ICRP「大規模原子力事故後の放射線防護」勧告草案に意見を出そう!(9/20まで)

ICRPの「大規模原子力事故における人々および環境の放射線防護」(Radiological Protection of People and the Environment in the Event of a Large Nuclear Accident)草案が公開され、ウェブ上で9月20日までパブコメにかかっています。
https://t.co/5BGw9C7lcy?amp=1

日本語での情報に関するアナウンス(日本語でコメント出すこと可とのこと)

主要部分のみの日本語訳

今回のとりまとめにあたったICRPタスクグループの甲斐座長による説明資料

ICRP勧告は人々を被ばくから守ったか?~東電福島原発事故の経験から~

ICRPが新しい勧告を出すと、日本を含め多くの国で放射線防護関係の法令の見直しが行われます。しかし、多くの人がパブコメを行われていることすら知らないのではないでしょうか? また、草案が英語の上、パブコメの受付も英語で、ハードルの高いものになっています。

FoE Japanでは、とりあえず、以下のような発信をしています。

「ICRPの勧告案を検討する前に、現行のICRP勧告が、福島第一原発事故において人々を放射線から守ることに役立ったかどうか検証すべき。自分なりに検証してみたが、残念ながらそうは思えない。政府の恣意的な運用を許してしまった。また平常時の100倍とか20倍の被ばくを、子どもや妊婦を含む一般人に許容することは、受け入れがたい。多くの人たちがそう感じて、怒り、また葛藤した。参考レベルを、非常時に20倍、100倍にすることはやめるべき。また、参考レベルの概念そのものも疑問。」

FoE Japanも参加する原子力市民委員会が、①日本語版を作成すること②日本において公聴会を開催すること③締め切りを延長することーを要請したところ、8/20付で回答がきました。①については主要部分を翻訳、②についてはすでに類似のもの(福島ダイアログなど)を開催、③については、締め切りは9/20だが10/25まで受け付けることも可、という内容となっています。

さて、ICRPの勧告草案の中では、「参考レベル」という言葉が何度もでてきます。これはとてもわかりづらい言葉ですが、「暫定的な目標値」という言い換えが最も近いでしょう。この「参考レベル」以上の被ばくをしているの人たち(図のグレーの部分)を対象に、放射線防護の対策をとっていき、参考レベル以下にしていく。ある程度その対策が進んで、参考レベル以上の人たちの人数がすくなくなれば、参考レベルもまた下げていくというものです。(下図)。

 

ICRP Pub.111 「原子力事故または放射線緊急事態後の長期汚染地域に居住する人々の防護に対する委員会勧告の適用」
http://www.icrp.org/publication.asp?id=ICRP+Publication+111

現行のICRPのPub111は「(現存被ばく状況の)参考レベルは、1~20mSvの下方部分から選択すべきである。過去の経験は、長期の事故後の状況における最適化プロセスを拘束するために用いられる代表的な値は1mSv/年であることを示している」としています。
「現存被ばく状況」とは、原発事故直後の混乱がおさまったあとの、回復期を意味します

今回の改定草案では、以下のようにしています(パラ80)。

「緊急対応時の後の長期汚染地域に居住する人々については、委員会は、長期に続く現存被ばく状況での人々のリスクへの耐性を考慮して、1-20 mSvのバンドまたはそれ以下で参照レベルを選択することを推奨する。一般に年間1 mSvのレベルまで被ばくを徐々に減らすことを目的として、年間10 mSvを超える必要はないであろう。
Publication 111(ICRP、2009b)で、委員会は1–20-mSv帯域の下部の参照レベルの選択を推奨した。選択された参照レベルが一般に10 mSvを超える必要がないであろうという今回の推奨事項は、この立場を明確にするものである。」

つまり、参考レベルの記述のみをみると、現行の勧告と同じことを言っていると解釈できます。

「参考レベル」というわかりづらい概念を設定し、被ばくの「上限」や「基準」を定めず、結果的に高い被ばくでも許容してしまうの? ということ自体も問われるべきでしょう。「上限」とか「基準」を定めても、事故が起こればそれを簡単に超えてしまう。対策もそうそうとれない。とろうとしても膨大な社会的なコスト、影響が発生する。そうすれば、原子力産業が存続できない、ということなのではないでしょうか。

しかし、日本政府はこのICRPの勧告すら守りませんでした。2011年4月に年20mSvを基準に計画的避難区域などを設定しましたが、その後、避難区域解除のいくつかの条件のうち、放射線に関するものは年20mSvを下回ることとしました。つまり、参考レベルを20mSvで高止まりさせてしまったのです。

一方で、今回の改定草案では、現行の勧告の「緊急時被ばく状況」と「現存被ばく状況」を、「緊急時対応(早期/中間期)」、「回復プロセス」(長期)に分けなおしていることにも注意が必要です(下図)。

ICRP緊急時、回復期

(出典:ICRP「大規模原子力事故における人々および環境の放射線防護」草案 p.10)

「緊急時」を長くとれば、より長い期間、緊急時を理由にして、より高い参考レベルを採用し、政府が、避難などの防護策をとらずにすませることを可能としているのではないか、気になるところです。

いずれにしても、ICRPの勧告はとても抽象的であり、政府には都合のよい解釈を許すものとなっています。

その他、以下のような問題点もあります。

  • 被ばくを、個人のライフスタイル、個人の行動によるものとし、結果的に「被ばく」を個人の責任に帰しているのではないか。
  • 避難区域や避難勧告の設定や土地利用のゾーニングなど、「場の管理」の重要性を軽視している。
  • 避難による健康被害や死亡については触れているが、避難できないことによる葛藤や被ばくリスク、避難者に対する賠償や支援が適切に行われないことによる避難者の窮乏についてはふれられていない。避難の有用性を、「緊急時」の早期に限っているようにも読める。
  • 住民が被ばくを避ける選択を行う権利についてふれていない。

東電福島原発事故を描写している付属書Bについても、多くの問題があります。たとえば、以下のような重要な事実がふれられていません。

  • 避難区域外からも多くの人たちが避難を強いられたのにもかかわらず、2011年12月までは区域外からの避難者に対する賠償はなく、2011年11月に決まった中間指針でも、とても少額であった。その後、避難者に対する住宅提供も次々に落ち切りになり、区域外避難者の困窮、社会的・経済的な圧迫につながった。
  • 避難・被ばく防護の政策、避難区域の再編、避難解除の基準に関して、人々の意見が反映されなかった。例えば、避難解除について、説明会は開かれ、多くの住民が「解除は時期尚早」と意見をいっても、これらの声は無視されてしまった。
  • 避難者・居住者・帰還者を等しく支援するという「子ども・被災者支援法」が満足に実施されなかったが、それについても記載がない。
  • 福島県県民健康調査において、見出された甲状腺がんについて、「事故後の放射線被曝の結果である可能性は低い」とのみ記載し、「甲状腺がんが多く発生している」こと(検討委員会も認めている)、多くのもれがあることなど、重要な事実を記載していない。
  • みなさまも、ぜひチェックしてみてください。

