311シンポジウム 福島を忘れない(その②)

こんにちは、スタッフの深草です。前回につづき、3月11日のシンポジウムのレポートをお届けします。

第二部はチェルノブイリがテーマでした。1986年に起きたチェルノブイリ原発事故。当時旧ソ連、現在はウクライナに位置するチェルノブイリでおきた事故で周辺のみならずヨーロッパの国々が広く汚染されました。

2部の最初に、チェルノブイリ子ども基金の佐々木真理さんから発表がありました。

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チェルノブイリ子ども基金は、フォトジャーナリストの広河隆一氏がチェルノブイリ取材の中で病気の子どもをもつ母親たちの呼びかけを受け募金活動を始めたのがきっかけで、1991年4月に設立されました。
佐々木さんからは、被災地の子どもたちは現在も甲状腺ガン・白血病・脳腫瘍などの病気にくるしんでいることや、実際にチェルノブイリ子ども基金がおこなっている支援の様子や現状を語っていただきました。

 

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吉田由布子さんからは、チェルノブイリ事故後できた「チェルノブイリ法」について紹介があり、日本との状況の比較等についても話されました。チェルノブイリ法には汚染地や被災者の定義が含まれています。土壌の汚染の度合いや、その人の立場(原発労働者なのか汚染地域出身の人なのか)により支援なども決められていました。日本は、内閣府原子力被災者支援チームがチェルノブイリ事故後の旧ソ連3カ国のさまざまな対策を調べ、参考にすべき点をあげていたそうです。ですが、それらは日本の政策に生かされていません。吉田さんからは、チェルノブイリ法において国の責任として規定されている「原発事故後の市民の社会
的保護」の考え方に学び、福島原発事故により様々なリスクの増加を被っている市民(住民及び労働者)への国・東電の責任や施策について、再び問い直す時期に来ているのではないでしょうか、と提起がありました。

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私、深草からは昨年訪れたベラルーシで見た事、感じた事を報告しました。
チェルノブイリ原発は、現在のウクライナ領の中にあるので、ウクライナが注目されがちですが、事故当時放出された放射性物質の約7割が現在のベラルーシ側に降り注いだと言われています。
ベラルーシでは、同じ大統領が独立当時から5期連続で地位に居座っている事、言論の自由が限られているなど、そういった政治的な状況から市民活動が抑圧されている現実を目にしました。
ですが、その中でも子どもたちを守ろうとする大人の活動や、若い世代がチェルノブイリの事や再生可能エネルギーの事等を学び未来を作っていこうとする姿にもふれました。
ベラルーシ視察の詳細な内容はブックレットにまとめています→「ベラルーシ報告書 みらいへのかけはし」

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最後にFoEドイツ(BUND)の代表である、フーベルト・ヴァイガー氏からドイツがどのように脱原発を達成したのか、チェルノブイリ原発事故がドイツに与えた影響などの報告があり、また脱原発にむけて国際連携の大切さについて触れていました。

次に続く。

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緊急抗議!バタン石炭火力への融資はやめて Urgent call for action #StopBatangCoal

English is below

スタッフの深草です。前回のブログ記事でもお伝えしていますが、インドネシアですすめられているバタン石炭火力発電所計画では、人権侵害含む様々な問題が発生しています。(詳しくはこちら

そんな中、日本の国際協力銀行は、バタン石炭火力発電への融資を検討。気候変動対策の観点からも石炭火力への投資は問題視されている中、そして現地では土地収用等をめぐって人権侵害などが発生している中、融資を決めてしまう事は様々な面で問題です。

これをうけ、バタン石炭火発事業に対する日本の公的融資供与の拒否を求める緊急要請書の提出と抗議アクションを行う事になりました。

アクションは安倍首相が核セキュリティサミットで訪問中であるアメリカ、日本、そしてインドネシアで行われます。是非拡散・シェアをお願いします!

