【第5回スクール・オブ・サステナビリティ2報告】わたしが住みたい理想の街のあり方

こんにちは!FoEインターンの佐藤です!

スクール企画最終回の第5回は、環境分野の通訳・ライターとしてご活躍されている熊崎実佳さんと、パッシブハウスジャパン代表理事の森みわさんをゲストにお迎えしました。

車が走らない地域づくり

まずは、ドイツの環境先進都市「フライブルク」における車のない社会作りについて、熊崎さんからお話を聞きました。

みなさんは、そもそも「車」の必要性について考えたことはありますか?

車は移動も簡単、そしてラクに荷物も運べることがメリットですが、デメリットには何が挙げられるでしょう。

私自身、デメリットというと「車=二酸化炭素排出!」の印象が強いのですが、それだけでなく実は車はものすごく場所を占拠する乗り物。車が道路を塞ぐだけではなく、車を止めるための駐車場自体も実は大きな面積を占めています。

その大きな面積を自転車用道路や、トラム(路面電車)の通路に当てたら一体街はどう変わるのでしょうか?

これを実現したのがドイツのフライブルクです。

フライブルクでは、「車から脱却した社会」を目指して、代わりに公共交通・自転車・徒歩を中心とした生活が営めるように地域がデザインされています。

フライブルクの交通政策としては、路面電車と自転車優先道路が張り巡らされており、そういった乗り物では移動がカバーできない地域には加えてバスも走っています。また、レンタル自転車の利用も盛んで、公共機関には乗り放題の定期券も作られているのです。このように、車に頼らない交通網が普及しているため、車なしでの日常生活も豊かで充実したものとなります。

そして、車なしで移動するのが理想ですが、そうはいかない人には「カーシェアリング」もよく利用されています。一家に車一台という広まった価値観から離れ、「そもそも車は本当に必要なのか」「車のない地域は具体的にどんな姿をしているのか」というような疑問に向き合い、解決策を生み出していったのがフライブルクです。

フライブルクのなかでも特に自動車を減らす取り組みに尽力したのが「ヴォーバン地区」です。

ここは、まず地区全体を袋小路にして通過交通(目的があって寄ったのではなく、たまたま通りかかった車の量)を無くすことで、交通量の削減が図られています。

そして、駐車場を自宅に併設する代わりに、共同の立体駐車場に移します。そうすることで自動車に乗るまでの移動が増えて必要なときに素早く乗れるという自動車の魅力が失われることで、それならトラムを利用し目的地の都市まで向かう方が効率が良いと考える人が増えました。

車の量を減らすことは、道路が誰もが使える空間に変わるということ。その分、路上に子どもが遊べるスペースが確保でき、これまでにない場所の使い方も生まれてくるでしょう。

また、徒歩や自転車の利用は車よりも、ご近所さんと顔を合わせる機会も増えるために、人同士の繋がりも生まれるそうです。

何より、車社会であったフライブルクで、「自動車のないまちづくり」を可能にしたのは一体誰なのでしょうか。

熊崎さんは、この答えは「市民」だとおっしゃいます。自動車産業というのはとてもロビイング力は強いため、産業政策にも大きな影響を与えてしまいます。

そのため、理想の街づくりを行うには政治家に任せておくままではいけません。トップダウンによる変化が期待できないとき、動き出したのがフライブルクの市民だったのです。

「車の量を減らしたい。自分たちの街を変えたい」この意志がどの地域よりも強く、そして実際に行動に移していく行動力があったからこそ、車依存社会を脱するという大きな変化がもたらされました。

このお話を聞き、権力を持っている大企業などに対してでも、市民が結束して行動を起こすことで求めていた結果が出たという、この事例にわたしも大変励まされました。

「Eco(環境)」も「Ego(経済性)」も両立できる家づくり

続いて、パッシブハウスジャパンの森さんからエコフレンドリーな建築「パッシブハウス」についてご説明いただきました。

私たちが住む日本では、この50年間で一人当たりのエネルギー消費量は3.6倍まで上がり、エネルギーを大量に消費する生活が営まれています。

エネルギーを温水のように使う私たちの暮らしのなかで、最もエネルギーが消費されているのが「給湯」そしてその次が「暖房」です。この暖房部分にメスをいれ、熱を逃がさない仕組みを作ったのがパッシブハウスです。

パッシブハウスは、「健康×省エネ×経済性」を両立させた新しい建築の形で、いまある普通の家よりも90%ほど熱を逃さないと言われています。

森さんは、「Eco×Ego= パッシブハウス」とも言えるとおっしゃいます。つまり、環境のために我慢をしたり何かを犠牲にすることなく気持ちよく過ごせる家が「パッシブハウス」なのです。

パッシブハウスの特徴としては以下のものが挙げられます。

①しっかりした断熱
②空気の漏れを無くすこと
③熱橋(熱が簡単に通り抜けるところ)をなくすこと
④良い性能の窓(三層ガラスなど)
⑤熱交換換気(熱を逃がさないで新鮮な空気を取り込む)
→これらを上手く組み合わせることで暖房のいらない家づくりが可能に

こんなに優れたパッシブハウスでも、たとえオール電化仕様で、巨大な蓄電池を積んだとしても冬のエネルギー自活にはなかなか難しいものがありました。

この課題の解決策の一つとして挙げられるのが”P2G(Power to Gas)です。

余剰の太陽光をストレージとして貯蔵することで、インフラにバイオメタンを戻すことができます。

スイスの独立した集合住宅やドイツの賃貸住宅でもこの仕組みの利用がすでに実現し、再エネをどうマネジメントしていくかが問われるこれからの時代に、非常に有望視されている住宅の仕組みとなっています。

細かい仕組みまで完全に理解することは難しいかもしれませんが「健康も守り、地球も守る」。そんな新しい住宅の選択肢に魅力を感じる人は多いのではないでしょうか。

人と違うことに自信をもつ

最後にお2人から、参加者へ向けて一言ずつ頂きました。

この日本社会では、人と違うことはとても目立つし、ネガティブな言葉をかけてくる人も少なくはありません。

しかし、森さんは「自分の考えを持ち、人との違いが生まれることは、自分自身が確立したことを示している」と仰っていました。そして、出る杭は打たれる状況のなかでも、自分を信じ守れるのは自分だけだと。
それと同時に、「できった杭は打たれない」という言葉もくださいました。もう周りが口を出せないほど突き抜けてしまえば、周りからの視線も変わります。自分の感性を信じてブレずに突き進むことの大切さに気付き、その勇気をもらいました。

そして熊崎さんからは、仲間を見つけることの大切さをお話しいただきました。他人を巻き込むことは、自分自身の強さになるだけでなくその周りに影響を与えることにもなります。自分の殻にこもって抱えすぎないで、同じ方向をもつ仲間とともに辛抱強く向き合い続けることの重要性を改めて認識しました。

今回の第5回が最終回となりましたが、最後まで参加してくださり、ありがとうございました!

毎回新しい知識を得ていくのが、私もとっても楽しかったです!

みなさんとまたどこかでお会いできるのを楽しみにしております!

(インターン 佐藤悠香)

▼第4回のプログラム
・車のない社会を目指して〜ドイツ・フライブルク市の取り組み〜(熊崎実佳さん、環境分野の通訳・ライター)
・誰も置き去りにしないエコハウスを!(森みわさん、一般社団法人パッシブハウス・ジャパン代表理事)
※ゲストスピーカーの講演のみ公開しています。


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【第4回スクール・オブ・サステナビリティ2】実際、他国のエネルギー政策は?再エネ先進国の共通点と、日本に足りないもの

こんにちは、インターンの杉本です!

第4回スクールオブサスティナビリティは、デンマーク大使館上席商務官の田中いずみさんと、コスタリカ政府公認ガイドの上田晋一郎さんをお招きしてお話を伺いました。

デンマークとコスタリカにおける政府の役割や政策、国民の自然環境に対する思いを教えていただきました!

SDGs達成度3位のデンマークの裏には政府の野心的環境政策!

田中さんには最初にデンマークについて少し教えていただきました。デンマークは日本の人口の1/20ほどで、面積は九州ほど。そしてなんと、デンマークは幸福度・働く人の幸福度1位なんだそうです!

