要支援者などの屋内退避用施設の3割が土砂災害警戒区域などに~「原発ゼロの会」調査を要請

共同通信が、原発から主に10キロ圏に整備されている17都道府県の257の放射線防護施設のうち、3割近くの69施設が土砂災害警戒区域や浸水想定区域など危険な場所にあることを報じました。各紙に掲載されました。

(東京新聞)原発避難先3割 危険区域 69施設 土砂災害・浸水の恐れ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018072102000274.html

放射線防護施設…原発事故時に避難が難しい高齢者や障害者らが、被ばくのリスクを下げるため一時的に屋内退避する施設。原発から主に10キロ圏にある学校や病院、特別養護老人ホームなどに放射性物質の流入を防ぐフィルター付きの換気設備などを設置する。内閣府の補助金交付は、耐震性があり、津波などの浸水被害を受ける可能性が低いことなどが条件。2016年12月、原則として生命に危険が及ぶ恐れがない地域に立地することが条件に加わった。

この記事の発端は、この記事にもでてくる、超党派の国会議員で構成される「原発ゼロの会」が、今回の豪雨被害を受け、内閣府を呼んで放射線防護施設の安全性についての説明を求めたところ、以下のような一覧表を内閣府が提出したとのことです。同会事務局長の阿部知子衆議院議員の事務所のご了承を得て、シェアさせていただきます。

>放射線防護施設の危険区域の状況(PDFファイル)

原発ゼロの会として、内閣府に以下を要請したそうです。

1.今回の7月豪雨において、放射線防護施設が立地する危険区域で土砂災害や浸水被害を受けたり孤立したりしたケースはないか、また、放射線モニタリングポストの流出や、放射線防護施設へ通ずる避難路や物流経路が被災したケースがないかを詳細に調査し、国民に公開することを求める。

2.豪雨、津波、地震などと複合的に原発事故が起きた場合、土砂災害や浸水からの避難と屋内退避は全く矛盾している。その矛盾した行動を避難弱者やその介助者等に求めるべきではない。従って、放射線防護施設の基準が満たされない限りは、政府として原発の再稼働を認めない制度を確立することを早急に求める。

3.放射線防護施設が危険区域(例えば伊方町では10施設中9施設が危険区域)にある場合、原子力事業者の責任と費用で放射線防護施設が危険区域外に移転が行われるよう義務を付し、移転の協力が放射線防護施設や在所者から得られない場合は、原子力防災の観点から原発再稼働を認めない制度を確立することを求める。

放射線防護施設は、移動が難しい要支援者などが避難させることができないことを前提に屋内退避を行うというものです。しかし、原発災害のときに、屋内退避をしても、救援は何日後になるかわからず、また、介護する人もとどまらざるをえません。そういうことを考えれば、そもそもつじつまあわせの非人道的な想定なのではないかと思います。さらに、土砂災害や浸水被害を受けるような場所に設定すべきではなく、そういう意味で、今回の「ゼロの会」の要請は、とても重要です。

自然災害が激甚化している中、原子力防災も複合災害を前提に考えなければならないのですが、現状はそうはなっていません。というか、複合災害を前提にした実効性ある原子力防災や避難計画は、不可能なのでしょう。であるならば、やはり原発は動かすべきではないという結論になるのではないでしょうか。(満田夏花)

0001

0002

0003

0004

0005
内閣府のページより【放射線防護対策工事の概要】

放射性物質除去フィルターの設置、窓枠部分の強化等の対策を講じます。

 

広告