノフ氏も「福島でも、今後10年20年以上データを取り続ける必要がある」と発言。むしろチェルノブイリの経験を踏まえて、検査の継続を求める専門家たちも多かった。日本財団の提言をうけ、福島県県民健康調査検討委員会の星北斗座長は、「国際的、科学的、中立的」な第三者組織により科学的な検討を行うことによって、「県民の理解を深めたい」との意向を示したが、終了後の記者会見では、新たな第三者組織の設置目的や現行の委員会との違いについて質問が集中した。

民間基金が警告…県外で重症化しているケースも

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写真上:記者会見で検査の拡充の重要性を指摘する崎山比早子代表

一方、民間基金による甲状腺がんの子どもたちへの支援事業により、福島県外でも重症化しているケースが指摘されている。

3・11甲状腺がん子ども基金」(代表:崎山比早子氏)は、2016年12月から、東日本の15の都県に対する甲状腺がんの子どもたちへの療養費給付事業を開始した。 12月27日の発表によれば、第一回の給付は、福島県および近隣県・関東の子どもたち35人に対して行われた(うち福島県26人、福島県外9人)。福島県外の症例は、自覚症状によって受診して発見が遅くなったと思われる患者が多く、腫瘍径が大きかったり、肺転移したりと、重症化しているケースが目立った。また、福島県の26人の給付対象者のうち、福島県民健康調査では見つからず、自主健診で甲状腺がんが見つかったケースが複数あった。また、長期間、手術を待ったり、何度も検査をしながら経過観察が続いたりしているケースが目立った。

同基金の崎山比早子代表は、「県外において発見が遅れ、重症化しているケースがみられた。現在、福島県の検査を縮小するという話があるが、実態をみればむしろ逆。拡大・充実させ、早期発見・早期治療に努めるべき」とコメントした。

崎山代表が、福島県外における検診の実施を強調するのには理由がある。福島県外では、県レベルで一斉に検診が行われてはおらず、自治体や民間団体による自主健診が行われているにすぎない。その中から甲状腺がんも見つかっている。福島県に隣接する宮城県丸森町では2015年7月から2016年4月にかけて1564人が超音波検査を受検した結果、1人ががん、1人ががんの疑い。茨城県北茨城市では、 2014年度は18歳以下の、3,593人が受診。 3人が甲状腺がんと診断された。

「事故の影響とは考えづらい」
福島県県民健康調査委員会では、現在まで「事故の影響は考えづらい」としている。理由は(チェルノブイリ原発事故時と比べて)被ばく量が少ない、小さな子どもたちにがんが見られないことなどである。しかし、スクリーニング効果を加味しても多発であるという論文、また、1巡目から2巡目までのわずか数年で、最大3.5cmのがんとなっていること、通常の甲状腺がんより男性比が高いことなど、通常の甲状腺がんとの相違やチェルノブイリ原発事故後多発した小児甲状腺がんとの類似を指摘する意見もある。

国立がんセンターの試算によれば、2010 年時点の福島県の 18 歳以下の甲状腺がん有病者数は、2.0 人。(有病者数とは、自覚症状等がなくまだ発見されていない潜在的なものも含めて実際に病気を持っている数。)国立がん研究センターがん予防・検診研究 センター 長の津金昌一郎博士は、福島の子どもたちの甲状腺がんの数は、この「約60倍」とする(2014年11月時点)。

「有病数より数十倍のオーダーで多い」

2015年5月18日の委員会において、甲状腺評価部会は1巡目の甲状腺検査の結果について、「わが国の地域がん登録で把握されている甲状腺がんの罹患統計などから推定される有病数に比べて数十倍のオーダーで多い」とする中間取りまとめを発表した。一方で、「放射線の影響は考えにくい」としている。

甲状腺評価部会長で、日本甲状腺外科学会前理事長の清水一雄氏は、①本来ならば甲状腺がん患者の男女比は1対7と女性が圧倒的に多いのに、チェルノブイリも福島も1対2以下になっていること、②1巡目の検査でせいぜい数ミリのしこりしかなかった子どもに2年後に3cmを超すようながんが見つかっていることを挙げ、「放射線の影響とは考えにくいとは言い切れない」、としている(2016年10月21日付北海道新聞)

一部の専門家たちは、「多く発生している」ことの説明として、「過剰診断論」を唱えている。「過剰診断」とは、ここでは「生命予後を脅かしたり症状をもたらしたりしないようながんの診断」をさす。すなわち、放置しても深刻な病状をもたらさないがんを発見し、手術してしまうことだ。

しかし、手術された子どもたちの症例は深刻だ。2015年8月31日、手術を受けた子どもたち96人の症例について、福島県立医大(当時)の鈴木眞一教授によるペーパーが公開され、リンパ節転移が72例にのぼること、リンパ節転移、甲状腺外浸潤、遠隔転移などのいずれかに該当する症例が92%にのぼることが明らかになった 。県民健康調査委員会の清水一雄委員も「医大の手術は適切に選択されている」と述べた 。

鈴木眞一教授は、甲状腺がん検査および手術の責任者であり、以前より、「過剰診断」という批判に対して、手術を受けた患者は「臨床的に明らかに声がかすれる人、リンパ節転移などがほとんど」として、「放置できるものではない」としてきた。