▼主要部分の和訳
https://drive.google.com/file/d/13Bh4_cJMRYg4YxmK5w_DsxusKRoJB0aO/view

▼改定の中心となったICRP TG93座長甲斐倫明氏によるプレゼン資料
https://drive.google.com/file/d/12k7NDfkE47iKHGy8XXYyl_G-4O2ctvf_/view

▼本件に関して、8月22日(木)20:00~、インターネット番組のFFTVでゲストに高木学校の瀬川嘉之さんを迎え、解説していただきます。ぜひご視聴ください。
視聴はこちらから。
https://www.youtube.com/channel/UC_BSKupMkSLCXXT_di864sw

▼9月11日には、郡山において、おなじく瀬川さんをゲストに迎え、学習会を開催します。
セミナー in 郡山 何が問題?放射線防護の国際勧告改定案(9/11)
http://www.foejapan.org/energy/fukushima/190911.html

本件に関して、ぜひ日本からも声をあげていきましょう。
FoE Japanでも引き続き発信をしていきます。     (満田 夏花)

 

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日本にもあった違法伐採!! 波紋拡がる宮崎県の盗伐事件

 

盗伐被害地(記事とは別の被害地)。土地の境界標があってもお構いなし!(宮崎盗伐被害者の会提供)

第一回 宮崎市瓜生野ツブロケ谷

 2019年7月12日、新聞各紙の地方版紙面において、宮崎県国富町の山林における森林法違反(森林窃盗)、いわゆる“盗伐”の疑いで日向市の素材生産業者「黒木林産」社長、黒木達也容疑者が7月11日に逮捕されたことが報じられました。記事によれば宮崎県内で同容疑での逮捕は2例目で、伐採業者の逮捕は初めてのことです。
 その1例目の事例とは、2017年10月5日、有印私文書偽造、および同行使、森林法違反(森林窃盗)の容疑で岩村進、松本喜代美、他1名の計3名の容疑者が逮捕され(10月26日に再逮捕)、2018年3月20日、岩村進、松本喜代美被告がそれぞれ懲役2年6ヶ月(執行猶予5年)と懲役2年6ヶ月(執行猶予4年)の有罪判決が下された事例のことです。

 今回は、この事例の被害当事者であり、宮崎県盗伐被害者の会会長の海老原裕美さんの事件を紹介します。

被害者 海老原明美さんの事件

 海老原さんが被害にあった山林の所在は「宮崎市大字瓜生野字ツブロケ谷4689-2」。県道26号宮崎須木線から「エコクリーンプラザみやざき」へ向かう主要道路に面した林地で面積は0.21(ha)。この山は、海老原さんが生まれた記念にご両親が作った山で、母親の明美さんもとても愛着のある山だったそうです。

私の山がない!
 その山の異変に気付いたのは2016年8月。現在は千葉県千葉市に在住している海老原さん家族がお盆の墓参りに帰省し、たまたま林地を通りかかった際に「私の山がない」ことに気付きました。裕美さんは「何かの間違いだろう」と思いつつも、明美さんが「間違いない。ここに私たちの山があった」と言うので、翌日法務局にて地籍図を入手し確認したところ、そこは皆伐された海老原明美さん所有の山林だったのです。
 明美さんは、後日放映されたTV番組の取材*1で被害に遭ったことについて「(伐採され)本当にくやしかった。泣き寝入りだけはしたくない。犯人がいるのだから逮捕してほしい。ただそれだけ」と悔しさをにじませて話しています。

犯人探し
 それから海老原さんは宮崎市役所や宮崎北警察署に被害の相談に行きましたが、まったく取り合ってもらえませんでした。「一体誰が伐採したのか」。海老原さんはその犯人探しを独自ではじめました。まずは宮崎市役所へ「伐採及び伐採後の造林の届出書(いわゆる伐採届)」に関する情報開示請求。驚くことにその開示された文書には15年前に亡くなった父親の海老原政勝さんの署名と捺印がありました。これは明らかに有印私文書偽造、同行使の罪に問われる行為です。犯罪です。
 さらに森林法に規定された手続きとして各市町村に提出された伐採届は、それが受理された後「伐採及び伐採後の造林の計画の適合通知書」が「伐採後の造林に係る権原を有する者」、つまりは山林所有者届出者に対して送付されることになっており、宮崎市役所は、なんと既に亡くなっている海老原政勝さん宛てに3回も送付していました。当然宛名はこの世にいない人ゆえ、市役所に返送され、その後適合通知書の事務処理未処理状態になっていたことが、その後の宮崎市とのやりとりの中で明らかになりました。この適合通知書が戻ってきたことを受け、伐採届の記載内容についてより慎重に検証、例えば海老原政勝さんの住民票との照合などをしていれば、海老原さんの林地の盗伐は未然に防げた可能性もあります。明らかに行政の不手際だったと言えます。
 海老原さんはその後も宮崎市役所や宮崎北警察署に対して、盗伐や有印私文書偽造という犯罪行為について「捜査してほしい」と繰り返し相談を続けたものの、両者とも書類の偽装を確かめようともしませんでした。

 こうした状況を受け、海老原さんは各報道機関に訴えかけ、盗伐被害とそれに対する行政機関等の対応の実態を世に知らしめるべく動きました。宮崎日日新聞や旬刊宮崎といった宮崎の地方紙のみならず、全国紙の地方版でも取り上げてくれました。さらには宮崎市議会議員の伊豆康久氏*2の協力を取り付け、平成28年第6回定例会(2016年12月6日)から継続して「盗伐問題」についての宮崎市の対応を追及してもらいました*3

被害届の受理
 翌2017年3月、宮崎北警察署は海老原さんの「示談には応じない。そして犯人に対する厳しい処罰を希望する」という強い意思を確認した上で、ようやく海老原さんからの被害届を受理しました。

 その後、2017年4月にMRT(宮崎放送)の撮影が宮崎市役所に入った際、宮崎市森林水産課課長が海老原さんの「既に亡くなっている人物の名前が記載されているのに、その文書を市が受理したのはおかしいですよね。この届出は有効ですか、無効ですか」との問いに「それを確認できていないのはまずかった。(伐採届は)体をなしていない」と回答し、海老原さんの最初の相談から8ヶ月、ようやく宮崎市は書類の不備を認めたのでした。

被害者の会、設立
 この間、海老原さんは大勢の盗伐被害者の方々とともに動いてきました。海老原さんが被害に遭った2016年8月頃よりも2年も前に被害に遭った方など、近隣にも大勢の被害者がいたのです。「泣き寝入りは絶対にしない」。盗伐の原因追及と責任の明確化、および行政、警察、業界団体に対して然るべき対応を求めていくべく、海老原さんは被害者の方々とともに宮崎県盗伐被害者の会を立ち上げ、2017年9月29日、宮崎県庁記者クラブにて同会設立総会を開催しました。十数家族の参加で船出した会は、現在88家族が参加する会に拡大しています。声をあげる家族が少しずつ増えてきているということのあらわれです。