デンマークはエネルギー政策として、2012年から2050年までに化石燃料に依存しない社会の構築を長期的に目指しています。この目標は、与野党の国会議員の約9割(170/179)から支持を得て、可能になりました。発端は1973年のオイルショックで、石油代替エネルギーとして原子力発電の建設という、日本と同じような議論になったそうです。しかし、1985年に国とし原子力発電をを使わないと決めました。この理由が個人的にとても驚きだったのですが、政府としては原発を導入したかったが、政府のアドバイザーが「国民に説明しなければいけない」と、国民に原発の利点と欠点をわかりやすく説明した冊子を配った結果、原子力発電所の建設計画は無くなりました。(詳細は「北欧のエネルギーデモクラシー」という本で説明されているそうです。)国民と政府の距離の近く、また国民に寄り添う政府だなと感じました。

また、2019年に新しい気候変動政策として、温室効果ガスの排出量を2030年までに1990年比で70%削減を目標としました。これは同年に行われた「グリーン選挙」で、各政党が環境に関しての目標を掲げ、選挙を制した新政府が定めました。以降、化石燃料に依存せずに温暖化ガス排出量を削減しながら経済成長すること(デカップリング)を、1990年からデンマークは証明しています。

そんな日本は電力生産の16.9%(2018)が再生可能エネルギーに対し、デンマークでは79%(2019)を再エネが占めています。ここに再エネである地熱や水力発電がないのは、デンマークには火山やマグマ活動がなく、また山がないので発電できるような川がないからだそうです。このように、地域の特性によって柔軟に対応していくことも大事だなと気づかされました。

また、地域熱供給状況ついても教えていただきました。私はこの地域熱供給を知りませんでした。というのも私のイメージでは、各自給湯器があり熱を作り使う方法しかないと思っていたからです。しかし、地域熱供給は限定された場所で熱を作り、それを施設や住宅に送り熱源として利用する仕組みになっていて、熱の生産効率をあげることができ、また再生可能エネルギーや廃熱を導入しやすいので省エネや環境保全に優れているそうです。この地域熱供給の熱源も再エネが半数以上占めており、一番使われる燃料がバイオマスで、農業大国デンマークでは、収穫した麦からできた麦わらがその大半を占めます。

そして最後には移動手段としての自転車の利用率や、その町づくりを紹介していただきました。自転車専用の道だったり、自転車を列車に乗せれる車両など、みんなが自転車に乗りやすい環境づくりができているなと感じました。

お金はないけど、再生可能エネルギーが主電力の国!?

続いて、23年コスタリカに在住の上田さんにお話を伺いました。「ジャングルの中を一緒に歩いているような気持ちでコスタリカのお話を聞いてほしい」と、コスタリカのジャングルの写真をzoomの背景にしながらお話くださいました。

コスタリカは北海道の6割程度の面積で、人口は500万人ほどの福岡より少し少な中進国です。先ほどのデンマークで幸福度が高かったことと同様、コスタリカの幸福度は日本が56位に対して16位だそうです。

コスタリカは参加者のイメージで多かったように、軍事を持たない国です。1948年に当時大統領だったホセ・フィゲーレス・フェレールはコスタリカの軍事放棄しました。そして、「兵士の数だけ教師を作ろう」というスピーチしました。軍事費がかからないので、浮いたお金を教育と福祉にあて、無料です。

そんなコスタリカで、平和の根源にあるのは「民主主義・人権・環境」なのだそうです。

民主主義についてコスタリカでは、選挙がお祭りで、自分が支持する政党の旗を振ったりと、とてもオープンな場になっている印象を受けました。日本ではなんだか考えにくいですが、、、。また、子供の時から政治について話し合ったり、子供選挙(模擬選挙)などが行われるそうです。

そして、人権が犯されていると憲法裁判所に各個人が訴えれます。憲法違反で訴訟と聞くと、たくさんのプロセスを通して、手間のかかる印象がありますよね。しかし、コスタリカでは、小学生でも大人もただの紙きれやメールに書いてもいいとのこと。直接国民の声が反映されていて、システム整備されていると感じました。

最後に環境について教えていただきました。

コスタリカのの電力は再生可能エネルギー(水力・風力・太陽光・地熱)が主電力だそうです。上田さん曰く、「お金はそんなにないが、地の利を生かしている」そうで、コスタリカの熱帯森林の雨、火山、貿易風による風、痛いほど強い太陽光によって可能になっているようです。原子力発電所や油田を作ったりしない理由として、万が一事故になった場合、人や環境を汚染してしまいうので開発しないという意志の強さも印象的でした。

また、コスタリカは自然環境を観光資源とするエコツーリズム発祥の地です。

ファストフードなどの普及で1980年代に、牧畜のため多くの国土が森林伐採され国土の森が30%ほどになったが、FONAFIFOという、使っていない私有地を国と契約するとお金がもらえる制度を通して今では森林起伏率が50%ほどだそうです。また、セテナと呼ばれる国家環境技術事務局があり、私有地でも森林伐採の際には木だけでなく、どのくらい周囲の生態系に影響するかなどを調査する機関があり、森林伐採すること自体難しいそうです。このことから言えるように、コスタリカ人は自然に生かされているという認識がとても強いと仰られていました。

終わりに、コスタリカの挨拶を教えていただきました。スペイン語が共通言語と聞いたので、「Hola」だと思いましたが違いました。コスタリカでは挨拶もありがとうも「Pura vida(プーラビーダ)」といい、「自然体で人生を楽しもう」という意味だそうです!日本にはなかなか無いのではないでしょうか。使う言葉で国民性が見えてきますね。

参加者の声

  • 国民と政府が互いに協力し合って国全体で環境問題に取り組む姿勢が素晴らしい一方で日本では二者の障壁を感じた。
  • 幸福度にあまりGDPは関係なく、日本も経済発展を目標にしているが、その目標を考え直すべきではないか

お二人からメッセージ

田中さんからは、「日本がデンマークの環境対策をそのままそっくり日本で実現できるわけではないが、デンマークの情報をデータベースにし、どのような対応をしているかを知ることで、これからの日本に繋げてほしい。そして自分ができる頃からやってみて、知識を蓄えてほしい!」とのことでした。上田さんも「できることから初めて、その活動を続けて成長してほしい。そしてこのコスタリカの話が少しでも刺激になったら」とお話ししてくださいました!

日本の良さを生かして環境保全

私はデンマークとコスタリカ、名前は知っているけど、どちらも小さな国というイメージだけ持っていました。この北欧と南米にある二カ国は一見重なる部分がなさそうに見えますが、実は教育や福祉が無料であったり、環境問題に取り組み、幸福度が高く民主主義が根付いている点で共通点だらけだと感じました。どちらも、国民だけでなく政府もが環境への意識が強い印象がを受けました。それとともに、政府が市民に寄り添う環境が整っており、国民が声をあげることで政府をも変えることできるという思いが作られ、より良い社会になっているんだなと感じました。山があったり島国などの日本の地理的条件を上手に使って水力や洋上風力などの再エネ資源も考えていけるのではないか、そして大都市がある一方素晴らしい自然環境を生かした日本が学べることは沢山あるのではないかと思いました。日本が遅れをとっていると感じる一方で、日本の良さを生かして他国の例から取り入れることはあるはずだと感じました。Pura vida!