【アクションへの参加方法】
1. JBIC前の抗議に参加する
2016年4月1日8:15頃にJBIC前(最寄り:竹橋駅)で抗議を行います。是非現地にお越し下さい。

2. Twitterアクションに参加する
「バタンへの融資やめて!」「気候変動や人権侵害への投資はやめて!」などのメッセージを書いた紙を持って写真をとってTwitterや、フェイスブックなどのSNSに投稿してください。その時#StopBatangCoalのハッシュタグを忘れずに。

投稿例
①バタン石炭火力発電への融資はやめてください!#StopBatangCoal @Kantei @AbeShinzo
②バタン石炭火力発電所計画における人権侵害を無視しないで!#StopBatangCaol @Kantei @AbeShinzo
③石炭火力への融資はやめて!#NoCoalGoGreen #StopBatangCoal

など。

【問い合わせ先】
担当:波多江(hatae@foejapan.org)

【English】
As FoE Japan and other NGOs have reported before, there have been human rights violations around the Batang Coal Fired plant project sites.

The project proponents and the Indonesian government have failed to implement the appropriate environmental and social considerations according to the JBIC Guidelines. Hence, the Japanese government and JBIC must immediately urge the project proponents to ensure free access to the unsold farmland, to prevent any unnecessary conflict and so that the farmers can maintain their livelihoods.

Local communities in Indonesia have been subject to violence, intimidation, and human rights violations. The same is true around the world: March 2016 has witnessed the murder of environmental defenders Berta Caceres and Nelson Garcia in Honduras, and Sikhosiphi Rhadebe in South Africa. On the occasion of Prime Minister Abe’s state visit to the United States, the international community strongly asserts that intimidation and murder of local communities is unacceptable. Japan and JBIC risk enabling this behaviour if they were to move forward with financing for Batang.

The JBIC Guidelines encourage JBIC to deny financing for a project where a project proponent fails to undertake appropriate environmental and social considerations. Since clear violations of the Guidelines have occurred at Batang, JBIC should reject financing for the project ahead of the financial closure deadline for the project on April 6, 2016.

The Japanese government must refuse financing not just for the Batang coal project, but all coal projects in order to avoid the worst impacts of climate change. As the leader of the G7, Japan must end its financing for coal projects and shift toward clean and sustainable renewable projects that will increase access to electricity without polluting local air and water or contributing to climate change. We appreciate your consideration of our concerns and hope the Japanese government will choose to end its financing for domestic and international coal projects.

> Read the whole statement Here

【Join our Stop Batang Coal week of action March 31 –April 5:】

★Come join our protest in front of JBIC building
★Date: 2016.4.1 8:15AM
★Venue: JBIC (map)
For Further information, contact hatae@foejapan.org or +81-3-6909-5983

OR Take Action from your computer, phone or tablet!

1) Take a photo of yourself holding a sign saying either
“Japan: Stop Financing Coal!”, “Japan: Stop the Batang coal plant! Or “Prime Minister Abe: Don’t fund human rights abuses & climate disruption!” Include your name and location (e.g. Jenny, Brooklyn, NY, USA).

2) Post your selfie photo to Twitter and/or Instagram and add it to our event’s Facebook page here. Be sure to include the hashtags #StopBatangCoal

See sample photos below and printable signs in Word, PDF [include link to print out sign]. On Twitter include @kantei and @AbeShinzo. On Facebook include @ShinzōAbe. If you do not have, Instagram, Twitter and Facebook, just email us your photo (watch the file size, please), and we will post it.

3) After you post, email a link to us at jbock@foe.org.

 

No Nukes Day!に3万5千人

こんにちは。ブログ担当化しつつあるスタッフ深草です。
3月26日にNo Nukes Dayが東京・代々木公園であり、主催者発表で3万5千人が集まりました。
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FoE Japanは、eshiftパワーシフトキャンペーンでブースを出し、キャンペーンのアピールやグッズ販売を行いました。

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eシフトのブースでは、ブックレットの販売を中心に行いました。
原発事故避難者の権利についてや、原子力規制委員会の問題点についてわかりやすくまとめたeシフトのブックレットシリーズは通販も行っておりますので、是非チェックしてください
私の最近のおすすめは、ブックレット最新版「原発の安全性を保証しない原子力規制委員会と新規制基準」です。

パワーシフトブースでは、パワーシフト宣言集め、パワーシフトキャンペーンの紹介、パワーシフトな企業をいくつか紹介しました。石炭火力にNoアクションチラシも配布しました。
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ブース運営には学生インターンさんにお手伝いしてもらいました。
来月はアースデーがあります!
そちらでもパワーシフトのブースを出すので、ボランティアなどに興味がある方は是非ご連絡ください。

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311シンポジウム 福島を忘れない(その①)