なお、チェルノブイリ原発事故後、甲状腺がんだけではなく、腫瘍、甲状腺疾患、白内障、内分泌系、消化器系、代謝系、免疫系、血液、造血器官、神経、呼吸器、など多くの疾病が報告されており、包括的な健診や国家事業としての保養プロジェクトがおこなわれている。しかし、日本においては、被ばくによる健康影響を把握するための体系だった健診は行われていない。

(満田夏花)

ベトナム・原発からの「勇気ある撤退」の理由とは

11月10日、ベトナム政府は、ベトナム中南部のニントァン省原発建設計画について白紙撤回を求める決議案を国会に提出しました。22日にも採決される予定と報じられています。
ニントゥアン省では2か所で原発建設が予定されており、第一原発はロシアが、第二原発は日本が受注を予定しており、実現すれば同国初の原発となったはずでした。
なぜ、ベトナムは原発からの撤退を決断したのでしょうか?
国会議員で科学技術環境委員会副委員長のレ・ホン・ティン氏は、VNEXPRESSのインタビューに答えて、まず経済性をあげ、原発の発電単価が当初計画よりも上昇していること、再生可能エネルギーやLNGが競争力をもったこと、ベトナムの巨額の対外債務問題、放射性廃棄物の処理の問題をあげました。
「これは“勇気ある撤退”だ」とレ・ホン・ティン氏。「これ以上展開し、さらなる損失を被らないうちに早期に計画を中止する必要がある」。
かたや日本では、原発事故の被害額は膨らむ一方。損害賠償や廃炉費用を国民にさらに転嫁するような検討も進んでいます。その一方で、40年超の老朽原発も相次いで運転延長が決まりました。「勇気ある撤退」は程遠い状況です。
以下、VNEXPRESS紙のレ・ホン・ティン氏のインタビュー記事を、翻訳者のご厚意により転載いたします。

VNEXPRESS
2016年11月10日(木)なぜ国会は原発計画を中止へと見直しするのか

11月10日、国会の廊下でレ・ホン・ティン氏(科学技術環境委員会副主任)は、マスコミ取材に対し、政府がどのような観点でニントゥアン原発計画実施を見直し、中止とする議案を国会に提出することにしたかを述べた。

-政府が国会に、ニントゥアン原発建設計画の実施を見直して中止とする議案を国会に提出するに至った主要な理由は何か。

-主な理由は、原発計画の実現可能性が、現時点ですでにないことだ。以前の建設計画では発電原価が約4.9セント/kWhとなっていたが、今ではこれが8セント/kWhにまで上昇している。

さらに、2009年、政府が国会に原発計画を諮ったとき、経済成長が9-10%の速度であることを条件として、それに伴い電力需要も17-20%の伸びを条件としていた。
当時の政府はわが国の電力需要を十分に賄うために、22%の伸びを見込んでいた。
しかし現在、経済成長率はそれよりもずっと低く、毎年約6-7%で推移している。これにより電力需要も予想より伸びが低く、今後5年間で11%、さらに10-20年後には7-8%と見積もられている。

現在は節電技術が進み、エネルギー消費が抑えられてきた。今後2021年までの間に、国内需要は十分賄える見込みだ。さらに、再生可能エネルギーが発展を始めており、電力原価は5 セント/kWh以下にまで下がった。わが国にはニントゥアン、ビントゥアン、バックリュウ等々、風力発電を展開できる多くの地域がある。原油価格1バレル50USDという予想が出ているが、これに代わるLPGガスが合理的な原価を示しているので、我々が輸入して環境にやさしいエネルギー源として発展させることができるだろう。

原発の話で言うと、計画を展開した後に出る核廃棄物の解決は議論が必要だ。特に、最近の環境事故の後ではその必要が高まっている。

さらに現時点で原発計画を中止すべきもうひとつの理由として、わが国の債務がすでに許容範囲ぎりぎりに迫っていることが挙げられる。さらに大きな計画に投資を続けるとなると、危険はさらに増す。もちろん原発への投資をやめると、わが国の電気需要に対応するための電源を確保するために他の電源開発への投資が必要になるだろう。ニントゥアンですでに建設したインフラは別の事業に利用できるだろう、たとえば土地を確保して太陽光発電などの再生可能エネルギーに充てる、工業団地を建設する等々。

―もしも原発計画を続けるとしたら、40京ドンの投資が必要になるといわれているが、この数字をどう評価するか。

―当初の計画では投資金額は20京ドンとされていた、しかし現在計算しなおすとこれが2倍に膨れ上がっている。もし計画が遅れれば、投資金額はさらに膨れ上がる。その後の廃炉費用まで計算すると、発電コストはさらに上がるだろう。

―もし国会で中止が決定したら、すでに署名ずみの契約相手との関係の問題はどうなるのか。

―関係各省庁、各部局が契約相手と合理的な話し合いや協議を行う必要がある。というのも、この計画中止には、すでに述べたような「不可抗力的な」理由があるからだ。

―海外へ原発技術研修に派遣した人材はどうなるのか。

―高度人材はいつでも必要だ。当面は発電総合会社や稼働中の発電所でこの人材を使用することができるだろうし、カネの無駄にはならない。

―この原発計画中止決定を「勇気ある撤退」だとする意見があれば、これをどう評価するか。

―その通りだ。私はこの原発計画中止の提案は、勇気ある撤退だと考える。ベトナムは原発で後発の国であり、立案時には原油価格が高く原発が必要と考えられていた。その後状況が変化し、我々は、さらなる損失を被らないうちに早期に計画を中止する必要がある。