(インターン 杉本奈帆子)

▼第4回のプログラム
・自然エネルギー100%の鍵をにぎるデンマークの地域熱供給(田中いずみさん、デンマーク大使館上席商務官)
・カーボン・フリーに一番近い国、コスタリカ(上田晋一郎さん、コスタリカ政府公認ガイド)
※ゲストスピーカーの講演のみ公開しています。


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【第3回スクール・オブ・サステナビリティ2報告】「それって正しい気候変動政策?」もう騙されないために知っておきたいこと

こんにちは!FoE Japanインターンの増田千紗です!
今回もスクール・オブ・サステナビリティ2のご報告をします。3回目のテーマは「日本の気候変動政策」です。

ゲストスピーカーとして、気候ネットワーク東京事務所長の桃井貴子さん、東北大学東北アジア研究センターの明日香壽川さんのお二人ににお越しいただきました。

桃井さんからは世界に遅れをとっている「日本の石炭火力政策」について、明日香さんからは「日本が目指すべきエネルギーシステムの在り方」についてお話いただきました。

日本は世界に遅れをとっている!?石炭中毒な日本

まず、桃井さんには「エネルギー基本計画」や「省エネ法」など日本のエネルギー政策がどういったものなのか、石炭火力政策は具体的に何が行われているのか、詳しくご説明頂きました。

桃井さんによると、世界的な気温の上昇を産業革命以前とくらべて1.5℃に抑えるという「1.5℃目標」を達成するためには、2030年(あと9年!)までに先進国が「石炭火力」を全廃することが必須とされています。「石炭火力」の全廃が求められているのは、現在の発電方法の中で、最もたくさんのCO2を排出するためです。すでに、英国は2024年、フランスは2022年と、先進国各国が、2030年までの脱石炭を宣言しています。一方で、日本は未だその宣言さえできていません。

現在、エネルギー基本計画見直しの真っ最中ですが、2030年電源構成に19%もの石炭火力が含められていることからも、日本政府は再エネ化を進めたいのかそうでないのか、はっきりしないように感じます。また、驚いたのはエネルギー基本計画やエネルギー政策の詳細を策定するのが経済産業省の官僚であること。国会で審議できるのは大枠を定める法律だけですし、本来、環境政策をリードするべき環境省には、十分な決定権が与えられていないそうです。

気候変動政策について学ぶ度に、「しっかりした政策を掲げる政治家を選びたい」と思うのですが、政策を実行する官僚の裁量がここまで大きいとなると、選挙だけじゃなく、パブリックコメントなどで行政に声を届けることも必要なんだなと考えるようになりました。

*現在、第六次エネルギー基本計画についてのパブリックコメントの募集期間です。締め切りは10月4日まで!ぜひ皆で意見を届けましょう!「何がどのように問題なのか」をまとめたウェブページを紹介いただきましたのでご参考ください。

https://www.kikonet.org/info/press-release/2021-09-08/public-comments-2021

1.5度目標達成のため、日本に必要なこと

次に、明日香さんから1.5℃目標達成には何が必要なのか、日本と世界の「再エネの計画・政策」や「省エネによる削減率の計画・政策」を中心にお話頂きました。

世界中の国々は2030年のCO2削減目標を「1990年比」で設定していますが、日本だけはなぜか「2013年比」なのだそうです。理由は、「2013年が最もCO²排出量が多い年だったから」。46%の削減を表明し、その目標の低さに大バッシングを受けている菅政権ですが、少しでも数値を大きく見せれば私たち国民は騙せると思われているのがとても残念です。信頼できる情報をもとに自分で判断するために、学び続けなくてはと改めて感じました。

そして、1.5℃目標のためには「再生エネルギー」の推進が最も効果的だとされていますが、日本では以下の3つの懸念点が挙げられています。

①電力供給量不足のため脱原発かつ脱石炭火力は不可能なのではないか。

②再エネ化で電気料金が値上がりするのではないか。

③石炭火力発電に関わる労働者の雇用が心配。

一方で、このような課題をすでに克服している国があることが印象的でした。例えば、ベルギーでは既に脱石炭火力と脱原発を実現しています。また、再エネ構成比が9割になっても電気料金はほぼ変わらないことが、各研究所や米国政府からも報告されています。雇用に関しても、日本では再生エネルギー化による影響を受ける労働者の数は比較的少なく、再エネ関連の雇用創出も見込まれることから、石炭火力発電所を温存する理由にはならないように感じました。

米国・EU・中国などによる、大規模な再エネ政策や、政策実行の加速化が見られるなか、日本の政策は「今のところ実現できそうな目標」をとりあえず言っているだけなのでは?と疑ってしまいます。最後に明日香さんには、日本の再エネ政策が遅れている理由として、「恵まれた環境にいて危機感がない」「再エネ化は無理だと思い込んでいる」「政府と企業の時間稼ぎ」「環境省の未成熟」を挙げていただきました。

また、上記の課題を克服しながら、気候危機を脱する方法が「グリーン・ニューディール」とおっしゃっていました。明日香さんを含む日本の科学者による、日本における「グリーン・ニューディール」の詳細は、下記よりご覧いただけます。

「レポート2030〜グリーン・リカバリーと 2050 年カーボン・ニュートラルを実現する 2030年までのロードマップ〜」

https://green-recovery-japan.org/

参加者の声

お二人の話を聞いて、参加者からは以下のような意見が聞かれました。

・再エネ政策が進む国では市民運動に政策を後押しする力があるけど、日本にはまだないように思う。

・日本の教育では、市民の力やアクションに希望が持てない。

・お金儲けのための環境政策をやめよう。

・エネルギー政策の話は難しいが、国民にまで届いていないし、選挙の争点になっていないことは問題だ。

日々考えたい政治のこと

先日、私の地元、横浜市の市長選挙がありました。「直前にいろいろ調べて選んだらいいや」と軽く考えていたのですが、いざ調べてみると全然時間が足りなかったんです。様々な分野の政策がありますし、知りたいことは山ほどありました。今回のウェビナーでも、改めて政策について考える難しさを感じました。日々少しずつでも、政治に関心を持つことが習慣になればいいなと思います。

※今回のウェビナーでは、かなーり詳しく日本のエネルギー政策についてお話いただきました。(石炭火力を延命させるために、「容量市場」や、数字上 “高効率” に見せることを許容した省エネ法の改正など…)

詳しくはYoutubeでチェックできますので、ぜひご覧ください!

(インターン 増田千紗)

▼第3回のプログラム
・世界からブーイングを受ける日本の石炭火力政策(桃井貴子さん、気候ネットワーク東京事務所長)
・日本が目指すべき分散型エネルギーシステム(明日香壽川さん、東北大学教授)
※ゲストスピーカーの講演のみ公開しています。


*過去のスクール・オブ・サステナビリティ2の報告ブログや動画はこちらからご覧いただけます。

https://www.foejapan.org/climate/event/school2021.html

【第2回スクール・オブ・サステナビリティ2報告】「気候正義」と聞いてもピンとこない。そんな私が気づいたこと

こんにちは〜!
FoE Japan インターンの増田千紗です。
今回は、連続オンラインセミナー、「スクール・オブ・サステナビリティ2」の第2回「気候正義とは?」の内容を報告します!

第2回は、Asian People Movement on Debt and Development の Claire Mirandaさんと、Friends of the Earth International の Sara Shawさんにお越しいただきました。Claireさんからは、主に「気候正義」とは何か、Saraさんからは、世界中に広がっている「気候訴訟」の運動について詳しくお話しいただきました。

「Climate Justice」「気候正義」と聞いてもピンとこない、なんて方も少なくないでしょう。私もその1人でした。なぜ「正義」を求める声があがっているの?私たちは何をすればいいの?そんな疑問を抱えながら、今回のウェビナーに参加しました。このブログでは、わたしが学んだことを少しだけでもみなさんとシェアできたらいいなと思います!

利益と成長のため OR 次世代のため あなたはどっち?

はじめにClaireさんからは、気候変動における南北問題に触れながら、気候正義を考える際の要点を教えていただきました。

気候変動は、主にグローバル・ノース(先進国)の政府や企業により引き起こされていますが、その被害を受けやすいのはグローバル・サウス(途上国)の国々、人々だと言われています。このような国家間の公平性みならず、性別間、世代間の公平性を確保しつつ気候変動に対処することが「Cliamte Justice(気候正義)」の考え方です。

もう一つの重要なキーワードが「共通だが差異ある責任(Common But Differenciated Responsibilities, CBDR)」です。この考え方に基づき、先進国は気候変動の緩和策の実行に加え、賠償(資金や技術の提供)を行うことが求められています。

しかし、COP15(2009年)で約束された毎年1000億ドルの先進国から途上国への支援は、未だその半額ほどにしか達していないのです。一方で、化石燃料に対する融資は増え続けており、全く誤った分野に資金が集中してしまっていることが分かります。三菱UFJ銀行やみずほ銀行といった見慣れた名前が、「世界で最も化石燃料に融資をする10社」に並んでいるんです。個人的にメインバンクとしてお世話になっている企業だけれど、これからはどうしようかな、とモヤモヤとしてきました。

そして、1番印象的だったのは「日本は偽りの気候変動対策に加担しないで」というClaireさんの訴えでした。先進国の一員である日本は、豊富な資金や技術を持っているのに、なぜこんなにも気候変動に鈍感なのかと思うのと同時に、やはり政治家を選ぶ選挙って大事だなと再確認しました。次回のスクール・オブ・サステナビリティでは、日本の気候変動政策は実際どうなってるの?というところを考えていきたいと思います。