こんにちは。スタッフの深草です。
今年2016年は2011年福島第一原発事故からちょうど5年、そしてチェルノブイリ原発事故から30年の節目に当たります。FoE Japanは震災以降、福島支援・脱原発に力を入れてきましたが、この5年で起きた事、今の課題、そして向かうべき未来を見据えてシンポジウムを開催しました。

震災から5年経ちますが、以前原発事故の収束からは遠く、被害者の現状は厳しいと言えます。
そして、避難計画の策定も実質中身のないまますすめられる原発再稼動…
シンポジウムでは福島でがんばるお母さんや、避難した方、長年チェルノブイリ原発被災者を支援する方や海外の活動家、様々なゲストにお越し頂きました。

会場も満員で、資料がなかなか行き渡らなかった方々、立ち見になってしまった方々には大変ご迷惑をおかけ致しました。この場をお借りしてお詫び申しあげます。
資料はこちらに掲載しています。

シンポジウムの様子はUPLANさんが録画してくださいましたので、こちらからご覧頂けます。
>【前半】<第1部>福島 <第2部>チェルノブイリ
https://www.youtube.com/watch?v=R1gLtdAX1xE
>【後半】<第3部>今、必要なこと
https://www.youtube.com/watch?v=aCF-T4nPZ0E

また、五年目に当たり、FoEJapanでは国際声明を発表。
19カ国85団体から賛同を頂きました。
>国際声明「核の脅威のない未来に向かって」

シンポジウムの第一部では福島の方々にお話を頂きました。

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最初に、飯館村の元酪農家長谷川健一さんにご登壇いただきました。長谷川さんは、震災後の初動対応について説明。「放射能について何も心配ない」と説明をうけ、避難された方が戻って来た経緯がありました。ですが、その後、計画的避難区域となります。
原発事故と避難をきっかけに、自殺を選んだ農家の方や高齢者の方がいたこと、今も多くの人々がストレスを抱えている事を話されました。家族皆で暮らしたいと思いながらもその難しさを感じていると長谷川さん。この現状を打破するために、声を上げつづけなくては行けないと、しめくくりました。

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次に福島から京都に避難されている宇野さえこさんです。宇野さんは避難者の権利を求める、全国的な運動を行われています。現在、福島県の避難者は9万8千人とされていますが、自主避難(区域外避難者)の数は正確に把握されていません。来年三月には区域外避難者への住宅支援は打ち切られてしまいますが、弱い立場にいる避難者の人達の命綱を切ることであると話されました。帰宅困難区域の解除も進んでいます。
これからも続くであろう災害の最初の5年でどんどん支援が打ち切られている状況は、今後の先行きの暗さをあらわしています。また、避難者同士の溝、支援の差、様々な社会的な問題も指摘されました。

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押山さんは、福島市でくらす3児のお母さんです。押山さんは、避けられたかもしれない被曝に対する無念の思いと、甲状腺がんへの不安を持っていることを話し、回りのお母さんや人々の間にある、放射能への意識や考え方のちがいで、傷つく事もあると話されていました。「私の中での311は5年経ってもかわりありません」と言葉を詰まらせていました。

(続く)

インドネシア・バタン石炭火力発電事業でおきている人権侵害に関し、緊急要請書を提出

スタッフの深草です。FoE Japan・開発金融と環境プログラムでは、公的資金で支援されたプロジェクトが現地の環境や社会に負の影響をもたらすことがないよう、調査や政策提言を行っています。

現在もいくつかのプロジェクトをFoEスタッフがモニタリングしていますが、インドネシアのバタン石炭火力発電所事業をめぐって、人権侵害の問題が深刻になっています。現地からの報告をお伝えします。

バタンの発電事業を巡っては、日本の国際協力銀行(JBIC)が融資を検討中。JBICが環境社会面の現地調査を実施した直後に、事業者による新たな人権侵害が起きていました。その大変憂慮すべき事態をうけ、 3月7日、日本のNGO4団体(国際環境NGO FoE Japan、インドネシア民主化支援ネットワーク(NINDJA)、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、気候ネットワーク)から日本政府・JBICに対し、早急な事実確認としかるべき対応を求める緊急要請書を提出しました。

同事業については、農業、漁業など生計手段への影響やさまざまな人権侵害を懸念する地元住民が昨年7月にJBICへの異議申立てを行ない、JBICに融資を拒否するよう求めていました。