―原発への投資を決定してから、このような難解な数学の問題に直面したような国の例はあるか。

―もちろんある。たとえば南アフリカだ。ほとんど準備が整った時点で中止した。もしくはドイツがある。技術上の変化、安全上の要求、そして使用済み核燃料の問題から、多くの原発を廃止したり中止したりしている。我々が現時点で原発を中止するのは、時機を得た、かつ必要なことだ。

(囲み記事)

2009年11月25日に、382票の議員の賛成を得て(全議員の77.48%に相当)、国会はニントゥアン原発建設計画を議決した。計画では原発は2ヶ所、1ヶ所につき2基の原子炉が予定されていた。ニントゥアン第一原発はトゥアンナム県フォックジン郡に、ニントゥアン第二原発はニンハイ県ヴィンハイ郡に、それぞれ2,000MWの容量で建設が決まっていた。

ヴォー・ハイ、アイン・ミン

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▼色あせてしまったニントゥアン第二原発の看板 (c)FoE Japan

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ベトナム原発計画のゆくえ…「多くの国会議員が原発中止に賛成」

ベトナムが原発事業を白紙撤回する方針であることが報じられています。科学技術環境委員会の副委員長は、原発発電の単価が上昇していること、核廃棄物の解決、事故、債務問題などをあげ、「いまの時点でやめると判断するほうが、さらに投資を続けてからやめるよりもよい」と発言しています。ベトナム電力公社の社長すら「原発は経済面で競争力なし」と発言したそうです。VNEXPRESSが報じました。翻訳者の方のご厚意で転載させていただきます。

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多くの国会議員が原発計画中止に賛成

VnExpress logo VNEXPRESS 2016年11月10日(木) 11:18 GMT+7
科学技術環境委員会副主任は、現時点での原発計画中止の検討を「時機を得た必要なこと」と評した。
国会はニントゥアン原発計画を見直すことに。
ベトナム電力公社社長:「原発は経済面で競争力なし」

11月10日午後、国会は商工大臣チャン・トゥアン・アインとの特別会合を持ち、大臣はニントゥアン原発建設計画の中止に関する議案の説明を行った。それに続き、科学技術環境委員会主任ファン・スアン・ズンが、上述の議決草案の審査報告を行った。
国会の廊下でのマスコミ取材に対し、レ・ホン・ティン氏(科学技術環境委員会副主任)は、現時点での原発計画の見直しを「時機を得た必要なこと」と評した。

科学技術環境委員会副主任、レ・ホン・ティン氏。撮影:ヴォー・ハイ
ティン氏によると、原発計画の実現可能性は、現時点ですでにない。というのも、以前の建設計画では発電単価が約4.9セント/kWhとなっていたが、今ではこれが8セント/kWhにまで上昇している。計画の展開が遅れると資金も追加する必要がある。さらに重要なことに、計画を展開した後に出る核廃棄物の解決は議論が必要だ。特に、最近の環境事故の後ではその必要が高まっている。
わが国の債権はすでに許容範囲ぎりぎりに迫っている。さらに大きな計画に投資を続けるとなると、危険はさらに増す。この時点で中止することが、さらに展開を続けてからやめるよりもすぐれている。」 ティン氏はこのように見解を述べた。
計画準備のために派遣して養成した人材については、ティン氏は、高度人材はいつでも必要であるとする。「当面は発電総合会社や稼働中の発電所でこの人材を使用することができるだろうし、カネの無駄にはならない。」 ティン氏は、原発を始めようとして準備ができたところで中止した国々は南アフリカをはじめとして多いと言う。あるいは、ドイツのように、安全と使用済み核燃料の問題のため、多くの原発計画を撤回した国もあるとする。

ニントゥアン省副書記長グエン・バック・ヴィエット。撮影: Q.H
ニントゥアン省副書記長グエン・バック・ヴィエットは、もしも国会が原発計画の中止を議決するなら、ベトナム電力公社はすでに別の計画の実施を予定していて、それらは太陽光や風力発電の計画かもしれないと言う。省からはすでに中央に提案を出し、原発建設予定であった土地が「非常に美しい」ことを利用したいくつかの計画を考えている。そして、天災を避けるために新たな場所に定住した人々が、よりよい条件で暮らせるようにと考えている。

ヴィエット氏によると、原発計画の準備のため、国会と政府はすでにニントゥアン海岸道路に投資を決定している。さらにタンミー貯水池(貯水量2億立方メートル以上)の建設再開も決定した。「もし原発計画をやらないのなら、これらの計画がニントゥアンの発展につながるだろう。」とヴィエット氏は述べた。

原発技術を学びに派遣された留学生については、ヴィエット氏は、「彼らは勉学を終えれば、ベトナム電力公社の発電所、計画立案、プロジェクト管理などの職に配置する。学生らは安心して勉学を続ければよいのであって、先の心配はない。」