 なお、前出の前宮崎市議、現宮崎盗伐被害者の会事務局長の伊豆さんが、宮崎市議会平成29年第4回定例会で「過去十年間で宮崎盗伐被害者の会で把握している9つの盗伐業者や個人から何通の伐採届が出されているのか」と宮崎市に回答を求めたところ、836件だったことが判明しました。これらの多くが「盗伐」の可能性が高いと考られます。
 被害者の会が把握している被害者家族は会員家族以外に85家族あります。会員家族とあわせれば被害家族は173家族です。さらに驚くことに、ある県内企業の社長によると、その社長自身の山林も過去3回も盗伐被害に遭っており、「盗伐被害者数は少なくとも1,000家族以上はいる」と海老原さんに話したそうです。

 宮崎の盗伐問題の根はとても深く、まだまだ明らかにしなければならないことはたくさんありますが、被害を受けたにも関わらず無念にも泣き寝入りをせざるを得なかった被害者の方々の無念を晴らすためにも、海老原さんの活動は続きます。

 次回は、宮崎北警察に受理された海老原さんの被害届のその後、そして被害地の瓜生野ツブロケ谷で起こった大規模な盗伐の全容について紹介します。

*1:MRT宮崎放送特別報道番組「私の森が消えた ~森林盗伐問題を追う」(2017年5月31日午後1時55分放映)
*2:現在、元宮崎市議会議員の伊豆康久氏は宮崎盗伐被害者の会事務局長。
*3:伊豆元宮崎市議の質問は、平成28年第6回定例会(第3号)から平成31年第1回定例会(第3号)まで継続的に行われた。

(三柴 淳一)

「オリンピック、どう思う?」 避難者の声をききました。~優先すべきことは何?

東京オリンピックまであと1年となりました。「復興五輪」とも呼ばれていますが、原発事故の避難者の方々はどのように感じているのでしょうか? これについて、海外のメディアから問い合わせがあり、福島から東京に避難している方々の「声」を集めました。いろいろ考えさせられる内容であったため、ご本人たちの了解を得られたものについて、FoE Japanのブログでも紹介させていただきます。
避難者の方からすると、「もっと優先すべきことがあるのではないか」というご意見が多かったようです。福島県在住の方、近隣の方、避難された方のご意見を今後集めていきたいと思います。
———
オリンピックについては私個人としては実は複雑です(^_^;)
オリンピック自体にはなんの偏見も無いのですが東京に誘致する際の安倍総理の発言やオリンピック開催が決まってから避難している事自体が変!って感じになり地元へ帰れるのに帰らない!って目で見られるように持って行かれた感が半端ない気がしました。
避難者を切り捨て嘘で塗り固めたオリンピックには正直怒りさえ覚えます。復興オリンピックみたいなイメージですが全くその復興のふの字もない空っぽのオリンピックにしか見えていません。
無理矢理住宅を追い出して全世界に日本の再生をアピールするよりも避難者や弱者にも優しいオリンピックであって欲しかったかな
———
わたしの人生においてオリンピックには、そもそも興味がありませんでした。 応援したい人はいつも身近な存在の人です。
一時の為に莫大な予算を掛けて、会場や宿泊施設を作り終わったら破壊するというのは無駄でしかないと思います。
そんなことをするならば、福島の子供達の為に国が保養施設を作って、クラス単位で毎年決まった日数を過ごすようにして欲しいです。
家族でいつでも使える保養施設を作って欲しいと思います。
原発は国策で作られたのですから、安全神話を信じてそれを容認していた私達にも問題はあったと思いますが、個人では経済的にも時間的にも精神的にも負担がありすぎるので、国の援助がほしいです。
民間でもやっていますが、それは抽選であり行きたくても行けない人がたくさんいると思います。
そして年々保養をやってくれている団体が減ってきていると聞いています。
福島はアンダーコントロールと総理大臣がいいましたが、まだ福島は汚染されていますし、福島第一原発は事故当時のままに何も解決してないでしょう。今も放射能を撒き散らしているでしょう。汚染マップにある通り放射能汚染は福島だけにとどまってないでしょう。
(それでもできるだけ遠くホットスポットを避けて今よりも汚染されてない場所へ大切な人と離れることなく、多くの人が避難してほしいと願っています。)
国に放射能汚染を認めてほしいです。 今も危ないのだと。 みんな気をつけて生活してほしいと。 絶えず真実を公表して国も出来ることをすると。
そして、避難したい人には避難するためのバックアップをするシステムを作ってほしいです。
できたら、コミニュティを壊すことなく地区ごとに避難できたらいいです。 新しい町をどこかに作ってほしいです。
過疎化が進んだ地域はいたるところにあるのですから、不可能な事ではないと思います。
たった数日の熱狂のためより、たくさんの人が安心して幸せに暮らせるような、そういうことに税金を使ってほしいと思います。
しかし、もうオリンピックの予算はつけられて、箱物も作られてもう完成したのでしょうか。 オリンピックはどうして既存の施設を使わないのでしょうか?
あるものを使えばいいだけではないですか? 日本は格差が広がり、また消費税の増税が決まっており、どんどん生きづらくなっていると思います。
弱者を作らない政策を、穏やかな日々を。 そう。ただ一時期の熱狂より、穏やかな日々を望んでいます。 子どもを社会全体が守るように。
子どもが世の中を冷めた目で見るようなことがないように。 子どもがこの世はいいところだと思い、未来を信じられるような世の中になってほしいです。
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東京オリンピックの時は、まだ、3歳なので、東京オリンピックが、決まりますようにと、お祈りして、決まった時の感動🥺一人夜中に、拍手👏良かった!
でも、安倍晋三さんの原発は、コントロールされている発言は、無責任な言動!
それでも、オリンピックに向けて多くの人が、頑張ってあと一年になるのは、素晴らしいなぁと若い選挙を応援したいです📣。
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日本全国的には勇気付けられると思うけど、新しく建てている国立競技場の姿を見ると、未だに仮設住宅暮らしの人とか自宅がないも同然の人にすべきことの方が重要性と早急性は高いんじゃないかな、とは思ってます。

オリンピック成功のため、都合の悪い避難者は排除されたと思っている、勇気付けられる事など一つもない。自主避難者現状を世界に知って欲しいし私達への仕打ちを非難して欲しい。
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選挙応援のスピーチで、福島県にまで足を伸ばした安倍総理が言った。「福島県の復興がない限り、日本の明日はありません。」 本当か?
私はこう思います。その「復興」をかかげる陰に、どれだけの犠牲者が出たことか、悲惨な毎日を今も送っていることか、真実をよく見てほしい。全体主義のために、母子家庭の暮らしや社会的弱者を踏みつけながら、オリンピックに沸く国に、本当の復興はまだ訪れません。
——