気候訴訟という闘い方

続いてSaraさんからは、環境汚染を引き起こす企業や政府を訴える「気候訴訟」について、オランダの事例とともに教えていただきました。

ここで登場するのがBig Polluters(大規模汚染者)です。Big Pollutersとは、環境汚染に貢献する大企業のことを指します。実際、過去30年間の温室効果ガスの排出量の半分はたった25の企業が占めていて、また排出量の71%は100の企業の責任です。Big Polluters は莫大な資金を利用し、気候政策を妨害してきました。特に、5大石油ガス会社(シェル、BP、エクソン、シェブロン、もう一個なんだっけ?)は、気候変動の誤解を招くようなロビー活動に何十億ドルもの資金を費やしていたのです。

また、大企業は「大きなウソ」をつきます。
大企業の広告や主張にただ流されるだけの消費者になっていないだろうか、彼らは本当に言っていることを実行しているのか、その方法は本当に正しいのか、など我々が意識すること、暴いていかなければならない事が多いのだなと痛感しました。

そんな大企業と「闘う」方法の一つが気候訴訟です。
2021年5月、オランダにて、石油会社シェルに対する気候訴訟で市民側が歴史的な勝利を収めました。この裁判のポイントは3つです。

①市民に対する「人権侵害」を訴え、それが認められた。

②賠償ではなく、「気候変動対策」と「排出への責任」を企業に求めた。

③FoEオランダに加え、1万7千人のオランダ市民、複数の環境団体が原告となり、世界中からは100万人を超える署名が集まった。

これまで、政府に対する気候訴訟では市民側が勝訴するケースが増えてきました。今後は、このシェル訴訟を前例として、企業に対する気候訴訟の世界的な拡がりが見られそうです。英国、スリランカでは政府を相手にした気候訴訟、オーストラリアでも山火事の被害者と共に化石燃料企業に融資している銀行に対しての訴訟が検討されているようですが、海外の事だから…と聞き流すのではなく、署名で意思表示をしたり、国内で同じような事例がないか考えたり、と私たちにも様々なアクションが起こせそうです。

参加者の声

気候正義という概念を学び、SYSTEM CHANGEの重要性を感じる声があがりました。一方で、いざ自国の社会システムが変えられそうになれば自分も反発してしまうかもしれない、利益や成長の追求は抑えられるのか?という不安や疑問も多くありました。そんな中、参加者からは以下のような意見が聞かれました。

・裁判など第三者の声がないとシステムは変えられない。

・GDPの成長率などで評価される仕組み自体が変わらなければならないのではないか。

・企業のnet zero 計画の問題点を多くの人に分かりやすく示し、市民からの圧力を大きくしたい。

・環境問題にも南北格差があることを知り、先進国に住む者としてより責任を感じた。

・日本は資金や技術がある国でもあることを忘れていたので、企業や政府にも期待したくなった。

今までの発展による恩恵を受けてきたからこそ

資本主義の世の中では、絶対的な力を持っている大企業。自国の発展が企業に支えられてきたことは事実です。私たちは彼らの事業による利益を消費してきたかもしれません。でも、その責任のある市民だからこそ、今声をあげることが必要なのではないでしょうか。

また、目先の利益ではなく、本質的な豊かさを求めることもひとつのアクションなのかなと思います。気候正義に則った政策決定を求めるだけでなく、自分の消費行動など身の回りから見直していきたいと思います。

最後に、Claire さんとSaraさんのお二方がスライドに使っていたメッセージです。

“Which side are you on?(あなたはどっち?)”

“Stand with people, not polluters!(汚染者ではなく人々の味方に!)”

(インターン 増田千紗)

▼第2回のプログラム
・途上国の人々が先進国に伝えたい” Climate Justice”とは?(Claire Miranda, Asian People Movement on Debt and Development)

・気候変動への企業の責任〜世界中で広がる気候訴訟〜(Sara Shaw, Friends of the Earth International)


※ゲストスピーカーの講演のみ公開しています。

【第1回スクール・ オブ・サステナビリティ2報告】1番被害を受けている人々の声が、1番耳を傾けてもらえない

こんにちは!FoE インターンの佐藤悠香です!

今日は、今月から始まったスクール・オブ・サステイナビリティ2の第1回の報告ブログとなります!

第1回では、大阪大学大学院の川尻京子さんとClimate Frontlines CollectiveのStella Miria-Robinsonさんをゲストにお迎えして、川尻さんには海面上昇に直面する国の一つ「ツバル」について、Stellaさんには気候変動に大きく左右されている「パプアニューギニア」についてお話しいただきました。

気候変や地球温暖化と聞くと、海面上昇をイメージする方は多いかと思いますが、現地の方の声を直接聞いたことがない人がほとんどではないでしょうか。わたしもFridays For Futureのオーガナイザーとして活動していながら、実際に南太平洋諸島出身の方から直接話を聞いたことはなかったので今回のウェビナーを大変楽しみにしていました。

気候変動の被害はもう後戻りできないところまで拡大

最初に川尻さんからは、海抜2メートルの国「ツバル」が直面する気候変動の影響を多くの写真と動画と共にお伝えいただきました。ツバルは世界で3番目に人口が少なく、世界で4番目に面積が小さい国です。そんなツバルは、もともと月の満ち欠けによる潮位の変化を受けやすく、満潮時には晴れの日でも家のブロック(壁)に海水とゴミが押し寄せることがあるそうですが、これに加えて気候変動の悪化によりその被害は拡大しています。

個人的に川尻さんのお話のなかで特に印象に残ったのは、今はもう気候変動の緩和策(温室効果ガスの排出量を削減する対策)ではなく、適応策(気候変動に”適応”していくための対策)にも目を向け動き出さなければいけない段階にあるということです。もう戻れないところまで被害が拡大してしまった太平洋諸島は、これからますます増えていく損失と被害に対して「気候変動を受け入れ、どう適応していくか」を考えていかなければいけません。

日本で暮らしていると、気候変動の影響がより強く実感するようになるのは5年後、10年後だという印象がありますが、実際に今現在、拡大する被害を目の当たりにしながら生活のあり方を変えることを強要されている人がいるのです。特に、サイクロンと潮位が上昇するシーズンが重なるときの被害はより一層悲惨で、多くの家屋が流され、国民の約半分が被災することもありました。

また、他に印象的だったのは、ツバルの人々は人間が居住していない無人島も島民に所有権があると考えるため、サイクロンによって無人島を失うことは自分たちの財産を失うことを意味しているということです。

単に誰も住んでいない島が消えたという問題ではなく、彼らが祖先の代から大切に守り所有してきた彼らの持ち物が永久に消滅してしまったのです。この感覚は、日本で生まれ育った私には完全に理解することはできませんが、彼らの喪失感が計り知れないものだということは想像がつきます。

最近発表された第6次IPCC報告書では、「人間活動の温暖化への影響は疑う余地がない」ことが断言されました。私たちは南太平洋の方々が受ける被害を最小限に留めるため、温室効果ガスの排出量を大幅に削減しパリ協定で定められた1.5度目標を達成する必要があります。

彼らのような気候変動の影響を肌で感じていない、先進国「日本」で暮らす一人の人間として私たちには一体何ができるのでしょうか。気候変動悪化の原因の一部になっているからこそ、私たちの立場や特権を利用して自分たちの声を聞いてもらえない彼らに代わってできることを早急に行動へ移していく必要性を強く感じました。

結局自分も先進国目線が抜けていない…

続いてStellaさんからは、太平洋諸国の人々にとって祖国を離れ移民になることが何を意味するのかについて語っていただきました。

私たちが、適応策について語るとき議題に多く上がるのは「彼らをより安全な場所へ移動させること」です。しかし、「たとえ気候変動がより悪化したとしても住む場所さえ変えれば問題ない」という先進国にとって都合のいい考えを押し付けているだけかもしれません。故郷を捨てて移民になるということは、その場所で暮らした生活自体を、そして長い年月をかけて作り上げてきたコミュニティ全体を失うということです。さらに、これまで過ごしてきた土地で生まれた文化・言語・知恵は、そこに住む人々のアイデンティティの一部です。母国を失うということは、自分自身の一部を失うことと同じではないでしょうか。