10月14日に閉会した党第12期中央委員会第4回総会において、中央委員会事務局はニントゥアン省の各原発の建設計画展開の実施方針にかかる問題に関し、技術面および全面での見直しを行った。政治部が国会党団に提出した意見書と完全に意見が一致し、政府の党職員が報告書を完成させ、国会がこれを検討して決定を行う手順になっている。

2009年11月25日に、382票の議員の賛成を得て(全議員の77.48%に相当)、国会はニントゥアン原発建設計画を議決した。計画では原発は2ヶ所、1ヶ所につき2基の原子炉が予定されていた。ニントゥアン第一原発はトゥアンナム県フォックジン郡に、ニントゥアン第二原発はニンハイ県ヴィンハイ郡に、それぞれ2,000MWの容量で建設が決まっていた。            ホアイ・トゥー、ヴォー・ハイ

Reference:
http://vnexpress.net/tin-tuc/thoi-su/nhieu-dai-bieu-quoc-hoi-ung-ho-dung-du-an-dien-hat-nhan-3496951.html
(10/11/2016)

▼ニントゥアン第二原発の看板 (c)FoE Japan

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▼建設予定地の風景と人々のくらし (c)FoE Japan

 

ベトナム 原発計画を撤回!?-オールジャパンの売り込み攻勢の影で

ベトナムにおけるニントゥアン原発建設計画の白紙撤回の方針が報道されています。今日から国会で審議されるとのこと(注1)。
FoE Japanは、2011年からベトナムに建設される原発について問題提起を行ってきました。その一環として、先月、ベトナムを訪問。福島原発事故の経験を伝えました。
オールジャパンが売り込み攻勢をかける中、ベトナムのリーダーたちは冷静で賢明な判断をしたと思います。一方、移転を迫られた現地の人たちは…。ブログ記事にまとめました。
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原発建設予定地のニントゥアン省タイアン村に建てられた看板は、年月を経て、はげかかっている…

共同通信の報道によれば、ベトナム政府は、日本などの受注が決まっていたニントゥアンの原発建設計画を白紙撤回すると明らかにしたそうです。今日、国会に上程され、決定されるとのこと(注1)。
理由としては、財政難であることが挙げられていますが、原発のリスクについても言及されていました。

実は、先月、国会議員などが参加する原発に関する国際ワークショップに招へいされ、ベトナムに行き、福島原発事故の被害について報告させていただきました。

多くの人たちがふるさとを失ったこと、「原発さえなければ」と書き残して自殺した酪農家、除染・賠償・廃炉の費用がどんどん膨れ上がり、13兆円を超えたこと、東電は払いきれず、納税者や次世代が払うことになることなどを写真をまじえて報告させてもらいました。

終了後、ワークショップの議長を務めた国会議員が、「報道されていない福島の痛ましい状況がよくわかった」と話しかけ、握手をしてくれました。

ニントゥアン省の原発予定地は、ハノイから飛行機で3時間、車で1時間ほどの静かで平和な村。美しい豊かな海とふしぎな形の石と乾燥地の特異な生態系に囲まれており、人々は農業と漁業、家畜などで生計をたてています。

近くには美しい海を活かした観光拠点も多い、本当に本当に美しい土地です。

事業により移転しなければならないとされたタイアン村の人たちは、「国家事業だからしかたない」といいますが、「せっかく耕した農地やいまの暮らしを失いたくない」「本当は移転したくない」というのが本音なのです。

しかし、中には、「宙ぶらりんの状況はもういやだ。将来設計もできない。移転をするのかしないのか、はっきりさせてほしい」という人もいました。もう10年も、原発建設の話があるそうです。

新たに入ってくる原発事業により、雇用の増大に期待を示す人もけっこうたくさんいるという調査もあります。しかし、原発のリスクについてはもちろん説明なし。

翻弄されるのはいつも地元の人たちなのです。

それでも、私自身は、ベトナムのリーダーたちの慎重で冷静な判断を歓迎したいと思います。

日本は、経済産業省の補助金(「低炭素発電産業国際展開調査事業」)や委託事業で、28億円を原電に流し込み、F/S(実施可能性調査)を実施しています。その中には、復興予算の流用も含まれていました。さらにそれ以前には、東電が、経産省の補助金をつかってカーボンオフセット・クレジットの可能性調査をしていました。
ニントゥアン原発は、日本側が官民で売り込み、税金を使い、トップセールスを繰り返し、おそらくこうした巨大事業によって利権をえる人たちにくいこんで、かちとったものなのです。

原発はある意味、抜け出せない麻薬のようなものです。一度、巨大な利権が形成されると、にっちもさっちもいかなくなるのは、日本の例をみても想像できます。
地方分散型のエネルギー供給の仕組みも阻害されてしまいます。
そんな、「シャブ漬けエネルギー・システム」を、相手の国に売り込む。そしてその過程で多くの税金が使われた、という意味では、私たちにも責任があるのです。

ちなみに、ベトナムへの原発輸出は、日本側が政府系資金を貸し付けることが前提となっていました。しかし、ベトナムの対外債務問題も深刻です。ベトナムにとって日本は長年、最大のODA供与国。その大部分は「円借款」。ただし、ODAは原発には直接は使えません。送電線や周辺のインフラ整備、揚水発電などには、使われる可能性は大いにあります。
現にJICAはニントゥアン省における揚水発電事業に対して、協力準備調査を実施中です。もちろん、私たちの税金を使って。
ODA以外の公的資金の貸し付けも半端ではないでしょう。このままニントゥアン原発建設が進んでいけば、さらに巨額の債務が上乗せされたでしょう。

報道によれば、今日以降、国会でニントゥアン原発事業について審議されるそうです。情勢を見守りたいと思います。

関連記事>ベトナム・原発からの「勇気ある撤退」の理由とは

(満田夏花)

注1)日本受注のベトナム原発計画白紙 財政難理由、政権輸出戦略に打撃
(共同通信 2016年11月9日)
http://this.kiji.is/168978958645937661

日インド原子力協定にNO!