その後、JBICは「JBIC環境社会配慮ガイドライン」に則った適切な環境社会配慮が行われているか確認作業を続けており、3月初めにも現地調査を実施。異議申立てを行なった住民らとも会合を行ないました。同会合では、住民からさまざまな人権侵害、未売却の農地へのアクセス・灌漑への影響、すでに起きている生計手段の喪失などが報告されるとともに、JBICに対し、改めて融資拒否を求める要請書も提出されました。

しかし、そのJBICと住民間の会合から間もない3月4日、事業者側は未売却の農地へのアクセスを完全に遮断し始めました。事業予定地では土地の売却を拒否している約60名の農民らが、依然として耕作を続けており、収穫期を控えている農地も多くありますが、今回の農地へのアクセスの完全な遮断は、農民に収穫もさせず、農地から締め出そうとする事業者側の新たな脅迫・強制行為に他なりません。

同事業の融資調達期限が4月6日に迫っているなか、事業者側のJBICガイドラインに則った適切な環境社会配慮を実行しようという意思、ひいては、人権に配慮しながら問題解決を図っていこうという意思が明らかに欠如しているような事業に対し、融資拒否という賢明な判断をとることがJBICに求められています。
以下、NGOからの要請書です。

>PDFはこちら
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2016年3月7日

内閣総理大臣 安倍 晋三 様
財務大臣 麻生 太郎 様
国際協力銀行 代表取締役総裁 渡辺 博史 様

インドネシア・中ジャワ州バタン石炭火力発電事業
JBIC現地調査直後に起きている人権侵害に係る緊急要請

現在、国際協力銀行(JBIC)が融資を検討中の「インドネシア・中ジャワ州バタン石炭火力発電事業」について、JBICは『環境社会配慮確認のためのJBICガイドライン』(以下、ガイドライン)に基づく環境レビューの一環として、2016年3月1日に同事業に反対する住民らとの面談を実施されました。同面談では、住民からさまざまな人権侵害の報告がなされたため、JBICが事業者に事実関係を確認し、人権配慮とガイドラインに則った適切な対応を求めるものと私たちは期待しておりました。ところが、JBICが帰国した直後に、未売却の農地へのアクセスを巡り、現場で新たな人権侵害が起きていることが明らかになりました。具体的には、以下のような問題です。

これまで、未売却の農地への自由なアクセスが制限されている、あるいは、通常とは異なるルートで遠く迂回して農地に行く必要があったものの、事業者によって事業予定地周辺に張り巡らされたフェンスの数箇所が開放されていることで、曲りなりにも通行可能な状態にはなっていました。

しかし、現地住民からNGOに寄せられた情報によれば、JBICが反対派住民と面談して間もない同年3月4日から、開放されていた箇所についても事業者側がフェンスを設置し、未売却の農地へのアクセスを完全に遮断する作業を始めたとのことです。また、同作業に伴い、農作物の一部が踏みつけられたり、土で埋められるなどの被害も出ているとのことです。同作業の現場には、事業者の警備要員、警官等が同行し、農民は抗議しようにも為す術がない状況に晒されています。

事業予定地では土地の売却を拒否している約60名の農民らが、依然として耕作を続けており、収穫期を控えている農地も多くあります。彼らは、上記3月1日の面談のなかで、事業者による生計手段の回復措置は効果的でないという考えを示しており、土地の売却にも補償措置にも合意せず、今後も農民として生活を継続していく堅い決意を示していました。また、農地へのアクセスや水供給の制限が、地権者に精神的なプレッシャーをかけて土地を売却させようとする事業者側の脅迫・強制行為の一つであるとも説明していました。今回のような農地へのアクセスの完全な遮断は、農民に収穫もさせず、農地から締め出そうとする事業者側の新たな脅迫・強制行為です。

しがたって、私たちは、以下のとおり、日本政府・JBICに緊急要請をさせていただきます。
(i) 3月1日の反対派住民との面談後、JBICが未売却地へのアクセスについて、事業者に確認した内容、および、事業者に求めた対応について明らかにすること。
(ii) 3月4日から事業者側が未売却地へのアクセスを完全に遮断する作業を行なっているという住民からの報告について、早急に現場での事実確認を行ない、農地への自由なアクセスの確保や被害を受けた農作物に対する補償等、しかるべき対応を事業者に求めること。事実確認は、事業者を通じてのみではなく、JBIC自身、もしくは、第三者を通じても行なうこと。