Stellaさんの話しを聞いてより一層実感したのは、「一番被害を受けている彼らの声が、一番耳を傾けてもらえない」ということです。自然から乖離した生活を送る西欧諸国の人々は、彼らを助けたいと言いながら結局は経済成長を前提とした解決策を提示します。弱い立場にいるマイノリティの彼らの声はいつだって聞いてもらえないし、反映もされません。

この話を聞き私はハッとしました。太平洋諸国の海面上昇やゴミ問題、気候難民とも呼ばれる移民が増えている問題については知っていたし、こういった不正義に違和感を感じて活動もしてきたけれど、結局自分も先進国目線が抜けていないのではないか、と感じたのです。彼らの意志にそぐわない解決策の提示に対して何ら疑問を持っていなかったかもしれません。

全く違う環境で生まれ育ち、生活をする私たちには彼らの本当の心情も葛藤も理解できないでしょう。だからこそ、映像や文章や彼らが発する言葉を通じて、ローカルの人々がどんな想いを抱えているのかを随時学び、感じることが重要ではないでしょうか。自分のものさしで判断せずに、現場の人の声を絶えず聞き現状についての知識をアップデートしていくことで、自分のエゴを知らぬ間に押し付けないように気をつけていきたいと思います。

気候変動によって自分の住む地域がボロボロになり、移民にならざるをえないという現在の被害状況は、単に環境という観点からのみではなく、人権の視点から考えても決して見て見ぬふりできるような問題ではありません。今回のウェビナーでは、こういった気候変動と人権の関係性に気が付いた参加者が多かったような気がします。

お2人の話を受けての参加者の声

ゲストのお話を受けてのディスカッションでは、以下のような意見を聞くことができました。

・海水面の上昇により移住するということは、一見解決策のように見えるが、当事者たちにとっては文化・アイデンティティなどが失われることを意味することに気づかなかった。

・地球環境のことは考えてきたけれど、被害を受けている方々の文化的な側面について考えたことがなかったことに気づかされて、活動は最も被害を受けている人、環境のことを一番に考えなくてはいけないと思った。

・土地を失う、移動させられるということは、目に見えないもの(季節、土着の文化・精神、コミュニティなど)も消失してしまうことでもあるというお話をきき、遠い国で起きている事でも全く他人事ではない、と感じました。その被害も目に見えるものだけでなく、精神的ダメージも大きいと思いました。

河尻さん、Stellaさんのお話で共通しているのは、「土地が沈むならじゃあ別の場所に移ればいいよね」という問題ではないということです。その土地はただの島ではなく、彼らの遠い祖先が必死に守り抜き、育て作り上げてきた歴史の積み重ねです。そして、そこで暮らしてきた人々のアイデンティティそのものです。

自分が一生離れなけらばいけないことを想像したとき、自分自身を形成してきた土地や慣習や、何よりも大切な人との繋がりを失ってしまうのだと考えると、その後には自分に何が残るのか想像したとき、非常に恐ろしさを感じました。しかも、この物理的・精神的喪失の原因が自分たちではない外部に由来するならどれほどの憤りを感じることでしょう。

気候正義の重要性を再認識

今回のウェビナーを聞いて気候正義(次回のウェビナーでも解説します!)という概念の重要性を再認識しました。特にマーシャル諸島の人は世界の温室効果ガス排出の0.0001%しか占めていないにもかかわらず、気候変動の影響を最も受ける国の一つです。先進国に住む自分が気候変動の悪化に加担することによって、彼らの居場所を奪う原因の一部になっていること、この事実にこれからも向き合いながら、彼らのストーリーをより多くの人と共有することで、彼らの声に耳を傾ける人を増やしていかなければいけません。そして、それだけではなくアドボカシー活動を通じて声を上げることで、より具体的で気候正義にそくした政策の立案を求めていく必要があります。

私も記事や動画などを通じて、現地の人の声を積極的に聞き、学び、あくまでも彼らの意思を尊重しながら自分がするべきアクションを探り一つずつ実行していきたいと思います。

(インターン 佐藤悠香)

▼スクール・オブ・サステナビリティ2についてはこちら

https://www.foejapan.org/climate/event/school2021.html

▼当日のゲストスピーカーのお話はこちら

▼第1回のプログラム
・海面上昇に直面するツバルの状況(川尻京子さん)
・気候変動に左右されるパプアニューギニアの文化(Climate Frontlines Collective, Stella Miria-Robinsonさん)
※ゲストスピーカーの講演のみ公開しています。

【第5回スクール・オブ・サステナビリティ報告】アクションへの一歩はなんでもいい!

こんにちは。インターンの鷹啄りなです。

今回は10代、20代向けオンライン連続セミナー第5回「気候危機から未来を守るために立ち上がろう!〜日本でアクションするということ〜」に、Fridays For Future Yokosuka(以下、FFF横須賀)メンバーとして登壇しました。

登壇者は私達FFFYの他に、Fridays For Future Sendai(以下、FFF仙台)、白馬高校、Fridays For Future Shizuoka(以下、FFF静岡)、総社南高校の方々がいて、アクションを起こしたきっかけや、今までの活動内容、活動の中で大切にしていることなどについて話しました。

各メンバーのアクションを起こしたきっかけの多くがグレタさんの影響で、最初はたった一人のアクションだとしても、どんどんその輪が拡がっていく凄さを実感しました。

それぞれの団体の今までの活動として、FFF仙台は、県内の石炭火力やメガソーラー、パーム油によるバイオマス発電など、地球に優しくないエネルギー事業者に対して中止を求める運動しているそうです。

FFF横須賀としては、石炭火力発電所建設中止を求める運動について話しました。

白馬高校は村の人を巻き込んだマーチやバザーの実施をしてきたそうです。

FFF静岡は気候マーチや、市への気候非常事態宣言の要請のお話をしてくださいました。

総社南高校は、2019年西日本豪雨で被災した時のボランティア活動などをしていました。

その中でも私は特に白馬高校の話にワクワクしました。私は今までFFF横須賀で、気候危機に立ち向かうために、国や自治体、事業者への働きかけをしてきました。キャンペーンをするたび、「地元の人からの協力をもっと得るためにはどうしたら良いのか?」と悩んでいましたが、難しく考えすぎず、参加して楽しいと思うことをきっかけに気候危機に仲間を増やしていけたらいいんだと気づきました。次は楽しいアクションをしてみたいと思いました!

各登壇者が話したあとは参加者も混じったグループに分かれ、感想を話し合いました。

私のグループでは、「アクションへの第一歩は知識を得ること」「普段周りにいる友達は気候変動への関心が薄いけれど、今ここに沢山の参加者がいるように、気候危機に立ち向かっている仲間がいることが分かった」「まずは身近なエコアクションから始めてみる」などが出ました。

私は登壇者でしたが、多くの参加者がいたことで、改めて気候変動に立ち向かう仲間がいることを実感し、これからも頑張ろう!と思いました。

この記事を読んでくださったみなさん、これを機に、各地域のFFFや、活動家のSNSのフォロー、キャンペーンへの参加などをお願いします!!

今後も私たちと一緒に気候危機に立ち向かいましょう!!

今回の登壇団体のインスタグラムはこちらです↓

Fridays For Future Sendai(FFF仙台)

https://instagram.com/fridaysforfuturesendai

Fridays For Future Yokosuka(FFF横須賀)

https://instagram.com/fridaysforfutureyokosuka

白馬高校

https://instagram.com/hakuba0920

Fridays For Future Shizuoka(FFF静岡)

https://instagram.com/fffshizuoka

第5回のゲストスピーカーのお話は、Youtubeからご覧いただけます。

【楽しかったインターン卒業します!!】

私は約1年半、気候マーチの準備や、聖心女子大学での企画展の展示物の制作、里山活動、ぽかぽかハウスのボランティアなど思い返すと色々なことを経験させてもらいました。

そんな私は、FoEでインターンを通して、世の中の問題に対して声を上げることができるようになりました。

私は今までデモや署名をすることをためらっていました。しかし、2019年9月の気候マーチに初めて参加した時、沢山の仲間がいて楽しいと思いました。SNSでも「参加してきます」という友人の投稿が複数あり、デモをすることは普通のことのように思えました。署名をすることにも最初は抵抗がありましたが、FoEでは様々な問題に対して署名を募っており、そのたびに多くの署名が集まっていることから、私の中で署名をするハードルが低くなりました。また、私はFoEのインターンでありながら、2020年1月にはFridaysForFutureYokosukaのオーガナイザーにもなりました。もしインターンをしていなかったら、声をあげることに抵抗を覚えたままで、今のように積極的に活動をする自分はいなかったと思います。