福島県県民健康調査委員会 甲状腺がん多発と被ばくとの因果関係で紛糾

写真上:「県民健康調査」検討委員会開催風景

7月8日、福島県「県民健康調査」検討委員会が開催され、その中で、甲状腺検査2巡目の結果、甲状腺がんやその疑いとされた71人について、「被ばくとの関連は認められない」とする甲状腺検査評価部会(部会長は鈴木元氏)の「まとめ」が報告されました。
NHKなどの報道では、「概ね了承」とされていますが、これは事実ではありません。甲状腺がんの発生率が地域がん登録で把握されている甲状腺がんの有病率に比べて「数十倍高い」としているのにもかかわらず、また、明らかに地域差がみられるにもかかわらず、それに関する評価が行われていないことに、「納得できない」「腑に落ちない」とする成井委員・富田委員らの強い発言もあり、委員会は紛糾しました。

「数十倍高い」

甲状腺検査評価部会まとめは、こちらです。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/336455.pdf
「先行検査における甲状腺がん発見率は、わが国の地域がん登録で把握されている甲状腺がんの罹患統計などから推計される有病率に比べて、数十倍高かった。本格検査(検査 2回目)における甲状腺がん発見率は、先行検査よりもやや低いものの、依然として数十倍高かった」とし、甲状腺がんの多発については認めています。 (←報道には乗らないのですが、結構重要なポイントではないかと思います)

また、地域別の悪性ないし悪性疑いの発見率については、「単純に比較した場合に、避難区域等13市町村、中通り、浜通り、会津地方の順に高かった」としています。

しかし、性・検査時年齢、検査実施年などのさまざまな要因が上記の地域差に影響を及ぼしているとし、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)で公表された年齢別・市町村別の内部被ばくを考慮した推計甲状腺吸収線量を用いて試算した結果、「線量の増加に応じて発見率が上昇するといった一貫した関係は認められない」として、放射線被ばくとの間の関連は見られない、としています。ちなみにこの分析は、実数データが付されていないため、外部専門家が検証できない状況となっています。また、県民健康調査で集計からもれている11人については分析の対象とされていません。

「4地域の間で明らかな差」

これに対して、成井委員(ハートフルハート未来を育む会理事長、福島県臨床心理士会推薦)は以下のように反論。
・(実際に執刀した)鈴木眞一教授は、過剰診断ではないと言っている。
・避難区域等13市町村、中通り、浜通り、会津、という地域区分は、当初の線量からしても妥当ではないか。この4地域の間で甲状腺がんの発見率に相当の差が生じている。確かに検査間隔や検査年度などのいろいろな要因が入ってくるが、それを排除した分析をやるべき。それなくして「因果関係がない」とは言えない。
・先行検査(1巡目)では、地域ごとに明確に差がでなかったのに、本格調査(2巡目)では、明確な差がでた。それはなぜなのか、検討してくださいと鈴木元先生にはお願いしてきた。地域区分をやめてUNSCEARのデータを使ったということだが、先行検査の手法は地域差の分析であった。なぜ同じ手法を継続しないのか

以下委員の主たる発言です。
鈴木元部会長:4地域比較ができない理由は、同じ年度に測った年度で違う線量を比較して解析しているため
成井委員:UNSCEARだって同じ。自治体の中でも様々な線量が含まれている。推定値に過ぎない。
鈴木元部会長:UNSCEARの線量評価の一番の問題は食べ物からのものを一律にしている点。今回使っているのはそれを差し引いたもの。
高野委員:先ほどの成井委員の発言で、鈴木眞一先生は「過剰診断でない」とはおっしゃっているというが、過剰診断は病理で発見できるものではないので、鈴木眞一氏は過剰診断の定義をご存知ないということ。(満田注:その時点での甲状腺がんが一生涯どのような挙動をするのか、手術時点ではわからない、一生涯、健康に影響を及ぼさないがんである可能性もあるはず、という意味だとおもいます・・・)
富田委員:因果関係がないという結論になるのは、腑に落ちない。「(甲状腺がんが)数十倍高い」「避難区域13市町村、中通り、浜通り、会津地方の順に高い」ということからは、事故との関係があるという結論になりそうだ。他の要因があるにしろ、「事故との関係がない」と言い切ることは強引。
稲葉委員:たいへん低い被ばく線量の中で分析をしている(だから統計的に有意な結果を得られにくい)、ということを明確にすべき。
春日委員:低い被ばく線量の中で分析をしていること、あくまで第2回目の検査を対象としたものであることを明確にする文章とすべき。
清水一雄委員:「関連はみとめられない」と言い切るのは早い。

星座長は、「座長預かりにしてくれないか」とまとめようとしましたが、春日委員がそれに反対。結論としては、座長が修文案を示し、委員がそれを確認する、というようなことになりました。

そのあとの記者会見で、成井委員は「座長あずかりにしたつもりはない」、富田委員は、「少数意見として意見を併記させていただくことになるかもしれない」と述べました。
「なぜ、ここまで急ぐのか」という記者の質問に対して、星座長は、「自分の任期中に結論を出したい」との一点張りでした。

UNSCEARの線量との関係の分析などについては、以下の資料にあります。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/336454.pdf
FFTVでこれに関し、OurPlanet-TVの白石草さんに解説してもらいました。
https://www.youtube.com/watch?v=C0EuWCpHSUs

本件に関しては、「あじさいの会」のメンバーや当事者が、福島県庁に要望書を提出しています。
甲状腺がん患者が福島県へ要望書?県民の意見の反映求め
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2406

甲状腺がん・疑い、218人に

今回は3巡目検査、4巡目検査の状況について報告がありました。
<3巡目>
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/336451.pdf
2次検査対象者 1,490 人のうち 1,081 人(72.6%)が受診した段階です。
悪性・悪性うたがい:24人(うち、手術実施は18人。すべて乳頭がん)
男9:女15
腫瘍の大きさは 5.6mm から 33.0mm
24人の前回検査の結果は、A判定が16人、B判定が5人
<4巡目>
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/336452.pdf
一次検査は対象者の35.4%、二次検査は対象者の52.6%が受診した段階です。
悪性・悪性うたがい:5人(うち、手術実施は1人、乳頭がん)
男2、女2
前回A判定は4人、B判定が1人。

これにより、1~4巡目および25歳節目検診の検査の悪性・悪性疑いは218人(うち良性1人)となりました。
全体像をみる上で以下のまとめが便利です。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/336460.pdf