同事業については、これまでにもさまざまな人権侵害が指摘され、改善が求められてきましたが、今回のように、JBICの現地視察直後においても、事業者が地権者・農民の人権を尊重するどころか、人権侵害を繰り返し、かえって事態が悪化している状況は大変憂慮すべき事態であると考えます。このように事業者やインドネシア政府側に、JBICガイドラインに則った適切な環境社会配慮を実行しようという意思、ひいては、人権に配慮しながら問題解決を図っていこうという意思が明らかに欠如しているような事業に対し、巨額の私たちの公的資金が投じられるべきではありません。

JBICガイドラインでは、「環境レビューの結果、適切な環境社会配慮が確保されないと判断した場合は、適切な環境社会配慮がなされるよう、借入人を通じ、プロジェクト実施主体者に働きかける。適切な環境社会配慮がなされない場合には、融資等を実施しないこともありうる。」と規定されています。現在、同事業の融資調達期限が4月6日に迫っておりますが、ガイドラインの同規定にもあるとおり、環境レビューの結果を融資の意思決定に反映し、同事業への融資拒否という賢明な判断をとっていただけますようJBICに要請致します。

以上

国際環境NGO FoE Japan
インドネシア民主化支援ネットワーク(NINDJA)
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
気候ネットワーク

Cc: 伊藤忠商事株式会社 代表取締役社長 岡藤 正広 様
電源開発株式会社(J-POWER) 取締役会長 前田 泰生 様
電源開発株式会社(J-POWER) 取締役社長 北村 雅良 様
株式会社三井住友銀行 取締役会長 北山 禎介様
株式会社みずほ銀行 取締役頭取 林 信秀様
株式会社三菱東京UFJ銀行 頭取 平野 信行 様
(以上)

>バタン石炭火力発電事業の詳細については、こちら

電力EXPOに行って来ました

ボランティアの鈴木です。電力EXPO初日に行ってきました。
(写真はFoE吉田さん、グリーンピースの柏木さんの「商談」風景)

全く知らなかった愛知電力(従業員16名)に出会いました。
写真の若い社長が起業の動機を
「あの3.11を目の当たりにして、原発は普通に考えておかしい」
と語るのを3人で聞き、足を運んでよかったと思いました。

展示会は効率よく、人に会い、最新の知識を得られる場です。

愛知電力 上本社長水戸電力 岡野部長

COP21報告会 Climte Justice Now!

スタッフの深草です。先週2月18日に Climate Justice Now! パリ合意で気候と人々の生活は守られるのか?を東京で開催しました。ウェブサイトに資料も掲載しています。

昨年2015年12月にパリ協定が合意され、ポスト京都の新しい法的枠組みが生まれました。
このパリ協定や気候変動を巡る動きなどについて、東北大学の明日香寿川先生とFoE小野寺ゆうりから気候の公平性や気候の正義という観点から報告がありました。私からはフィリピンで調査した気候変動影響による損失と被害の様子を報告しました。動く→動かすの稲場雅紀さんからはSDGsとCOPの関わりや、SDGsの最新情報について報告がありました。

Climate Justice (気候の公平性)とは、先進国に暮らす人々が化石燃料を大量消費してきたことで引き起こした気候変動への責任を果たし、すべての人々の暮らしと生態系の尊さを重視した取り組みを行う事によって、化石燃料をこれまであまり使ってこなかった途上国の方が被害を被っている不公平さを正していこうという考え方です。

気候の公平性の観点から、今回のパリ合意が人々や気候を守る事ができるのか?
今回パリ協定において、気候変動の影響、いわゆる「損失と被害(loss and damage)」については、独立した条項が設けられました。気候変動による損失や被害そのものは認められたものの、その損失や被害に対する’補償’に関しては、協定内には盛り込まれませんでした。その背景にはアメリカの強固な反対があり、決定文(合意文の方とはちがい法的拘束力はない)の中では「この協定が損失と被害に対し、補償の根拠になるものではない」と付け加えられました。ただし決定文の中の話なので、今後の交渉によってはかわっていく可能性があります。