環境問題に対して何かしたいと思って始めたインターンは、私の人生を大きく変えました。ここでインターンができて本当によかったです。ありがとうございました。

(インターン 鷹啄りな)

森林破壊に繋がる私たちの日常

こんにちは。FoEでインターンをしている佐藤悠香です。

今回は、10代・20代向け オンライン連続セミナー第4回「食卓と繋がっている気候変動の影響」に参加しました。

このセミナーではまずはじめに、地球環境戦略研究機関(IGES)で長年、土地利用と気候変動の関係を研究されている山ノ下麻木乃さんからお話がありました。

気候変動と聞くと、エネルギー排出の多い交通系や製造業を想像する方が多いのではないでしょうか。しかし、実は農林業は世界の温室効果ガス排出の23%を占めています。

農林業が大きな排出源になる原因としては、窒素肥料の過剰使用や牧畜・稲作が挙げられます。つまり、化学肥料の使い過ぎや牛肉と米の生産が気候変動に結びついているのです。

農業からの温室効果ガス(Green House Gas, GHG)排出の要因はいくつかあり、

  1. 化学肥料の製造過程で多くのGHGが排出
  2. 窒素肥料を過剰に投入すると余剰分からN2Oが発生
  3. 農業機器で化石燃料の使用
  4. 水田からを耕すことでメタン排出

などが挙げられます。そして、わたしたち個人がこの問題に取り組むためにまずできることは、有機栽培された食材の購入や、地産地消を心掛けた消費を行うことでしょう。

また、それ以外にも「森林の減少」も大きな要因の一つです。

人口の急激な増加に従って、人間は食料生産を大幅に増やす必要がありました。そのため、化学肥料を使って収量を増加させるだけでなく、森林を農地に転換することで作付面積を拡大してきました。

主に増えたのは大豆の生産量で、これは人間の食用よりも主に家畜の飼料として使われています。そして、農地の8割が家畜の餌を生産するために使われているにも関わらず、世界の食料供給(カロリー)は全体のわずか2割ほどです。

現在、世界人口の9%である6億9000万人が飢餓状態であると言われています。わたしたちは人間が食料として消費するよりも、主に牛肉を生産するために大量の大豆と穀物を生産しているのです。

森林の減少は都市化が原因と考えられがちですが、実は農地への転換が主因で、こうしている今も6秒にサッカー場1個分の熱帯の森林が失われています。

また、山ノ下さんのお話のなかで「国産牛でも飼料の約半分は輸入している」というお話は個人的に驚きました。日本で育てられる牛は、森林伐採に関係していないというわけではなく、その牛を育てるために生産される餌が森林を壊しているのです。

そのほかにも、畜産は牛のゲップ・おならがメタンを放出させたり、輸出入の際にCO2を排出したり、糞尿が環境汚染をもたらしたりと幅広く地球環境に悪影響を与えます。

考えてみると、こんなに莫大な温室効果ガスを排出し自然を汚染しながら生産されたお肉でも、レストラン・スーパー・家庭で多くのフードロスが発生しています。これはお肉に限った話ではありません。私たちは、「食べ物を捨てるために食べ物を生産している」といってもおかしくないでしょう。

私はNetflixで”Cowspiracy(サステナビリティの秘密)”を見たことがきっかけで肉食をやめましたが、山ノ下さんのお話を聞いて、自分も知らなかった畜産と気候変動の関係だけでなく、日本人の食文化であるお米が与える悪影響について初めて知り大変驚きました。

続いて、FoE マレーシアのMageswari Sangaralingamさんから、マレーシアで実践している持続可能な農業「アグロエコロジー」についてお話を伺いました。

アグロエコロジーとは、大規模な工業型農業ではなく、地球への環境負荷を最小限に抑えた農業のことを指します。また、家族やコミュニティで一丸となって農業に励むため、人との繋がりを生み、新たな分散型社会の形成に貢献します。

Mageswariさんたちは、マレーシアで実際にアグロエコロジーの実践方法を農民の方に教えたり、化学肥料を用いずコンポストを利用したりするなどして地球環境に配慮した、持続的な農業を広めていく活動をしています。

ときには、ワークショップを開いて現地の子どもたちと一緒に土壌を触ってアグロエコロジーを体験できる機会を設けたり、コミュニティ内の人の繋がりをサポートしたりと、地域住民の方が自立してアグロエコロジーを継続していくお手伝いをしていらっしゃるようです。

わたしのように東京に住んでいる人間からしたら、なかなか普段の生活で農業にチャレンジすることはハードルが高い気がしていましたが、都内でもコミュニティが共同で農業を行う場はあるようなので早速トライしてみたいと思います。

最後は参加者の方々に、このセミナーを通じて感じたことを自由に話し合っていただきました。

・パーム油マークは時々見るが、パーム油と森林破壊の繋がりは初めて知った

・アグロエコロジーという言葉自体、聞いたのは初めてだが、楽しいからこそ多くの人が無理なく続けているのだろう

・幼い時からコンポストをやるという経験が日本でも広まると、日本人の環境意識が変わるのではないか

・買い物をするときに自分で食べ物を選択する機会がなかなかないので、問題意識を自分の家族と共有することがまず大切だということに気が付いた

・すごく安い製品の裏側には誰かの犠牲があることを忘れないようにする

といった感想を聞くことが出来ました。

農林業とか畜産とか、アグロエコロジーとか、こういったお話を聞くととんでもないことがこの世界で起きていることを知り、ショックを受ける人が多いと思います。しかし、「じゃあどうやって自分の日常を変えていけばいいの?」と思う人でも出来ることはたくさんあります。

お肉を食べる量を半分に減らしてみる。少し高くてもオーガニックのものを選択してみる。自分の家のベランダで野菜を育ててみる。

こうした行動を継続していくことで、周りの人も感化され行動に移していくかもしれません。今の社会状況や搾取の仕組みを一人で変えることはできないけれど、みなさん一人一人が消費行動をもう一度考え直して実践していけば、周りの人間も企業もこの社会も絶対に変わると思います。

この問題を知った方と一緒に私も不安や怒りを感じるだけでなく、それを行動に移していきたいと思います。

(インターン 佐藤悠香)

第4回のゲストスピーカーのお話は、Youtubeからご覧いただけます。

*お話の内容*
・山ノ下麻木乃さん「食卓とつながっている気候変動の影響」資料はこちら
・Mageswari Sangaralingamさん「Agroecology」資料はこちら

★次回のお知らせ★
「気候危機から未来を守るために立ち上がろう!〜日本でアクションするということ〜」
・日時:2021年3月16日(火)19:00〜21:00
・ゲストスピーカー:
 白馬高校、
 総社南高校、
 Fridays For Future Sendai、
 Fridays For Future Shizuoka、
 Fridays For Future Yokosuka
・参加費無料
・申込みはこちら

★スクール・オブ・サステナビリティの概要はこちら

【第3回 スクール・オブ・サステナビリティ報告】サステナブルファッションにチャレンジしよう!