甲状腺検査のお知らせ文

甲状腺検査のお知らせに記載すべきメリット・デメリットに関しても議論となりました。 資料はこちら。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/336456.pdf
ご覧の通り、メリット、デメリットについてがっつりかかれ、デメリットについては、それに対する取り組みが書かれています。
それでも、前回の甲状腺評価部会のときの文案からは少しやわらげられているかもしれません。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/330654.pdf
このときは、デメリットの最初の項目に以下のように書かれていました。
「将来的に症状やがんによる死亡を引き起こさないがんを診断してしまう可能性があります。
若い方の甲状腺がんは、一般的に重症になることが少ないとされています。自覚症状等で発見される前に、超音波検査によって、甲状腺がんを発見することにより、がんによる死亡率を低減できるかどうかは、これまで科学的に明らかにされていません。」

この件についても、委員からさまざまな意見が出されました。たとえば、ある委員からは、国際的にも甲状腺の一斉検査を行うべきでないことになっていることを明記すべきと発言。星座長もそうすべきと言っていました。
以下の富田委員の意見が、ことの本質を表しているのではないかと思いました。

富田委員:このお知らせをみて、「(デメリットが大きいから)やはり検査を受けるのをやめておこう」となり、そのあとで甲状腺がんになり、「あのとき検査を受けておけば」ということになり、福島県が訴えられるような場合があるかもしれない。自己責任と言ってしまってよいのか。 もし自己責任ということであれば、その旨明記すべきではないか。

こころの健康度などについて

平成29年度の「こころの健康度・生活習慣に関する調査」の結果が報告されました。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/336444.pdf
p.13にある、気分の落ち込みや不安に関して支援が必要な人の割合など、心の健康に関する状況は改善しているようですが、県内にくらべ県外の人たち(避難者など)の要支援割合が高いという結果になっています。
心の健康は、生活の基盤の安定性と密接な関係にあるでしょうから、避難者への相次ぐ支援の打ち切りをしておいて、心の健康だけを支援(?)しようというのは、問題だと思いました。
ちなみに、p.17の放射線の健康影響の認識については、放射線のもたらす長期的な影響(後年影響)に関する認識についてきいています。
「可能性は高い」「可能性は非常に高い」とする人の割合は事故当初の平成23年から減少しているものの、平成26年以降は一定割合(32~33%)を保っているとのこと。福島県や国による放射能安全PRは、それほど功をそうしていないのかもしれません。(満田夏花)

G20大阪サミット- 気候危機への緊急性に欠けた幕切れ

先週28、29日に大阪でG20サミットが開催されました。気候変動問題も主要議題の一つでしたが、残念ながら前進はなく、むしろ後退したと言っても過言ではありません。

FoE Japanを含む環境団体は、28日、議長国である日本の安倍首相に対し、脱石炭を求めるアクションを大阪市内で敢行。安倍首相に似せたマスクを被ったメンバーが、石炭に依存する姿を演じました。

またサミット開催を前にアジア各国でも日本に対し石炭火力や化石燃料プロジェクトからの撤退を求めるアクションが相次いで行われました。

日本国内でも、現在、石炭火力発電所の建設計画が進められている横須賀や神戸で住民と環境団体による脱石炭アクションが行われました。

フィリピンでのアクション

今回のG20首脳宣言では、アメリカを除く各国が国別貢献(NDCs、各国が定める気候変動対策)を維持またはアップデートすることが確認されました。しかし各国が定めるNDCではパリ協定の1.5℃目標どころか、2℃目標も達成できないことはすでに明白であり、各国のNDC強化に対するより強いコミットメントが求められていたなか、そこまで踏み込んだ文言が盛り込まれなかったことは非常に残念な結果と言わざるを得ません。

さらに米国のパリ協定離脱が、「米国の労働者と納税者に対し不利になる」という理由の下、首脳宣言の中で、改めて確認されました。温室効果ガスの大量排出国であり、歴史的責任の大きい米国がパリ協定から脱退し、気候変動政策を遅らせることは、すでに気候変動の影響を受ける多くの途上国にも大きな影響が生じかねません。

また再生可能エネルギーへの言及がほとんどなく、二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)などを強調している点も問題です。

さらにG20諸国は2009年から化石燃料補助金の撤廃をかかげてきましたが、今回の首脳宣言でも「化石燃料補助金を中期的に合理化し、段階的に廃止する共同のコミットメントを再確認する」という文言にとどまりました。

日々深刻になる気候変動の影響に立ち向かい、これ以上の危機を食い止めるためには、一刻もはやい脱炭素化が必要です。また日本の石炭火力発電所の輸出は気候変動を悪化させるだけでなく、発電所建設現場での人権侵害や土地収奪、住民の生計手段の喪失にも繋がっています

FoE Japanでは今後もアクションや提言を通じ、脱石炭や海外支援のあり方の改善を求めていきます。

(深草亜悠美)

危機に瀕す「環境と民主主義」にどう立ち向かう?~若者たちからのメッセージ

6月1日、文京区区民会議室にて、トークイベント「危機に瀕する『環境と民主主義』」~次世代の私たちがつくる未来」およびFoE Japan総会を開催しました。

トークイベントの登壇者は全員20代の若者。沖縄、フィリピン、インドネシアなど、各地で繰り広げられる環境や人権、民主主義を守るためのたたかいと自らの想いを語りました。

まず、「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎さんが登壇。辺野古米軍基地建設を問う沖縄県民投票を呼びかけたいと思った目的や、いくつかの自治体で投票を行わないという方針を発表したとき、全県実施をハンガーストライキによって訴えた想い、圧倒的な「辺野古米軍基地建設ノー」の結果を受け、本土の私たちが問われていることについて、迫力のあるお話しをいただきました。「とにかく沖縄の基地のことを、話せる“空気”をつくりだしたかった」「自分も宜野湾市民で、投票できないかもしれなかった。“投票する権利”を守るため、自分ひとりでもできる行動をと思った。体をはって訴えることによって状況を打破したかった」という言葉が印象的でした。

続いて、FoE Japanの新スタッフ3人、松本光、杉浦成人、高橋英恵が、それぞれの活動を踏まえて報告。松本からは、日本に輸入されるバナナの一大拠点であるフィリピンの日系企業スミフルフィリピンが経営する農園・梱包工場で、労働者への深刻な人権侵害(殺傷を含む銃撃、放火等を含む)について報告しました。

杉浦からは、インドネシアで日本のODAにより進められているインドラマユ火力発電所で、土地やくらしを守るため、事業に反対を続けている農民が、「国旗侮辱罪」の冤罪をきせられ、投獄された状況を報告しました。高橋からは「クライメート・ジャスティス」という言葉にあらわされるように、気候変動の本質は格差であること、一部の先進国や富裕層の責任で、発展途上国や貧困層が最も被害をうけていること、世界中の若者たちが未来のためにたちあがったFridays for Futureやグローバル・マーチの取り組みなどについて報告しました。

4人の話はテーマこそ違え、国家や大企業といった強い「力」によって、人々が守ろうとしている土地や環境が奪われようとしている実態、それに立ち向かう人々の勇気と理不尽な弾圧など共通点がありました。