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明日香先生は、パリ合意は残念ながら「自主的」な取り組みにまかされた部分が多いが、ビジネスや司法へのインパクトは大きいと評価されていました。
興味深かったのは、気候変動による被害によって生じている人権侵害が訴訟に発展し、実際に勝訴しているケースもあるという事です(例えばオランダの市民団体が温室効果ガスの削減目標が低すぎるということでオランダ政府を訴えたケース。一審で市民側が勝訴し、政府は上告しているそう)。こういったケースが増えてくると、今後気候変動と訴訟リスクといった観点の補償の議論もすすむかもしれません。
ビジネスにおいては、ここ数年化石燃料関連に投資されていたお金からを撤退させる(ダイベストメント)が進んでいます。たとえば、ノルウェーやオランダの政府年金基金はダイベストメントに賛同して化石燃料セクターへの投資からの撤退を表明しています。年金基金だけでなく、大学や保険会社、銀行もダイベストメントに賛同するところが増えています。

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FoE小野寺から、パリ合意にいたるプロセスにおいてもアメリカの意向が大きく反映されたものであったと報告がありました。アメリカの合意は不可欠ですが、米国議会で拒否されてはアメリカの参加がなくなってしまいます。ということで、議会に否決裁決させないような合意内容にするため、という名目で駆け引きがあったようです。
二国間クレジットや炭素取引のスキームがパリにも引き継がれていることに注意が必要だという指摘もありました。このままでは、日本の原発や高効率石炭火力が’温室効果ガス削減に役立つ’として、クレジットのために輸出されてしまう可能性がありますので、要注意です。
さらに過去には、バイオエネルギーのために穀物用農地をエネルギー用に転換したことから、穀物価格が高騰し、食糧安全保障が脅かされるという事態にも発展しています。

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私からは昨年行ったフィリピン調査の報告を行いました。
フィリピンではカテゴリー4や5(5はスーパー台風とも呼ばれ、家屋が倒壊したり甚大な被害がでるレベル。4も浸水や家屋被害などがでる威力の強い台風です)の台風が増えており、繰り返し被害を受けるので、なかなか回復できず貧困の連鎖から抜け出せない人も多くいます。
たとえば、2013年にフィリピンを襲った台風ハイヤンですが、その時に家を失った人がいまだに仮住まいにすんでいたり、住宅補償や生活手段再建の支援がない状態にあります。(詳しくはこちらで報告しています)

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動く→動かすの稲場さんからはSDGs(持続可能な開発目標)の話がありました。
SDGsもパリ協定と同じ2015年に国連で採択されました。これまでのMDGs(ミレニアム開発目標)にかわる新たな枠組みです。持続可能な社会にむけて17の大きなゴールを定めています。
17の目標のうち、目標13が「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策をとる」です。基本的に気候変動問題はUNFCCC-COP(国連気候変動枠組条約締約国会議。所謂COP21パリ会議など。)の場で決められるので、SDGsにおいて気候変動に対して何か具体的に決まったりする事はありません。
SDGsの主題は「我々の世界を変革する Transforming our world」でした。
印象的だったのは、SDGsでスローガンであった’leave no one behind(誰も取り残さない)’が裏を返せば自分が取り残されないために、このままじゃ自分が取り残されるという方向で推進力にもなっているという話でした。これでは自国中心・競争原理から抜け出せていない、変革にはつながりません。稲場さんのまとめの中で「SDGsをオルタナティブとして、国レベルでの格差と貧困の解消、誰も取り残さない原則にこだわる」必要性と、オルタナティブ思考の市民社会を構築する必要性があげられました。市民社会の重要性は確かですが、強固な市民社会を構築するためにはNGOの役割が重要になってくるのではないでしょうか。

会場の方に回答していただいたアンケートをみると「FoEの見方は悲観的すぎる」「代替案の提示にかけるのでは」といった意見を頂きました。確かにそうかもしれません…COP21やパリ合意に対しFoEグループは厳しい見方をしています。ただ、合意が結ばれたことで完全に満足している環境団体や活動家はいないのではないかというのも私の実感です。協定の細部を検証し、評価出来る点はのばし、不十分な点は変えていく必要があります。気候変動の被害を被って来た人々が補償されるような仕組みづくりの為には政策提言や、被害の可視化といった活動を続ける必要があると感じます。

ただし、明日香さんのお話にもあったように、ビジネスや金融セクターの中で、気候変動をリスクとして捕らえる動きは確実にあるように思います。
パリ協定は始まりにすぎません。

(文責:スタッフ深草)