はじめまして、FoEインターンの増田千紗です。第3回スクール・オブ・サステナビリティに参加しました。

今回は、「暮らしのどんなところで気候変動に繋がっているの?」パート1として、サステナブルファッションについて、Kamakura Sustainability Instituteの青沼愛さんと、パタゴニア日本支社環境社会部の中西悦子さんにお話していただきました。

ソーシャルオーディタ―(社会的責任監査員)として活躍されている青沼さんから、ファッション産業がいかに自然環境と人権に影響を与えているのか、また私たちは具体的に何ができるのかについてご説明頂きました。口に入らない商品だからこそ気にしてこなかった、見えてこなかった汚染問題や資源の無駄遣いがあることに気が付かされました。洗濯方法一つで、環境汚染を抑えることができることに驚いた方は少なくなかったのではないでしょうか。

一方で、サプライチェーンにかかる環境問題や強制労働等の構造に変化をもたらすためには、消費者としての責任ある行動が必要だと感じました。ゲストスピーカーのお二人が指摘していた、企業や社会に訴えかけていくというアクションに貢献できると感じた参加者が多くいらっしゃいました。大量消費文化を見直し、効率性よりも公正性を求める行動を心がけたいですね。

上述の通り、私たちが企業や社会に訴えかけていくことが必要とされています。しかし、参加者の方からは「発信したいけどできない」という声が聞かれました。というのも、日本では個人がSNSで政治や社会情勢について考えを発信する文化が受け入れられていないのが現状なのです。ある参加者の方は、アメリカにいたときと比較し、日本はSNSを発信ツールとして使いにくいとおっしゃっていました。地球規模の問題を「自分事」として捉えることができていないユーザーが多いのかもしれません。

これを解決するには、魅力的で発信力のある企業が、情報提供や行動指針を提示していくことが求められているのではないでしょうか。そのような取り組みを早くから行うのが、パタゴニアです。二人目のゲストスピーカーとして、中西悦子さんには、パタゴニアが取り組む環境再生型(リジェネラティブ)の活動や、再エネ化や選挙にむけたアクション事例について伺いました。

興味深かったのは、パタゴニアのビール生産。なぜアパレルブランドが食料品を?と疑問に思うかもしれませんが、これもリジェネラティブな取り組みなのです。青沼さんから指摘があったように、世界で排出されている二酸化炭素量の10%がファッション産業から。パタゴニアは、炭素を土に固定するための農業によって、ファッション産業などから排出される炭素の環境負荷を軽減させようと取り組んでいます。特に、農業のリジェネラティブ化は、カーボンニュートラルに大きく寄与できるそうです。必要性のあるものでビジネスを拡大するという考えは、これぞ「つくる責任」。中西さんが「ヒット商品であっても、本当に必要とされていたものだったのか」と何度も考え直し、悩むこともあるとおっしゃっていたのが印象的です。

グループディスカッションでは、参加者の方から「知ってるつもりになっていた。まだまだ知らないことが多い。」「考えや情報を家族や友人と共有したい」といった声が聞かれました。知らないことへの探求心を持つ次世代が、声を上げることができる社会を私たちでつくっていきたいと強く思いました。

(インターン 増田千紗)

第3回のゲストスピーカーの青沼さんのお話は、Youtubeからご覧いただけます。
https://youtu.be/hI-Ic-2vg84

★次回のお知らせ★
「暮らしのどんなところで気候変動につながっているの?
part2〜食卓とつながっている気候変動の影響〜」
・日時:2021年2月17日(水)19:30〜21:00
・ゲストスピーカー:山ノ下麻木乃さん(地球環境戦略研究機関)、
          Mageswari Sangaralingam(FoE マレーシア)
・参加費無料

*【10代・20代向けオンライン連続セミナー】スクール・オブ・サステナビリティ〜気候変動の危機から世界を守るために立ち上がろう!〜の詳細はこちら

気候危機解決、本当に必要なものは「システムチェンジ」

こんにちは。FoEでインターンをしている横浜国立大学の佐藤悠香です。

今回は、1月21日に行われたウェビナー「『私たちに必要なのはシステムチェンジだ』~斎藤幸平さんと考える、気候危機を生んだ世界像からの脱却後の世界像~」に参加報告です。
1時間半と短い時間でしたが、とても内容が濃く、個人的に刺さるものが多かった回でした。

このウェビナーではまず、大月書店の岩下さんからナオミ・クラインの著書『地球が燃えている』刊行記念として、この本の概要やナオミ・クラインが提唱するグリーンニューディールについてご説明いただきました。

気候変動を止めるための新しい社会のあり方「グリーンニューディール」とは、単なる環境政策ではなく、気候変動を格差や社会福祉の問題と結び付けて、包括的な解決策を提唱するものです。

ナオミ・クラインさんの著書『地球が燃えている』で詳しい説明がされていますので、みなさんもぜひ読んでみてください。

斎藤幸平さんからのお話:資本主義からの「脱却」

つぎに、斎藤幸平さんから「気候危機を生んだシステムからの脱却を」というテーマでお話いただきました。(投影資料はこちら

2020年は、今までどおりの「普通」が普通でなくなり、新しい「ニューノーマル」を考える転換点になりました。

しかし、ワクチンが広まり、コロナ危機の前の生活に戻ることが果たして本当に正しいのか。
私たちは破局への道を進んではいないか。改めて今の社会システムのあり方の再考が求められること、そして、コロナ危機と気候危機に直面する今だからこそ、新しい社会システムを求めていく「システムチェンジ」のタイミングにいることを強調されました。

この「システムチェンジ」というのは、単に電力システムとか交通システムの話ではなく、資本主義という経済・社会システムを抜本的に変えていくことを意味します。これは現在の社会を「スローダウン・スケールダウン」していくだけでは不十分で、新しいシステムを掲げる必要があるということです。

また、技術革新を頼り、今の生活水準を落とさずにEV車を普及させ、再エネへの転換を進めるだけでは圧倒的に不十分で根本的なところの解決にはなりません。

資本主義の下で進めるグリーンニューディールは、結局無限の経済成長を求めるだけで、自然と弱者からの収奪を強めてしまうのです。そして、これは結局グローバルな格差拡大につながってしまうことを指摘されました。

私たちは、成長主義とは決別し、抜本的なライフスタイルの転換を伴うグリーンニューディールを求めていく必要があります。

この別の社会のあり方を作り上げていくことは、オルタナティブな享楽主義(alternative hedonism)を求めていくチャンスでもあるといいます。現在のライフスタイルを続けることが本当に幸せなのか、そして、資本主義のもとで暮らす私たちの別の生き方・働き方を再考するきっかけになると、「資本主義からの脱却がもたらす新しい可能性」もお話くださいました。

気候正義(climate justice)とは

つづいて、FoE Japanの高橋さんから、気候変動アクションマップの紹介がありました。気候変動アクションマップは、今の社会システムがもたらしている日本が関係する環境破壊・人権侵害の問題についてまとめ描いたものです。

また、資本主義とも密接に関わり、気候危機解決に向けて最も大切であろう概念「気候正義(climate justice)」とは何か、そしてなぜ気候正義が重要なのかを、海外のFoEのメンバーの言葉を引用しながら説明していただきました。

気候変動は「単に科学や環境の問題ではない」
この言葉を聞いてすぐに意味が分かる方はどれほどいらっしゃるのでしょうか。

気候正義とは、気候変動を引き起こしてきた、自然や人間の搾取に基づく社会の仕組みを社会の公平性を実現する形で変えていくことです。

気候正義が何かを知ると、気候変動解決に向けた運動は、「自然を守りたい」「生物を傷つけたくない」人たちの運動ではないことが分かると思います。そして、気候不正義と資本主義は密接に関わっていることが分かると思います。

あくまでも先進国の豊かな生活を実現するための経済成長を続ける限り、その成長からこぼれ落ちる人々・成長実現のために踏みつぶされる人が大多数になります。そして、この経済活動のせいで生じてくる気候危機のツケまでも払わされるのが、CO2をほとんど排出していない途上国の人々です。

このような不正義と格差を目の前にして、私たちはもっと持続可能で公正な社会を求めていくべきではないでしょうか。こういう話をすると、規模が大きすぎて到底無理そうに聞こえるかもしれませんが、この不可能そうに聞こえることを実現しなければいけないほど、気候危機の中にいる私たちには時間がないのです。

変化を起こすのは市民である私たち

これに気が付くと、「マイ〇〇をもっておけばOK」という話では到底済まないことが分かります。個人のライフスタイルを環境に配慮したものに変えていくことはもちろん大切だけれど、消費者としての努力を求めるよりもそれ以上に市民が、

・本当に公正な政治的意思決定を求めていく

・グリーンウォッシュ企業に”NO”を突きつける

といった声を上げて生産のあり方を抜本的に変えていかない限りは、現在の自然破壊と弱者からの収奪が蔓延した社会は変わりません。

そして、FoE Japanの吉田さんから、FoE Japanの考えるシステムチェンジの原則について、ご紹介いただきました。

「国や企業ではなく市民が声を上げていかない限り、システムチェンジは実現できない。
政府や企業や大きな力を持つ人ではなく、私のような普通の市民が声を上げ続けることが実は一番大切で効果的」
というお話は、私自身としても、これからも声を上げ続けるモチベーションになりました。