私たちにできることはある

「肝心なのは、あきらめないこと」

若者たちが発した力強いメッセージに心動かされた一日となりました。

FoE Japanは3人の新スタッフを迎え、環境や民主主義の危機を乗り越えるため、微力ですが、活動を継続していきたいと思います。(満田夏花)

FoE Japan総会後、参加者と。

福島県外の除染土埋立処分で環境省令案~濃度制限なし、地下水汚染防止策なし

環境省は、福島県外の除染土の埋立処分をすすめるため、放射性物質の濃度によって上限を設けることなく、埋立処分できるとした環境省令およびガイドラインの記載案を発表しました。
環境省は、福島県外において保管されている除染土壌の放射性物質の約95%は2500ベクレル/kg以下であるとし、30cmの覆土は行うものの、雨水流入防止や地下水汚染の防止等の措置は不要としています。
すなわち、高濃度の除染土であっても、そのまま埋め立てることを許す内容となっています。

3月15日、環境省の「第4回 除去土壌の処分に関する検討チーム会合」が開催されました。この場で、栃木県那須町、茨城県東海村での除染土埋め立ての実証事業について、空間線量率、作業員の被ばく、浸出水モニタリングなど、いずれも問題なしという結果が報告されました。

この実証事業にはいろいろ問題があります。埋め立てる土の放射性物質濃度に関してサンプリング調査しかしないこと、モニタリング期間が非常に短いこと(とくに浸透水のモニタリングは、東海村では昨年10月24日~2月27日、那須町では昨年12月20日~2月25日にすぎません)、さらに豪雨時・災害時についてはモニタリングされていません。
那須町の実証事業の問題点については、こちらをご覧ください。
http://www.foejapan.org/energy/fukushima/181012.html#nasu

那須町での実証事業の断面図。
今回の環境省令での除染土埋め立てでは、このような遮水シートや排水処理も不要としている。

ここからが本題です。
検討会で、福島県外の除染土の埋立処分について環境省令およびガイドラインへの記載案が示されました。
http://www.env.go.jp/press/t04_mat02.pdf

「放射性物質濃度の上限を決めることなく、埋立処分できる」としています。覆土は30cmです。

「雨水等の侵入の防止や地下水汚染の防止等の措置は不要」としています。つまり屋根や遮水シートなどを設置する必要はなく、穴をほってそのまま埋めてしまえるということになります。

環境省は、福島県外において保管されている除去土壌の放射性セシウム濃度を推計した結果、中央値は 800Bq/kg 程度、約 95%は 2,500Bq/kg以下であるとしています(平成29 年3月末時点)。
埋め立てても支障がないという判断なのでしょうか。

従来、セシウム換算100Bq/kg以上のものは、ドラム缶につめ厳重に管理されていました。
また、県外の除染土であっても、2,500Bq/kg以上のものもたくさんあるでしょう。現に実証事業では、6100Bq/kgのものがありました。

1万Bq/kg以上の可能性があるものは、作業者の安全確保に必要な措置について電離則に基づく措置を講ずる、としているだけで、埋めてはならない、とはしていません。つまり、どんなに高濃度なものがあったとしても、埋められてしまうかもしれません。

また、どの単位での1万Bq(袋レベル?、袋の中に濃い部分があって、あとは薄かった場合は?)なのかは示されていません。

埋める土についての測定は、容器の表面線量率の測定と、放射能濃度のサンプル調査のみで、①放射能濃度が1万Bq/kgが超える可能性があるもの、②比較的表面線量率が高いものの中から合理的な範囲で抽出したものについて、としているだけです。

作業者などの外部被ばく量は最大でも0.43mSv/年としています。しかし、 除染作業などを行っている作業者はあちらでもこちらでも被ばくを強いられ、累積的な影響に関しては試算も考慮もされていません。

一方、環境省は8,000Bq/kg以下の廃棄物は管理型処分場で一般の廃棄物と同様に処分できるとしています。
今回の県外除染土は、埋め固めて、30cmの覆土をするだけで、管理型処分場以下であり、また、放射能濃度で分けることはしないので、8,000Bq/kg以上のものも埋めてしまうことになります。

放射性物質のばらまきを許す環境省令に反対していきましょう!

那須町の実証事業の様子

 

台湾の脱原発に「待った」!?脱原発政策の行方

 

 昨年2018年、台湾の「2025年に原発ゼロ」政策の是非を問う国民投票が実施され、投票者の過半数が政策廃止に投票しました。今、台湾で何が起きているのか。一橋大学博士課程在籍で、地球公民基金研究員のダン・ウィジさんにお話を聞きました。

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 台湾には2011年の東電福島事故以前から脱原発運動がありましたが、2000年以降沈静化していました。しかし、福島第一原発事故をうけて、再び論争が白熱化し、運動は盛り上がり、最終的に2025年までに原発ゼロにするということが決定されました(法制化された)。

 台湾は、九州と同じくらいの面積で、4箇所の原子力発電所があります。首都台北から近いところに第1、第2原発があり、台湾南部に第3原発があります。1980年代、台北の北部に第4原発建設計画が浮上。それは台湾の民主化運動の盛り上がりの時期とも重なっています。

 2002年、環境基本法に脱原発社会を構築すると明記されました。しかしいつまでに脱原発社会を実現するかについては、定まっていませんでした。福島事故後、「2025年」というタイムラインが書き込まれました。

 2018年、「2025年原発ゼロ政策を撤回」すべきかどうかという国民投票が行われ、投票率54%、賛成が589万票、反対が401万票で、賛成多数で政策撤回が決まってしまいました。

 もともと2025年までに原発ゼロというのは野心的な目標ではありませんでした。現存する原発を40年間運転して、延長稼働しなければ、2025年には自然に原発ゼロとなるからです。ただ、見方をかえると2025年の電源構成には再エネ20%が含まれており、2016年時点で再エネが5%であることを考えると、再生可能エネルギーが原発に代替できるのかということに関しては不安がありました。

 では、なぜこの短期間の間に脱原発に向かい風が吹いたのか?