Amirtharaj Stephen (0)

Coast guard aero plane was flown too low over the protesting villagers who ventured into the sea as a part of their Jal Sathyagraha. (C) Amir Stephen

複数の報道によると、インドのモディ首相が来日中の11月に日本とインドが原子力協定に署名するのではと言われています。

FoE Japanはかねてより原発輸出に反対していますが、特にNPT(核不拡散条約)に加盟せず核実験も行っているインドとの協定締結は日本の核不拡散の姿勢とまったく矛盾し、核拡散のリスクを拡大させることから反対してきました。

今回は日インド原子力協定の問題点を改めて整理したいと思います。

【背景】
1975年、インドがカナダによる民生協力をもとに核実験を行った事からNSG(原子力供給国グループ)が設立され、NPTに加盟していない/IAEAの査察を受け入れない国との原子力貿易を制限(但し拘束力は無い)しました。これにより長らくインドは世界の核市場の外にありました。しかし、アメリカを含む様々な国がインドとの「例外的」な原子力協定を結びだし、日本も締結交渉を開始。

これには、広島・長崎市長をはじめ、多くの反対の声にもかかわらず昨年、覚書が取り交わされ、日インド共同声明の中で“両首脳は,日印民生用原子力協力協定に関し,両国政府間で合意に達したことを歓迎し,必要な国内手続に関するものを含む技術的な詳細が完成した後に署名されることを確認した”と記されました。

安倍総理は2016年1月7日の参議院本会議において
(以下要約)日印協定は、インドが核の平和利用に責任ある行動をとらせるものであり、実質的に核無き世界に向けた日本の姿勢に合致する。仮にインドが核実験を行った場合、日本からの協力は停止する。核実験モラトリアムが協定の前提になる事は、インド側も認識しており、そのうえで原則合意に至った。米仏がインドと締結したもの以上の協定を目指す。

と発言していますが、NPTやCTBTには触れていません。

【焦点】
協定締結交渉の焦点は
ーインドに日本が輸出した原発から発生する使用済み燃料の再処理を認めるかどうか
ーインドが核実験を行った場合に日本が原子力協力を停止する事を明記できるかどうか
と言われています。

しかし、日本はこれまで‘NPT’を中心とした不拡散レジームの維持を主張してきました。
日本政府側の言い訳としては
「インドはほかの非NPT国と違う…核実験をおこなうようなことがあれば、日本からの協力は停止」(12月14日内外情勢調査会)

としていますが、核実験をさせない枠組みや方法が明確でなく、またNPTに入らずとも原子力協定を結べるのなら、むしろNPT加盟へのインセンティブを損ないます。
また日印原子力協定によってインドが不拡散体制に組み込まれるとしていますが、どのように民生利用が転用されていないと確かめるのか、そのことをどのように担保するのかがまったく不明です。

その他、インドの原発事情や原発輸出が抱える問題点はこちらにまとめてありますのでご覧ください。
くわしくはこちら→
ファクトシート

★No Nukes Asia Forumとりまとめ
日インド原子力協定反対署名にご協力お願いします!
→https://goo.gl/x7ijUp

福島にて第1回ご当地エネルギー会議に参加

11月3-4日に、福島市で開催された「第1回 世界ご当地エネルギー会議」に、FoE Japanも参加しました。アフリカやアジア、ヨーロッパや南米からも参加があり、2日間での参加者は640人以上。世界各地で再エネ産業やまちづくりのうねりが起きていることがあらわされるような、熱気ある会議でした。

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4日午前の3-Bセッションは、「都市公社・地域電力」がテーマ。こちらでパワーシフト・キャンペーンについて報告しました。

みやまスマートエネルギーの磯部達さんからは、高齢者の見守りサービスなど、エネルギーだけでない地域のサービスにどうつなげていくかの試みが紹介されました。

パルシステム電力の野津秀男さん、2016年の再エネFIT電源(予定)割合は89%。はがきの請求書で、電源構成や地域の情報を伝えたいとのこと。

デンマーク大使館の田中いずみさんからは、再生可能熱利用を中心に、地域での再エネシフトとCO2削減が現実化していることが具体的に示されました。

ドイツ・オスナブリュックの都市公社(シュタットヴェルケ)のヘルマン・ブランデブーゼマイヤーさんは、風力発電を中心に、将来的には再エネ100%の電気を住民に届けたいと語りました。

スペインの前欧州再エネ連合代表、ジョン・ファジス氏からは、スペインでも再エネ固定価格買取制度によって大きく導入が進んだが、一方で2013年政策変更により新規導入にブレーキがかかっているとのこと。

