3・11甲状腺がん子ども基金記者会見~再発または転移による再手術例 「検査縮小すべきでない」

甲状腺がん子ども基金180301FoE Japanも理事に参加する「3・11甲状腺がん子ども基金」は、原発事故後に甲状腺がんと診断された25歳以下の方々に療養費給付を行っています。2016年12月~2018年2月まで、事故当時福島県に居住していた84人、福島県外30人の患者、合計111人に給付を行いました。この福島県84人のうち、がんの再発または転移による再手術した人が8人いることが明らかになりました。この8人の方々の再手術までの期間は最短で1年、最長で4年4か月です(平均は2年4カ月)。

一方、福島県県民健康調査においては、事故当時18歳以下だった子どもたちのうち194人が、甲状腺がんまたは疑いと診断されていますが、「過剰診断によるもの」とする専門家もおり、検査は子どもたちに心身の負担をかけるとして検査を縮小すべきとの根強い意見があります。

本日(3/1)開催された記者会見にて、基金の専務理事の吉田由布子さんは、福島県立医大の鈴木眞一氏の報告や甲状腺専門病院である隈病院の医師らの論文を紹介し、「若年者ほどがんの進行が速いという研究結果もある。過剰診断という見解は、臨床的見地から見直すべき」と述べました。

また、代表理事の崎山比早子さんは、「”過剰診断”という意見に、臨床医は賛成していない。再発が多いというデータも把握されないまま、検討委員会も評価委員会も議論している。検査が縮小されれば、発見が遅れ、また実状把握ができなくなる」と述べました。

福島県外においては、給付対象30人のうち、アイソトープ治療を行った人が11人(福島県内では84人中2人)。発見が遅れたため、重症化したと考えられます。理事の海渡雄一さんは、「福島県だけでやることが間違っている。国の責任で、福島県外でも検査を行うべき」としました。また海渡さんは、2012年当時、公明党・自民党など野党で健康調査についての法案を提出しようとしていたことを紹介。

とはいえ、現在ある「子ども・被災者支援法」でも、事故当時「一定の線量」以上の場所に居住していた人たちには、国の責任での健診の実施が規定されています(第13条)。

「少なくとも、子どもである間に一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住したことがある者(胎児である間にその母が当該地域に居住していた者を含む。)及びこれに準ずる者に係る健康診断については、それらの者の生涯にわたって実施されることとなるよう必要な措置が講ぜられるものとする。」

国はこれを履行すべきでしょう。

(満田夏花)

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