 背景として、民進党政権への不満が高まっていました。じつは今回の国民投票は、脱原発だけが議題ではありませんでした。10件の国民投票と地方統一選が同時に行われました。

 民進党政権は、エネルギーシフトに加え、年金改革や同性婚の認可を政策として進めてきました。そういった課題に対して、国民党を含め保守勢力は大きく反発し、国民投票で民進党政権の政策に反対しようと乗り出しました。

また、政権の実績に対しても、とくに経済政策がうまく行っていないという世論があり、一般国民の間でも現政権に対する反感が高まっていました。

 そこで、政権全体への信を問うも同然のような10項目の国民投票が浮上してきたのです。

 そこには、もう一つ背景があります。2017年に国民投票法が改正され(これも民進党政権肝いりで実現した)、国民投票の実施のハードルが下がっていました(有権者の1.5%が署名したら実施できることに。もともと5%だった)。皮肉ですが、民進党政権が進めた国民投票法改正が、保守陣営にうまく利用され、自分たちが自分たちの改革に飲み込まれた側面がありました。

 民進党が進めようとする同性婚政策を問う国民投票も反対多数で可決されました。地方統一選においても民進党は大敗を喫し、今回の投票結果は、エネルギーシフトや脱原発に民意が支持しないというよりは、民進党政権への不満の結果としてあらわれた現象とみたほうが妥当だと思います。

 また、政権側の対応も、後手に回りました。政策の一つである同性婚に関しては、とくに保守派の反対が強く、民進党が繊細な課題への意思表明を避けたかったため、原発についても強くでることができませんでした。

 さらに、議題提案者(台湾核エネルギー学会が主導した「以核養緑」国民投票運動が議題提起、表のリーダーは原子力支持任意団体(「核能流言終結者」)が務める。)が、エネルギーシフトの課題を壁として見せることに成功していました。つまり、脱原発政策を支える代替案がちゃんと整備されていないことを声高に叫びました。

 また、大気汚染問題に関する世論がとくに昨年から盛り上がっていました。脱原発を進めたため、火力発電が増やされ、大気汚染が深刻化したという論調が飛び交いましたが、原発が即時停止されたわけではなく、これは明らかに事実と異なります。しかし、こうした言説は、大気汚染問題が深刻な台中市や高雄市で国民党の市長候補者が選挙戦にとり入れたため、一気に広がりました。

 さらに、問題だったのはカンニングペーパー効果です。国民投票は発議されてから1ヶ月以内に投票が行われなくてはいけません。これでは十分な議論の時間ができません。内容をきちんと理解した上で投票した人はほんの一握りでした。

 ではみんな何に頼って投票したのか?SNSにどの議題になんと答えるかの解答例が出回りました。それに頼って投票した人が多かったのです。脱原発=大気汚染推進という画像も出回りました。フェイクニュースです。

 投票提起者は、これが脱原発法を削除する国民投票であると言わず、これは「以核養緑」のための投票だと説明していました。すなわち、再エネの普及は時間かかるので、2025年までに再エネ20%、LNG50%、石炭30%というエネルギーミックスは無理があり、なので原子力をもっと活用して、再エネの健全な普及を図ろうという意味です。

 (ちなみに、国民投票請求のための署名集めの最中には核エネルギー学会と東電が主催で「東電再建の道」という廣瀬直己会長講演会も行なっていたとのこと)

 実際にこの決定がどのような影響を及ぼすのでしょうか?

 第1・第2原発に関しては、運転延長期間の申請は間に合いません。第3原発は可能ですが、地方自治体首長は否定しており、活断層の問題もあります。第4原発は工事再開のために予算編成が必要です。

 現在、原発擁護派は第4原発の是非を問う国民投票を目論んでいます。また環境団体の説明会に乱入して、嫌がらせすらしています。

 今後、脱原発派は原発安全問題をもっと主張していくつもりです。日本で震災が起きてから8年。台湾でも記憶が薄れつつあります。原発事故の状況についても、引き続き台湾に伝えていく必要があります。

 また、自分たちの活動に資するような、今回の国民投票に対して対抗的な国民投票も考えています。

(聞き手・書き起こし:深草亜悠美)

People Power!! きれいな空気をもとめる千葉・首都圏の市民の声が後押しに!

プレスリリース

People Power‼
きれいな空気をもとめる千葉・首都圏の市民の声が後押しに!
JFEスチールと中国電力、蘇我石炭火力発電所計画を中止に

[PDFはこちら

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12月27日、中国電力株式会社並びにJFEスチール株式会社は、千葉市蘇我地区で計画していた「(仮称)蘇我火力発電所建設計画」(107万kW、2024年運転開始予定とされていた)を中止し、天然ガス火力発電所共同開発の事業実現性検討に着手することを発表しました[1]。中止の理由について、「本計画は十分な事業性が見込めない」とホームページ上で公表しています。FoE Japanは、連携する地元団体や環境団体とともに、その決断について歓迎します。

本計画に対しては、2017年4月に発足した蘇我石炭火力発電所計画を考える会(蘇我の会)を中心に、地道なチラシの配布や駅頭での呼びかけ、手配りによるアンケート、千葉市や千葉県の環境委員会等の傍聴や意見提出、事業者本社への働きかけなどなど、ダイナミックに活動してきました。東京湾の他の計画地の市民団体や、気候ネットワークやFoE Japanなどの環境団体もその動きと連携してきました。

しかし、事業者は環境影響評価の手続きを進め、2018年1月には環境影響評価方法書を公開していました。方法書に対しては、住民説明会などでも反対の声が大きくあがりました。

・住民団体が指摘していた本計画の問題点:
(1)気候変動問題に対して世界の脱石炭の潮流に逆行していること
(2)大規模な石炭火力発電所は最新の設備であっても大気汚染物質を拡散(SOxやNOx、PM2.5、水銀など)、その影響は広範囲にわたること
(3)現在すでに粉じんの降下があること
(4)真横にサッカースタジアムもあり、周辺に学校や病院なども多いこと

今回の事業者の決断にあたっては、地域住民や環境NGOからの度重なる要請やアクションなどさまざまな形での声が、無視できない大きさであったことも後押ししたと考えられます。市民の力、People Powerの勝利です。

FoE Japanでは2018年11月、蘇我の会のメンバーにインタビューをし、その声の一部を映像とインタビューにまとめていますので、ぜひご覧ください。
●映像『日々のくらしの裏側で〜千葉県千葉市 蘇我〜』http://www.foejapan.org/climate/nocoal/soga.html

●インタビュー記事
【日々のくらしの裏側で – vol.5】企業の懐柔策に埋もれる蘇我住民の声(渡辺敬志さん)https://foejapan.wordpress.com/2018/12/19/soga_1/
【日々のくらしの裏側で – vol.6】残すべき未来のために、一筆一筆の力を信じて(山崎邦子さん)
https://foejapan.wordpress.com/2018/12/26/soga_2/
【日々のくらしの裏側で – vol.7】一人のサッカーファンの願い(品田知美さん)https://foejapan.wordpress.com/2018/12/27/soga_3/
【日々のくらしの裏側で – vol.8】本当に向き合うべき相手とは。JFEと中国電力だけではないもう一つの壁(小西由希子さん)
https://foejapan.wordpress.com/2018/12/28/soga_4/

しかしまだ、日本には石炭火力発電所の新規建設計画が34基あります[2]。東京湾にも袖ケ浦、横須賀の計画が残っています。FoE Japanは、「事業性がない」ことがすでに明らかとなっている石炭火力発電について、その他の計画も中止としていくことを求め、引き続き地元の市民とともに声をあげていきます。

