G20大阪サミット- 気候危機への緊急性に欠けた幕切れ

先週28、29日に大阪でG20サミットが開催されました。気候変動問題も主要議題の一つでしたが、残念ながら前進はなく、むしろ後退したと言っても過言ではありません。

FoE Japanを含む環境団体は、28日、議長国である日本の安倍首相に対し、脱石炭を求めるアクションを大阪市内で敢行。安倍首相に似せたマスクを被ったメンバーが、石炭に依存する姿を演じました。

またサミット開催を前にアジア各国でも日本に対し石炭火力や化石燃料プロジェクトからの撤退を求めるアクションが相次いで行われました。

日本国内でも、現在、石炭火力発電所の建設計画が進められている横須賀や神戸で住民と環境団体による脱石炭アクションが行われました。

フィリピンでのアクション

今回のG20首脳宣言では、アメリカを除く各国が国別貢献(NDCs、各国が定める気候変動対策)を維持またはアップデートすることが確認されました。しかし各国が定めるNDCではパリ協定の1.5℃目標どころか、2℃目標も達成できないことはすでに明白であり、各国のNDC強化に対するより強いコミットメントが求められていたなか、そこまで踏み込んだ文言が盛り込まれなかったことは非常に残念な結果と言わざるを得ません。

さらに米国のパリ協定離脱が、「米国の労働者と納税者に対し不利になる」という理由の下、首脳宣言の中で、改めて確認されました。温室効果ガスの大量排出国であり、歴史的責任の大きい米国がパリ協定から脱退し、気候変動政策を遅らせることは、すでに気候変動の影響を受ける多くの途上国にも大きな影響が生じかねません。

また再生可能エネルギーへの言及がほとんどなく、二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)などを強調している点も問題です。

さらにG20諸国は2009年から化石燃料補助金の撤廃をかかげてきましたが、今回の首脳宣言でも「化石燃料補助金を中期的に合理化し、段階的に廃止する共同のコミットメントを再確認する」という文言にとどまりました。

日々深刻になる気候変動の影響に立ち向かい、これ以上の危機を食い止めるためには、一刻もはやい脱炭素化が必要です。また日本の石炭火力発電所の輸出は気候変動を悪化させるだけでなく、発電所建設現場での人権侵害や土地収奪、住民の生計手段の喪失にも繋がっています

FoE Japanでは今後もアクションや提言を通じ、脱石炭や海外支援のあり方の改善を求めていきます。

(深草亜悠美)

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