FoEインターン・ボランティアの日常(5)

こんにちは、ボランティアの斉藤です。

さて、今回はFoEと市民の皆さんの交流がどのように行われるのか紹介します。

最近僕がお手伝いを兼ねて見学に行ったのは、「カーボンオフセットは本当にエコ?」というFoE主催のセミナーです。そのセミナーでは、スタッフの小野寺さん、三柴さん、満田さん、柳井さんが、二酸化炭素排出削減のための国際的な枠組みで日本が参加しているものを紹介し、そのような枠組みにどのような問題点があるのかなどを解説してくれました。

スタッフの発表の後に、映像作家の中井信介さんがFoEと共同制作した「忍び寄る原発~福島の苦悩をベトナムへ送るのか?~」も上映され、中井さんとの質疑応答がありました。このような活動報告の場を通して、環境に興味がある市民の人たちと交流をするのです。

セミナーだけでなく、3月に日比谷公園で行われたピースオンアースや、4月に代々木公園で開催されたアースデイなどのイベントにもブースを出展することを通して、FoEの活動を紹介し、訪れた市民の人たちとの交流も進めていきます。僕は、ピースオンアースとアースデイの両方のイベントのお手伝いをしました。

ブースを訪れた市民の人に「ぽかぽかプロジェクト」や「水Do!」のことを説明し、チラシを渡して寄付や活動への参加を呼びかけました。時々、FoEの活動に大いに関心を示してくれたり、自分自身の意見や活動を話してくれる市民の人たちもいて、そういう人たちとはじっくり話し合うことができました。また、休憩時間内に会場をぶらぶら歩くことで、FoE以外の環境団体がどのような活動をしているのかも見学することができ、とても勉強になりました。

また、このようなイベントのお手伝いをすると、自分とは業種や年齢の違う他のボランティアさんと会って話ができるので、とても楽しいです。みなさんも、一度イベントのボランティアを試してみて下さい。思いがけない出会いや刺激を得ることができます。

次回で僕のブログは最終回です。FoEでのボランティアを通して、人間として、社会学者として、自分がどのように成長できたのかを簡単に紹介したいと思います。

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FoEインターン・ボランティアの日常(4)

こんにちは、ボランティアの斉藤です。

さて、今回は「政府交渉」の様子を紹介したいと思います。

「政府交渉」は、国会議員に直接働きかける「ロビー活動」とは違います。政府交渉の相手は、官僚の人たちです。建前は「政治主導」になっても、官僚の力がまだまだ強いのが実情なので、官僚に直接働きかけるための場が必要になるのです。

院内集会と同じように、政府交渉も議員会館の中で行われます。文部科学省や保安院などの関係省庁の代表者が、市民からの質問や要望に答えていきます。福島原発事故以降、FoEや他の市民団体は、「子ども20ミリシーベルト問題」、「原発事故原因」など、様々なトピックに関して政府交渉を行ってきました。

スタッフの満田さんは、市民の代表として交渉を進めることが多いです。準備された資料をもとに、満田さんや他の市民代表が鋭い質問をしていきます。「子どもに年間20ミリシーベルトの被ばくを強いるのは、国際的な基準や日本の法律に照らしてもおかしいのではないか」、「どうして、異なる地域で避難基準が違うのか」、「データをもとにすると、地震で放射能漏れが始まった可能性を否定することはできないのではないか」、などなど。

それに対して官僚の人たちは、現行の政策や方針を維持することに全力を注ぎます。2時間近く交渉しても、官僚の人たちから引き出せる言質は、「次の交渉までに、現在の見解・政策を再検討してきます」というような微々たるものであることが多いです。このような交渉を積み重ねて、政策や方針がやっと少しずつ変わっていくのです。

僕が社会学者として冷静に見ていても、政府交渉で発言に説得力があるのは、官僚よりもNGOと市民の人たちの方です。それでも官僚の人たちはなかなか現行の政策や方針を変えようとしません。発言をする際に、怒りで声が震えてしまう市民の人たちがいるのも理解できます。

このように鬼気迫る政府とのやり取りと表裏一体となっているのが、もっと楽しい雰囲気で行われる市民の人たちとの対話です。政府を動かすための政策提言をするためには、政策提言の内容に対する市民からの支持が欠かせません。次回は、FoEが行っている市民向けセミナーやイベントの様子を紹介します。

FoEインターン・ボランティアの日常(3)