<関連情報>

・石炭火力を考える東京湾の会:蘇我火力問題の関連ニュース
https://nocoal-tokyobay.net/tag/chiba/

・FoE Japan:電力自由化の負の側面?石炭火力の新規計画ラッシュ!
http://www.foejapan.org/climate/nocoal/index.html

・蘇我にもう発電所はいらない—「公害」の歴史ある土地で進むあらたな建設計画
(2017年10月記事)
https://foejapan.wordpress.com/2017/10/16/soga/

国際環境NGO FoE Japan
〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9
03-6909-5983   info@foejapan.org

[1] 中国電力ほかプレスリリース(2018年12月27日)
「石炭火力発電所共同開発の検討中止と天然ガス火力発電所共同開発の事業実現性検討着手について」http://www.energia.co.jp/press/2018/11571.html

[2] 石炭発電所ウォッチ(気候ネットワーク) https://sekitan.jp/plant-map/

 

COP24閉幕 – 公平性に欠けるパリ協定の実施指針、気候変動への行動強化にも繋がらず

12月2日から開催されていた第24回気候変動枠組条約締約国会議(COP24)は、予定していたよりも1日遅い15日に終了しました。

何が期待されていたのか?

今回のCOPで期待されていたのは、気候変動行動強化に関する主な2つの点です(開幕時の論点整理はこちら)。

一つはパリ協定の実施指針(ルールブック)の合意、そして二点目は、各国の気候変動への国別目標(NDC)の強化です。今回のCOP24は、気候変動の緊急性と行動強化の必要性を示したIPCC1.5度特別報告が2018年10月に発表されてから初めて開催されたCOPであることから、2023年の各国の気候変動取り組みの進捗を確認し合うグローバル・ストックテークに5年先立ち、各国が目標強化の取り組みなどについて議論するために設けられた促進的対話(タラノアダイアログ)などを通じて各国の気候変動への国別目標(NDC)の強化が期待されていました。

ルールブックはどうなった?

一点目の主要点であるルールブックにおいては、残念ながら、先進国の気候変動への歴史的責任はほぼ削られる結果となりました。

途上国はルールブック作りにも公平性・共通だが差異ある責任の原則の適用を主張し、NDCに関しても緩和中心ではなく、適応などその他の要素も含めるべきだと主張していました。結果的に、緩和については必須ですが、適応などその他の項目は、NDCに含めたい国は含めることという形になりました。

「透明性枠組み(各国の気候変動対策の取り組みの報告に関する枠組み)」では、各国は2年ごとに各国の排出目録と取り組みの進捗レポートを提出することになります。提出フォーマットに関しては先進国と途上国の間に差が設けられました。(先進国の提出は2022年から、途上国は2024年から)。適応と損失と被害についての報告は要素として盛り込まれましたが、損失と被害に対応するための資金の言及は完全に削除されました。

資金情報の報告については、新たに拠出された公的資金だけでなく、民間から動員された商業融資や投資、保険などもカウントして良いことになりました。

一方、先進国は2年ごとに今後拠出する気候資金の情報についてレポートを別途提出することになりました。資金がなければ自国の気候変動対策実施が難しい途上国にとっては、この点は一つの勝利といえます。

今後2年間は、各国がNDCを強化する非常に重要な年になります。

「グローバルストックテーク」は、2023年から始まる各国が気候変動対策の取り組みを見直し、5年ごとに目標を強化して再提出するプロセスです。グローバルストックテークでは公平性原則が非常に重要な論点であり、途上国、とくにインドなどは、残されているカーボンバジェット(1.5度目標達成のために残された温室効果ガスの排出許容量)や歴史的排出を目標強化のプロセスに盛り込むよう求めましたが、実施指針には残りませんでした。また、「損失と被害」についての言及は最後までアメリカが強行に反対し、本文では言及されず、最終的に脚注に追いやられました。

IPCC1.5度特別報告の扱いは?気候変動行動強化につながったのか?

二点目の各国の気候変動への国別目標(NDC)の強化について、COP24の決定文の中には1.5度特別報告を直接歓迎することができず、各国のNDCの強化は「2020年までにNDCを強化して再提出する」という、これまでの決定文にも含まれていた表現が含まれるのみにとどまりました。IPCC特別報告の内容をそもそも認めないという立場のアメリカに加え、サウジアラビア、ロシア、クウェートなど、温室効果ガスの大型排出国がIPCC特別報告の扱いについて最後まで強硬な立場をとったためです。

タラノアダイアログにおいても各国の取り組み強化が加速されることが期待されていましたが、公平性や1.5度レポートについて言及されたものの、COP決定文の中では「タラノアダイアログの完了を歓迎する」と記したのみで、今後の行動強化には繋がりませんでした。

気候資金は?

パリ協定は、先進国の途上国に対する資金・技術支援を義務付けています。しかし、ルールブックのいたるところで先進国の資金・技術支援の義務が弱められた表現になっています。

京都議定書のもとで設けられた適応基金は、存続は決まっていますが、これまでクリーン開発メカニズムの利益の一部を原資としていたため、パリ協定下でどのように運営するのか、議論が決着していません。市場メカニズムの議論はCOP25まで先送りされたためです。

また、先進国は2020年までに年間1000億ドルの気候資金を拠出することになっていますが、その約束も2025年までで、それ以降の資金目標が決まっていません。今回のCOP24で、次なる資金目標の議論は2020年から始めることに決まりました。

気候変動の被害は加速する一方

2018年は、日本でも気候変動の被害がさらに拡大しました。猛暑や洪水、大雨などで亡くなる方や、家を失う方がたくさん発生しました。途上国でもその被害は特に甚大です。災害への備えが少なく、農業や漁業など第一次産業に従事する人口も多いため、より大きな気候変動被害を受けます。しかし、そういった人たちほどほとんど温室効果ガスを排出していません。

一方、先進国の政府や銀行、企業はいまだに化石燃料企業やプロジェクトに投資し続けています。間違った気候変動支援が、コミュニティや環境の破壊、そして人権侵害に繋がっています。

また、今回のCOP24では、市民社会の参加に対する抑圧が非常に顕著でした。気候変動の現場でたたかい、実際に化石燃料プロジェクトとたたかう市民社会の声が押さえつけられるようなことがあってはなりません。

公平性や途上国の視点からは、今回のCOP24の結果は非常に残念な結果だったと言わざるを得ません。

今後さらに重要になってくるのは、各国での取り組み、とくに先進国による国内での温室効果ガスの大幅な削減などの取り組みの強化と、途上国への支援強化です。また、化石燃料プロジェクトや間違った気候変動対策に対する草の根の取り組みもとても重要です。

FoE Japanは、これからも公平性の観点を重視した提言活動、実際に気候変動を加速させている化石燃料プロジェクトに対する草の根の取り組みに尽力していきます。

(小野寺ゆうり・深草亜悠美・高橋英恵)