パワーシフト・キャンペーンの吉田明子からは、日本でも再エネ電力会社や再エネ・シュタットヴェルケを目指す電力会社が多数現れていること、一方で「価格の安さ」が追求されると石炭火力・原発推進につながってしまう懸念を報告しました。

司会の山下紀明さんからは、今時点の安さなのか、どの時点での安さを考えるかという視点も重要とコメントいただきました。

日本の「パワーシフト」の現状(厳しい状況もふくめ)についてオスナブリュックで再エネ市民共同組合に取り組む方から、まるで以前のドイツの状況を見ているようだ、と激励を頂きました。

ドイツ連邦環境省のハラルド・ナイツェル氏も、日本もいずれは変わらざるを得なくなるだろうが、市民からの働きかけは必要だ、と暖かいコメントをくださいました。

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<3-B. 都市公社・地域電力・地域ユーティリティ>
http://www.wcpc2016.jp/program/session3-b/
(動画・資料は後日アップされる予定です)

このセッションでは、都市公社や地域電力の役割について議論します。エネルギー構造の分散化の潮流を背景に、地方自治体や企業が地域にエネルギーサービスの提供を担いはじめており、その役割について議論を進めます。

司会: 山下紀明(環境エネルギー政策研究所)
磯部達(みやまスマートエネルギー)
吉田明子(パワーシフトキャンペーン/FoE Japan)
野津 秀男(パルシステム電力)
田中いずみ(デンマーク王国大使館)
ヘルマン・ブランデブーゼマイヤー(オスナブリュック電力公社)
ジョアン・ファジェス(前 欧州再生可能エネルギー連合代表)

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写真のオレンジの手はドイツの「市民エネルギーを市民の手に」キャンペーンのもの。これ、まさに今の日本でも必要です。
ぜひ、日本でもやりましょう!  (吉田 明子)

原発事故避難者の住宅支援の継続を求め、19万筆の署名を提出

「原発事故被害者の救済を求める全国運動」(事務局:FoE Japan)は、10月26日、国会に原発事故避難者の住宅支援の継続などを求める請願署名193,197筆を提出しました。昨年までに提出した署名とあわせると522,819筆となります。

署名提出集会には、北海道、新潟県、福島県、東京都、千葉県、神奈川県、静岡県、兵庫県、大阪府、京都府など、全国から180名が参加。各地の避難者が、実情を訴えました。

 

このうち北海道に避難している宍戸隆子さんは、雇用促進住宅に避難した低所得者におもくのしかかる支援打ち切りの現状を指摘しました。宍戸さんはまた、北海道議会で住宅支援の継続を求める請願書が全会一致で採択されたことを紹介。「避難先の自治体には感謝している。肝心の国はどうして動かないのか…」と、国の支援打ち切りを批判しました。
東京都に避難している熊本美弥子さんは、東京都が都営住宅の優先入居枠を設けたものの、条件が厳しく、応募すらできない人たちがいること、引っ越しの関係から3月の期限前に出てくれといわれた避難者がいることなどを紹介。大阪に避難した森松明希子さんは、避難者自身が読んだ5・7・5の句を紹介しながら、「全国でこれほどたくさんの母親が、子どもたちを守るために避難し続けたいと願っている。自分のことと置き換えてほしい」と訴えました。

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福島県からの県内・県外の避難者数は2011年5月段階の約16万5千人から、2016年3月には、9万7千人、7月には89,319人と減少しています。
しかし、これは国や県による政策提起な帰還促進が大きく、支援の打ち切りなどから、経済的・精神的に追い詰められての帰還も多いとみられます。
福島県は、避難者の減少を復興の指標とし、2020年までに県内外の避難者をゼロにする目標をたてています。
福島県は、政府指示区域以外の避難者に対して、災害救助法に基づく無償住宅供与を2017年3月で終了させる方針を打ち出しました。その後、「新支援策」を発表。2017年4月以降、民間賃貸を利用している低所得者世帯への家賃補助を2年間限定で行うというもので、初年度は月最大3万円、次年度は月最大2万円です。
政府は福島復興加速化指針(改訂版)を発表し、帰還困難区域を除く避難指示区域を、遅くとも2017年3月までに解除する方針を決定し、これに従い、いま続々と避難指示が打ち切られている状況です。これにともない、2018年3月には、いま多くの避難者が生活費として使っている精神的賠償も打ち切られます。なお、自主的避難者には、賠償はほとんど支払われていない状況です。
避難先の自治体で、避難者支援のための独自の方針をたてる自治体もでてきています。たとえば、鳥取県は平成31年3月まで県営住宅等の提供を延長。埼玉県は県営住宅に関して自主避難者枠(100戸)を設け、現在の県営住宅の避難者がそのまま住み続けられるようにしました。新潟県は公営住宅への引越し代支援および民間住宅の家賃補助の上乗せを打ち出しました。東京都は、都営住宅の専用枠を300戸設けました。しかし、これらの支援策からもれてしまう避難者も少なくありません。
原発事故さえなければ、ふるさとで暮らしてきた人たちが避難せざるをえない状況に追い込まれたうえ、避難先の住まいすら脅かされている状況なのです。
「原発事故被害者の救済を求める全国運動」は、今後、国会議員に対して、請願署名の審議および採択を呼びかけていきます。(満田夏花)

