環境問題を一人一人が自分事にする大切さ

約4か月間、FoE Japanでインターンシップをさせていただいた、川口と申します。私は大学で環境学と開発学を専攻しています。大学で学んだ環境分野の知識をより深め、環境NGOが実際にどのような活動をしているのか、どんな仕組みで動いているのか関心があり、インターンに申し込みました。インターンでは、気候変動やエネルギー問題、森林保全など、幅広い分野の活動に携わり、大学での学修が社会の中でどう関わっているのか、知ることが出来ました。また、インターンで様々なトピックに触れたことで、新たに関心を持ったり、より身近に感じられるようになりました。

通常はFoEの事務所で企業への意識調査のための名簿作りやイベントの広報、チラシの折込み作業等、デスクワークを行いました。これらの仕事を通して、活動全体を円滑に進めるために、下準備や段取りはその基盤となる重要なことだと感じました。また、事務所外では、沖縄の基地建設による環境影響の討論会やCOP23のメディアへの事前説明会及び報告会、福島の保養活動「ぽかぽかプロジェクト」、福島原発の放射能による健康被害を主張する裁判に参加しました。実際に現地へ足を運ぶことで、被害を受けている方々の生の声を聞くことができ、また最新の会議報告を知ることが出来ました。特に、「ぽかぽかプロジェクト」への参加は、放射能の影響やエネルギーシフトについてより深く考えるきっかけになりました。放射能汚染について、はっきりした情報がない中で、お母さんたちは未来を担う子どもたちへの影響をとても心配しています。少しでも汚染の少ない地域へ行って、子どもたちを思い切り遊ばせたい、安全な食材を使った料理を食べさせたい、と願うお母さんたちの思いを伺い、福島を取り巻く状況が原発事故以降、激変してしまったことを痛感しました。また、福島の住民だというだけで、差別を受けることがあると知り、胸が痛みました。このプロジェクトは、複数の企業や団体の協力を得て成り立ち、お母さんたちはそのことにとても感謝していることがアンケートから読み取れました。FoEも含めて様々な方向から協力することで、プロジェクトがより豊かに、活発になることを学びました。


国際的な環境枠組みであるCOPについては、大学で学んでいたこともあり、ボン会議の報告会はとても興味深かったです。環境に対する世界的な動きの中で、日本はどうあるべきなのか、考えることが出来ました。国としてパリ協定を意識した政策を行うのはもちろんのこと、民間団体や企業などのプライベートセクターの取り組みもこれからさらに重要になってくるのではないかと思いました。

インターンを振り返って、環境に関する知識が増えただけでなく、様々な分野から沢山の人が携わり、一つのプロジェクトが成立していることを学びました。また、環境分野の課題は規模が大きく、複数の要因が絡み合い、長期にわたるため、地域、国、世界、それぞれのレベルで対策が必要であり、地球市民一人ひとりが自分たちの問題として考えていかなければならないと感じました。そのために、環境NGOは、環境政策提言や環境被害を訴える市民のサポート、啓発活動などをメインに取り組んでいることを知りました。スタッフの方々の熱い思いに尊敬の念を抱きながら、とても学びの多い4か月間でした。ありがとうございました!

【蘇我】千葉市長にむけて計画中止を求める署名を集めます

(こちらの記事は石炭火力を考える東京湾の会のブログからの転載です。)
(仮称)蘇我火力発電所建設予定地についてはこちら

IMG_3213 (1)蘇我石炭火力発電所計画を考える会は、千葉市長宛に、(仮称)蘇我火力発電所建設計画の中止を事業者に働き掛けることを求める署名を開始しました。提出締め切りは3月31日(土)、千葉県以外の方も署名ができます。所定の用紙をプリントアウトして署名していただき、期日までに以下の住所にお送りください。

署名用紙のPDFはこちら

提出先:蘇我石炭火力発電所計画を考える会
〒260-0013 千葉市中央区中央3-13-17

☎℡ 090-7941-7655(小西)

提出締め切り:2018年3月31日(土)


署名文

千葉市長 熊谷俊人様

(仮称)蘇我火力発電所建設計画の中止を事業者に働き掛けることを求める署名

千葉市中央区川崎町1番町(JFEスチール(株)東日本製鉄所(千葉地区)構内)に石炭火力発電所(出力107万kW、事業主体は千葉パワー株式会社)の建設が計画されています。石炭火力発電所は、多量の二酸化炭素を排出するだけでなく、窒素酸化物や硫黄酸化物、さらには水銀等重金属などの大気汚染物質が排出され、海域や河川には温排水による影響も懸念されます。

建設予定地の千葉市中央区蘇我地区では、長い間製鉄所からの大気汚染物質により喘息(ぜんそく)などの健康被害で多くの市民が苦しんできており、1975年、「子どもたちに青空を」求めて地域住民と市民が提訴した「あおぞら裁判」は、いまだ市民の記憶にも鮮明に残っています。

現在でもばいじんや粉じんによる被害が千葉市役所や事業者への苦情となっており、郊外は解決されておりません。さらに環境負荷の大きい石炭火力発電所が建設されることは地域住民にとって到底受け入れられるものではありません。

地球温暖化防止の視点からも、また市民の健康を守るためにも、石炭火力発電所の建設計画の中止を事業者に働きかけるよう強く求めます。