また、斎藤さんも、「個人の変化」「政治の変化」「企業の変化」をセットで求め実行していくには、私たち一人一人の声とアクションが必要になるとおっしゃいました。

斎藤さんやFoE Japanのお話を聞くと、「現状を変えなくてはいけないことは分かったけれど私は何をすればいいの?」と思う方も多いと思います。

そのような方は、自らもアクションに参加することがネクストステップになります。NPO・NGO・政治活動・社会運動。世の中にはいろんな立場からすでに声を上げて活動している人がたくさんいます。

そんな人たちに話を聞きにいったり、支援をしたり、自分もその活動に加わることで人とのつながりを増やしていくことが重要なのではないでしょうか。

斎藤さんは、このアクションを起こすことのハードルの高さには二つあるとおっしゃっていました。一つは、アクションに対する心理的なハードル。二つ目は労働時間の長さによる時間的ハードルです。

斎藤さんによると、教育・医療・交通機関といった「コモン」を脱商品化し、みんなの共有財産にしてできるだけ安価にアクセスできるようになれば、賃労働に依存しない生活が維持できるようになります。そして、このように労働時間を減らすことで仕事以外のアクティビティに費やす時間を増やすことが可能になるのです。

私は、Fridays For Future Japanでの活動を通して、一つ目のハードル「アクションすることへの心理的ハードル」を下げていきたいと思っています。

同調圧力が強い日本社会でも、年齢や性別、人種に関わらず誰もがおかしいことは堂々と「おかしい」と言っていいこと、自分の声には価値があること、主張は持つだけでなくアクションを通じて示すことは最高にクールであることを特に同世代に伝えていきたいです。

本当の豊かさを見つける

今回のウェビナーを通じて、自分が特に意識せずに生活していた資本主義というシステムの中で、私たちは本当に必要のないものまで広告やメディアの影響を受け、「より早く、新しいものをたくさん」消費しようとしていたことに気が付きました。

資本主義から脱却するには、まず「足るを知る」こと。そして、物質に左右されない自分にとっての本当の幸せを見つめなおすことが大切です。

大量生産・大量消費ではなく、顔の見える消費をすること。地域への貢献を実感すること。このような暮らし方は単に、弱者とか地球環境とかだけだけでなく結局は自分自身の心の豊かさに繋がっていくのではないでしょうか。

スローダウンした社会のあり方は、今よりずっと公正で絶え間ない消費と労働からのプレッシャーから開放され、人々が心の余裕のある暮らし(働く以外の活動の領域が広がる生活)に繋がるのではないかと思います。

経済指標に左右されない「人間らしい」生活を大切にするには、今の社会でおかしいところを探してみる。興味を持つ。そして、自分で調べたりたくさんの人の声を聞きにいくこと。

そして、そこで得た情報や知識に満足するのではなく、次は自分が本当に実現したい社会のために行動して声を上げること。

このようなことが重要なのではないでしょうか。

水素やEV、アンモニア、自然エネルギーなどのイノベーションの前に、まず私たちが、資本主義の下で地球と弱者に負担をかけ続ける社会システムを見直さない限り何も根本的な解決にはなりません。

そのため、気候危機やグローバルな格差・貧困の解決には、個人のライフスタイルの変化は大前提であるものの、これだけでは実は全く足りてなくて、「国の政策と企業のあり方」をより公正で本当の意味で人々の心を豊かにする方向へいくように、私たち一人ひとりが市民の立場からプレッシャーをかけ続けることが重要です。

資本主義のような絶対に誰かをとりこぼすような社会システム、踏みつけられて泣き叫んでいるようなひとがいるシステムがおかしいと思うなら、レジ袋をもらうのをやめたりマイボトルを持つのだけでは到底十分ではなくて、この経済・産業システムの変革を求めてアクションをすることが大事だという斎藤さんとFoE Japanのみなさんから強いメッセージを受け取りました。

最後に

システムチェンジを求めて声を上げ続けること、そしてそれと同時に新しい社会の形成に向けて、「自分の人生には本当は何が必要なのか」という自分自身の考え方(生き方)を考え直すことが必要になります。

be the change you want to see in the world.
世の中で見たい変化があるならば、まずはその変化に自分がなること。

社会とともに、自分自身もこれまでとは違う「新しい豊かさ」を再考していきたいと思います。

(インターン・佐藤悠香)

*斉藤幸平さんの当日の投影資料はこちら

*FoE Japanの気候変動アクションマップの購入はこちら

*FoE Japanが考えるシステムチェンジの五原則「気候危機とコロナ禍からのシステム・チェンジを」はこちら

【第2回 スクール・オブ・サスティナビリティ報告】未来を担う私たちができること

はじめまして、FoEインターンの小出です。2回目のスクール・オブ・サスティナビリティに参加しました。

第2回は、「気候危機に立ち向かうため、世界はどのように動いているの?」ということで、気候変動と政治の関係について、国立環境研究所の亀山康子さんと、NO YOUTH NO JAPAN 能條桃子さんにお話を伺いました。

はじめに、気候変動に関する国際関係を専門としている亀山さんから、気候変動の現状や、世界の気候変動対策について、そして温室効果ガス実質ゼロに向けた4つのゴールをお話しいただきました。冒頭に、気候変動の現状を解説していただきました。実際に気候変動に直面しているグリーンランドの写真などを見ながら話を聞くと、「気候変動は本当に今まさに起こっていることなのだ」と実感する参加者の方は多かったのではと思います。

その後、国連気候変動枠組条約の歴史や、2015年に制定されたパリ協定について解説いただき、アメリカの大統領選では、アメリカ国内へのインパクトだけではなく国際交渉に大きく影響を与えたことなどを説明くださいました。

また、日本の現状について、石炭の消費量が増え続けていること、石炭火力についてはアメリカより遅れていることなどを指摘したうえで、今年発表された2050年温室効果ガス排出量実質ゼロを実現させるためには、2030年目標を変えなくてはならないことを強調していました。

さらに、実質ゼロ達成に向けた4つのゴールとして、①エネルギーの脱炭素化、②エネルギーの効率的利用(省エネ)、③エネルギーサービス需要の(節エネ)、④森林保全&CO2以外の温室効果ガス対策(メタン、フロンなど)の4つがあると整理してお話くださいました。

続いて、参加者と同世代である、NO YOUTH NO JAPANの能條桃子さんがお話をしました。

NO YOUTH NO JAPANは、「若者が声を届け、その声が響く社会へ」をビジョンに、10代・20代でもわかるように、政治についてわかりやすく発信したり、国会議員とのトークをライブ配信したりしている団体です。
(NO YOUTH NO JAPANの団体詳細はこちら→http://noyouthnojapan.org/

その代表を務める能條さんの問題意識は、特に若い世代(20代)の投票率が低いというところにあるそうです。選挙の候補者の下でインターンをしていた頃、候補者の周りにいるのは高齢者、子育てを終えた世代ばかりだったそうです。また、デンマークに留学していた際、若い世代が動くことで社会を変えていく様子を目の当たりにし、今の活動を始めたとお話をしてくださいました。

政治を気軽に話せる時代を目指して、SNSでの発信を通じて、自分では何ができるかを考えてほしい、そして、政治に声を上げたいと思う仲間を増やしたいので、是非参加者の人とも何かできればとメッセージを伝えていました。

後半のディスカッションで参加者の声を聞くと、同世代である能條さんのお話のインパクトが大きかったようです。政治を変えるのは大変だけど、個人個人が行動を起こすことで、波及して行くような雰囲気を作りたいという感想を持った方もいました。

また、亀山さんのお話を聞くまで、省エネ、節エネを同じものだと思っていたという参加者もいて、それぞれ様々な発見、新しい知識を得ることができたセミナーだったのではと思います。

そして、参加者の方々とお話をする時間があり、感想を共有できただけではなく、違う考え方にも触れることができました。次回のスクール・オブ・サスティナビリティも楽しみです!

(インターン 小出愛菜)

第2回のゲストスピーカーのお話は、Youtubeからご覧いただけます。

*お話の内容*
・亀山康子さん「政治の世界で気候変動はどのように語られてきたのか」
資料はこちら
・能條桃子さん「若者が声を届け、その声が響く社会を目指して」
資料はこちら

★次回のお知らせ★
「暮らしのどんなところで気候変動につながっているの?
part1〜サステナブルファッションにチャレンジしよう!〜」
・日時:2021年2月3日(水)19:30〜21:00
・ゲストスピーカー:
 青沼愛さん(Kamakura Sustainability Institute)、
 中西悦子さん(パタゴニア日本支社 環境社会部)
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