こんにちは、ボランティアの斉藤です。

みなさんは、「院内集会」や「政府交渉」とは何かご存知ですか?僕は、FoEでボランティアをするまで知りませんでした。この2つは、脱原発・エネルギーシフトに関して、FoEが政策提言をするために重要な役割を果たすものです。

実は、FoEが脱原発・エネルギーシフトに関わり始めたのは、福島原発事故以降です。事故をふまえてスタッフの間で徹底的に議論をした結果、脱原発・エネルギーシフトのチームを作ることにしたそうです。チームのリーダーには、政策提言の経験が豊富な満田さんがなりました。

まずFoEは、様々な分野で活動する市民団体や環境NGOのネットワークを作ろうと決めました。福島原発事故は、健康被害、原子力工学、エネルギー政策など、多数の領域を包括する非常に複雑な問題を人々に突きつけました。そのような複雑な問題に対応するため、FoEが事務局となって2011年4月に立ち上げたのが、eシフトという脱原発・エネルギーシフトのネットワークです。

FoEはeシフトと一緒に、市民向けのシンポジウムを開催しつつ、「院内集会」を開いてきました。院内集会とは、忙しい国会議員が出席しやすいように議員会館の中で行われる、専門家を交えたセミナーのことです。このような院内集会を開く事により、脱原発・エネルギーシフトを支持する議員の数を増やし、そのような議員を政策の面でサポートしていくことを目的としています。また、院内集会を市民にも開かれたものにすることで、国会議員に市民の声を吸い上げてもらう機会も提供します。

僕が院内集会でよくお手伝いをすることは、議員会館の入り口で通行許可証を市民の参加者の人たちに配布する仕事です。また、会場内での受付や、質疑応答のときのマイクランナーもしました。このようなお手伝いをすることで、脱原発・エネルギーシフトを巡る政策議論の最前線を垣間見ることができ、とても勉強になりました。また、どんなふうに国会議員と市民団体がやり取りをし合うのかも直接見ることができ、「政治」が身近に感じられるようになりました。みなさんも、一度ぜひ来てみて下さい。とても面白い「社会見学」になると思います。

さて次回は、参加者全員がヒートアップして、いつも時間延長してしまう「政府交渉」の白熱した様子を紹介します。
(ボランティア 斉藤)

FoEインターン・ボランティアの日常(2)

こんにちは、ボランティアの斉藤です。

さて今回は、FoEの政策提言活動がどのように行われているのか、具体的な例を挙げて紹介したいと思います。

まずは、関係省庁との協議会です。日本政府は、海外での様々な事業にお金を出しています。国際環境NGOとしての FoEの仕事は、その海外事業が持続可能なものであり、かつ地元の人々の生活に貢献しているかをチェックすることです。

例えば、日本の外務省がODA (Official Development Assistance)として金銭的な援助をしている海外での灌漑事業は、地元の人々に事業計画の充分な説明がされていなかったり、そもそも地元のニーズに見合わない部分もあったりします。また、日本政府の国際協力銀行が融資をしている海外の鉱山開発の事業は、近くの川を汚染し、地元の漁業などに悪い影響を与えている疑いもあります。

FoEのスタッフは実際に現地に行き、地元の人たちを対象にして聞き取り調査をしたり、地元のNGOと協力して、事業の環境に与える影響を調べたりします。このようなリサーチの結果をもとにして、関係省庁との協議会に臨み、事業計画の改善や見直しについて提言をしていくのです。

僕は昨年、FoEの委託研究員で普段はフィリピンに住んでいる波多江さんと一緒に、国際協力機構や国際協力銀行との協議会に出席する機会がありました。協議会の前には波多江さんが作った書類に目を通し、協議中はメモをとり、協議後は簡単な議事録を作りました。

このような協議会の見学を通して僕が学んだことの一つは、ODA関連の事業がトップダウンで行われることで、様々な弊害が生まれているということです。地元の自然環境や住民のニーズを正確に把握しないまま事業が進むことが多いので、地元の利益になるはずの事業が、逆に地元の住民の生活水準・環境に悪影響を与えてしまう。事業に関わる当事者の声をきちんと吸い上げ、民主主義の原理に基づいて事業計画を立てていくことが重要なのだと痛感しました。

さて、次回のブログでは、 FoEの脱原発・エネルギーシフト分野のエースとも言うべき満田夏花さんが登場します。僕は今までに何回か、満田さんが中心となって開催した様々な院内集会や政府交渉のお手伝いをする機会がありました。そこで僕が見たのは、福島原発事故被害の最小化と、脱原発・エネルギーシフトを求め、政府に果敢に挑んでいくFoEと他の市民団体の人たちの姿でした。