高江ヘリパッド建設をめぐる防衛省・警察庁交渉報告(9/29)

9月29日に、高江ヘリパッド建設をめぐり、防衛省と警察庁との交渉を開催しました。沖縄から、沖縄平和市民連絡会の北上田毅さん、抗議運動の見守りを続けている小口幸人弁護士が駆けつけました。

市民らをロープで縛って拘束

前日の9月28日、市民らが訓練場内の斜面で抗議行動していた際、警察機動隊員らが工事用ロープで市民らの胴体を縛って拘束し、引き上げ、この際、一人が足をひねり、腰をうって救急搬送されるという許しがたい事件が発生しました。

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/64204

これは、身体の自由を奪うというもっとも深刻な人権侵害であり、特別公務員職権濫用罪に該当するかもしれない行為です。交渉の冒頭に、主催者からこの事件について厳重抗議。

iwj160929

>IWJによる記事および動画はこちら

小口弁護士が警察がこのような行為ができる根拠法は何かと追及すると、警察庁側は「沖縄県警察に確認したところ、北部訓練場のヘリパッドが建設される地区の斜面において、抗議市民が座り込んでいるという状況の中で、ロープは命綱として使ったとのこと。必要な警備措置、現場の安全確保という形で行ったと聞いている」と回答。

警察によるこの行為により、あざがついたり、けが人がでているのに、「安全確保」とは詭弁もはなはだしいものがあります。

小口弁護士からは、特別公務員職権濫用罪として捜査をしないのか、また、北部訓練場の区域内で、警察が警察権を発動するために、米軍との間でどのような合意がなされたのかと問いただしました。警察庁側は「沖縄県警が適切に対応する」「把握していない」とのみ回答しました。

自衛隊ヘリ出動~許可証なし「後日郵送」

防衛省との交渉では、再び9月13日の自衛隊ヘリによる工事用資機材の輸送の違法性が問題となりました。この自衛隊ヘリが自衛隊法に基づかないことは、前回の9月15日の交渉ですでに確認ずみですが、今回の交渉では、それでは航空法に基づく許認可を得ていたのか、ということが問題になりました。

交渉では、実際にヘリが飛んだ9月13日の時点では、電話による口頭伝達のみで許可証がでていなかったことが明らかになりました。

また、福島みずほ参議院議員事務所が確認したところによると、奇妙なことに、許可証は申請書が出される前に交付されたようです。

A:許可証の流れ
①9月14日(水)大阪航空局が近畿中部防衛局に許可証を交付
②同日近畿中部防衛局が防衛省本省に郵送(投函)
③9月15日(木)防衛省本省に配達される
B:申請書の流れ
④9月16日(金)防衛省本省が近畿中部防衛局に申請書を郵送
⑤9月20日(月)近畿中部防衛局が届いていることを確認(土日をはさんだため)
⑥同日中に近畿中部防衛局が大阪航空局に持参

高江では、「工事を年内に終わらせる」という至上命題に向け、防衛局や警察により数々の違法行為・脱法行為が行われていますが、今回の自衛隊ヘリ出動は、自衛隊法にも航空法にも反しており、事後的に、つじつま合わせの申請と許可が行われたものと考えられます。

やんばるの森破壊する工事用道路

防衛省との交渉では、そのほか、以下の点について、北上田毅さんが問いただしました。

・防衛局は9月1日、沖縄森林管理署に国有林野の現状変更、立木伐採の協議書を提出し、同森林管理署は同月12日同意。しかしこれらの文書では、道路延長:1,409m、道路幅員:3.0m、伐採幅:4.0mとされているにもかかわらず、現地の道路幅はほぼ4m前後あり、伐採幅も5.0m~6.0mほどに及んでいる。

・沖縄防衛局が本年7月11日、沖縄県に提出した「環境影響評価検討図書」では、工事用モノレールについて、「下草刈りを行う程度で、地表面の直接改変はない」「撤去後は支柱痕は埋め戻す」など、「自然環境への影響は最小限となるよう配慮する」としていた。しかし、防衛局は工事用モノレールを止め、森林を大きく伐採して工事用道路を造成しています。

防衛省は、「環境への影響は評価している」としましたが、工法の変更により修正した「環境影響評価検討図書」は、いまだに公開されていません。

%e9%ab%98%e6%b1%9f%e9%81%93%e8%b7%af%e5%b7%a5%e4%ba%8b%e5%9c%b0%e5%9b%b3%e5%86%99%e7%9c%9fjpeg

やんばるの森を破壊する工事用道路(北上田毅さん資料より)

警察法は形骸化

警察庁との交渉は、高江で行われている機動隊の行動が、警察法第二条第二項に反している問題になりました。

 「不偏不党かつ公正中立を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利および自由の干渉にわたる等その権限を乱用することがあってはならない」

小口弁護士が、警察が工事用の車両を通すために、一般車両を通行止めにしている実態を、実際に映像をみせながら問いただしました。小口弁護士は、工事を進めたい防衛局と工事を止めようとする市民の衝突をさえるためには、市民を排除するという手段と、防衛局側を止めるという手段が二つあるのに、警察が常に市民を排除することをしていないのは、「不偏不党」でも「公正中立」でもないことを指摘。しかし、警察庁側は、「実際に工事用車両が通るときに、衝突が起きないように、市民側の車両を規制した」というような説明を繰り返すだけで、「沖縄県警が適切に対処していることを確認している」と述べました。

FoE Japanは、今後とも、現地の住民たちとも協力しながら、やんばるの森と住民のくらしを守るために、高江におけるヘリパッド建設に反対していきます。

高江ヘリパッド建設をめぐる防衛省・環境省・警察庁交渉(2016/8/22)
高江ヘリパッド建設における自衛隊ヘリ使用をめぐる防衛省交渉(2016/9/15)

 

広告