ベトナムで原発に関し国会議員やNGOらと意見交換を行い、福島原発事故の被害について訴えました

10月4日から7日まで、原発に関する国際ワークショップに参加するため、ベトナムに行って来ました。現地のNGOおよび財団が主催しました。

1日目のワークショップでは、ベトナムの国会議員や専門家があつまる審議会において、日本、ドイツ、南アフリカから参加した三人のパネリストがそれぞれのテーマで原発に関する発表をしました。ドイツの元SPD(ドイツ社会民主党)議員で、ゴアレーベン出身のピータークラウス・ダダ氏は、ドイツが脱原発を達成した経緯など報告。また、原発における数多くの事故や廃棄物の処理で、原発の費用が莫大にふくれあがっているなど指摘がありました。

また原子力発電所を有する南アフリカからの参加として、研究者でNGO代表、デイビッド・フィグさんが原発のライフサイクルコストについて説明。現在、南アフリカは原発の拡大を政策として掲げていますが、新たに建設する原発の調達に関して、政府は決定を先延ばしにしている事をあげ、原子力政策は様々な理由遅れたり、そのために費用がかさんだりすることも指摘。さらに南アフリカでは、放射性廃棄物の投棄サイトの近くに沢山人が住んでいるという問題や、南アフリカは経済成長しているがエネルギー需要が減っているなどの話がありました。また、会場からあがった「原発が世の中を豊かにするために電気を供給できるのではないか」との質問に対し、「原発があっても南アフリカの貧困の問題は解決していないし、むしろ多くの負の影響を与えている」と回答しました。

FoEの満田からは、福島の事故による被害の大きさについて発表。広範囲にわたる放射能汚染の状況、山菜やきのこ、魚を分かち合う喜びや、それも含めたふるさとが失われたこと、農林水産業が大きな打撃をうけたこと、事故がまだ収束していないこと、除染や賠償費用がふくれあがり、現在の納税者や未来の世代がになわされていること、一度事故がおきれば取り返しがつかないこと、周辺の環境や社会だけでなく、国として大きな損失が免れないということなどを報告しました。

また、ベトナムのNGO・Green IDから、ベトナムの再エネについて、さらにVUSTA(Vietnam Union of Science and Technology Associations)から、原発建設予定地のニントュアンの村での聞き取り調査についての報告がありました。

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フロアからは特にコストについてと再エネの可能性についての質問が相次ぎました。
原子力関係の機関から参加した人もあり、再エネ懐疑論や、原発はクリーンなエネルギーではないかなどの発言もありましたが、中には原発に対して慎重になるべきではとの声もありました。

ベトナムは現在「中所得国」。電気の普及率も全土で平均して9割を越えています。
街中はバイクや車であふれかえっておりとても活気があります。一方で大気汚染の状況はひどく、街の大気汚染は北京やニューデリー並みの日もあるそうです。工業廃水や生活廃水により、とくに最近では外国企業の排水が原因の魚の大量死も報告されています。

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ハノイの風景

ベトナムは原子力の導入を検討しており、ベトナム第6次電源開発プラン(PDP 6)において初めて原発について触れられています。
また、ニントュアン省に建設される原子力発電所2基について、2010年に日本が協力することが合意され、その後2011年に日ベトナム原子力協定が調印されました。日本政府は、国税合計25億円を費やして日本原電に実施可能性調査を委託。このうち5億円は復興予算が流用されました。
また、日本とのパートナーシップのもとですすめられているニントュアン第二原子力発電所以外に、ロシアとともに第一発電所の建設計画が進められています。ですが、原発の建設に関しては何度も延期がされてるのが実情です。

ベトナムは電力の大半をを大型水力と化石燃料で賄っていますが、風力や太陽光などの再生可能エネルギーのポテンシャルについても報告されています。
風の強いBac Lieu(バクリュウ)では、メガ風力の導入も決定しており、改訂された第7次国家電源開発プランでも再エネが強調されています。

ベトナムが原発や化石燃料などの持続可能でない「汚いエネルギー(dirty energy)」から、再生可能エネルギーにシフトするには、この機会を逃さない手はありません。
原発はコストも高く、安全ではなく、気候変動の解決にならない事はすでに歴史が証明しており、とくにそれは日本が一番経験しているはずです。

私たちがベトナムの人々に伝えたい事がどれくらい受け止められたかわかりませんが、今後も原発輸出に反対する立場から活動していきます。

ベトナムへの原発輸出に関する過去の活動
>http://www.foejapan.org/energy/news/111121.html

(スタッフ 深草)

Sayonara- Genpatsu! rally on 22 September 2016

On the 22 of September 2016 a rally ‘Sayounara Genpatsu’(Bye nuclear power) was held in Tokyo, Yoyogi Park.

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Many different organizations presented their concern for several topics linked to nuclear power next to the Yoyogi Park, for example contaminated soil testing results in Japan, the stop of the governmental financial support for the Fukushima refugees, the protest against the restart of the existing nuclear power plants as well as the plans for new nuclear power plants.

Friends of the Earth Japan was present with their campaign ’Power Shift’. This campaign is about the switch from nuclear and coal energy providing companies to renewable energy companies to support the development and the use of renewable energies throughout Japan.

Even though it rained heavily, 9500 people joined the protest to share their opinion regarding actions of the government concerning Fukushima and the plans for nuclear power plants.

From 12pm to 2pm speeches were held. Unfortunately the last action ‘the walk to the Jingudori Park’ was cancelled due to the heavy rain. Therefore the event ended early at around 2.30pm.

(Nadine Holldorf, Internship student from Germany)

原発輸出>JBIC/NEXIによるコンサルテーション会合報告…内閣府による「要綱」のズサンさが明らかに

9月21日、国際協力銀行(JBIC)と日本貿易保険(NEXI)の原子力関連プロジェクトにかかる情報公開指針(仮称)作成に関する第3回のコンサルテーション会合が開催されました。

これは、JBIC/NEXIが、原発輸出に対して公的信用を付与(つまり、融資や保険をつける)際の情報公開に関しての指針をつくるため、広く関心を有する人たちの意見を聞くため開催しているものです。JBIC/NEXIが、合意形成や透明性を重んじてこのようなプロセスをもつこと自体は高く評価したいと思います。

NGO4団体は、JBIC/NEXIに対して、原発輸出を支援すべきでないという前提にたちつつも、指針に関しては、情報公開にとどまらず、プロジェクトごとに立地特性などに即した実質的な安全確認をするべきだとして、今年1月、以下の提言書を提出していました。
http://www.foejapan.org/energy/news/160128.html

JBIC/NEXI側は、指針の内容を情報公開に限る理由として、「安全配慮確認は国が行う」としていました。
しかし国(内閣府)が実施する安全配慮確認は、原子力安全条約などの加入や加入意思、IAEAの総合規制評価サービス(IRRS)の受け入れを確認するだけであり、極めて形式的なものにすぎません。
詳しくは以下の要綱をご覧ください。http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/genshiryoku_kakuryo_kaigi/pdf/1006siryou3.pdf

本日の会合では、NGO側がかねてから求めていた国による「安全配慮確認」に関して、内閣府からの説明が実現しました。説明は概ね、上記の要綱の内容をなぞっただけですが、とりわけ、印象に残ったのは、「安全配慮確認」を以下のようにきわめて限定的に定義しているということです。

1) 相手国又は地域における原子力安全の確保、放射性廃棄物対策及び原子力事故時の対応に関する国際的取決めの遵守及び国内制度の整備
2) 当該原子力施設主要資機材の供給事業者による国際標準に適合した品質の確保に係る契約の締結及び安全関連サービス提供態勢の整備
3) 発電用原子炉施設の設置の場合における IAEA(国際原子力機関)の実施する主要な評価サービスの受入れ及び関連する許認可の取得

その後の質疑で、以下のようなやりとりがありました。(そのうちJBICのサイトに議事録が公開される予定です)。総じて、現在の内閣府による確認体制が、「形だけ」であることが明らかになったと思います。

・立地や耐震性などプロジェクトに即した実質的な安全確認はしないのか
→一義的には、安全確認は相手国が行うもの。日本としては、相手国が条約に加入していること、または加入の意思があること、IAEAのレビューを受けていること、または同等の措置を行っていることを確認する。

・原子力安全条約・IAEAレビューだけでは実質的な安全は担保できない。現に同条約に加入し、IAEAレビューを受けている日本でも事故が起こった。福島原発事故を繰り返さないというのが国是ではないのか
→明確な答えなし。

・内閣府に置かれた「審議官級」の会議では、実質的な安全確認はできない。根本的に見直すべき
→組織的に対応するという意味。見直すつもりはない。

・議事要旨を事後に公開するだけでは不十分。議事録を公開し、傍聴・中継を認めるなど、原子力規制委員会が行っているような対応をすべき
→自由な議論をさまたげないように、議事要旨のみの公開としている。

・パブリック・コメントを行うなど国民の意見の収集・反映に努めたのか。
→国民の権利・義務にかかわることではないので、パブコメは不要。

・実際に調査票を埋める外部専門家とはだれか?
→IAEAにつとめた経験のある専門家など。

・外部専門家の氏名・レポートは公開されるのか。
→まだきまっていない。

・15億円以下は安全配慮確認の対象としないのは問題ではないのか?
→行政コストの合理化という観点から。ネジ一本に至るまで確認することはできない。OECDのコモンアプローチも考慮した。

・被ばく労働など社会的な配慮に関する評価は行わないのか
→相手国が行うことである。

福島原発事故を繰り返さない、そのことさえ、蔑ろにされています。少なくとも内閣府の参事官は一度もそれを口にしませんでした。

また、「事業の安全配慮確認の責任は一義的には相手国が担うこと」…総じて、この内閣府によるやる気のない「要綱」はそこから出発しているようです。

しかし、日本が総力をあげて、国として、事前調査から多額の税金を投入し、オールジャパンで海外の原子力事業をすすめようとしている中、それは無責任きわまりない論でしょう。

数十年前、日本のODAを含む投融資が海外で甚大な人権侵害・環境破壊を引き起こしていたとき(そしてその状況はまだ続いているのですが)、ともかくも「いや、実施国だけではなく、資金を提供する日本にも相応の責任がある」とコンセンサスがえられた時代に逆もどりしたような状況です。

みなさん、今後もこのプロセスに注目してください。

(満田)